JPS6336780A - 新規なプルラン分解酵素およびその製法 - Google Patents

新規なプルラン分解酵素およびその製法

Info

Publication number
JPS6336780A
JPS6336780A JP18065086A JP18065086A JPS6336780A JP S6336780 A JPS6336780 A JP S6336780A JP 18065086 A JP18065086 A JP 18065086A JP 18065086 A JP18065086 A JP 18065086A JP S6336780 A JPS6336780 A JP S6336780A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pullulanase
minutes
enzyme
range
stable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP18065086A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0119878B2 (ja
Inventor
Nobuyuki Nakamura
信之 中村
Koki Horikoshi
弘毅 掘越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Research Development Corp of Japan
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Research Development Corp of Japan filed Critical Research Development Corp of Japan
Priority to JP18065086A priority Critical patent/JPS6336780A/ja
Publication of JPS6336780A publication Critical patent/JPS6336780A/ja
Publication of JPH0119878B2 publication Critical patent/JPH0119878B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規なプルラナーゼ並びにその製造法に関する
。更に詳しくは、新規なサーマス(Thermus)属
に属する好熱性微生物を培養して得られる新規な耐熱性
プルラナーゼおよびその製造法に関する。
従来の技術 プルラナーゼは、ペングー(Bender)らにより、
プルラリャ・プルランの生産する多糖類プルランを加水
分解する酵素として、微生物:エーロバクク−−x−ロ
ゲネス(八erobacter、 aerogenes
) lこおいてはじめて見出されたものである〔バイオ
シミ力 エ バイオフィジヵ アクタ(Biochim
、  Biophys。
Acta)、 36.309 (1959)、特公昭4
6−7559などを参照のこと〕。その後、この酵素は
、アミロペクチンのα−1,6−グルコシド結合を加水
分解し、β−アミラーゼとの併用により、デンプンから
マルトースを収量よく生産することから注目され、現在
では同種の酵素が種々の微生物により生産されることが
知られている。
この種の酵素はプルラナーゼ、イソアミラーゼなど種々
の名称で呼ばれているが、総称してα−1,6−グルコ
シダーゼと言われている。例えば、エシェリヒア・イン
ターメディアのイソアミラーゼ(Escherichi
a 1nter+nedia ;アプライド マイクロ
バイオロジー(Applied Microbiol、
)、  15.492(1967)) 、ストレプトコ
ッカス・ミテイスのプルラナーゼ(Streptoco
ccus m1tis  ; )4イオケミカル ジャ
ーナル(Biochem、 J、)、皿33. (19
68) :l、ストレプトマイセス属(Strepto
myces −sp、 )  No、28のイソアミラ
ーゼ〔ジャーナル オブ ザ ファーメンテ−ジョン 
テクノロジー(J、Ferment。
Tech、)、 49.552 (1971)] 、バ
チルス属のプルラナーゼ 〔アグリカルチュラル&バイ
