JPH0720632Y2 - 薄型ウォッチムーブメント用腕時計ケース - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は薄型ウォッチムーブメント用腕時計ケースに係
り、特にケース胴部とガラスと裏蓋とからなり内部に薄
型ウォッチムーブメントを収容する薄型ウォッチムーブ
メント用腕時計ケースに関する。

［従来の技術］ 腕時計ケースは、金属製又はプラスチック製のケース胴
部とガラスと裏蓋とから構成され、内部に収容されたム
ーブメントを保護すると共に時計の外観に装飾性を付与
している。近年、薄型の腕時計が好まれる傾向に伴い、
腕時計ケースもできるだけ薄型化が図られケース胴部を
薄くし、ガラス及び裏蓋が夫々ケース胴部の上面及び底
面から突出するように取付けられている。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、非常に薄いムーブメントが開発されるに伴
い、ケース胴部も薄くなり強度が低下し大きな外力が加
わると、時計ケースが変形し時計が一時的に止まってし
まったり、ムーブメントが故障するなどの問題が発生す
る。更に、従来の薄型時計ケースはケース胴部が薄過ぎ
ると、メタルバンドをロー付けした際に変形が生じ易い
という問題もあった。

これを避けるためには、時計ケースを厚くして充分な強
度を付与すればよい。しかしこれは時計の薄型化という
デザイン上の要求に反し、ムーブメントを薄くしたこと
の利点が全く生かされない。

そこで、本考案の目的は充分な強度を有すると共に、ム
ーブメントの薄型化を充分にデザイン上で発揮すること
のできる薄型ウォッチムーブメント用腕時計ケースを提
供することにある。

［課題を解決するための手段］ この目的を達成するために、本考案は、ケース胴部と、
このケース胴部の内周面上部から突出したガラス受面に
取付けられたガラスと、上記ケース胴部の内周面下部か
ら突出した裏蓋受面に取付けられた裏蓋とを具備する薄
型ウォッチムーブメント用腕時計ケースにおいて、上記
ガラス受面は、上記ガラスが上記ケース胴部の上面に対
して窪むように上記ケース胴部の上面から上記ガラスの
厚さよりも大きい量だけ下方に位置しており、上記裏蓋
受面は、上記裏蓋が上記ケース胴部の底面に対して窪む
ように上記ケース胴部の底面から上記裏蓋の厚さよりも
大きい量だけ上方に位置していることを特徴とするもの
である。

［作用］ ケース胴部は、ガラスの上面と裏蓋の下面との間隔より
も厚いため充分な強度を有する。したがって、時計ケー
スは外力を受けても変形が生じ難く内部のムーブメント
を充分に保護することができる。

また、ガラス及び裏蓋は従来の時計ケースとは逆に夫々
ケース胴部の上面及び底面から窪んでおり、ムーブメン
トの薄さを強調することができ、外観を従来にない斬新
な形状にすることができる。

［実施例］ 以下本考案による薄型ウォッチムーブメント用腕時計ケ
ースの一実施例を第１図乃至第７図を参照して以下に説
明する。

第１図及び第２図はムーブメント等を内蔵した状態の本
考案による薄型ウォッチムーブメント用腕時計ケースの
一実施例を示した断面図及び斜視図であり、第３図はム
ーブメント等の内蔵前の状態を一部破断して示した斜視
図である。

第１図乃至第３図において、腕時計ケース１は、大別す
るとケース胴部２とガラス３と裏蓋４とから構成されて
いる。このケース胴部２は厚さＤすなわち、上面５と底
面６との間隔が比較的大きく定められている。ケース胴
部２の内周面上部にはガラス挿入面７が形成されると共
にこのガラス挿入面７の下に突起８が突設されている。
この突起８は上面がガラス受面8aとして、下面が文字板
受面8bとして形成されている。ガラス３は、外周底面が
このガラス受面8aに接着され、外周側面がガラス挿入面
７に接着されることによって、ケース胴部２に固定され
る。

