JPH0119878B2 - - Google Patents

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JPH0119878B2
JPH0119878B2 JP18065086A JP18065086A JPH0119878B2 JP H0119878 B2 JPH0119878 B2 JP H0119878B2 JP 18065086 A JP18065086 A JP 18065086A JP 18065086 A JP18065086 A JP 18065086A JP H0119878 B2 JPH0119878 B2 JP H0119878B2
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pullulanase
enzyme
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Nobuyuki Nakamura
Koki Horikoshi
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Shingijutsu Kaihatsu Jigyodan
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Shingijutsu Kaihatsu Jigyodan
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規なプルラナーゼ並びにその製造法
に関する。更に詳しくは、新規なサーマス
(Thermus)属に属する好熱性微生物を培養して
得られる新規な耐熱性プルラナーゼおよびその製
造法に関する。 従来の技術 プルラナーゼは、ベンダー(Bender)らによ
り、プルラリヤ・プルランの生産する多糖類プル
ランを加水分解する酵素として、微生物:エーロ
バクター・エーロゲネス(Aerobacter.
aerogenes)においてはじめて見出されたもので
ある〔バイオシミカ エ バイオフイジカ アク
タ(Biochim.Biophys.Acta),36,309(1959)、
特公昭46―7559などを参照のこと〕。その後、こ
の酵素は、アミロペクチンのα―1,6―グルコ
シド結合を加水分解し、β―アミラーゼとの併用
により、デンプンからマルトースを収量よく生産
することから注目され、現在では同種の酵素が
種々の微生物により生産されることが知られてい
る。 この種の酵素はプルラナーゼ、イソアミラーゼ
など種々の名称で呼ばれているが、総称してα―
1,6―グルコシダーゼと言われている。例え
ば、エシエリヒア・インターメデイアのイソアミ
ラーゼ〔Escherichia intermedia、アプライド
マイクロバイオロジー(Applied Microbiol.)、
15,492(1967)〕、ストレプトコツカス・ミテイス
のプルラナーゼ〔Streptococcus mitis;バイオ
ケミカル ジヤーナル(Biochem.J.),108,33
(1968)〕、ストレプトマイセス属
(Streptomyces・sp.)No.28のイソアミラーゼ
〔ジヤーナル オブ ザ フアーメンテーシヨン
テクノロジー(J.Ferment.Tech.)、49,552
(1971)〕、バチルス属のプルラナーゼ〔アグリカ
ルチユラル&バイオロジカルケミストリー
(Agric.Biol.Chem.)、40,1515(1976);スターチ
(Starch)、34,340(1982)等〕などが報告され
ている。 最近、プルラナーゼやイソアミラーゼなどのα
―1,6―グルコシダーゼは、デンプンからグル
コースを製造したり、またデンプンからマルトー
ス、マルトトリオース、マルトテトラオース、マ
ルトペンタオース、マルトヘキサオースなどのマ
ルトオリゴ糖を生産する際に、これら糖の増収に
有効であることが認められている。 しかるに、従来知られているプルラナーゼやイ
ソアミラーゼなどのα―1,6―グルコシダーゼ
は、熱安定性に劣り、また多くはその最適温度が
45〜50℃程度でしかなかつた。 発明が解決しようとする問題点 一般に、澱粉糖の生産は、50℃以上の高温で、
かつPH4.5〜6.0の弱酸性条件下で行われている
が、60℃以下の反応温度では反応槽中の微生物汚
染による反応PHの低下を防止することは出来ず、
また汚染によるPH低下を補償するために多量の水
酸化ナトリウムや水酸化カルシウムなどのアルカ
リ試薬をPH調整の目的で添加しなければならなか
つた。このため、生産物の脱塩・精製のために後
処理が必要となるばかりか、多大の費用が必要と
なる。従つて、このような微生物汚染を防止する
ためには60℃以上、好ましくは65〜75℃に酵素反
応の最適温度を有し、同時にPH低下を調整するた
めのアルカリ剤の添加量を低減するために反応の
至適PHを中性〜弱アルカリ性に有する酵素が求め
られている。 一方、バチルス ステアロサーモフイルス
(B.Stearothermophilus)やクロストリジウム
サーモハイドロサルフユリカム(Cl.
