JPS6338563Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はアンテナの２方向調整機能を有するア
ンテナ支持装置の改良に関するものである。

この種の従来のアンテナ支持装置は、アンテナ
の水平面に沿つた回動を支持するのに大きな旋回
ベアリングを用いているため、重量、形状とも大
であつた。

本考案は上述の問題を解決するためのもので、
軽量かつ小形で、しかも方向調整をアンテナ背面
側の一個所で行うことのできる低コストのアンテ
ナ支持装置を提供することを目的としている。

以下、図面に関連して本考案の実施例を説明す
る。

第１図はアンテナ支持装置の要部側面図、第２
図は同平面図で、図中、１はポール、２は固定側
円板、３はスペーサ、４はスライド枠、５はアン
テナ支持部材、６および７は第１および第２の調
整機構である。

ポール１は垂直に設けられ、その上端にはフラ
ンジ８が形成されている。固定側円板２は、スペ
ーサ３を介し複数本のボルト９、ナツト１０によ
りフランジ８に固定されている。固定円板２の上
面にはピン１１（本例ではボルトを使用してい
る）が突設されているが、このピン１１は、円周
方向の複数個所の位置（本例では円周を12等分す
る位置）に選択的に植設可能である。

スライド枠４は、固定側円板２とフランジ８の
間に回動自在に挾持され、その一方の端部の両側
に１対の突出支持金具１２，１２を備えている。

アンテナ支持部材５は、第３図および第４図に
示すように、Ｌ形断面形状の材料により枠状に形
成されてなり、その両側枠１３，１３の一端部が
支持金具１２，１２によりそれぞれ水平面軸１４
を介し回動可能に支持されている。このアンテナ
支持部材５の垂直端面１５には、アンテナ１６
（第３図に鎖線で示す）が固定されている。

第１の調整機構６は、第５図に詳細を示すよう
に、スライド枠４の他端中央部１７にねじピン１
８，１８を介し水平軸１４と平行な軸の周りに回
動可能に支持される可動ナツト１９と、該可動ナ
ツト１９に螺合する第１の調整ねじ２０と、アン
テナ支持部材５の他端中央部２１にねじピン２２
を介し水平軸１４と平行な軸の周りに回動可能に
支持される可動固定金具２３と、調整ねじ２０の
頭部に固定されたハンドル２４とよりなる。調整
ねじ２０は、その先端の軸部２５が可能固定金具
２３の穴２３ａに回軸自在に嵌合するとともに、
軸部２５の穴２３より突出する部分に形成された
溝２６に装着されるＥ形止め輸２７により抜け出
しを防止されている。

この様な構成の第１の調整機構６は、アンテナ
１６をアンテナ支持部材５を介し垂直面に沿つて
回動させる調整を行うもので、その作用は次の通
りである。

すなわち、ハンドル２４を左または右回りに回
転させると、回動可能な可動ナツト１９に螺合す
る調整ねじ２０が進退し、該調整ねじ２０の軸部
２５が嵌合する回動可能な可動固定金具２３を介
しアンテナ支持部材５が駆動されて第３図の矢印
Ａ−A′方向に水平軸１４を支点として回動する。
従つて、ハンドル２４の回転量を調節することに
よりアンテナ１６の回動量を調整することができ
る。なお、調整完了時点でのアンテナ１６のロツ
クは、調整ねじ２０に螺合するロツクナツト２８
を締め付けることにより実現できる。上述のハン
ドル２４の操作時には、ロツクナツト２８をゆる
めておいて調整作業を行うことは勿論である。

第２の調整機構７は、スライド枠４の他端の一
方の側に固定されたナツト２９と、該ナツト２９
に螺合する第２の調整ねじ３０と、該調整ねじ３
０の先端の軸部３１に回動可能に嵌合し固定側円
板２に設けられたピン１１と係合する爪３２と、
調整ねじ３０の頭部に固定されたハンドル３３と
よりなる。調整ねじ３０は調整ねじ２０と同様に
Ｅ形止め輪３４により抜け出しを防止されてい
る。

