JPS6336294Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は腕時計における文字板構造に関す
る。

従来、文字板の上方を指針が移動して時刻を指
示する腕時計としては、例えば第１図に示すよう
に構成されたものがある。即ち、この種の腕時計
は、指針軸駆動機構（以下、アナログムーブメン
トと称す）を備えたハウジング１上に平板状の文
字板２を配置し、この文字板２の上方にアナログ
ムーブメントの指針軸３を突出させ、この指針軸
３の上端に時針４ａと分針４ｂとを取り付け、こ
の後上記ハウジング１及び上記文字板２を時計ケ
ース５内に実装した構成になつている。この場
合、上記文字板２の周端部は時計ケース５の上部
に形成されたガラス装着孔６の鍔部７の下部に当
接して実装されている。また、時計ケース５に形
成された鍔部７の加工面は外部から見えないよう
に見切カバー８によつて隠されており、この見切
カバー８はガラス装着孔６に装着されたガラス樹
脂パツキン９及び時計ガラス１０により鍔部７の
上部に押し付けられている。なお、図中２ａは文
字板２上に配列された時標であり、また１１は裏
蓋である。

しかしながら、上記のような電子腕時計におい
ては、時計ケース５に形成された鍔部７の加工面
を隠すために、見切カバー８を必要とするため、
部品点数が多くなり、組立作業が煩雑になるばか
りか、コストも高くなるという欠点があり、また
上記見切カバー８及び鍔部７等により文字板２の
周端部分が隠れてしまい、文字板２の使用面が挾
くなり、文字板２の上面を有効に使用できないば
かりか、外観的にも好ましくないという欠点もあ
つた。

また、上記のような電子腕時計にあつては、文
字板２及びアナログムーブメントが取り付けられ
たハウジング１を時計ケース５から取り外して移
動するときに、誤つてアナログムーブメントの時
針４ａ及び分針４ｂに手等が触れて、動作不良を
起こす恐れがあり、このような動作不良を起こさ
ないためには、気を配つてハウジング１を移動し
なければならないばかりか、特殊な梱包箱等が必
要となり、このためハウジング１の移動が面倒で
あり、且つその作業性が極めて悪い等の欠点もあ
つた。

この考案は以上の点を考慮してなされたもの
で、その目的とするところは、部品点数が少な
く、安価に製作できると共に、外観的にも優れ、
且つアナログムーブメントを備えたハウジングの
取り外し及びその移動に際し、指針に手等が触れ
て動作不良を起こすことなく、良好に保護するこ
とができると共に、その作業性にも優れた腕時計
における文字板構造を提供することである。

以下、この考案の一実施例を第２図ないし第４
図に基づいて説明する。この場合、第１図と同一
部分には同一符号を付して、その説明は省略す
る。アナログムーブメントを備えたハウジング１
の上部に取り付けられる文字板１３は、円板状を
なし、その中央にアナログムーブメントの指針軸
３が挿通する挿通孔１４が形成されており、更に
その周辺部は上方に折曲された立ち上がり部１５
が一体に形成されている。この立ち上がり部１５
は環状をなす枠形状に形成されたものであり、時
計ケース５の内側に突出形成された鍔部１６の内
壁面に密接して上方に延びており、その先端部は
ガラス装着孔６に装着されたガラス樹脂パツキン
９の下部に到達するように構成されている。この
場合、上記立ち上がり部１５の高さは、文字板１
３の上方に突出して設けられたアナログムーブメ
ントの時針４ａ、分針４ｂ、及び指針軸３の高さ
よりも若干高くなるように設定されている。

このように構成された腕時計における文字板構
造によれば、アナログムーブメントを備えたハウ
ジング１上に文字板１３を取り付け、このハウジ
ング１を時計ケース５内に実装することにより、
時計ケース５に形成された鍔部１６の内壁面を文
字板１３の立ち上がり部１５で隠すことができる
ので、従来のような見切カバー８が不要となり、
部品点数が少なくなると共に、組立作業も簡単と
なり、コストの低減化を計ることができる。ま
た、立ち上がり部１５が文字板１３に一体に形成
されているので、文字板１３を有効に利用するこ
とができると共に、文字板１３の装飾効果にも優
れ、外観的にも好ましいものとなる。

また、上記文字板構造にあつては、文字板１３
の立ち上がり部１５が時針４ａ、分針４ｂ、及び
指針軸３等よりも高く形成されているから、これ
ら各針４ａ，４ｂ及び指針軸３に手等が触れた
り、或はぶつけたりして、動作不良や破損等を起
こさないように、ある程度保護することができ
る。このため、気を配つて時計ケース５内からハ
ウジング１を取り出したり、移動させたりする必
要がないので、その作業が簡単かつ容易にでき
る。

更に、上記のような文字板構造によれば、立ち
上がり部１５が各針４ａ，４ｂ及び指針軸３より
も高く形成されているので、各針４ａ，４ｂの指
針軸３に対する取付誤差があつても、ある程度吸
収でき、また組立時或は修理時に文字板１３を下
にして、ハウジング１を逆さに置くこともでき
る。

なお、上記実施例では、文字板１３の周辺部を
上方へ折曲して立ち上がり部１５を形成したが、
この考案はこれに限られることなく、文字板１３
の周辺に沿つて、その外周よりも小さく立ち上が
り部を形成してもよい。この場合においても、立
ち上がり部は時計ケースの鍔部を隠し、且つ各針
４ａ，４ｂ及び指針軸３よりも高くなるように構
成されている。

以上説明したように、この考案の腕時計におけ
る文字板構造によれば、文字板の周辺部分に少な
くとも指針と同じ高さまで立ち上がり、上記時計
ケースの内周面を覆い隠す立ち上がり部を設けた
構成であるから、部品点数が少なく、組立作業も
簡単で、安価に製作することができ、外観的にも
優れ、且つアナログムーブメントの指針に手等が
触れて動作不良を起こしたり、或は指針を破損し
たりしないように、良好に保護することができる
という利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の腕時計における文字板構造の概
略断面図、第２図はこの考案の腕時計における文
字板構造の要部断面図、第３図はその文字板の平
面図、第４図は文字板、アナログムーブメント及
び指針の分解斜視図である。 ４ａ……時針、４ｂ……分針、５……時計ケー
ス、１３……文字板、１５……立ち上がり部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 時計ケース内に配置された文字板の上方を指針
   が移動して時刻を指示する腕時計において、上記
   文字板の周辺部分に、少なくとも上記指針と同じ
   高さまで立ち上がり、上記時計ケースの内周面を
   覆い隠す立ち上がり部を設けたことを特徴とする
   腕時計における文字板構造。