JPS6338300B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ガラス容器が破裂したり、外部衝撃
によつてこわれたりするのを抑制し、かつこのよ
うな場合に破片が飛散するのを防止する方法に関
するものである。 炭酸飲料を詰めたガラスびんが内圧の増加によ
り破裂したり、各種の薬品容器が外部衝撃によつ
てこわれた場合に、破片が飛散するのを防止する
ために、ポリ塩化ビニル延伸フイルムのような熱
収縮性フイルムで容器の外側を被覆することは知
られている。 しかし、このようにガラスびん等に施した被覆
フイルムは単にフイルムの収縮力だけでガラス表
面に支持されているだけなので位置ずれを生じた
り、またフイルムにクツシヨン性がないので破び
ん防止にはほとんど効果がないという欠点があ
る。 本発明者らは、このような従来の収縮包装用被
覆材がもつ欠点を克服し使用、運搬中等に被覆材
が脱落や位置ずれすることがなく、かつ、衝撃に
対するクツシヨン性の良好な被覆を施す方法とし
て、先に、ガラス容器の外壁の少なくとも一部に
発泡性被覆層を、さらにその上に該被覆層の発泡
温度よりも低い温度で熱収縮する熱収縮性フイル
ムを施したのち、先ずこれを該熱収縮性フイルム
の熱収縮温度に加熱し、次いで該発泡性被覆層の
発泡温度まで加熱することを特徴とするガラス容
器の破裂及び飛散防止方法を提案した（特願昭55
−125186号）。 しかし、この方法では、均一な発泡被覆層を形
成できる利点がある反面、先に収縮したフイルム
が発泡性被覆層の発泡を抑制し、所望の発泡被覆
層を得るのに比較的長い時間を要する欠点があつ
た。そこで本発明者らは、所望の発泡被覆層を得
るまでの時間の短縮化を図るために鋭意研究を重
ねた結果、ガラスびんの外壁にある特定の発泡特
性を有する発泡性樹脂層を施し、さらにその上に
ある特定の収縮特性を有する熱収縮性フイルムを
施すか、あるいは上記発泡性樹脂層と熱収縮性フ
イルムとを一体化した状態で施し、加熱すること
によりその目的を達しうることを見出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、ガラス容器表面に、発泡
性樹脂層及び熱収縮性フイルムを施したのち、加
熱して先ず熱収縮性フイルムとガラス容器表面と
の間で発泡性樹脂層を発泡させ、次いで熱収縮性
フイルムを収縮させることによりガラス容器保護
用被覆を形成させるに当り、発泡性樹脂層として
130℃において20秒間加熱したときに発泡倍率２
以上を示す発泡性樹脂を用い、かつ熱収縮性フイ
ルムとして90℃において20秒間加熱したときの収
縮率が10％未満で、140℃において20秒間加熱し
たときの収縮率が10％以上の一軸又は二軸延伸フ
イルムを用いることを特徴とするガラス容器保護
用被覆形成方法を提供するものである。 本発明で用いる熱収縮性フイルムの特に好適な
例としては、ポリスチレン及びポリアクリロニト
リルの一軸又は二軸延伸フイルムが挙げられる
が、少なくとも一方向の収縮率が90℃、20秒の加
熱下で10％未満、かつ140℃、20秒の加熱下で10
％以上である収縮特性を有するものであればよ
く、好ましくは100℃、20秒で10％未満、かつ130
℃、20秒で10％以上である収縮特性を有すること
が望ましい。 収縮率が90℃、20秒の加熱下で10％以上である
場合は、発泡樹脂層の発泡を抑制するので適正な
発泡樹脂層を得るのに時間がかかり過ぎ、また
140℃、20秒の加熱下で収縮率が10％以下の場合
は、フイルムが収縮するまでに発泡性樹脂が発泡
し過ぎて均一な発泡樹脂層が得られない。 また、発泡性樹脂としては、低温加熱型のもの
であれば特に制限はなく、例えば低沸点液体発泡
剤を含浸した熱可塑性樹脂粒子の表面が気体透過
性の低い樹脂で被覆されてなるマイクロカプセル
からなるもの（米国特許第3615972号明細書、特
開昭49−32966号公報、同50−53111号公報、同51
−102191号公報、同54−153869号公報参照）や化
学的発泡剤を含むもの（特開昭54−155266号公報
参照）などが挙げられ、これらは130℃、20秒の
加熱下で発泡倍率２以上、好ましくは120℃、20
秒で倍率２以上の発泡特性を有することが望まし
い。 130℃、20秒の加熱下で発泡倍率が２以下の場
合は、フイルムと容器の外壁との間に緊密な充て
ん層が生ぜず、クツシヨン性が悪くなる。 このような発泡性樹脂として、例えば「ニユー
