JPS6336978B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車用リトラクタブルヘツドランプ
装置、特に、そのヘツドランプに取付けられたヘ
ツドランプカバーの変形防止を図つたリトラクタ
ブルヘツドランプ装置に関する。

この種の装置では、車体の前方部に設けた空所
内にヘツドランプを回動可能に配置するととも
に、このヘツドランプを、駆動装置により、前記
空所内に収容される下方位置と、該下方位置から
回動されて前記空所から突出し車体前方を照灯可
能な上方位置をとらせている。しかも、このヘツ
ドランプが車体の空所内に収容される下方位置に
ある時、空所を車体と一体感をもつて覆うヘツド
ランプカバーがヘツドランプに取付られていた。

ところが、ヘツドランプカバーはヘツドランプ
にボルト或いはビス等を用いて数箇所において取
付固定されているに過ぎず、ヘツドランプカバー
は外部荷重により変形し易い状態にあつた。これ
に加えて、ヘツドランプカバーは車体よりも形状
が小さく、このため十分な剛性が得られず、車体
では十分耐えられる外部荷重でもヘツドランプカ
バーでは変形が生じてしまうという問題があつ
た。

そこで本発明は、ヘツドランプカバーの剛性を
上げることなく、ヘツドランプカバーの変形を極
力防止することを課題とする。この課題を解決す
るために本発明で講じた技術的手段は、前述の従
来のリトラクタブルヘツドランプにおいて、ヘツ
ドランプとヘツドランプカバーの間に弾性体製の
ストツパを配置し、ヘツドランプカバーを支持し
たことにある。

この技術的手段によれば、ヘツドランプカバー
は、ヘツドランプに取付られるとともに、ヘツド
ランプとヘツドランプカバーとの間に配置された
弾性体製のストツパにより支持されている。従つ
て、ヘツドランプカバーに作用した荷重はヘツド
ランプカバーのストツパ配置箇所でも受けること
ができる。よつて、ヘツドランプカバー自体の剛
性を増すことなく、ヘツドランプカバーの変形を
防止できる。

しかも、本発明の手段では、弾性体製のストツ
パを配置したに過ぎず、これによる重量の増加
は、ヘツドランプカバーの剛性を向上させるため
板厚を増した場合に比して、きわめて少ない。よ
つて、ヘツドランプを上下動させる駆動装置（例
えばモータ）に負担をかけない。

以下図面に従つて本発明の一実施例を説明す
る。

第１図は下方位置にある（車体内に収容された
状態にある）リトラクタブルヘツドランプ２５を
示す断面図、第２図は上方位置にある（車体外に
突出し車両前方を照明する状態にある）リトラク
タブルヘツドランプ２５を示す断面図、第３図は
リトラクタブルヘツドランプ２５の組付状態を示
す分解斜視図である。又、第４図は第３図に図示
された可動ブラケツト１の背面側から見た斜視
図、第５図は弾性体製のストツパ１９を示す拡大
斜視図、第６図は弾性体製ストツパ１１９の変形
実施例を示す第３図に相当する部分斜視図であ
る。

先ず第１図に図示するように、リトラクタブル
ヘツドランプ２５は車体前部のフード２２に設け
られた空所内に回動可能に配置されている。この
リトラクタブルヘツドランプ２５は、下方位置に
ある時はフード２２の空所内に収容されるが、上
方位置にある時には第２図に図示のようにフード
２２の空所内で回動されフード２２より突出して
ヘツドランプ５が車両前方（図の左側）を照明す
る。

リトラクタブルヘツドランプ２５は、ボデイ２
０に取付られる固定側と、ヘツドランプ５を有す
る可動側とから成る。固定側には、固定ブラケツ
トを構成する、ボデイ２０への取付部を形成する
取付ブラケツト２１、該取付ブラケツト２１に溶
接等により固定されたモータ取付用ブラケツト２
及び該モータ取付用ブラケツト２に溶接固定され
たヒンジアーム３（第３図参照）がある。一方、
可動側にはモータ取付用ブラケツト２にヒンジピ
ン４により回転自在に枢支された可動ブラケツト
１があり、該可動ブラケツト１には前述のヘツド
ランプ５、前記フード２２と一体感をもつてヘツ
ドランプ５を覆うヘツドランプカバー９、及びヘ
ツドランプ５の前部周縁を縁どるヘツドランプド
ア１１が取付られている。又、可動ブラケツト１
に形成された補強部１８に取付られたゴム等の弾
性体製のストツパ１９が配置され、ヘツドランプ
カバー９のフード２２と隣接する箇所を支持す
る。