オロジカルケミス) ’J −(Agric、Bial
、 Che+++、)、40. 1515(1976)
 ;スターチ(Starch)、34.340 (19
g2)等〕などが報告されている。
最近、プルラナーゼやイソアミラーゼなどのα−1,6
−グルコシダーゼは、デンプンからグルコニスを製造し
たり、またデンプンからマルトース、マルトトリオース
、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘ
キサオースなどのマルトオリゴ糖を生産する際に、これ
ら糖の堆収に有効であることが認められている。
しかるに、従来知られているプルラナーゼやイソアミラ
ーゼなどのα−1,6−グルコシダーゼは、熱安定性に
劣り、また多くはその最適温度が45〜50℃程度でし
かなかった。
発明が解決しようとする問題点 一般に、澱粉糖の生産は、50℃以上の高温で、かつp
H4,5〜6.0の弱酸性条件下で行われているが、6
0℃以下の反応温度では反応槽中の微生物汚染による反
応pHの低下を防止することは出来ず、また汚染による
p’H低下を補償するために多量の水酸化ナトリウムや
水酸化カルシウムなどのアルカリ試薬をpH調整の目的
で添加しなければならなかった。このため、生産物の脱
塩・精製のために後処理が必要となるばかりか、多大の
費用が必要となる。従って、このような微生物汚染を防
止するためには60℃以上、好ましくは65〜75℃に
酵素反応の最適温度を有し、同時にpH低下を調整する
ためのアルカリ剤の添加量を低減するために反応の至適
pHを中性〜弱アルカリ性に有する酵素が求められてい
る。
一方、バチルス ステアロサーモフィルス(B。
Stearothermophilus)やクロストリ
ジウム サーモハイドロサルnxリカム(CI、 th
ermohydrosul−furicum)のα−1
,6−グルコシダーゼは65〜67.5℃および85℃
に至適温度を有しており、工業的意味において優れた特
性を有していると考えられるが、酵素の生産性や培養の
困難さのために実用的とは言えなかった。
このような情況の下で、高い(70℃前後の)酵素反応
の至適作用温度を有し、しかも弱酸性〜弱アルカリ性領
域に安定pH範囲を有するα−1,6−グルコシダーゼ
の開発が強く要求されている。
また、このような酵素を開発することによって、デンプ
ンからのグルコース、マルトースあるいはマルトオリゴ
糖の製造を安価かつ高い生産性で実施することが可能と
なる。
従って、本発明の第1の目的は上記要件を満足する新規
なプルラナーゼを提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、上記新規プルラナーゼを簡
単かつ高収率で製造することを可能とする、新規な微生
物を用いた方法を提供することにある。
問題点を解決するための手段 そこで、本発明者らは培養が容易であり、酵素反応の至
適温度が70℃前後であり、かつ弱酸性側に至適pi(
を有する、温度安定性に優れたα−1゜6−グルコシダ
ーゼを生産する微生物を得るべく鋭意検索した結果、温
泉の高温土壌中から採取された好熱性細菌であるサーマ
ス(Thernus)属に属する新規微生物が上記目的
を達成する上で極めて有用であり、これを好気的に培養
することにより、培養物中に上記要件を満足する新規プ
ルラナーゼが高収率で生成蓄積されることを見出し、本
発明を完成したものである。
すなわち、本発明はまず新規耐熱性プルラナーゼを提供
するものであり、これは以下のような理化学的緒特性を
有している。
(イ)作用 アミロペクチン、グリコーゲン、デンプンおよびそれら
の部分加水分解物中のα−1,6−グルコピラノシド結
合からなる枝分れ構造を特異的に加水分解し、α−1,
4−グルコピラノシド結合からなる直鎖状オリゴ糖を生
成し、また、プルラン中のα−1,6−グルコピラノシ
ド結合を加水分解してマルトトリオースを生成する。
(ロ)基質的異性 α−1,6−グルコピラノシド結合で分枝した枝分れ糖
のうち、マルトース以上の重合度を有する枝分れ構造を
加水分解する。
(ハ)至適pHおよび安定pH範囲 至適pHは5.5〜6.0であり、50℃、30分間の
加熱条件下ではpH5〜9の範囲内で安定である。
(ニ)温度に対する安定性 pH6,0,30分間の処理では60℃まで安定である
(ホ)作用適温の範囲 70℃近傍に至適作用温度を有する。
