JPS6334210B2 - - Google Patents

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JPS6334210B2
JPS6334210B2 JP2840885A JP2840885A JPS6334210B2 JP S6334210 B2 JPS6334210 B2 JP S6334210B2 JP 2840885 A JP2840885 A JP 2840885A JP 2840885 A JP2840885 A JP 2840885A JP S6334210 B2 JPS6334210 B2 JP S6334210B2
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JP
Japan
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strip
temperature
plate
furnace
speed
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JP2840885A
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Naoharu Yoshitani
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Publication date
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  • Control Of Heat Treatment Processes (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は板厚、板幅、あるいは加熱炉出口のス
トリツプ温度基準が異なる種々の鋼板(ストリツ
プ)を溶接して一続きの連続したストリツプとな
し、これを加熱炉内に連続的に通板する連続焼鈍
炉に関するものであり、特にその加熱炉出口のス
トリツプ温度(板温)を制御する方法及び装置に
関する。 尚、一般に連続焼鈍炉には冷間圧延された鋼板
を加熱するための加熱帯、加熱帯から出た鋼板を
所定温度に保持する均熱帯、次いで鋼板を冷却す
る1次冷却帯、以下、過時効帯、2次冷却帯、等
等の各種帯域が鋼板の輸送路に沿つて並設され1
つの連続した焼鈍処理ラインを構成するが、本発
明で制御の対象としている板温は上記加熱帯出口
での板温であり、従つて、本文において加熱炉あ
るいは炉温と表現してあるのは正確には上記加熱
帯あるいは加熱帯温度を意味するものである。 〔従来の技術〕 連続焼鈍炉においてはその連続焼鈍を可能なら
しめるべく加熱炉に送られる鋼板(ストリツプ)
は加熱炉の上流で通板中のストリツプの最後尾に
次に通板されるべきストリツプの先端が順次溶接
され、こうして加熱炉には常時ストリツプが連続
的に通板される。この場合、ストリツプは同一の
ものが溶接される場合もあるし、板厚、板幅ある
いは板温基準の異なるものが溶接されることもあ
る。 このように板厚、板幅あるいは板温基準が変化
する点(一般には各ストリツプ間の溶接点に対応
する)をセツト替点と称し、この変化をセツト替
と称する。以下、本発明においても燃料流量の変
更を伴う板厚、板幅あるいは板温基準等の変化点
をセツト替えと称する。尚、板温の変更は燃料流
量を変更することなくストリツプの炉内滞留時
間、即ちストリツプの通板速度を変更することに
よつて対処できる場合もあるが、一般には通板速
度とともに燃料流量も変更して板温を変化させ
る。板温が板温基準(目標値)から外れるとスト
リツプの焼き不足あるいは焼き過ぎを招来し製品
としての歩留りを低めることになるので連続焼鈍
炉においてセツト替えに際しては勿論のこと定常
状態においてもストリツプ温度(板温)の管理な
いしは制御はきわめて重要なものである。 板温の制御は一般には加熱炉の燃料(例えばコ
ークス炉から排出されるコークス炉ガスCOGが
利用される)の流量設定値あるいは炉温設定値を
操作量として変更することにより行われる。特
に、炉温設定値を操作量とする場合は、更にその
下位の制御系の炉温制御ループにおいて、燃料流
量設定値を操作量として炉温をその設定値に制御
するようになつている。セツト替時のストリツプ
の板温制御については、従来から種々の方法が実
施されているがその多くはいずれもセツト替前後
の諸条件に応じて操作量を予めプリセツト計算に
より求めておき、その計算値に基づいて操作量
(例えば、燃料流量)を変更するものである(例
えば特開昭57−35640号公報参照)。操作量の変更
量と変更開始の時期とは、セツト替前後で変化す
る板厚、板幅、あるいは板温基準、あるいはまた
必要に応じて計算により求められる。 しかしながら従来のこのようなプリセツト計算
に基づく方法では操作量はプリセツト計算によつ
