JPS6337893Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は不使用時においてベツドの下側に折
畳自在となるようなベツド用フエンスに関する。

従来、病院用ベツドや患者を運ぶためのストレ
ツチヤーは使用時にはフエンスを左右側面に上昇
させ、また不使用時やベツドから患者が降りる場
合にはフエンスをベツドの下側部に下降させたも
のがある。

しかしこの構造の従来品は不使用時等に単にフ
エンスをベツドの下側部に下降させるものである
からベツドの下側部分にフエンスが突き出る構造
で、患者が昇降する際に邪魔になることがあつ
た。しかも単にリンク機構等の支持杆を用いてフ
エンスをベツドの側面に取付けた構造であるから
フエンスを上下動させる場合に支持杆が不揃いに
回転運動するため、ベツド本体に対するフエンス
の取付高さが高低変化する欠点がある。しかも取
扱いがめんどうでリンクの各動作毎のロツク手段
に充分な配慮がなされていないから支持杆が無暗
に運動することになり安全性に欠ける欠点があ
る。

本考案は上述の如き点に鑑みてなされたもので
ありその目的とするところは、ペダルを足踏操作
するだけの簡単な取扱いでフエンスを支持する支
持杆を移動框に取付けるための軸杆の内側の他端
に前記支持杆と相対的に回転するように一直線に
固定された係合子に停止杆を係脱自在にしたこと
により、使用時にはベツドの側面にフエンスを上
昇させてその傾倒がなく支持するようになし、ま
た不使用時にはベツドの下側部にフエンスを下降
させるとともにベツドの下面にフエンスを何等、
特別な操作を要することなくそのまま水平に回動
させることにより引き込んで収容させるようにな
して患者がベツドから昇降する際に安全性を確保
するようになしたベツド用フエンスを提供するの
にある。

以下本考案を図面に示す一実施例につき説明す
る。

本実施例では基本的にフエンス１と、該フエン
ス１をベツド本体（図示せず）に対して平行して
上下方向に回転自在に軸２ａにより支持するため
の２本の支持杆２，２と、該支持杆２，２の下端
をベツド本体の枠体に接離する移動框３に対して
回転自在に取付けるために前記移動框３の軸長方
向に直交する方向に貫通した軸杆４，４と、前記
支持杆２の少なくとも１本の下端が固定された前
記軸杆４の内側の他端に前記支持杆２と一直線に
固定されてペダル５の停止杆６が係脱自在となる
溝７ａを有する係合子７とから形成される。８は
他の前記軸杆４の他端に他方の前記支持杆２に一
直線にその上端が固定された短リンクであり、９
は前記ベツド本体に対してフエンス１が傾くのを
防止するために短リンク８と少なくとも１つの前
記係合子７間に軸７ｂ，８ａにより枢着した連動
ステーである。１０は前記フエンス１を降下させ
た後に該フエンス１をベツド本体の枠体の下面に
引き込むように該フエンス１をベツド本体に対し
て水平方向に回動自在に取付ける１対のヒンジで
ある。１１は前記フエンス１の上昇時に１対の前
記支持杆２，２の傾倒を防止するとともに、前記
フエンス１を引き上げ状態から降下状態に移行さ
せる各動作を安全に行うようにしたストツパ手段
である。