この様な構成の第２の調整機構７は、アンテナ
１６をスライド枠４、アンテナ支持部材５を介し
水平面に沿つて回動させる調整を行うもので、そ
の作用は次の通りである。

すなわち、ハンドル２４と同一側にあるハンド
ル３３を左または右回りに回転させると、固定さ
れたナツト２９に螺合する調整ねじ３０が進退
し、該調整ねじ３０の軸部３１に嵌合する爪３２
がピン１１と係合しているため、スライド枠４は
アンテナ支持部材５、アンテナ１６とともに正逆
方向に回動する。この場合、例えば調整ねじ３０
に右ねじが形成されているとき、ハンドル３３を
第２図の右側から見て右回りに回転させるとスラ
イド枠４が第２図の時計方向（ナツト２９と爪３
２の間隔が広がる実線矢印線方向）に回動し、ハ
ンドル３３を逆方向に回転させるとスライド枠４
が第２図の反時計方向（ナツト２９と爪３２の間
隔が狭まる点線矢印線方向）に回動する。従つ
て、ハンドル３３の回転量を調節することにより
アンテナ１６の回動量を調整することが可能であ
る。なお、調整完了時点でのアンテナ１６のロツ
クは、調整ねじ３０に螺合するロツクナツト３５
を締め付けることにより実現できる。上述のハン
ドル３３の操作時には、ロツクナツト３５をゆる
めておいて調整作業を行うことは勿論である。ま
た、アンテナ１６を別な回転方向の位置において
調整したい場合には、一旦ピン１１を取り外して
おいてスライド枠４をアンテナ１６が所望の方向
に向くまで回動させ、前と別の位置にピン１１を
植設して調整を行う。この様にすることによつ
て、アンテナ１６の水平面に沿つた角度微調整を
あらゆる角度方向に対して行うことが可能であ
る。

第３，４図に示す４０は無線装置で、該無線装
置４０は、アンテナ支持部材５を利用して固定側
円板２の上方にコンパクトに取り付けることが可
能である。この無線装置４０はアンテナ１６の近
くにあるので、短かい導波管（フイーダ）４１に
より接続することができる。

以上述べたように、本考案によれば、次のよう
な各種の優れた効果を奏することが可能である。

(1) 水平スライド枠を回動可能に挾持し、該スラ
イド枠に、アンテナを取り付けたアンテナ支持
部材を垂直面に沿つて回動可能に支持する構成
となつており、従来の旋回ベアリング使用のも
のに比し、軽量化、小形化を図ることが可能
で、しかも安価である。

(2) 各方向の調整をアンテナ背面の略同一個所で
行うことができる。

(3) 無線装置をアンテナ支持部材にアンテナと近
接させて取り付けることも可能で、フイーダロ
ス、フイーダ捩れの問題を解決することができ
る。

(4) 固定側円板上面にピンを円周方向の複数位置
に選択的に植設するようになつており、水平面
に沿つた各方向の調整が可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るアンテナ支持装置の実施例
を示すもので、第１図は要部側面図、第２図は同
平面図、第３図はアンテナ支持部材の側面図、第
４図は同平面図、第５図は第１の調整機構の分解
斜視図である。 図中、１はポール、２は固定側円板、３はスペ
ーサ、４はスライド枠、５はアンテナ支持部材、
６は第１の調整機構、７は第２の調整機構、８は
フランジ、１１はピン、１２は支持金具、１３は
側枠、１４は水平軸、１５は垂直端面、１６はア
ンテナ、１８，２２はねじピン、１９は可動ナツ
ト、２０は第１の調整ねじ、２３は可動固定金
具、２４，３３はハンドル、２５，３１は軸部、
２６は溝、２７，３４はＥ形止め輪、２９はナツ
ト、３０は第２の調整ねじ、３２は爪、４０は無
線装置、４５は導波管（フイーダ）である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 垂直に設けられたポール、前記ポールの上端部
   にスベーサを介し固定された固定側円板、前記ス
   ペーサと前記固定側円板とにより水平面に沿つて
   回動自在に挾持されるとともに、上方に突出する
   １対の支持金具を一方の端部に備えたスライド
   枠、前記各支持金具に水平軸を介し回動自在に支
   持されるアンテナ支持部材、前記アンテナ支持部
   材の被支持側垂直端面に固定されたアンテナ、前
   記スライド枠の他方の端部と前記アンテナ支持部
   材との間に設けられ、前記アンテナ支持部材を前
   記水平軸を支点として垂直面に沿つて回動させる
   第１の調整機構、前記スライド枠の他方の端部と
   前記固定側円板の上面の円周方向の複数個の位置
   に選択的に植設されるピンとの間に設けられ、前
   記スライド枠を水平面に沿つて回動させる第２の
   調整機構、よりなることを特徴とするアンテナ支
   持機構。