JPS6335783B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、水路壁のような２つ以上のコンクリ
ート壁を施工するための走行式移動内型枠装置に
関するものである。

従来のこの種型枠装置は、せき板とバタ材とを
組合せた型枠を門型フレイム等の架台に支持さ
せ、これに移動用の車輪を装着した構造のものが
大部分であつた。従つて、この種の型枠装置は型
枠のほかに大型な移動設備を要して重量が極めて
大であるとともに、型枠間に大きな構造物が介在
して作業性が著しく悪く、経済的でない等の多く
の欠点があつた。

本発明は、前記従来の欠点に鑑みなされたもの
で、型枠は一般にせき板や縦バタ、横バタの組合
せであつてそれ自体剛性の高いものであるところ
から、その剛性を活用し、一対の型枠を胴材にそ
れぞれ傾動調節自在かつ間隔調節自在に連結する
と共に、各型枠の外側下部に、型枠移動用の車輪
を上下方向および横方向に移動調節できるように
した走行脚車を装着することにより、大型の移動
型枠を支持してこれの走行移動を行わせるととも
に、型枠の整型、調節、脱型の諸操作が簡易、確
実に行うことのできる、軽量で経済性の高い水路
壁コンクリート等の施工用移動内型枠装置を提供
しようとするものである。

以下、本発明装置の実施例を図面を参照して説
明する。

図において１，１は所要の間隔をおいて対向し
て配置された一対の内型枠で、横バタ（図示を略
す）を連結した上下方向に長い腕材２，２の各外
側にはせき板３，３を取付けて形成されている。
各腕材２，２の上端部には型枠の長手方向に延長
する連結ピン４，４が突設され、これらのピン
４，４にはターンバツクル等の伸縮調節杆５の両
端部が連結されている。６は各腕材２，２の上端
部間に架設された胴材で、型枠１，１の横断方向
に長く形成され、その両端部には横長孔７，７が
開設され、これに前記の連結ピン４，４が係合
し、この横長孔７，７の長さの範囲内で型枠１，
１と胴材６とが矢印ａのように相互に横方向に移
動可能となつており、その移動調節は前記の伸縮
調節杆５の伸縮操作で行うことができる。また、
胴材６の下側にはジヤツキプレート８，８が垂設
され、その各下端部には、ネジ棒を型枠の腕材
２，２に対して矢印ｂのように進退させるように
したジヤツキ９，９が設けられている。

各型枠１，１の腕材２，２の下部には、型枠
１，１の走行移動に加えて、型枠との上下方向お
よび横方向への相対位置の調節ができ、型枠の整
型、調整、剥離等の操作が行える移動脚車１０，
１０がそれぞれ装着されている。この走行脚車１
０は、型枠の腕材２に取付けられる中空状の上下
方向に長いジヤツキボツクス１１内にネジ棒１２
が回動自在に設けられ、ネジ棒１２にはネジ送り
ピン１３が螺合され、これが回転操作部１４によ
りネジ棒１２を回動させることにより、ジヤツキ
ボツクス１１に形成した縦長孔１５に案内されて
上下動するようになつており、この縦長孔１５か
ら外部へ突出したピン１３に、下端部を内方にほ
ぼ直角に屈折させた突出部分１６ａを有するＬ型
プレート１６の垂直部の上部が取付けられてい
る。そして、Ｌ型プレート１６の中間部からは、
ジヤツキボツクス１１の下部に設けられた上下方
向の長孔１７に遊挿するピン１８が突設されてい
る。従つて、Ｌ型プレート１６は上下に位置する
ピン１３，１８を介してジヤツキボツクス１１に
取付けられて、ネジ棒１２の正逆転に応じて矢印
ａのように上下方向に移動調節されることにな
る。そして、Ｌ型プレート１６の突出部分１６ａ
にもその長手方向の長孔１９およびネジ棒２０が
設けられており、ネジ棒２０には長孔１９より突
出したネジ送りピン２１が螺合され、そのピン２
１には車輪２３がブラケツト２２を介して取付け
られ、回転操作部２５によりネジ棒２０を回転さ
せることにより矢印ｂのように横方向に移動調節
されるようになつている。