またこの実施例では前記フエンス１と、２本の
前記支持杆２，２および短リンク８と係合子７
と、さらには前記連動ステー９とから略四節リン
ク構造１２を示すが、前記支持杆２，２は２本に
限らず、３本以上の複数本であつても良い。また
前記軸杆４は前記移動框３内に介装されたカラー
１３内に回動自在に貫通されている。１４は前記
短リンク８に突設された係合ピンであり、この係
合ピン１４は前記連動ステー９を押上自在であ
る。６は前記係合子７の回動を防止するためにロ
ツク手段１５の一側に突設した停止杆であり、こ
の停止杆６は前記係合子７の下縁に縦長に設けた
溝７ａ内に係合自在となる。また前記移動框３は
取付軸１６によりベツド本体の左右の枠体の下面
に回動自在に且つ上下に摺動自在に取付けられた
側面コ字状の雌ヒンジ材１７に前記移動框３の内
側に１対の前記支持杆２，２を挟むように固着さ
れた断面コ字状の雄ヒンジ材１８を軸１９により
回動自在に枢着することにより形成される。また
前記ロツク手段１５は側面Ｌ字形の係合子２０を
前記停止杆６と対応する前記移動框３の下面に固
定し、そしてこの係合子２０にはペダル５を下端
に有する昇降ロツド２１を前記係合子２０の外側
に取付けられた側面コ字形の保持枠２２内に介装
したコイルばね２３の付勢を常時上向きに受ける
ように前記保持枠２２内に挿入、保持している。
また前記停止杆６は保持枠２２の外側に突設され
て前記係合子２０に設けた溝２０ａ内に摺動自在
に係入されている。

また前記ストツパ手段１１は前記移動框３の内
側に突設されたガイド板２４に前記連動ステー９
に突設した突片２５が衝突することにより移動框
３の軸長方向の移動は規制されるが、このガイド
板２４に対して前記突片２５は垂直方向に摺動自
在である。２６は前記ガイド板２４の上端に起倒
自在に枢着された起倒片で、この起倒片２６には
ベツド本体の枠体の一側に突設したストツパ片２
７が衝突することにより移動框３の軸長方向への
移動は阻止され、また前記起倒片２６の一側に突
設したピン２８を前記連動ステー９により突き上
げることにより起倒片２６は軸２９を中心に回動
変位してベツド本体に突設した前記ストツパ片２
７の軸長方向の移動は解除され、１対の前記支持
杆２，２の回動は自由になる。３０は前記フエン
ス１に取付けられた把手である。

本考案の一実施例は上述のような構成からな
り、ベツド本体の左右両側にフエンス１を回動し
て上昇させた使用時は第１図のような状態にあ
る。そしてベツド本体に対してフエンス１の双方
又は一方を引き下げてベツド本体の下面に収容す
る不使用時にはロツク手段１５のペダル５を踏ん
で上昇を阻止した状態でコイルばね２３の付勢に
抗してフエンス１を引き上げると、フエンス１と
ともに１対の支持杆２，２および移動框３が取付
軸１６，１６に対してヒンジ１０，１０が上昇、
案内されて引き上げられるのでロツク手段１５の
停止杆６は係合子７の溝７ａを摺動して係合が解
除される。之によりフエンス１と、１対の支持杆
２，２と、短リンク８および係合子７間に枢着さ
れていた連動ステー９とから形成される四節リン
ク構造１２の剛体結合は解除されるのでベツド本
体の側面のフレームに平行配置された移動框３に
対して１対の支持杆２，２は軸杆４，４を中心に
自由に回動する。

今、フエンス１を横に移動すると、フエンス１
を支持するための支持杆２，２は第１図の矢印イ
方向に回動するため、軸杆４，４は支持杆２，２
の回動によりカラー１３，１３内を回転する。従
つてこの軸杆４，４に上端が各々固着されている
短リンク８および係合子７は前記支持杆２，２と
とも矢印ロ方向に回転する。この場合、短リンク
８と係合子７間には連動ステー９が枢着されてい
るから１対の支持杆２，２は移動框３に対して軸
杆４，４を中心に平行に回動する。従つてフエン
ス１もベツド本体に対して高低変化がなく平行移
動する。そして支持杆２，２および短リンク８と
係合子７は一方の短リンク８の係合ピン１４が連
動ステー９の下面に当接する間、１８０゜以上回
転する。そしてベツド本体の枠体（図示せず）に
取付けられている移動框３よりもフエンス１は降
下する。この間連動ステー９の内側に突設した突
片２５が移動框３の内側に対向的に設けられた平
面Ｌ字形のガイド板２４に衝突するようになるか
ら連動ステー９は第１図から第２図の状態になる
間、図面において左方向への移動框３の移動は防
止される。しかも第２図に示すようにフエンス１
が移動框３の側面下方に引き下げられた場合には
１対の短リンク８と係合子７の両端が枢着されて
いる連動ステー９によりガイド板２４に枢着され
ている起倒片２６は軸２９を中心に回動変位して
自由端側が持ち上げられるのでベツド本体の側面
に設けたストツパ片２７との衝突が解除される。
その後押圧するだけの簡単な取扱いでフエンス１
はヒンジ１０，１０の取付軸１６，１６を中心に
第３図の矢印ハ方向、すなわち水平方向に回転さ
れ、ベツド本体の枠体の下方に引き込まれて収容
される。従つてフエンス１が邪魔になることがな
いのでベツド本体から患者は楽に且つ安全に昇降
できる。