(へ)失活条件 50℃、30分間の処理条件ではpH4および11で完
全に失活し、また、pH6.0.30分間の処理では8
0℃で完全に失活する。
(ト)阻害および活性化 銅、水銀、亜鉛およびEDTA (エチレンジアミンテ
トラアセテート)で阻害され、カルシウムで安定化され
る。
(チ)ゲル濾過法による分子量 128、000±5.000゜ また、本発明は上記の新規耐熱性プルラナーゼの製法に
も係り、該プルラナーゼはサーマス属に属する微生物を
好気的に培養することにより、該酵素を培養液中に細胞
吸着型および菌体外分泌型酵素として生成蓄積せしめ、
これを分離・精製することを特徴とする方法によって得
ることができる。
本発明の方法において使用する新規耐熱性プルラナーゼ
生産菌株はいずれも本発明者等により新たに自然界から
検索・単離されたものである。これらの菌株をバージニ
ーズ・マニュアル・オブ・システマティック・バクテリ
オロジ−(Bergey’ sMannual of、
 Systematic Bacterio、1ogy
) 、第1巻に従って同定すると、いずれも好気性無胞
子桿菌であり、運動性がなく、ダラム染色陰性であり3
6℃以下および75℃以上では生育できず、生育の最適
温度が65℃前後であることからサーマス(Therm
us)属に属すると考えられた。
しかしながら、これまでにこのサーマス属に属する微生
物の中でプルラナゼを菌体外生産するものは知られてい
ないので、本発明の耐熱性プルナラーゼ生産菌株は新規
なものであると考えた。
以下の第1表に単離した三種の耐熱性プルラナーゼ生産
菌の菌学的諸性質を示す。
なお、上記菌は工業技術院微生物工業技術研究所に夫々
、FIERM P−8881(AMD−6) 、FER
M P−8882(八M O−22) およびFERM
 P−8883(AMD−28)として寄託している。
本発明の新規な耐熱性プルラナーゼの製造法につきさら
に詳しく説明する。
上記のような耐熱性プルラナーゼ生産菌を適当な培地に
接種し、その生育温度の観点から37〜74℃、好まし
くは55〜65℃にて48〜96時間、好気的に培養す
ることにより培養液中に細胞吸着型および菌体外分泌型
酵素として該プルラナーゼが生成蓄積される。
本発明に用いられる培地は安価に入手し得る公知の各種
材料を使用することができる。例えば、窒素源としては
、コーン・ステイープ・リカー、ポリペプトン、大豆粕
、フスマ、肉エキス、酵母エキス、硫酸アンモニウム、
酢酸アンモニウム、尿素、アミノ酸液、などであり、炭
素源としては水飴、マルトース、各種デンプン、可溶性
デンプン、デンプン液化液、デキストリン、プルランな
どである。
また、これらの炭素源や窒素源の他に各種の塩、例えば
マグネシウム塩、カリウム塩、リン酸塩、鉄塩等の無機
塩や各種ビタミン類を必要により添加する。
本発明の上記方法において使用するのに適した培地は、
例えば1%プルラン、1%大豆粕、0.1%に、HPO
,,0,04%Mg5O<・7H20を含有する液体培
地である。
また、本発明の方法で使用する微生物の生育pHは弱酸
から弱塩基性の範囲内であるので、適当なpH調整剤を
用いて培地のpHを調整する必要がある。
そのために種々の緩衝液を用いることができるが、0.
2〜1%程度の炭酸カルシウムを用いることが特に便利
である。
既に述べたように、本発明において有用な新規微生物は
細胞吸着型の酵素および菌体外分泌型の酵素を産生ずる
。これらは夫々以下のような操作に従って分離・精製す
ることができる。
即ち、上記のような組成の培地中で、上記条件下で培養
した後、培養液から菌体外分泌型酵素を、また菌体から
細胞吸着型酵素を夫々回収する。培養土浦中に蓄積され
る菌体外分泌型酵素は、遠心分離により菌体を除去した
後に得られる粗酵素液の形で、また、細胞吸着型酵素は
遠心分離により得た菌体自体を用いることが経済的に有
利であるが、これをさらに精製して使用することもでき
る。
そのために、例えば硫安等による塩析、エタノーノペア
セトン、イソプロパツール等による溶媒沈殿法、限外濾
過法、ゲル濾過法、イオン交換樹脂等による一般的な酵
素精製法により精製することができる。
以下に、本発明のプルラナーゼの好ましい精製法の1例
につき更に詳しく説明する。
好熱性細菌サーマス属に属する例えばAMD−28菌株
を1%プルラン、1%大豆粕、0.1%に28P○1.