この可動ブラケツト１即ちヘツドランプ５を回
動させるように、固定ブラケツトのモータ取付用
ブラケツト２にモータ１４を固定し、このモータ
１４のシヤフトに図示せぬ減速機構を介してアー
ム２４を取付け、前記可動ブラケツト１に一端を
枢支ピン１７により枢支されたロツド１６の他端
をアーム２４に連結ピン１４ａにより枢支してい
る。モータ１４は図示しない電源を介して車室内
に配した操作スイツチ（図示せず）の開閉作動に
より駆動され、第１図・第２図に図示する位置に
アーム２４が回転移動すると自動的に回転駆動が
停止されるとともに、アーム２４を該位置に保持
する。

次に実施例の組付状態を第３図を参照しながら
説明する。

前述のように固定ブラケツトはモータ取付用ブ
ラケツト２、取付ブラケツト２１及びヒンジアー
ム３とから成り、夫々互いに溶接固定されるとと
もに、ボデイ２０にボルト２１ａ等により固着さ
れる。ランプ５等を取付けられる可動ブラケツト
１は、一対のヒンジピン４によりヒンジアーム３
及びモータ取付用ブラケツト２に枢支され、固定
ブラケツト即ち車体に対し回動可能に配置されて
いる。又、モータ取付用ブラケツト２には３個の
ウエルドナツト２ａが固着され、これらのウエル
ドナツト２ａにモータ１４の取付孔１４ｂに介挿
されたボルト１５が螺着されることにより、駆動
装置たるモータ１４がモータ取付用ブラケツト２
に取付固定されている。

一方、可動ブラケツト１にはヘツドランプ５が
装着され、可動ブラケツト１の下部及び左側辺に
夫々形成した矩形状の角穴１ａに挿入固定された
クリツプ６のネジ穴に、ヘツドランプ５に設けた
取付部５ｂの取付穴を介挿されたスクリユ７を螺
着させてヘツドランプ５を可動ブラケツト１に固
定している。更に、可動ブラケツト１には、ヘツ
ドランプ５の周縁を縁どるランプドア１１が装着
されている。ヘツドランプドア１１に設けられた
取付穴１１ａに介挿されたビス１３を、可動ブラ
ケツト１に設けた矩形状の角穴１ｄに挿入固定さ
れたクリツプ１２のネジ穴に螺着させることによ
り、ヘツドランプドア１１を可動ブラケツト１に
固定している。

しかも、可動ブラケツト１の上方にはヘツドラ
ンプカバー９が装着され、ヘツドランプカバー９
に形成された取付穴９ａにビス１０を介挿し、可
動ブラケツト１に固設したウエルドナツト１ｃに
螺着させることにより、ヘツドランプカバー９を
可動ブラケツト１に固定させている。

その上に、可動ブラケツト１の背面には、第４
図に図示するように、可動ブラケツト１の両側部
をアーチ状に結ぶ補強部１８が形成されている。
この補強部１８は、第１図・第２図に図示のよう
に、ヘツドランプカバー９の車体フード２２に隣
接する箇所の下面に沿つている。補強部１８の中
央部には先端が広がつた突起１８ａが形成され、
この突起１８ａに弾性体製のストツパ１９が係止
されている。ストツパ１９は対設するヘツドラン
プカバー９の車体フード２２に隣接する箇所の中
央部分下面を支持する。よつて、ヘツドランプカ
バー９の縁部に外部荷重が作用してもヘツドラン
プカバー９の変形が防止される。

ストツパ１９は、第５図に示すように、可動ブ
ラケツト１に設けられたアーチ状の補強部１８の
中央部と、ヘツドランプカバー９の下面との間に
配置されて、ヘツドランプカバー９を支持する略
矩形状を呈した本体部１９ａと、この本体部１９
ａの端部から下側に延在された取付部１９ｂとか
ら成る。この取付部１９ｂには可動ブラケツト１
の補強部１８に設けられた突起１８ａと嵌合する
貫通溝１９ｃが形成されている。