thermohydrosulfuricum)のα―1,6―グルコ
シダーゼは65〜67.5℃および85℃に至適温度を有
しており、工業的意味において優れた特性を有し
ていると考えられるが、酵素の生産性や培養の困
難さのために実用的とは言えなかつた。 このような情況の下で、高い(70℃前後の)酵
素反応の至適作用温度を有し、しかも弱酸性〜弱
アルカリ性領域に安定PH範囲をα―1,6―グル
コシダーゼの開発が強く要求されている。また、
このような酵素を開発することによつて、デンプ
ンからのグルコース、マルトースあるいはマルト
オリゴ糖の製造を安価かつ高い生産性で実施する
ことが可能となる。 従つて、本発明の第1の目的は上記要件を満足
する新規なプルラナーゼを提供することにある。 本発明のもう一つの目的は、上記新規プルラナ
ーゼを簡単かつ高収率で製造することを可能とす
る、新規な微生物を用いた方法を提供することに
ある。 問題点を解決するための手段 そこで、本発明者らは培養が容易であり、酵素
反応の至適温度が70℃前後であり、かつ弱酸性側
に至適PHを有する、温度安定性に優れたα―1,
6―グルコシダーゼを生産する微生物を得るべく
鋭意検索した結果、温泉の高温土壌中から採取さ
れた好熱性細菌であるサーマス(Themus)属に
属する新規微生物が上記目的を達成する上で極め
て有用であり、これを好気的に培養することによ
り、培養物中に上記要件を満足する新規プルラナ
ーゼが高収率で生成蓄積されることを見出し、本
発明を完成したものである。 すなわち、本発明はまず新規耐熱性プルラナー
ゼを提供するものであり、これは以下のような理
化学的諸特性を有している。 (イ) 作用 アミロペクチン、グリコーゲン、デンプンおよ
びそれらの部分加水分解物中のα―1,6―グル
コピラノシド結合からなる枝分れ構造を特異的に
加水分解し、α―1,4―グルコピラノシド結合
からなる直鎖状オリゴ糖を生成し、また、プルラ
ン中のα―1,6―グルコピラノシド結合を加水
分解してマルトトリオースを生成する。 (ロ) 基質特異性 α―1,6―グルコピラノシド結合で分枝した
枝分れ糖のうち、マルトース以上の重合度を有す
る枝分れ構造を加水分解する。 (ハ) 至適PHおよび安定PH範囲 至適PHは5.5〜6.0であり、50℃、30分間の加熱
条件下ではPH5〜9の範囲内で安定である。 (ニ) 温度に対する安定性 PH6.0、30分間の処理では60℃まで安定である。 (ホ) 作用適温の範囲 70℃近傍に至適作用温度を有する。 (ヘ) 失活条件 50℃、30分間の処理条件ではPH4および11で完
全に失活し、また、PH6.0、30分間の処理では80
℃で完全に失活する。 (ト) 阻害および活性化 銅、水銀、亜鉛およびEDTA(エチレンジアミ
ンテトラアセテート)で阻害され、カルシウムで
安定化される。 (チ) ゲル濾過法による分子量 128000±5000。 また、本発明は上記の新規耐熱性プルラナーゼ
の製法にも係り、該プルラナーゼはサーマス属に
属する微生物を好気的に培養することにより、該
酵素を培養液中に細胞吸着型および菌体外分泌型
酵素として生成蓄積せしめ、これを分離・精製す
ることを特徴とする方法によつて得ることができ
る。 本発明の方法において使用する新規耐熱性プル
ラナーゼ生産菌株はいずれも本発明者等により新
たに自然界から検索・単離されたものである。こ
れらの菌株をバージエーズ・マニユアル・オブ・
システマテイツク・バクテリオロジー
(Bergey′s Mannual of Systematic
Bacteriology)、第1巻に従つて同定すると、い
ずれも好気性無胞子桿菌であり、運動性がなく、
グラム染色陰性であり36℃以下および75℃以上で
は生育できず、生育の最適温度が65℃前後である
ことからサーマス(Thermus)属に属すると考
えられた。 しかしながら、これまでにこのサーマス属に属
する微生物の中でプルナラーゼを菌体外生産する
ものは知られていないので、本発明の耐熱性プル
ナラーゼ生産菌株は新規なものであると考えた。 以下の第1表に単離した三種の耐熱性プルラナ
ーゼ生産菌の菌学的諸性質を示す。 【表】 【表】 +:陽性もしくは良く生育する
−:陰性もしくは生育しない
±:陽性もしくは陰性わずかに生育する
なお、上記菌は工業技術院微生物工業技術研究
