JPH0417046Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案は腕時計のバンド取付構造に関する。

［従来技術とその問題点］ 一般に、皮革等の軟質バンドを時計ケースに取
り付ける場合には、ピン部材等で軟質バンドを直
接時計ケースのバンド取付部に取り付けると、そ
の取り付けられた部分の軟質バンドにしわ等が生
じるため、従来は軟質バンドの先端に金属製のバ
ンド保護部材を取り付け、この金属製のバンド保
護部材を介して軟質バンドを時計ケースに固定し
ている。

しかしながら、上記のような時計バンドの取付
構造においては、軟質バンドの先端からバンド保
護部材が取れないように、バンド保護部材に爪を
設け、この爪を軟質バンドに食い込ませている。
そのため、バンド保護部材の取付作業性が悪く、
しかもバンド自体を傷付けてしまい、外観的に好
ましくない等の欠点がある。

［考案の目的］ この考案は上述した事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、軟質の時計バンド
を傷付けることなく、その先端部にバンド保護部
材を簡単かつ確実に固定することができるととも
に、外観的にも好ましい腕時計のバンド取付構造
を提供することにある。

［考案の要点］ この考案は上述した目的を達成するために、軟
質時計バンドの先端部にその上下面を覆う湾曲し
たバンド保護部材を取り付け、この時計バンドの
先端部に設けられたピン挿入孔にピン部材を挿入
し、時計バンドの先端部をバンド保護部材に圧接
させて固定し、この状態で前記時計バンドを時計
ケースのバンド取付部に取り付けるようにしたも
のである。

［実施例］ 以下、第１図から第６図を参照して、この考案
の一実施例を説明する。

第１図から第３図はバンド取付構造を示し、図
中１は時計ケースである。この時計ケース１は内
部にアナログムーブメント２を収納するものであ
り、その上面には時計ガラス３が装着され、下部
には裏蓋４が取り付けられており、両側壁（一方
は図示せず）にはバンド取付部５がそれぞれ一体
に設けられている。このバンド取付部５は時計バ
ンド６が取り付けられるものであり、第１図およ
び第３図に示すように、時計ケース１の側壁から
突出する一対のほぼ矩形状の突出部５ａ，５ａか
らなり、この突出部５ａ，５ａの中心にピン挿入
孔５ｂ，５ｂが互いに対応して設けられている。

時計バンド６は時計ケース１を腕に取り付ける
ためのものであり、皮革、合成皮革等の軟質材料
からなり、その先端が後述するピン部材７により
時計ケース１のバンド取付部５に取り付けられ
る。この場合、時計バンド６の先端にはバンド保
護部材８が第２図に示すように取り付けられてい
るとともに、先端の中央には第４図に示すよう
に、時計ケース１のバンド取付部５が配置する凹
部６ａが設けられており、この凹部６ａの両側に
は時計ケース１のバンド取付部５の各ピン挿入孔
５ｂ，５ｂと対応するピン挿入孔６ｂ，６ｂが設
けられている。

バンド保護部材８は時計バンド６の先端部に取
り付けられて、その先端部にしわ等が生じないよ
うに保護するものであり、第５図に示すように、
金属製の薄板を湾曲させて折り曲げられ、時計バ
ンド６の先端部を上下面に亘つて挟んで覆うよう
になつており、この折り曲げられた湾曲部８ａに
はバンド取付部５の各突出部５ａ，５ａが嵌合す
る切欠部８ｂ，８ｂが形成されているとともに、
その中央下部には係止片８ｃが切り起されてい
る。

ピン部材７は時計バンド６を時計ケース１のバ
ンド取付部５に取り付けるとともに、時計バンド
６の先端部にバンド保護部材８を固定するもので
あり、第１図および第２図に示すように、金属製
の丸棒状をなし、その中央には係止溝７ａが環状
に設けられており、時計バンド６の一方のピン挿
入孔６ｂから挿入され、時計ケース１のバンド取
付部５のピン挿入孔５ｂ，５ｂを通して他方のピ
ン挿入孔６ｂ内に挿入されると、中央の係止溝７
ａにバンド保護部材８の係止片８ｃが係合して位
置規制され、これにより時計バンド６を時計ケー
ス１に取り付けるようになつている。この場合、
時計バンド６の先端部のピン挿入孔６ｂ，６ｂ
は、その内部にピン部材７が挿入される前は第６
図ａに示すように潰れているが、ピン部材７が挿
入されると、第６図ｂに示すように押し広げられ
て、その周囲がバンド保護部材８の湾曲部８ａの
内側面に圧接する。これにより、バンド保護部材
８が時計バンド６の先端に固定される。