0.04%MgSO4・7H20,0,25%炭酸カル
シウムを含む培地に植菌し、60℃にて72時間、通気
歯IV、V1m、25Or、p、m、で好気的に培養し
て得られる培養液を10.00Or、 p、 m、、4
℃にて連続遠心して菌体を除き、約51!の上澄液を得
る。次いで、該上澄液に固形硫酸アンモニウムを添加し
、80%飽和とし、4℃で一夜放置する。生じた沈澱を
濾過により集め、10mM !Jン酸緩衝液(pH7,
0)に溶解させた後、同緩衝液に対して一夜4℃で透析
する。透析、により生じる沈澱は遠心分離により除き、
得られる上澄液を10mM !Jン酸緩衝液(p)IT
、0)で平衡化したDEAE−セルロースカラムに吸着
させ、0〜0.8MのNaC1を含む上記と同様な緩衝
液の濃度勾配法によって酵素を溶出させる。溶出した活
性画分を集め平均分画分子量30.000の限外濾過膜
を用いて濃縮した後、0.’1M食塩を含む上記同様の
リン酸緩衝液を用いて一夜透析する。次いで、該透析酵
素を同様に0.1M食塩を含む上記リン酸緩衝液で平衡
化したセファクリルS−200カラムに充填し、0.1
M食塩を含む同緩衝液で溶出する。
活性画分を集め限外濾過膜を用いて濃縮した後、ショデ
ックス(Shodex) WS−2003カラムを用い
る高速液体クロマトグラフ法にて再度クロマトグラフィ
ーに付して活性画分を集める。かくして得られるl’+
W y酵素はポリアクリルアミドゲルディスク電気泳動
くゲル濃度7.5%)的に単一であり、活性収率は約2
1%であった。なお、本発明の方法において有用なへM
O−6菌株およびAMD−22菌株のプルラナーゼにつ
いても同様な方法で精製可能である。
さらに、細胞吸着型酵素は、例えばトライトン(Tr 
i ton) X−100あるいはドデシル硫酸ナトリ
ウム(SO3>などの界面活性剤で菌体を洗浄すること
により容易に溶離するので遠心分離により集菌した菌体
を0,05〜0,5(%)程度の該界面活性剤で処理し
た後、遠心分離して得られる上清から上記と同様な方法
により精製できる。
勿論、培養液の遠心分離処理前に、培養液中に上記のよ
うな界面活性剤を添加して、予め細胞吸着型酵素を培養
液中に溶離させ、次いで上記の精製・分離操作を行って
、これら両者を同時に回収することも可能である。
なお、上記方法により得られる細胞吸着型酵素と菌体外
分泌型酵素の理化学的性質は、はぼ同一である。
更に、プルラナーゼの活性測定法並びに活性表示法は以
下の通りである。
即ち、0.1Mのリン酸緩衝液(pH6,0)に溶解さ
せた3%(W/V)のプルラン溶液Q、3mlに酵素液
0.05m1を混合し、60℃で30分間反応させた後
、DNS試液〔ジエイ、アール、サマー、ジー、イー、
ソマーズ、″ラボラトリ−イクスベリメンツ インバイ
オロジカル ケミストリー”、アカデミツクプレス、ニ
ューヨーク(J、R,Summer、  G、  ε、
Somers、”Laboratory  εxper
iments in Biological Chem
istry、”Academic Press、  N
ew York)、3435頁、  1944年〕1m
lを加えて反応を止める。ついで、沸騰水溶中で5分間
加熱した後急冷し、3mlの水を加えて十分に攪拌する
。同様に処理した0、 35m1の0.5mg /ml
グルコース溶液を標準とし、その着色度をクレトーサマ
ーソ7 (Klett−3%mmerson)型光電比
色計フィルターNo、52を用いて測定する。酵素活性
の単位は前述の条件下で1分間に1μmoleのマルト
トリオース生成に相当する還元力を有する酵素量を1単
位とした。
本発明の方法によって得られる耐熱性プルラナーゼの理
化学的、酵素化学的諸性質と従来公知の微生物由来のα
−1,6−グルコシダーゼとの比較を第2表に示す。
作用 プルラナーゼはアミロペクチンのα−1,6−グルコシ
ド結合を加水分解し、またβ−アミラーゼと併用した場
合にはデンプンからマルトースを高収率で生産できる。
このマルトースは澱粉糖の一種で麦芽糖とも呼ばれ、一
般に甘味剤、栄養剤などとして有用なものである。
この澱粉糖の生成反応は、低温かつ弱酸性条件下で実施
された場合、既に述べたような微生物汚染に起因する様
々な悪影響を受けることが知られている。そこで、この
澱粉の酵素加水分解反応をできるだけ高温条件下で行い
、また中性〜弱酸性側のpH条件下で実施することが望
ましいとされている。
しかしながら、これまでに単離されたα−1゜6−グル
コシダーゼは熱安定性に劣り、殆どが45〜50℃程度
の至適温度を示すにすぎなかった。更に、一部高温領域
に至適温度を有するものも知られているが、酵素の生産
性が悪い、該酵素産生微生物の培養が困難である等の欠
点を有しており、高価であり、大規模使用ができないな
ど工業的観点から十分満足できるものではなかった。