所に夫々、FERM P―8881(AMD―6)、
FERM P―8882(AMD―22)およびFERM P
―8883(AMD―28)として寄託している。 本発明の新規な耐熱性プルラナーゼの製造法に
つきさらに詳しく説明する。 上記のような耐熱性プルラナーゼ生産菌を適当
な培地に接種し、その生育温度の観点から37〜74
℃、好ましくは55〜65℃にて48〜96時間、好気的
に培養することにより培養液中に細胞吸着型およ
び菌体外分泌型酵素として該プルラナーゼが生成
蓄積される。 本発明に用いられる培地は安価に入手し得る公
知の各種材料を使用することができる。例えば、
窒素源としては、コーン・ステイープ・リカー、
ポリペプトン、大豆粕、フスマ、肉エキス、酵母
エキス、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、
尿素、アミノ酸液、などであり、炭素源としては
水飴、マルトース、各種デンプン、可溶性デンプ
ン、デンプン液化液、デキストリン、プルランな
どである。 また、これらの炭素源や窒素源の他に各種の
塩、例えばマグネシウム塩、カリウム塩、リン酸
塩、鉄塩等の無機塩や各種ビタミン類を必要によ
り添加する。 本発明の上記方法において使用するのに適した
培地は、例えば1%プルラン、1%大豆粕、0.1
%K2HPO4、0.04%MgSO4・7H2Oを含有する液
体培地である。 また、本発明の方法で使用する微生物の生育PH
は弱酸から弱塩基性の範囲内であるので、適当な
PH調整剤を用いて培地のPHを調整する必要があ
る。そのために種々の緩衝液を用いることができ
るが、0.2〜1%程度の炭酸カルシウムを用いる
ことが特に便利である。 既に述べたように、本発明において有用な新規
微生物は細胞吸着型の酵素および菌体外分泌型の
酵素を産生する。これらは夫々以下のような操作
に従つて分離・精製することができる。 即ち、上記のような組成の培地中で、上記条件
下で培養した後、培養液から菌体外分泌型酵素
を、また菌体から細胞吸着型酵素を夫々回収す
る。培養上清中に蓄積される菌体外分泌型酵素
は、遠心分離により菌体を除去した後に得られる
粗酵素液の形で、また、細胞吸着型酵素は遠心分
離により得た菌体自体を用いることが経済的に有
利であるが、これをさらに精製して使用すること
もできる。そのために、例えば硫安等による塩
析、エタノール、アセトン、イソプロパノール等
による溶媒沈澱法、限外濾過法、ゲル濾過法、イ
オン交換樹脂等による一般的な酵素精製法により
精製することができる。 以下、本発明のプルラナーゼの好ましい精製法
の一例につき更に詳しく説明する。 好熱性細菌サーマス属に属する例えばAMD―
28菌株を1%プルラン、1%大豆粕、0.1%
K2HPO4,0.04%MgSO4・7H2O,0.25%炭酸カ
ルシウムを含む培地に植菌し、60℃にて72時間、
通気量1V.V.m.250r.p.m.で好気的に培養して得ら
れる培養液を10000r.p.m.、4℃にて連続遠心し
て菌体を除き、約5の上澄液を得る。次いで、
該上澄液に固形硫酸アンモニウムを添加し、80%
飽和とし、4℃で一夜放置する。生じた沈澱を濾
過により集め、10mMリン酸緩衝液(PH7.0)に
溶解させた後、同緩衝液に対して一夜4℃で透析
する。透析により生じる沈澱は遠心分離により除
き、得られる上澄液を10mMリン酸緩衝液(PH
7.0)で平衡化したDEAE―セルロースカラムに
吸着させ、、0〜0.8MのNaClを含む上記と同様
な緩衝液の濃度勾配法によつて酵素を溶出させ
る。溶出した活性画分を集め平均分画分子量
30000の限外濾過膜を用いて濃縮した後、0.1M食
塩を含む上記同様のリン酸緩衝液を用いて一夜透
析する。次いで、該透析酵素を同様に0.1M食塩
を含む上記リン酸緩衝液で平衡化したセフアクリ
ルS―200カラムに充填し、0.1M食塩を含む同緩
衝液で溶出する。 活性画分を集め限外濾過膜を用いて濃縮した
後、シヨデツクス(Shodex)WS―2003カラム
を用いる高速液体クロマトグラフ法にて再度クロ
マトグラフイーに付して活性画分を集める。かく
して得られる精製酵素はポリアクリルアミドゲル
デイスク電気泳動(ゲル濃度7.5%)的に単一で
あり、活性収率は約21%であつた。なお、本発明
の方法において有用なAMD―6菌株および