またベツド本体の枠体の下方に引き下げて収容
していたフエンスを引き上げてもとに戻すのには
取付軸１６，１６を中心にヒンジ１０，１０を介
して第３図の矢印ハにおいて前記操作とは逆方向
に移動框３を回転して枠体の下方から移動框、フ
エンス１を水平に回動して引き出して第２図の状
態にする。そして軸杆４，４を中心として１対の
支持杆２，２および短リンク８および係合子７を
回動することによりフエンス１を第２図に示す状
態から第１図に示すように移動框３の下方から引
き上げ、ベツド本体の枠体の両側にフエンス１を
引き上げるとともに係合子７の溝７ａ内に停止杆
６を係入することによつて支持杆２，２の回転を
防止し、フエンス１の傾倒を防止する。なおこの
実施例ではベツドにフエンス１を取付ける場合に
つき説明したがフエンスはストレツチヤーにも使
用できることは云うまでもない。

上述のように本考案はベツドを使用する使用時
にフエンスをベツドに平行に回転自在に支持する
複数の支持杆を移動框に取付けるための回転中心
としての少なくとも１つの軸杆の内側の他端に支
持杆と相対的に回転する係合子を一直線に固定
し、そしてこの係合子の溝内にペダルに連結され
た停止杆を係合する構造なので、フエンスが上昇
時に傾倒するのを防止して安全性を確保できる。
また患者がベツドから昇降する場合のような不使
用時にはペダルを踏んで上昇するのを規制した状
態でフエンスを引上操作するだけの簡単な取扱い
で係合子の溝から停止杆の係合を解放してフエン
スをベツド本体の下側部に複数の支持杆にて支持
することにより重量が直接、患者にかからないよ
うにして楽に回動操作することにより、単に降下
させるばかりでなく、ヒンジを介してベツド本体
に固定された移動框を何等、特別な部品操作を要
することなくフエンスをそのまま押圧するだけの
簡単な取扱いで、ヒンジを中心にフエンスを移動
框と一諸にそのまま迅速且つ確実に水平に回転さ
せてベツドの下面にフエンスを引込んで収容でき
るから、患者がベツドを昇降するのに邪魔になら
ない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案のベツド用フエンスの一実施例を
示し、第１図はフエンスを引き上げた状態の斜面
図、第２図は同じく引き下げた状態の斜面図、第
３図はフエンスをベツドの下側部に引き込んだ収
容状態を示した斜面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベツド本体の側部に平行して上下に回転自在な
   複数本の支持杆にて移動框にフエンスを昇降自在
   に支持し、前記ベツド本体の枠体に固定された取
   付軸が上下方向に摺動自在に遊挿され且つ該取付
   軸を中心に水平方向に回転自在なヒンジを介して
   前記ベツド本体の下部に前記移動框を前記フエン
   スとともに引込んで収容可能に取付け、該移動框
   の軸長方向に直交する方向に貫通した回転中心と
   しての軸杆の外側の一端に前記支持杆は固定さ
   れ、該軸杆の少なくとも１本の内側の他端には前
   記移動框の停止杆に係合する溝を有する係合子を
   前記支持杆に対して一直線に固定し、前記停止杆
   はペダルに連動して前記係合子の係合を解放自在
   にしたことを特徴とするベツド用フエンス。