ダイフオーム（大日精化工業株式会社製）」、「リ
オフオームＧ（東洋インキ製造株式会社製）」、「リ
オフオームＷ（同）」などが市販されている。 本発明方法を実施するには、ガラス容器外壁の
少なくとも一部に前記の発泡性被覆材料を塗着さ
せ、その上に熱収縮性フイルムを被着させたの
ち、例えば熱風循環式トンネル型加熱装置などを
用いて加熱し、先ず発泡性被覆層を発泡させ、次
いで熱収縮性フイルムを収縮させて、フイルムと
ガラス容器外壁との間に発泡樹脂層を形成させ
る。 また、別の実施態様に従えば、あらかじめ熱収
縮性フイルムの片面に発泡性樹脂を塗布した積層
体を製造し、これをガラス容器の外壁に被着し、
前記と同様に熱収縮及び発泡を行わせる。 この複合材料を製造する場合の発泡性樹脂の塗
布は、常法により、例えばスクリーン方式、グラ
ビアロール方式、なつ染ロール方式、ロールコー
テイング方式、刷毛塗り方式などの方式を用いて
行うことができる。 本発明方法における加熱条件は、容器の大きさ
やフイルムの厚さなどによつて必ずしも一定しな
いが、通常は120〜200℃の温度で３〜40秒の範囲
内である。また容器を予熱することによつて発泡
時間を短縮することもできる。 本発明方法においては、熱収縮性フイルムに所
要の文字、記号、模様などを印刷したものを用い
ラベルと兼用させることもできるし、また着色し
た発泡性被覆材料でガラス容器外壁に所要の文
字、記号、模様などを印刷して浮き出し効果を生
ぜしむることもできる。 本発明方法によれば、クツシヨン性、防爆性、
保温性、密封性の良好な被覆が形成され、この被
覆によつて優れた破びん防止効果がもたらされ、
また文字、模様などを印刷したフイルムを用いた
場合には、美麗な装飾効果をもたらすことができ
る。 さらに本発明方法は、ガラスのような材料で作
られた容器だけでなく、ガラスに類似したもろい
材料、例えば陶器、硬質プラスチツクなどの材料
で作られた容器に対しても同様に適用することが
できる。 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
する。 実施例、比較例 熱収縮性のポリスチレン及びポリアクリロニト
リルフイルムに、130℃、20秒の加熱下で発泡倍
率３の発泡特性を有する発泡インキ（大日精化工
業(株)製、ニユーダイフオーム）を塗布したのち、
約50℃で10分間乾燥した。塗膜の厚さは0.035〜
0.04mmであつた。次にこれら発泡インキが塗布さ
れた熱収縮性フイルムを筒状となし、ガラスビン
に被覆したのち、ベルトコンベアに直立状態で載
せて140〜145℃の熱風が3.0〜3.5ｍ／秒の速度で
試料に吹きつけられる巾35cm×長さ86cm×高さ30
cmの熱風循環式トンネル内を一定の速度で20秒間
通過させ、フイルムの熱収縮と発泡層の形成を完
了させた。 このようにして被覆したガラスビンについて耐
衝撃強度を落下式破裂法で測定した。 また、比較例として本発明の範囲外の収縮特性
を有するポリプロピレン、ポリ塩化ビニル製熱収
縮性フイルムを用いる以外は実施例と全く同様に
して被覆ガラスびんを得、これについて耐衝撃強
度を測定した。さらに無被覆のガラスびんについ
ても耐衝撃強度を測定した。 これらの結果を、熱収縮性フイルムの収縮特性
とともに次表に示す。 【表】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ガラス容器表面に、発泡性樹脂層及び熱収縮
   性フイルムを施したのち、加熱して先ず熱収縮性
   フイルムとガラス容器表面との間で発泡性樹脂層
   を発泡させ、次いで熱収縮性フイルムを収縮させ
   ることによりガラス容器保護用被覆を形成させる
   に当り、発泡性樹脂層として130℃において20秒
   間加熱したときに発泡倍率２以上を示す発泡性樹
   脂を用い、かつ熱収縮性フイルムとして90℃にお
   いて20秒間加熱したときの収縮率が10％未満で、
   140℃において20秒間加熱したときの収縮率が10
   ％以上の一軸又は二軸延伸フイルムを用いること
   を特徴とするガラス容器保護用被覆形成方法。 ２ 発泡性樹脂層と熱収縮性フイルムとを積層し
   一体化してガラス容器表面に施す特許請求の範囲
   第１項記載の方法。 ３ ガラス容器表面に発泡性樹脂を塗布した上に
   熱収縮性フイルムを施す特許請求の範囲第１項記
   載の方法。