て求めた値に従つて設定されるに過ぎずセツト替
終了まではフイードバツク制御を行うことはでき
ない。すなわち操作量が一旦プリセツト計算によ
り設定されたら、その間にプリセツトモデル自体
の誤差あるいは板厚、速度等の外乱による制御誤
差が生じてもその修正はできず、板温はセツト替
終了まで制御誤差を生じたままで推移するだけで
ある。従つて、例えば何らかの原因で板温が急変
した様な場合であつても操作量は変更できずその
結果ストリツプにヒートバツクル等の欠陥が発生
し、連続焼鈍炉の操業トラブルを引き起こすこと
もあつた。従来においても、フイードバツク制御
は行われるが、それはあくまでセツト替終了後に
板温を板温基準の前後でハンチングさせながら板
温基準を維持するためのものであつて、板温基準
に向つて推移する板温の軌道そのものを、制御量
の変化ないしは外乱等を取り込んで修正しながら
板温基準にもつていくという制御はできなかつた
しそのような構想もなかつた。更にまた、上述の
如き従来技術ではセツト替え終了までの制御の態
様とセツト替終了後の定常状態の制御の態様とが
上述の如く異なるため、同一の制御ループで制御
をすることはできないという不都合があつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の解決すべき課題は上述の如き従来技術
に鑑み、操作量としての燃料流量設定値またはス
トリツプの通板速度を従来の如きプリセツト計算
に基づいて画一的に変更するものではなく、将来
のセツト替(その次、あるいは更にそれ以後に予
定されているセツト替)に対して、セツト替前後
の板温推移が最適となる様な目標板温推移軌道
と、通板速度変更量及び速度変更開始の最適タイ
ミングとを前もつて求め、こうして求めた目標板
温推移軌道に実際の板温が一致する様に推移中
(セツト替中)も操作量を時々刻々計算、制御す
るプロセス制御(ないしはプラント制御)を実現
することである。 即ち、本発明の目的はプロセス制御(あるいは
プラント制御)の種々の手法を採り入れセトリツ
プの製品としての品質確保と操業トラブル防止と
いう条件を満足する範囲内で炉出口板温の高精度
の制御を可能ならしめることである。 更にまた、本発明はセツト替中もセツト替完了
後の定常状態においても全く同様の制御を続行で
きるような制御系を実現することも企図してい
る。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的を達成するために、本発明によればま
ず、炉出口板温(以下、単に板温あるいは板温基
準と言うときは加熱帯出口における板温あるいは
板温基準を意味するものとする)と、炉温、燃料
流量、板厚、板幅、及び通板速度との関係を動的
に表現する板温制御モデルを設ける。将来の板
厚、板幅、または板温基準の変更(セツト替)に
際しては該モデルを用いて板温の推移軌道(目標
板温軌道)と通板速度変更量及び速度変更開始の
最適タイミングとを前もつて求めることができ
る。 ストリツプのセツト替位置は絶えずトラツキン
グされている。ストリツプの速度変更が必要なと
きには上記で求めた速度変更開始時期に通板速度
を変更すると共に板温が推移軌道に向かつて推移
するように燃料流量を所定のサンプリング周期で
制御する。その際に将来の板厚、板幅、通板速度
をセツト替位置のトラツキングに基づき常に予見
すると共にこの予見値に基づき上記制御モデルを
用いて将来の板温を常時予見し、この予見値が上
記推移軌道に沿うように燃料流量を時々刻々算出
し制御する。 本発明においては一般にはセツト替に際しては
燃料流量の変更を伴うが、通板速度については必
ずしも常に変更があるとは限らない。しかしなが
ら通板速度の変更が不要な場合であつてもそれは
あくまでプリセツト計算によつて求められる通板
速度の設定値がセツト替前後で同一であるという
“特別”な1つの結果にすぎないと考えることが
できる。この意味において、通板速度は厳密な意
味では操作量とは言い難いが制御量たるストリツ
プ温度を支配するために変化させる量として捉え
れば操作量と見做すこともでき、本発明において
も通板速度を操作量として規定している。 更にまた本発明によれば上述の如き制御方法を
実施する装置も提供される。本発明に係る制御装
置は、ストリツプのセツト替点を検出するセツト
替検出器、ストリツプの通板速度を検出する速度
検出器、加熱炉の温度を検出する炉温検出器、並
びに炉出口におけるストリツプの温度を検出する
板温検出器、を具備した検出器群と、上記セツト
替検出器及び速度検出器からの出力信号に応じて
ストリツプのセツト替位置を絶えず追跡するスト
リツプトラツキング手段と、所定の通板スケジユ
ールに基づいてストリツプの仕様(セツト替前後
の、板厚、板幅、炉出口板温基準)を予め指定す
るストリツプ仕様設定手段と、上記板温制御モデ
ルによりセツト替後の通板速度を設定する通板速
度設定手段と、板温制御モデルにより通板速度の