AMD―22菌株のプルラナーゼについても同様な
方法で精製可能である。 さらに、細胞吸着型酵素は、例えばトライトン
(Triton)X―100あるいはドデシル硫酸ナトリ
ウム(SDS)などの界面活性剤で菌体を洗浄する
ことにより容易に溶離するので遠心分離により集
菌した菌体を0.05〜0.5(%)程度の該界面活性剤
で処理した後、遠心分離して得られる上清から上
記と同様な方法により精製できる。 勿論、培養液の遠心分離処理前に、培養液中に
上記のような界面活性剤を添加して、予め細胞吸
着型酵素を培養液中に溶離させ、次いで上記の精
製・分離操作を行つて、これら両者を同時に回収
することも可能である。 なお、上記方法により得られる細胞吸着型酵素
と菌体外分泌型酵素の理化学的性質は、ほぼ同一
である。 更に、プルラナーゼの活性測定法並びに活性表
示法は以下の通りである。 即ち、0.1Mのリン酸緩衝液(PH6.0)に溶解さ
せた3%(w/v)のプルラン溶液0.3mlに酵素
液0.05mlを混合し、60℃で30分間反応させた後、
DNS試液〔ジヨイ.アール.サマー、ジー.イ
ー.ソマーズ、“ラボラトリー イクスペリメン
ツ インバイオロジカル ケミストリー”、アカ
デミツクプレス、ニユーヨーク(J.R.Summer,
G.E.Somers、“Laboratory Experiments in
Biological Chemistry、”Academic Press,
New York)、3435頁、1944年〕1mlを加えて反
応を止める。ついで、沸騰水溶中で5分間加熱し
た後急冷し、3mlの水を加えて十分に撹拌する。
同様に処理した0.35mlの0.5mg/mlグルコース溶
液を標準とし、その着色度をクレトーサマーソン
(Klett―Summerson)型光電比色計フイルター
No.52を用いて測定する。酵素活性の単位は前述の
条件下で1分間に1μmoleのマルトトリオース生
成に相当する還元力を有する酵素量を1単位とし
た。 本発明の方法によつて得られる耐熱性プルラナ
ーゼの現化学的、酵素化学的諸性質と従来公知の
微生物由来のα―1,6―グルコシダーゼとの比
較を第2表に示す。 【表】 【表】 【表】 作 用 プルラナーゼはアミロペクチンのα―1,6―
グルコシド結合を加水分解し、またβ―アミラー
ゼと併用した場合にはデンプンからマルトースを
高収率で生産できる。このマルトースは澱粉糖の
一種で麦芽糖とも呼ばれ、一般に甘味剤、栄養剤
などとして有用なものである。 この澱粉糖の生成反応は、低温かつ弱酸性条件
下で実施された場合、即に述べたような微生物汚
染に起因する様々な悪影響を受けることが知られ
ている。そこで、この澱粉の酵素加水分解反応を
できるだけ高温条件下で行い、また中性〜弱酸性
側のPH条件下で実施することが望ましいとされて
いる。 しかしながら、これまでに単離されたα―1,
6―グルコシダーゼは熱安定性に劣り、殆どが45
〜50℃程度の至適温度を示すにすぎなかつた。更
に、一部高温領域に至適温度を有するものも知ら
れているが、酵素の生産性が悪い、該酵素産生微
生物の培養が困難である等の欠点を有しており、
高価であり、大規模使用ができないなど工業的観
点から十分満足できるものではなかつた。 しかしながら、このような澱粉の酵素分解反応
に係る諸問題点は、本発明によるプルラナーゼ並
びにその製法によつてほぼ解決される。即ち、ま
ず本発明のプルラナーゼは約70℃に酵素反応の至
適温度を有しており、また至適PHも弱酸性〜中性
領域にある。従つて、澱粉の酵素分解反応を高温
でしかも中性領域近傍で実施することが可能とな
る。この事実は、微生物汚染を確実に防止するこ
とを保証し、また汚染に基くPH低下を補償する目
的でアルカリ試薬を添加する必要もなくなり、コ
ストパーフオーマンスにおける大巾な改善が期待
できる。更に、高温での反応が可能なことから反
応速度の改善が期待でき、これは分解生成物の量
産性を保証する。 一方、該プルラナーゼの製法の観点からして
も、本発明で使用する新規微生物においては、菌
体(細胞吸着型酵素)および培養液中(菌体外分
泌型酵素)の両者から有用なα―1,6―グルコ
シダーゼを単離することができる。従つて、収率
が高く、培養操作も簡単であり、特に菌体外分泌
型酵素の場合には精製・分離操作が簡単であり、