可動ブラケツト１即ちヘツドランプ５の駆動装
置たるモータ１４には、そのシヤフトにウオーム
ギヤ等の減速機構（図示せず）を介してシヤフト
の回転が伝達されるアーム２４が取付られてい
る。アーム２４の一端にアーム２４の回転変移を
伝達するロツド１６の一端が連結ピン１４ａをも
つて枢支されている。ロツド１６の他端は、その
貫通孔１６ａが可動ブラケツト１の側部に植設さ
れた枢支ピン１７に圧入嵌合され回転自在にされ
ている。尚、モータ１４は、コネクタ２３を介し
て電源に電気的に接続される。

又、第６図に図示するようにストツパの変形実
施例がある。つまり、可動ブラケツト１の補強部
１１８の中央部に貫通孔１１８ａを穿設し、この
貫通孔１１８ａにゴム等の弾性体製のストツパ１
１９を挿入固定するようにするものである。スト
ツパ１１９は略円柱状を呈しており、補強部１１
８の貫通孔１１８ａの周縁を挾持する一対のフラ
ンジ部１１９ａ，１１９ｂが形成されている。フ
ランジ部１１９ｂが補強部１１８とヘツドランプ
カバー９の間に配置され、ヘツドランプカバー９
を支持する。

次に本発明によるリトラクタブルヘツドランプ
２５の作用を説明する。

第１図に図示のごとく、通常車体前方部のフー
ド２２の室所内に収容される下方位置にあるヘツ
ドランプ５は、図示しない車室内の操作スイツチ
を操作することによりモータ１４が回動駆動して
アーム２４を図示時計回り方向に回転させるの
で、ロツド１６を介して、可動ブラケツト１が固
定ブラケツトに対してヒンジピン４回りに図示時
計回り方向に回動される。アーム２４が第２図に
図示する位置まで回転すると、モータ１４と電源
との電気的接続が自動的に断たれるので、可動ブ
ラケツト１の回転が停止される。従つて、可動ブ
ラケツト１に取付られたヘツドランプ５がフード
２２の空間内から突出する上方位置となつて、車
両の前方を照明する（第２図参照）。

この上方位置にある時、操作スイツチをもとに
戻すと、モータ１４が前述の同一方向に回転駆動
される。従つて、可動ブラケツト１がヒンジピン
４の回り反時計回り方向に回転する。アーム２４
が第１図に示される位置まで回転すると、モータ
１４と電源との電気的接続が断たれるので可動ブ
ラケツト１は停止する。よつて、ヘツドランプ５
は再びフード２２の空所内に収容される下方位置
となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるリトラクタブルヘツドラ
ンプの一実施例の下方位置にある状態を示す断面
図、第２図はリトラクタブルヘツドランプが上方
位置にある状態を示す断面図、第３図はリトラク
タブルヘツドランプの組付状態を示す分解斜視
図、第４図は第３図に図示されている可動ブラケ
ツト１の背面側を示す斜視図、第５図は第４図に
示されているストツパ１９を示す拡大斜視図、第
６図はストツパの変形実施例を示す第４図に相当
する部分斜視図である。 ５……ヘツドランプ、９……ヘツドランプカバ
ー、１４……駆動装置（モータ）、１９……スト
ツパ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車体の前方部に設けた空所内に回動可能に配
   置されたヘツドランプを、駆動装置により、前記
   空所内に収容される下方位置と該下方位置から回
   動されて前記空所から突出し車体前方を照灯可能
   な上方位置をとらせるとともに、前記ヘツドラン
   プが前記下方位置にある時前記車体の空所を前記
   車体と一体感をもつて覆うヘツドランプカバーを
   前記ヘツドランプに取付けられて成る自動車用リ
   トラクタブルヘツドランプにおいて、前記ヘツド
   ランプと前記ヘツドランプカバーとの間に弾性体
   製のストツパを配置し、前記ヘツドランプカバー
   を支持した自動車用リトラクタブルヘツドラン
   プ。