ガラス受面8aの位置は、ガラス３が固定されたときにこ
のガラス３がケース胴部２の上面５より窪むように、具
体的にはガラス３の厚さよりも大きい量だけ上面５より
下方に定められている。

ケース胴部２の内周面下部には裏蓋受面９が形成され、
裏蓋４は複数個のネジ10によって裏蓋受面９に固定され
る。裏蓋４と裏蓋受面９との間には防水パッキン11が圧
着されている。文字板12と薄型ムーブメント13とは文字
板受面8bとケース中枠14とによってケース胴部２内に固
定されている。文字板12とガラス３との間には分針15と
時針16とが配置されている。

このように、腕時計ケース１はケース胴部２が充分な厚
さＤを有するため強度が高まり、外力が加えられても変
形が生じることがなく、内部の薄型ムーブメント13を充
分に保護することができる。またガラス３と裏蓋４は共
にケース胴部２の上面５と底面６とから夫々窪んでおり
薄型ムーブメント13の特長を生かした斬新なデザインと
なる。特に、ムーブメント13の厚さが1mm程度の場合に
はケース胴部２の上面５との間の段差が大きくなり、デ
ザイン的に一層有効である。

また、ケース胴部２の外面部５、６、17、18、19には模
様等を刻設したり、ダイヤモンド等の貴石を取付けるこ
ともできる。例えば、第２図にはケース胴部２の段差面
17に時刻を表す目盛りが付けられている。

第４図と第５図はケース胴部２の外形状を変えた上記実
施例の変形例を示したものである。

第６図と第７図は文字板見切部と裏蓋とを丸形にしケー
ス胴部２を矩形状にした変形例であり、この腕時計ケー
スにはメタルバンド20がロー付けされている。ケース胴
部２は充分な厚さを有しているので、このロー付けによ
って変形等が生ずることはない。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように、本考案によれば、ガラ
ス受面は、ガラスがケース胴部の上面に対して窪むよう
にケース胴部の上面からガラスの厚さよりも大きい量だ
け下方に位置しており、裏蓋受面は、裏蓋が上記ケース
胴部の底面に対して窪むようにケース胴部の底面から裏
蓋の厚さよりも大きい量だけ上方に位置している構成で
あるため、ケース胴部は厚く充分な強度を有し、内部の
薄型ムーブメントを充分に保護することができる。更
に、時計ケースはガラスと裏蓋とがケース胴部の上面と
底面とから夫々窪んでおり、薄型ムーブメントの特長を
生かした斬新なデザインとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はムーブメント等を内蔵した状態の本考案による
薄型ウォッチムーブメント用腕時計ケースの一実施例を
示した断面図、第２図は同腕時計ケースを示した斜視
図、第３図はムーブメント等の内蔵前の状態を一部破断
して示した斜視図、第４図と第５図は上記実施例の変形
例を示した断面図、第６図は本考案による薄型ウォッチ
ムーブメント用腕時計ケースにメタルバンドをロー付け
した状態を示した斜視図、第７図は第６図の薄型ウォッ
チムーブメント用腕時計ケースの底面を示した斜視図で
ある。 １……時計ケース、２……ケース胴部、３……ガラス、
４……裏蓋、５……上面、６……底面、8a……ガラス受
面、９……裏蓋受面、Ｄ……ケース胴部の厚さ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケース胴部と、このケース胴部の内周面上
   部から突出したガラス受面に取付けられたガラスと、上
   記ケース胴部の内周面下部から突出した裏蓋受面に取付
   けられた裏蓋とを具備する薄型ウォッチムーブメント用
   腕時計ケースにおいて、上記ガラス受面は、上記ガラス
   が上記ケース胴部の上面に対して窪むように上記ケース
   胴部の上面から上記ガラスの厚さよりも大きい量だけ下
   方に位置しており、上記裏蓋受面は、上記裏蓋が上記ケ
   ース胴部の底面に対して窪むように上記ケース胴部の底
   面から上記裏蓋の厚さよりも大きい量だけ上方に位置し
   ていることを特徴とする薄型ウォッチムーブメント用腕
   時計ケース。