しかしながら、このような澱粉の酵素分解反応に係る諸
問題点は、本発明によるプルラナーゼ並びにその製法に
よちてほぼ解決される。即ち、まず本発明のプルラナー
ゼは約70℃に酵素反応の至適温度を有しており、また
至適pHも弱酸性〜中性領域にある。従って、澱粉の酵
素分解反応を高温でしかも中性領域近傍で実施すること
が可能となる。この事実は、微生物汚染を確実に防止す
ることを保証し、また汚染に基<pH低下を補償する目
的でアルカリ試薬を添加する必要もなくなり、コストパ
ーフォーマンスにおける大巾な改善が期待できる。更に
、高温での反応が可能なことから反応速度の改善が期待
でき、これは分解生成物の量産性を保証する。
一方、該プルラナーゼの製法の観点からしても、本発明
で使用する新規微生物においては、菌体(細胞吸着型酵
素)および培養液中(菌体外分泌型酵素)の両者から有
用なα−1,6−ゲリコシダーゼを単離することができ
る。従って、収率が高く、培養操作も簡単であり、特に
菌体外分泌型酵素の場合には精製・分離操作が簡単であ
り、酵素の製法としては極めて有利である。尚、細胞吸
着型酵素においても、界面活性剤の使用により菌体から
容易に溶離でき、その後は菌体外分泌型酵素と同様に精
製・分離できる。
かくして、本発明の方法によれば澱粉の酵素分解のため
に有用なプルラナーゼを安価かつ大量に供給でき、また
かくして得られる酵素により工業的に大規模な澱粉糖の
生成を有利に実施できる。
実施例 以下、実施例に従って本発明の新規耐熱性プルラナーゼ
並びにその製造方法につき更に具体的に説明する。
しかしながら、本発明の範囲は以下の実施例によって何
等制限されるものではない。
実施例1 好熱性細菌サーマスNo、 AMD−6(Thermu
s SIN、  N。
AMD−6: FεRM P−8881)菌株を500
m1容の三角フラスコ中のプルラン1%、大豆粕1%、
K2 HP 040.1%、MgSO4・7 H2O0
,04%およびCaCO30,25%を含む培地(pH
7,0) 100m1に植菌し、70℃で30時間20
Or、 p、 m、で回転振とう培養した後、トリドア
 (Triton)X−100を0.4%添加し、37
℃で20時間、20Or、 p、 m、で回転振とうし
て細胞吸着型酵素を細胞表層から溶離抽出した。ついで
12.000 g 。
4℃で30分間遠心分離して菌体を除き、9.2単位/
mlの粗酵素液89m1を得た。尚、酵素の活性単位は
上記方法によって測定した(以下同様)。
実施例2 好熱性細菌サーマスNo、 AMD−22(Therm
us sp、No。
AMD−22: FORM P−8882)菌株を50
0m1容の三角フラスコ中の可溶性デンプン1%、コー
ンステイープリカー4%、酵母エキス0.2%、K2H
P0゜0.1%、MgSO4・7H200,02%を含
む培地(pH6) 100 mlに植菌し、50℃で7
2時間、20Or、 p、 m。
で回転振とう培養した。培養液を12.000 g、4
℃で30分間遠心分離して得られる培養上清93m1中
には3.5単位/mlの菌体外分泌型プルラナーゼが含
まれていた。さらに遠心分離により得られる菌体を、0
.1%(W/V)のSDSを含む25m1の50mM燐
酸緩衝液 (pH7,0)に懸濁させ、30℃で18時
間、200r、 p、 m、で回転振とう抽出した後、
12.000g、 4℃で30分間遠心分離した。得ら
れる上清22m1中には31.2単位/mlの細胞吸着
型プルラナーゼが含まれていた。
実施例3 好熱性細菌サーマスNO,へMO−28(Thermu
s sp、 AMD−28二F踵M  F?−8883
)菌株を101容のジャーファーメンタ−中のプルラン
1%、ゼラチン1.5%、大豆粕0.5%、K2 HP
 040.1%、Mg5O<・78200.03%、C
aC1z 0.005%、Fe50<・7H200゜0
03%を含む培地(pH7)6βに、予め、実施例1で
述べた培地を用いてNo、 AMD−28菌株を60℃
で18時間前培養して得られる種菌液180m1を添加
し、60℃で250r、p、m、  、通気量I V、
 V、 m。
で72時間通気攪拌培養した。培養終了後、温度を37
℃に下げ、5DSO,,1%(W/V)を添加して、更
に18時間攪拌した。ついで、10.000r、 po
ml、4℃で連続遠心して菌体を除いた後、平均分画分
子量30、000の限外濾過膜を用いて約10倍に濃縮
した。
ついで、該濃縮液に固型硫酸アンモニウムを80%飽和
まで添加し、4℃で一夜放置した。本操作により生じた
沈殿を濾過により集め、減圧下、室温で乾燥して3.5
gの162.000単位/gのプルラン分解活性をもつ
粗酵素粉末を得た。
発明の効果 以上詳しく述べたように、本発明によれば高温度域(7
0℃前後)に酵素反応の至適温度を有し、しかも弱酸性
