JPS6336893Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電気機器をレール（DINレール）に
取付ける技術に関する。

先ず、従来技術について説明する。

実公昭54−10455号公報に開示されているもの
は、電気機器にスライド自在に装着した摺動子の
脱落防止を摺動子付勢用のコイルばねで行つてい
たが、コイルばねは摺動子と電気機器との間に嵌
められているだけであるので外れ易く、コイルば
ねが外れると摺動子を脱落し易いという問題があ
る。

特開昭55−98420号公報に開示されているもの
は、摺動子のスライド方向に対して直角に設けら
れた引掛片により摺動子の脱落防止を行つていた
が、電気機器を何かにぶつけて摺動子にスライド
方向の力が加わつた場合、引掛片に衝撃が加わつ
て破損し易く、引掛片が破損すると摺動子がコイ
ルばねの力によつて飛び出し、又、コイルばねは
摺動子と電気機器との間に隠すように納められる
ので組立てにくいという問題があつた。

本考案は叙上の従来例の欠点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは突片により
摺動子の脱落を防止でき、ピンによりコイルばね
の脱落を防止でき、又、コイルばねは摺動子の透
孔内に納められ、ピンが可撓性を有しているので
突起を突起通過溝を通過させて簡単に組立てるこ
とができ、しかも、組立て後はピン同志が当接す
ることによつて摺動子の脱落を防止できる電気機
器の取付装置を提供するにある。

以下、本考案を添付図により詳述する。

３は分電盤等に配線されている金属製の給電用
レール（DINレール）であり、両側縁には夫々
係止縁５が設けられている。

１は回路遮断器等の電気機器であり、その取付
面２にはレール３納入用の凹溝４が形成され、凹
溝４の一方側壁にレール３の一方の係止縁５を嵌
入するための係止溝６を凹溝４と平行に穿設し、
凹溝４の他方側壁部において取付面２に凹溝４と
直角方向のガイド溝７を設けてガイド溝７内に摺
動子８をスライド自在に納めてある。摺動子８の
中央部と後端部には長孔状の透孔９と操作用孔１
６とが開口されており、ガイド溝７の底面に立設
したばね受け片１０を透孔９内へ突出させ、ばね
受け片１０と透孔９の先端側内面との間にコイル
ばね１１を介装して摺動子８の先端部を凹溝４内
へ突出付勢し、摺動子８の先端部にレール３の他
方の係止縁５に係合するための両面傾斜した係合
部１２が設けられている。しかして、レール３の
一方の係止縁５を係止溝６内に差込み、他方の係
止縁５を摺動子８の係合部１２に押付ければ摺動
子８が一旦引込んで係止縁５に引掛かり、電気機
器１がレール３に取付けられるのである。逆に、
レール３から外すには操作用孔１６を用いて摺動
子８を引けばよい。又、ガイド溝７の両開口縁よ
り摺動子８表面へ向けて摺動子８の脱落を防止
し、スライドのみ行なえるようにするための突片
１３を突出させ、摺動子８を凹溝４から引込めた
状態で突片１３と対応させて摺動子８両側面に組
立て用の突片通過溝１４を穿設し、摺動子８の透
孔９内周面及びばね受け片１０より夫々可撓性を
有するピン１５をコイルばね１１内へ突出させて
コイルばね１１が抜け落ちないようにしてあり、
更に摺動子８を引込めた場合には突片１３と突片
通過溝１４とが合致する前にピン１５の先端同志
が当接して摺動子８がそれ以上後退できないよう
にしており、したがつて何かがぶつかつたりして
も摺動子８がガイド溝７から外れることがないの
である。摺動子８をガイド溝７内に組込むには、
突片通過溝１４と突片１３とを合せて摺動子８を
ガイド溝７内に押込むと、摺動子８のピン１５と
ばね受け片１０とが互いに干渉して撓み、この後
摺動子８を先端側へスライドさせると両ピン１５
が再びもとへ戻り、ピン１５の先端同志が当接す
ることで摺動子８が再び分解されるのを防止して
いる。

本考案は叙述の如くガイド溝の両開口縁より摺
動子表面へ向けて突片を突出させてあるからスラ
イド自在な摺動子の脱落を防止でき、コイルばね
を透孔とばね受け片との間に介在しているからコ
イルばねを簡単に組込むことができ、しかもコイ
ルばね内へピンを突出させてあるのでコイルばね
の脱落を防止できるという利点がある。又、摺動
子を凹溝から引込めた状態で突片と対応させて摺
動子両側面に組立て用の突片通過溝を穿設してあ
り、ピンに可撓性をもたせてあるので、ピンを撓
ませて簡単に摺動子を組込むことができ、しかも
突片と突片通過溝とが合致する前にピンの先端同
志が当接するので、突片が突片通過溝を逆に通過
することによつて摺動子が外れることがないとい
う利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す一部破断した
正面図、第２図乃至第４図は同上の電気機器の摺
動子部分を示す平面図、断面図及び分解斜視図で
ある。 １……電気機器、２……取付面、３……レー
ル、４……凹溝、５……係止縁、６……係止溝、
７……ガイド溝、８……摺動子、９……透孔、１
０……ばね受け片、１１……コイルばね、１２…
…係合部、１３……突片、１４……突片通過溝、
１５……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電気機器の取付面にレール納入用の凹溝を形成
   し、凹溝の一方側壁にレールの一方係止縁を嵌入
   するための係止溝を凹溝と平行に穿設し、凹溝の
   他方側壁部に凹溝と直角方向のガイド溝を設けて
   ガイド溝内にスライド自在に摺動子を納め、摺動
   子に開口した透孔内へガイド溝内面からばね受け
   片を突出させ、ばね受け片と透孔内周面との間に
   コイルばねを介装して摺動子を凹溝内へ突出付勢
   し、摺動子の先端部にレールの他方係止縁に係合
   するための係合部を設け、ガイド溝の両開口縁よ
   り摺動子表面へ向けて摺動子の脱落を防止するた
   めの突片を突出させ、摺動子を凹溝から引込めた
   状態で突片と対応させて摺動子両側面に組立て用
   の突片通過溝を穿設し、摺動子の透孔内周面及び
   ばね受け片より夫々少なくとも一方が可撓性を有
   するピンをコイルばね内へ突出させ、摺動子を引
   込めた場合に突片と突片通過溝とが合致する前に
   上記両ピンの先端同志が当接するようにして成る
   電気機器の取付装置。