JPS6339477B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は自動二輪車の吸気装置に関する。

（発明の背景） 従来、自動二輪車において、エンジンの吸気を
過給する過給機と、過給機からの空気を一旦貯溜
して整流するサージタンクを備えるものがある。

そして、上記自動二輪車は過給機とサージタン
クとを外部に突出しない様に車体フレーム内に納
める必要があり、過給機は排気エネルギーによつ
て駆動する為、エンジン後方におけるエキゾスト
パイプに沿える部分に配設し、また、サージタン
クはシリンダ後方に設けた気化器と、上記過給機
に空気を導入するエアクリーナが収容されるサイ
ドカバーとの間に生ずるスペースに収容するとま
とまりが良い。

しかし、上記した様な配置ではサージタンクが
シリンダ後方の陰に入るので、サージタンクが効
率良く冷却されず、従つて、高温なシリンダとサ
ージタンクとの間に気化器が置かれる為、気化器
自体が過熱される問題や、サージタンクの輻射熱
によつて運転者の足が熱せられる問題を生じる。

（技術的課題） 本発明は叙上事情に鑑みてなされたものであ
り、上記配置におけるサージタンクを効率良く冷
却し、これによつて、気化器の過熱と運転者の足
への輻射熱を防止せしめることを技術的課題とす
るものである。

（技術的課題を解決する為の手段） 前記技術的課題を解決する為に、本発明の自動
二輪車は、エンジンの吸気を過給する過給機と、
この過給機からの空気を一旦貯溜して整流するサ
ージタンクを備え、略垂直なシリンダの後方に気
化器を設け、該気化器の後方に上記サージタンク
を配置し、且つ、シート下部にサイドカバーを設
け、このサイドカバーを前方に延出させて上記サ
ージタンクの側部を覆うと共に、該サイドカバー
の前方部に空気取入口を開設したものである。

（実施例） 本発明実施の一例を図面により説明すると、図
中Ａは自動二輪車の車体フレーム、ａはエンジ
ン、ｂはターボチヤージヤー（過給機）、１は燃
料タンク、２はシートである。上記車体フレーム
Ａはその構成部材としてダウンチユーブ３、メイ
ンパイプ４、タンクレール５、タンクレール５と
一体のシートピラーチユーブ６、シートレール
７、バツクステー８を備えている。エンジンａは
複数例えば４つの気筒を有した４サイクルエンジ
ンであつて、略垂直な各シリンダa′の後方部に気
化器１３を接続すると共に、同シリンダa′の前面
部には夫々エキゾーストパイプ９が接続されてい
る。

エキゾーストパイプ９はエンジンａ下部で集合
され、その集合部１０より下流側にターボチヤー
ジヤーｂが接続されている。

ターボチヤージヤーｂはエンジンａへの吸気を
過給するもので、前記集合部１０からの排気エネ
ルギーによつて駆動されるようになつている。

１１は前記ターボチヤージヤーｂに管部材１２
を介して接続されたエアクリーナであり、このエ
アクリーナ１１を介してターボチヤージヤーｂへ
大気が導入されるようになつている。

ターボチヤージヤーｂへ導入された大気はエン
ジンａへ圧送されるが、このターボチヤージヤー
ｂとエンジンａの各シリンダa′の後方に接続され
た気化器１３より上流側にはサージタンク１４が
設けられる。

サージタンク１４は金属製例えばアルミ鋳物製
であつて比較的大きな容積を有し、管部材１５，
１６を介してターボチヤージヤーｂ及び気化器１
３に接続され、ターボチヤージヤーｂから圧送さ
れる大気を一旦貯溜して整流しエンジンａの吸気
脈動に伴う吸気干渉を防止するようにする。

しかして、斯る吸気装置はターボチヤージヤー
ｂへ導入された大気が圧縮されることにより温度
が上昇して膨張するので、その大気を冷却するフ
イン１７が設けられる。

冷却フイン１７はサージタンク１４のほぼ外側
面に一体に突設され、夫々前後方向に延びてい
る。

従つて、サージタンク１４に冷却フイン１７が
設けられることによりその表面積が増大して放熱
効果が助長され、該タンク１４に走行風が当たる
ことによつてその内部の大気が効果的に冷却され
る。

また、シート２下方における車体フレームＡの
左右両側においてシートピラーチユーブ６、シー
トレール７及びバツクステー８で囲まれる空間を
サイドカバー２４にて覆う。

上記サイドカバー２４はサージタンク１４の側
面を覆う様に前方へ向けて一体に延出され、この
延出部２４ａの側面に導風ダクト２３が突出形成
され、この導風ダクト２３の前面には空気取入口
２３ａが開設されている。

即ち、サイドカバー２４の前部がサージタンク
１４の左右両側面を覆うように前方へ延長突出さ
れ、その延出部２４ａが運転者の足に対する輻射
熱を防止する遮熱板を兼用すると共に、該突出部
２４ａ外面に導風ダクト２３が設けられる。

導風ダクト２３の形態はサージタンク１４両側
の冷却フイン１７が設けられる部分とほぼ同形と
され、その空気取入口２３ａより走行風を導入す
るようになつている。

この導風ダクト２３から導入された走行風は、
該ダクト２３の後半部に対応してサイドカバー２
４側面に開口された開口部２４ｂを通つてサージ
タンク１４両側に集中して当たるようになつてい
る。

しかして、上記サイドカバー２４の導風ダクト
２３を介してサージタンク１４両側の冷却フイン
１７に走行風が集中して当たることによつて、サ
ージタンク１４を効率良く冷却することができ、
これにより、気化器１３の後方のサージタンク１
４が充分に冷却され、気化器１３の過熱を防止す
ることが可能となる。

（作用と効果） 本発明は叙上の如く、シリンダ後方部に設けら
れる気化器の後方に配置したサージタンクの側面
を前方へ延出させたサイドカバーにて覆い、該サ
イドカバー前方部に開設した空気取入口から導入
した空気で上記サージタンクを効率良く冷却する
ことによつて、気化器の過熱を防止すると共に、
運転者の足へ向けられるサージタンクの輻射熱を
サイドカバーの延出部によつて遮断することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の自動二輪車におけるエンジン
及びサイドカバー部を示す一部切欠側面図、第２
図は第１図―線に沿える拡大断面図である。 尚図中、Ａ…車体フレーム、ａ…エンジン、ｂ
…ターボチヤージヤー（過給機）、２…シート、
１４…サージタンク、１７…冷却フイン、２３…
導風ダクト、２３ａ…空気取入口、２４…サイド
カバー、２４ａ…延出部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ エンジンの吸気を過給する過給機と、この過
   給機からの空気を一旦貯溜して整流するサージタ
   ンクを備え、略垂直なシリンダの後方に気化器を
   設け、該気化器の後方に上記サージタンクを配置
   し、且つ、シート下部にサイドカバーを設け、こ
   のサイドカバーを前方に延出させて上記サージタ
   ンクの側部を覆うと共に、該サイドカバーの前方
   部に空気取入口を開設した自動二輪車。