〜弱塩基性領域に安定pH範囲を有するα−1,6−グ
ルコシダーゼが提供され、このものはその前記諸特性に
基き、澱粉の酵素分解反応の収率、効率を大巾に改善す
ることを可能とする。しかも、余分な試薬の必要性を排
除し、脱塩などの後処理をも不要とするので工程の経済
性も著しく向上する。
更に、本発明の方法によれば、使用する新規微生物が菌
体並びに培養液両者に上記の優れた諸特性を有するα−
1,6−グルコシダーゼを簡単な工程で、しかも高収率
で得ることを可能とすることから酵素自体のコストを著
しく低減する。
かくして、本発明は安価かつ大規模での澱粉糖の製造を
可能とするので工業的に極めて大きな意義を有するもの
である。
特許出願人   新技術開発事業団 中村 信之 掘越 弘毅

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)以下の理化学的性質を有する新規なプルラナーゼ
    。 (イ)作用 アミロペクチン、グリコーゲン、デンプンおよびそれら
    の部分加水分解物中のα−1,6−グルコピラノシド結
    合からなる枝分れ構造を特異的に加水分解し、α−1,
    4−グルコピラノシド結合からなる直鎖状オリゴ糖を生
    成し、また、プルラン中のα−1,6−グルコピラノシ
    ド結合を加水分解してマルトトリオースを生成する。 (ロ)基質特異性 α−1,6−グルコピラノシド結合で分枝した枝分れ糖
    のうち、マルトース以上の重合度を有する枝分れ構造を
    加水分解する。 (ハ)至適pHおよび安定pH範囲 至適pHは5.5〜6.0であり、50℃、30分間の
    加熱条件下ではpH5〜9の範囲内で安定である。 (ニ)温度に対する安定性 pH6.0、30分間の処理では60℃まで安定である
    。 (ホ)作用適温の範囲 70℃近傍に至適作用温度を有する。 (ヘ)失活条件 50℃、30分間の処理条件ではpH4および11で完
    全に失活し、また、pH6.0、30分間の処理では8
    0℃で完全に失活する。 (ト)阻害および活性化 銅、水銀、亜鉛およびエチレンジアミンテトラアセテー
    トで阻害され、カルシウムで安定化される。 (チ)ゲルろ過法による分子量 128,000±5,000
  2. (2)上記プルラナーゼが細胞吸着型酵素である特許請
    求の範囲第1項記載のプルラナーゼ。
  3. (3)上記プルラナーゼが菌体外分泌型酵素である特許
    請求の範囲第1項記載のプルラナーゼ。
  4. (4)上記プルラナーゼが細胞吸着型酵素と菌体外分泌
    型酵素との混合物である特許請求の範囲第1項記載のプ
    ルラナーゼ。
  5. (5)サーマス属に属し、以下に示す理化学的諸特性: (イ)作用 アミロペクチン、グリコーゲン、デンプンおよびそれら
    の部分加水分解物中のα−1,6−グルコピラノシド結
    合からなる枝分れ構造を特異的に加水分解し、α−1,
    4−グルコピラノシド結合からなる直鎖状オリゴ糖を生
    成し、また、プルラン中のα−1,6−グルコピラノシ
    ド結合を加水分解してマルトトリオースを生成する;(
    ロ)基質特異性 α−1,6−グルコピラノシド結合で分枝した枝分れ糖
    のうち、マルトース以上の重合度を有する枝分れ構造を
    加水分解する; (ハ)至適pHおよび安定pH範囲 至適pHは5.5〜6.0であり、50℃、30分間の
    加熱条件下ではpH5〜9の範囲内で安定である;(ニ
    )温度に対する安定性 pH6.0、30分間の処理では60℃まで安定である
    ;(ホ)作用適温の範囲 70℃近傍に至適作用温度を有する; (ヘ)失活条件 50℃、30分間の処理条件ではpH4および11で完
    全に失活し、また、pH6.0、30分間の処理では8
    0℃で完全に失活する; (ト)阻害および活性化 銅、水銀、亜鉛およびエチレンジアミンテトラアセテー
    トで阻害され、カルシウムで安定化される; (チ)ゲル濾過法による分子量 128,000±5,000 を有する新規プルラナーゼ生産能を有する微生物を培養
    し、培養物から該プルラン分解酵素を採取することを特
    徴とする上記新規プルラナーゼの製造方法。
  6. (6)上記培養を37〜74℃の範囲内の温度下で好気
    的に行うことを特徴とする特許請求の範囲第5項記載の
    プルラナーゼの製造方法。
  7. (7)上記培養液のpHが5.0〜8.5の範囲内にあ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第5項または第6項
    記載のプルラナーゼの製造方法。
  8. (8)上記培養液に界面活性剤を添加し、細胞吸着型酵
    素と菌体外分泌型酵素とを同時に採取することを特徴と