酵素の製法としては極めて有利である。尚、細胞
吸着型酵素においても、界面活性剤の使用により
菌体から容易に溶離でき、その後は菌体外分泌型
酵素と同様に精製・分離できる。 かくして、本発明の方法によれば澱粉の酵素分
解のために有用なプルラナーゼを安価かつ大量に
供給でき、またかくして得られる酵素により工業
的に大規模な澱粉糖の生成を有利に実施できる。 実施例 以下、実施例に従つて本発明の新規耐熱性プル
ラナーゼ並びにその製造方法につき更に具体的に
説明する。 しかしながら、本発明の範囲は以下の実施例に
よつて何等制限されるものではない。 実施例 1 好熱性細菌サーマスNo.AMD―6(Thermus
sp.No.AMD―6:FERM P―8881)菌株を500ml
容の三角フラスコ中のプルラン1%、大豆粕1
%、K2HPO40.1%、MgSO4・7H2O0.04%および
CaCO30.25%を含む培地(PH7.0)100mlに植菌
し、70℃で30時間200r.p.m.で回転振とう培養し
た後、トリトン(Triton)X―100を0.4%添加
し、37℃で20時間、200r.p.m.で回転振とうして
細胞吸着型酵素を細胞表層から溶離抽出した。つ
いで12000g、4℃で30分間遠心分離して菌体を
除き、9.2単位/mlの粗酵素液89mlを得た。尚、
酵素の活性単位は上記方法によつて測定した(以
下同様)。 実施例 2 好熱性細菌サーマスNo.AMD―22(Thermus
sp.No.AMD―22:FERM P―8882)菌株を500ml
容の三角フラスコ中の可溶性デンプン1%、コー
ンステイープリカー4%、酵母エキス0.2%、
K2HPO40.1%、MgSO4・7H2O0.02%を含む培地
(PH6)100mlに植菌し、50℃で72時間、200r.p.
m.で回転振とう培養した。培養液を12000g、4
℃で30分間遠心分離して得られる培養上清93ml中
には3.5単位/mlの菌体外分泌型プルラナーゼが
含まれていた。さらに遠心分離により得られる菌
体を、0.1%(w/v)のSDSを含む25mlの
50mM燐酸緩衝液(PH7.0)に懸濁させ、30℃で
18時間、200r.p.m.で回転振とう抽出した後、
12000g、4℃で30分間遠心分離した。得られる
上清22ml中には31.2単位/mlの細胞吸着型プルラ
ナーゼが含まれていた。 実施例 3 好熱性細菌サーマスNo.AMD―28(Thermus
sp.AMD―28:FERM P―8883)菌株を10容
のジヤーフアーメンター中のプルラン1%、ゼラ
チン1.5%、大豆粕0.5%、K2HPO40.1%、
MgSO4・7H2O0.03%、CaCl25%、FeSO4
7H2O0.003%を含む培地(PH7)6に、予め、
実施例1で述べた培地を用いてNo.AMD―28菌株
を60℃で18時間前培養して得られる種菌液180ml
を添加し、60℃で250r.p.m.、通気量1V.V.m.で72
時間通気撹拌培養した。培養終了後、温度を37℃
に下げ、SDS0.1%(w/v)を添加して、更に
18時間撹拌した。ついで、10000r.p.m.、4℃で
連続遠心して菌体を除いた後、平均分画分子量
30000の限外濾過膜を用いて約10倍に濃縮した。
ついで、該濃縮液に固型硫酸アンモニウムを80%
飽和まで添加し、4℃で1夜放置した。本操作に
より生じた沈澱を濾過により集め、減圧下、室温
で乾燥して3.5gの162000単位/gのプルラン分
解活性をもつ粗酵素粉末を得た。 発明の効果 以上詳しく述べたように、本発明によれば高温
度域(70℃前後)に酵素反応の至適温度を有し、
しかも弱酸性〜弱塩基性領域に安定PH範囲を有す
るα―1,6―グルコシダーゼが提供され、この
ものはその前記諸特性に基き、澱粉の酵素分解反
応の収率、効率を大巾に改善することを可能とす
る。しかも、余分な試薬の必要性を排除し、脱塩
などの後処理も不要とするので工程の経済性も著
しく向上する。 更に、本発明の方法によれば、使用する新規微
生物が菌体並びに培養液両者に上記の優れた諸特
性を有するα―1,6―グルコシダーゼを簡単な
工程で、しかも高収率で得ることを可能とするこ
とから酵素自体のコストを著しく低減する。 かくして、本発明は安価かつ大規模での澱粉糖
の製造を可能とするので工業的に極めて大きな意