次に、上記のような時計バンド６を時計ケース
１に取り付ける場合について説明する。

まず、時計バンド６の先端にバンド保護部材８
を第６図ａに示すように取り付ける。即ち、バン
ド保護部材８を時計バンド６の先端部に挿入し
て、バンド保護部材８の折り曲げられた湾曲部８
ａに時計バンド６の先端部を突き当てるととも
に、時計バンド６の先端部に形成された凹部６ａ
内にバンド保護部材８の切欠部８ｂ，８ｂおよび
係止片８ｃを対応配置する。この場合には、時計
バンド６の先端部がつぶれているので、バンド保
護部材８を容易に装着することができる。

この後、バンド保護部材８が取り付けられた時
計バンド６の先端を時計ケース１のバンド取付部
５に配置する。即ち、第１図に示すように、時計
バンド６の先端部に取り付けられたバンド保護部
材の切欠部８ｂ，８ｂ内に時計ケース１の突出部
５ａ，５ａを配置し、この突出部５ａ，５ａに形
成されたピン挿入孔５ｂ，５ｂと時計バンド６の
先端部に設けられたピン挿入孔６ｂ，６ｂとを対
応させる。

この状態で、第１図に示すように、ピン部材７
を時計バンド６の一方（図では下側）のピン挿入
孔６ｂから時計バンド６の凹部６ａおよび時計ケ
ース１のバンド取付部５の各ピン挿入孔５ｂ，５
ｂ内を通して他方のピン挿入孔６ｂ内に挿入す
る。これにより、時計バンド６が時計ケース１に
取り付けられるとともに、時計バンド６のピン挿
入孔６ｂ，６ｂはピン部材７により押し広げられ
るので、時計バンド６の先端部が第２図および第
６図ｂに示すようにバンド保護部材８の湾曲部８
ａ内に圧接し、バンド保護部材８が時計バンド６
の先端に強固に取り付けられる。

また、このようにピン部材７が時計バンド６の
ピン挿入孔６ｂ，６ｂおよび時計ケースのピン挿
入孔５ｂ，５ｂ内に挿入されると、ピン部材７の
中央に設けられた係止溝７ａにバンド保護部材８
の係止片８ｃが係合するので、ピン部材７は勝手
に抜け出すことなく、所定位置に取り付けられ
る。

しかるに、上記のような電子腕時計のバンド取
付構造によれば、バンド保護部材８で軟質の時計
バンド６を傷付けることなく、簡単かつ確実に時
計バンド６を時計ケース１に取り付けることがで
き、しかも外観的にもデザイン的にも極めて好ま
しいものを得ることができる。

なお、上述した実施例は指針式の電子腕時計に
適用した場合について説明したが、この考案はこ
れに限らず、デジタル式の電子腕時計、通常の機
械式腕時計等にも広く適用することができる。

［考案の効果］ 以上詳細に説明したように、この考案に係る腕
時計のバンド取付構造によれば、軟質時計バンド
の先端部にその上下面を覆う湾曲したバンド保護
部材を取り付け、この時計バンドの先端部に設け
られたピン挿入孔にピン部材を挿入し、時計バン
ドの先端部をバンド保護部材に圧接させて固定
し、この状態で前記時計バンドを時計ケースのバ
ンド取付部に取り付けるようにしたので、軟質の
時計バンドを傷付けることなく、その先端部にバ
ンド保護部材を簡単かつ確実に固定することがで
きるとともに、外観的にも好ましいものを得るこ
とができる等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示し、第１図はピン
部材を装着する状態の要部下面図、第２図はその
Ａ−Ａ断面図、第３図はそのＢ−Ｂ断面図、第４
図は時計バンドの先端を示し、第４図ａはその側
面図、第４図ｂは上面図、第５図はバンド保護部
材を示し、第５図ａはその側面図、第５図ｂは下
面図、第５図ｃは上面図、第６図はバンド保護部
材の取付状態を示し、第６図ａは時計バンドの先
端にバンド保護部材を装着した状態を示す図、第
６図ｂは時計バンドのピン挿入孔内にピン部材を
挿入した状態を示す図である。 １……時計ケース、５……バンド取付部、５
ｂ，６ｂ……ピン挿入孔、６……時計バンド、７
……ピン部材、８……バンド保護部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 両側にピン挿入孔を有するバンド取付部が形成
   された時計ケースと、 この時計ケースの前記バンド取付部に取り付け
   られ、先端部にピン挿入孔が形成された軟質時計
   バンドと、 この軟質時計バンドのピン挿入孔が形成された
   先端部を上面から下面に亘つて覆う湾曲形状のバ
   ンド保護部材と、 前記軟質時計バンドの前記ピン挿入孔に挿入さ
   れ、前記軟質時計バンドの先端部を前記バンド保
   護部材の内面に圧接して前記バンド保護部材を前
   記軟質時計バンドに固定させると共に、かつ前記
   軟質時計バンドを前記時計ケースの前記バンド取
   付部に取り付けるピン部材と、 を備えてなる腕時計のバンド取付構造。