    する特許請求の範囲第5〜7項のいずれか1項に記載の
    プルラナーゼの製造方法。
JP18065086A 1986-07-31 1986-07-31 新規なプルラン分解酵素およびその製法 Granted JPS6336780A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18065086A JPS6336780A (ja) 1986-07-31 1986-07-31 新規なプルラン分解酵素およびその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18065086A JPS6336780A (ja) 1986-07-31 1986-07-31 新規なプルラン分解酵素およびその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6336780A true JPS6336780A (ja) 1988-02-17
JPH0119878B2 JPH0119878B2 (ja) 1989-04-13

Family

ID=16086905

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18065086A Granted JPS6336780A (ja) 1986-07-31 1986-07-31 新規なプルラン分解酵素およびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6336780A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5147795A (en) * 1989-08-31 1992-09-15 Kao Corporation Alkaline pullulanase from bacillus sp. ferm p-10887

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5147795A (en) * 1989-08-31 1992-09-15 Kao Corporation Alkaline pullulanase from bacillus sp. ferm p-10887

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0119878B2 (ja) 1989-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5102800A (en) Method for preparing novel cyclomaltodextrin gluccanotransferase
US4628028A (en) Novel thermostable pullulanase enzyme and method for its production
EP0131253B1 (en) Novel thermostable, aciduric alpha-amylase and method for its production
JPH0118717B2 (ja)
JPS6336780A (ja) 新規なプルラン分解酵素およびその製法
JP3635133B2 (ja) トレハロースホスホリラーゼおよびその調製法
JPS6015315B2 (ja) アミラ−ゼg3の製造法
JPS6342696A (ja) 糖類の製造法
JPS5937957B2 (ja) アミラ−ゼg3によるマルトトリオ−スの製造法
JP3100196B2 (ja) デンプン糖の製造法
JP3027449B2 (ja) 新規シクロマルトデキストリナーゼ、その製造法及び該酵素を生産する微生物
JPS6331194B2 (ja)
JP3119523B2 (ja) 新規なイソアミラーゼ、その製造法及びそれを用いた糖類の製造法
JPS6331195B2 (ja)
JP2843110B2 (ja) プルラナーゼ
JP2691354B2 (ja) 新規なα−アミラーゼ、その製造法及びそれを用いた糖類の製造法
JPH0466083A (ja) α―グルコシダーゼおよびその製造法
JPH0761264B2 (ja) 新規なシクロマルトデキストリナーゼ及びその製造方法
JP2866460B2 (ja) 多糖類の糖化方法
JPH0369509B2 (ja)
JPH0681598B2 (ja) 澱粉の糖化によるグルコースの製造方法
JPS6027513B2 (ja) 耐熱性α−1,6−グルコシダ−ゼAの製造法
JPS6170985A (ja) 新規オリゴ−1,6−グルコシダ−ゼおよびその製法
JPS61162169A (ja) 新規なバシルス・ズブチルスtu株
JPH0429355B2 (ja)