義を有するものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 以下の理化学的性質を有する新規なプルラナ
    ーゼ。 (イ) 作用 アミロペクチン、グリコーゲン、デンプンおよ
    びそれらの部分加水分解物中のα―1,6―グル
    コピラノシド結合からなる枝分れ構造を特異的に
    加水分解し、α―1,4―グルコピラノシド結合
    からなる直鎖状オリゴ糖を生成し、また、プルラ
    ン中のα―1,6―グルコピラノシド結合を加水
    分解してマルトトリオースを生成する。 (ロ) 基質特異性 α―1,6―グルコピラノシド結合で分枝した
    枝分れ糖のうち、マルトース以上の重合度を有す
    る枝分れ構造を加水分解する。 (ハ) 至適PHおよび安定PH範囲 至適PHは5.5〜6.0であり、50℃、30分間の加熱
    条件下ではPH5〜9の範囲内で安定である。 (ニ) 温度に対する安定性 PH6.0、30分間の処理では60℃まで安定である。 (ホ) 作用適温の範囲 70℃近傍に至適作用温度を有する。 (ヘ) 失活条件 50℃、30分間の処理条件ではPH4および11で完
    全に失活し、また、PH6.0、30分間の処理では80
    ℃で完全に失活する。 (ト) 阻害および活性化 銅、水銀、亜鉛およびエチレンジアミンテトラ
    アセテートで阻害され、カルシウムで安定化され
    る。 (チ) ゲルろ過法による分子量 128000±5000。 2 上記プルラナーゼが細胞吸着型酵素である特
    許請求の範囲第1項記載のプルラナーゼ。 3 上記プルラナーゼが菌体外分泌型酵素である
    特許請求の範囲第1項記載のプルラナーゼ。 4 上記プルラナーゼが細胞吸着型酵素と菌体外
    分泌型酵素との混合物である特許請求の範囲第1
    項記載のプルラナーゼ。 5 サーマス属に属し、以下に示す理化学的諸特
    性: (イ) 作用 アミロペクチン、グリコーゲン、デンプンおよ
    びそれらの部分加水分解物中のα―1,6―グル
    コピラノシド結合からなる枝分れ構造を特異的に
    加水分解し、α―1,4―グルコピラノシド結合
    からなる直鎖状オリゴ糖を生成し、また、プルラ
    ン中のα―1,6―グルコピラノシド結合を加水
    分解してマルトトリオースを生成する; (ロ) 基質特異性 α―1,6―グルコピラノシド結合で分枝した
    枝分れ糖のうち、マルトース以上の重合度を有す
    る枝分れ構造を加水分解する; (ハ) 至適PHおよび安定PH範囲 至適PHは5.5〜6.0であり、50℃、30分間の加熱
    条件下ではPH5〜9の範囲内で安定である; (ニ) 温度に対する安定性 PH6.0、30分間の処理では60℃まで安定であ
    る; (ホ) 作用適温の範囲 70℃近傍に至適作用温度を有する; (ヘ) 失活条件 50℃、30分間の処理条件ではPH4および11で完
    全に失活し、また、PH6.0、30分間の処理では80
    ℃で完全に失活する; (ト) 阻害および活性化 銅、水銀、亜鉛およびエチレンジアミンテトラ
    アセテートで阻害され、カルシウムで安定化され
    る; (チ) ゲル濾過法による分子量 128000±5000 を有する新規プルラナーゼ生産能を有する微生物
    を培養し、培養物から該プルラン分解酵素を採取
    することを特徴とする上記新規プルラナーゼの製
    造方法。 6 上記培養を37〜74℃の範囲内の温度下で好気
    的に行うことを特徴とする特許請求の範囲第5項
    記載のプルラナーゼの製造方法。 7 上記培養液のPHが5.0〜8.5の範囲内にあるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第5項または第6
    項記載のプルラナーゼの製造方法。 8 上記培養液に界面活性剤を添加し、細胞吸着
    型酵素と菌体外分泌型酵素とを同時に採取するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第5〜7項のいず
    れか1項に記載のプルラナーゼの製造方法。
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