JPS6236706Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、フエアリングを備えた自動二輪車に
おいて、同フエアリングの前部を支持するフエア
リングステーに関するものである。

自動二輪車の空力特性を向上しかつライダーに
走行に伴う走行風をできるだけ与えず乗心持を良
くするために、従来からフエアリングを設けた自
動二輪車があつた。

しかしながら、このような自動二輪車において
は、エンジンから発生した熱により車体下部で加
熱された空気は、フエアリング外に放散されずそ
のまま上昇してキヤブレターに吸入されるため、
充填効率が低く、充分な出力が得られない場合が
ある。

本考案はこのような不都合を解消した考案に係
り、その目的とする処は、フエアリングを支持す
るフエアリングステーを中空に形成し、同中空フ
エアリングステーを導風手段として低温の外気を
エンジンに供給することができる自動二輪車を供
する点にある。

以下第１図ないし第４図に図示された本考案の
一実施例について説明する。

１は競走用自動二輪車で、その車体２の中央部
に前後型水冷エンジン３が搭載され、同エンジ
ン３の前後シリンダ４の中間にキヤブレター５が
配設され、同キヤブレター５にはエアクリーナは
付設されていない。

また前方シリンダ４の下方にラジエータ６が配
設されており、前記エンジン３で加熱された冷却
水は同ラジエータ６にて冷却されるようになつて
いる。

さらに前記自動二輪車体２の前方から後下方に
向いフエアリング７が付設設され、同フエアリン
グ７のフロントカウル８に開口９が形成され、同
開口９に中空状フエアリングステー１０の前端取
付部１０ａがビス（図示されず）等にて固着され
るとともに、同フエアリングステー１０の後部取
付部１０ｂはヘツドパイプ１１のブラケツト１２
にピン１３にて固着され、同フエアリングステー
１０の後部はヘツドパイプ１１を一部跨ぐように
二叉状に形成されている。

なおフエアリング７の下部および後部は車体２
またはエンジン３等に適当な連結手段を介して連
結されている。

第１図ないし第４図に図示の実施例は前記した
ように構成されているので、競走用自動二輪車１
は走行すると、外気が前記フエアリング７のフロ
ントカウル開口９より中空状フエアリングステー
１０を介してキヤブレター５の付近に均一に導入
される。

このため、たとえ、ラジエータ６で放熱された
高温の空気が上昇してキヤブレター５の近くに達
しても前記したように中空状フエアリングステー
１０によりフエアリング７内に導入された低温の
外気により、前記高温空気が排除されまたは混合
冷却されるため、キヤブレター５からエンジン３
に吸入される吸入空気の温度が低く、エンジン３
の充填効率が向上し、その出力が増大する。

またフエアリングステー１０は前後方向に指向
して車体２の前面で開口されているため、走行に
伴う走行風が高い速度でフエアリング７内に導入
され、従来のものに比べて導入口の面積が小さく
て足り、フエアリングステー１０はコンパクトに
なる。

さらにフエアリングステー１０は中空状である
ため、その厚さを薄くしてもフエアリング７を支
持するに必要な強度および剛性を得ることがで
き、軽量化を図ることができる。

次に他の実施例として、キヤブレター１６にエ
アクリーナ２５が付設された第５図ないし第８図
に図示の自動二輪車１４について説明する。

第５図ないし第８図に図示の実施例では、フエ
アリング１７は車体１５の上半部のみ覆うように
形成され、同フエアリング１７のフロントカウル
１８に開口１９が形成され、第１図ないし第４図
に図示の実施例と同様に、中空状フエアリングス
テー２０を介してヘツドパイプ２１のブラケツト
２２にピン２３にて一体に結合されている。

またラジエータ６はフエアリング１７の直下に
配設され、同フエアリング１７の下部では、ラジ
エータ６で加熱された空気が、キヤブレター５に
導かれないように、仕切板２４が張設されてい
る。

さらにキヤブレター１６にエアクリーナ２５が
一体に付設され、同エアクリーナ２５の両側に設
けられた空気吸入ダクト２６は前方へ指向すると
ともにその先端部は互いに対向するように内側へ
彎曲され、開口されている。

なお図示されないヘツドライトは必要に応じて
フロントカウル開口１９の上方に配設されるよう
になつている。

第５図ないし第８図に図示の実施例は、第１図
ないし第４図に図示された実施例で奏せられる作
用効果の外に、下記のような作用効果が期待でき
る。

キヤブレター１６にエアクリーナ２５が付設さ
れているため、エンジン３に吸入される空気はエ
アクリーナ２５で除塵される。

またラジエータ６の上方空間は仕切板２４で仕
切られているため、中空状フエアリングステー２
０を介して導入された外気に、ラジエータ６で加
熱された空気が混合され難く、充填効率がさらに
向上する可能性がある。

このように本考案においては、フエアリングの
前部をヘツドパイプに連結するフエアリングステ
ーを中空に形成し、同中空フエアリングステーの
前端を同フエアリングの前部空間に開口させると
ともに同中空フエアリングステーの後端を前記フ
エアリング内部空間に開口させたため、温度の低
い空気をフエアリング内部空間に導入でき、フエ
アリング内部に配置されたエンジンへこの導入空
気を供給してエンジンの充填効率を高め、出力を
向上させることができる。

また本考案では、フエアリングを支持するフエ
アリングステーは中空形状であるため、軽量にも
かかわらず、必要な強度、剛性でフエアリングを
確固と保持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るフエアリングステーの一
実施例を備えた自動二輪車の側面図、第２図はそ
の要部縦断側面図、第３図は第２図の−線に
沿つて截断した縦断平面図、第４図は第２図の
−線に沿つて截断した横断面図、第５図は本考
案の他の実施例を備えた自動二輪車の側面図、第
６図はその要部縦断側面図、第７図は第６図の
−線に沿つて截断した縦断平面図、第８図は第
６図の−線に沿つて截断した横断面図であ
る。 １……競走用自動二輪車、２……車体、３……
前後Ｖ型水冷エンジン、４……シリンダ、５……
キヤブレター、６……ラジエータ、７……フエア
リング、８……フロントカウル、９……開口、１
０……フエアリングステー、１１……ヘツドパイ
プ、１２……ブラケツト、１３……ピン、１４…
…自動二輪車、１５……車体、１６……キヤブレ
ター、１７……フエアリング、１８……フロント
カウル、１９……開口、２０……フエアリングス
テー、２１……ヘツドパイプ、２２……ブラケツ
ト、２３……ピン、２４……仕切板、２５……エ
アクリーナ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フエアリングを備えた自動二輪車において、同
   フエアリングの前部をヘツドパイプに連結するフ
   エアリングステーを中空に形成し、同中空フエア
   リングステーの前端を同フエアリングの前部空間
   に開口させるとともに同中空フエアリングステー
   の後端を前記フエアリング内部空間に開口させた
   ことを特徴とする自動二輪車のフエアリングステ
   ー。