なお、前記の各ジヤツキ機構はネジ棒によるも
のを適用しているが、これはオイルジヤツキを含
め従来公知の技術を採用することができる。

次に、本発明装置の使用例について説明する
と、まず施工する壁体Ａ，Ａの内側に、その長さ
方向に沿つて一対のレール２４，２４を敷設し、
その上型枠が車輪２３，２３を介して載置され、
所定の施工位置に走行移動により搬入される。施
工位置においては各型枠１，１を所定の姿形に位
置決めするが、型枠１，１の上下位置は走行脚車
１０，１０のネジ棒１２，１２を回動してＬ型プ
レート１６，１６の位置を上下に調節することに
より行われる。そして、型枠１，１の下部の位置
決めはＬ型プレート１６，１６のネジ棒２０，２
０を回動して、Ｌ型プレート１６，１６と車輪２
３，２３との相対横移動により行われ、また、型
枠１，１の上部の間隔は、伸縮調節杆５の伸縮操
作および胴材６のジヤツキ９，９の進退操作によ
り行われる。更に、型枠の整形においてはその法
線合せを行う必要があるが、それには、走行脚車
１０，１０のネジ棒１２，１２によりＬ型プレー
ト１６，１６の上下への僅かな調節および胴材６
のジヤツキ９，９の僅かな調節により容易に行う
ことができる。

なお、この内型枠の設置にあたつては、施工す
る壁体Ａ，Ａの外側にも外型枠（図示を略す）を
設置するが、この外型枠については従来の一般的
な手組み式や移動式型枠が適宜採用できる。

壁体Ａ，Ａの打設コンクリートの硬化後は型枠
の剥離を行うが、それには、胴材６のジヤツキ
９，９をそれぞれ内方に退入させ、型枠上部間の
伸縮調節杆５を縮めて型枠１，１の上部を内方に
引寄せ、ついでネジ棒１２，１２を操作して型枠
を持上げ、次にＬ型プレート１６，１６のネジ棒
２０，２０を操作して型枠１，１の下部を車輪２
３，２３に対して内方へ移動させる。そして、図
示のように型枠１，１が施工した壁体Ａ，Ａより
十分離れたら、装置全体を押進して次の施工場所
へ走行移動させるのである。

本発明装置は、上述のように構成されており、
一対の型枠は胴材を介して結合され、かつ伸縮調
節杆および胴材のジヤツキにより、型枠の整形時
もまた走行移動時も、型枠は互に突張り状態で結
合、保持されるので、装置は全体として型枠を含
めて剛性の高い門形フレイム構造体をなし、しか
も型枠の下部には直接的に走行脚車が装着されて
いるので、従来のような門形フレイムや台車等の
大きな設備を設ける必要がなく、型枠装置全体が
軽量で安価に製作でき、また型枠間に広い作業空
間が確保できるとともに、型枠の整形、調節、剥
離、走行移動等の諸操作は、型枠上部の伸縮調節
杆と胴材のジヤツキおよび各走行脚車の上下調節
と横方向調節の各ネジ棒をそれぞれ操作すること
により、従来装置では困難の多かつた、移動型枠
における調整等の操作が極めて簡易に行うことが
でき、作業性が著しく向上され、水路壁コンクリ
ート等の施工が極めて能率的、経済的に行える
等、多くの優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明装置の一実施例を示した側断面図
である。 Ａ……施工する壁体、１……型枠、２……腕
材、３……せき板、４……連結ピン、５……伸縮
調節杆、６……胴材、７……横長孔、８……ジヤ
ツキプレート、９……ジヤツキ、１０……走行脚
車、１１……ジヤツキボツクス、１２……ネジ
棒、１３……ネジ送りピン、１６……Ｌ型プレー
ト、１８……ピン、２０……ネジ棒、２１……ネ
ジ送りピン、２３……車輪、２４……レール。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 施工する壁体の横断方向に長く形成した胴材
   の両端部に、一対の型枠の各上端部をそれぞれ回
   動自在でしかも胴材の長手方向に移動調節自在に
   結合し、また、胴材にはジヤツキプレートを垂設
   して、その下端部に、各型枠の内側への傾動を抑
   制するためのジヤツキを胴材の長手方向に進退調
   節自在に設けるとともに、各型枠の内側下部に
   は、型枠走行用の車輪を、型枠の上下方向および
   型枠の横断方向にそれぞれ移動調節自在とした走
   行脚車を装着したことを特徴とする、水路壁コン
   クリート等の施工用移動内型枠装置。