変更開始タイミングを設定する速度変更位置設定
手段と、上記通板速度の変更開始タイミング時に
通板速度を設定通板速度に制御する速度制御手段
と、上記ストリツプ仕様設定手段によるセツト替
前後のストリツプ仕様に基づき上記板温制御モデ
ルを用いて所定の評価関数の最小値を与える板温
の推移軌道を設定する板温軌道設定手段と、将来
の板厚、板幅、通板速度をセツト替位置のトラツ
キングに基づき常に予見するこれら制御の外乱の
予見手段と、この予見値に基づき上記制御モデル
を用いて将来の板温を常時予見し、この予見値が
上記推移軌道に沿うように板温を所定のサンプリ
ング周期でフイードバツク制御する板温制御手段
と、該板温制御手段からの出力信号に基づき燃料
流量を制御する燃料流量制御手段を有する。 〔実施例〕 以下、図面を参照して本発明の好ましい実施例
につき説明する。 まず初めに第12図を参照して従来の制御方法
について説明する。 同図においてストリツプ1は白ぬき矢印の方向
に進むものとし、板厚がP点で小から大に変化す
る場合を考える。即ち、P点はセツト替え点であ
る。セツト替点Pの前後で板温基準を同一に保持
する、即ち、板温基準が変化しない場合の制御は
次の通り行われる。但し通板速度は一定のままと
する。セツト替点Pが炉出口に達してから炉温の
上昇を開始したのでは、厚肉部先端の焼き不足が
生じるのでそれを防止するためにセツト替点Pが
炉出口に達する時点(セツト替時点)よりT1
間前に、燃料流量設定値をΔSだけ増加させ、以
後セツト替まではこの設定値を一定に保持する。
これらT1とΔSの値はストリツプの板厚の変化量
に基づきプリセツト計算により求められる。その
結果炉温は燃料の増量開始からT2時間後に上昇
し始める。板温はそれから更にT3時間後に上昇
し始める。従つて、T2+T3が制御系におけるむ
だ時間に相当する。尚、T3はほとんど零と見做
すこともできる。ストリツプはセツト替点Pが炉
出口に達すると、実際は板厚の急変のため基準値
より一旦わずかに下がるがすぐに基準値になり、
こうして板厚がセツト替点Pで厚物に変化しても
セツト替以前の板温を保持できる。尚、燃料流量
はT1時間の間プリセツト計算によつて求めた値
に従つて変化する場合もあるがいずれにしろプリ
セツト計算通りに推移するに過ぎない。 しかしながらこのような単純な制御方法では前
述の如く、燃料流量が一旦プリセツト計算により
設定されたら、その間にプリセツトモデル自体の
誤差あるいは板厚、速度等の外乱による制御誤差
が生じてもその修正はできず、板温はセツト替終
了まで制御誤差を生じたままで推移するだけであ
る。従つて、例えば何らかの原因で板温が急変し
た様な場合であつても設定された燃料流量は変更
できずその結果、ストリツプにヒートバツクル等
の欠陥が発生し、連続焼鈍炉の操業トラブルをひ
き起こすなどの問題があつた。 かかる問題は本発明によれば解決される。 第1図は本発明に係る板温及び速度制御系の全
体構成の一実施例を示すブロツク図であり、初め
にこれを参照して、本発明の概要を説明する。 同図に示す信号線のうち実線はデータの流れ、
点線は検出パルスまたは起動信号を示す。尚、本
発明は実際はプロセスコンピユータを用いて制御
されるものであり第1図はその内部を機能的に解
り易く示すものである。冷間圧延されたストリツ
プ100は、加熱炉(加熱帯)102を通過中は
ハースロール104により上下方向に多数回往復
し、その間にヒーター106により加熱される。
加熱帯102を出たストリツプ100は前述の如
く均熱帯(図示せず)に送られる。 本発明の制御対象は炉出口におけるストリツプ
100の温度(板温)であり、炉の燃料流量ある
いはそれとストリツプの炉内速度(通板速度)と
を操作することによりセツト替前後において板温
を予め設定される推移軌道に沿つて推移をさせる
ことを企図している。ヒータ106は一般にはラ
ジアントチユーブ108により構成され、これら
ラジアントチユーブ108からの放射熱によりス
トリツプ100を加熱する。ラジアントチユーブ
108の熱源としては例えば前述の如くコークス
炉ガス(COG)が利用され、従つてその流量FL
を操作することにより板温を制御することができ
る。 ヒータ106への燃料流量FLは公知の燃料流
量検出器13により検出され、燃料流量制御器1
0により制御される。 また通板速度vは公知の速度検出器11により
検出され、速度制御器5により制御される。速度
制御器5は実際的には例えばストリツプ100の
駆動ローラ110の駆動モータ112の回転数を
制御する。 これらの制御器5,10においては、例えば比
例積分微分(PID)制御のような、一般的に使用
されている制御方式が用いられる。 本発明の要点は、セツト替に当たつて速度制御
器5及び燃料流量制御器10への設定値をどの様
に定めるかということにある。 まずストリツプトラツキング装置6は炉の入口
及び出口に配設したセツト替点検出器19からの
検出パルスP1,P2、速度検出器11により検出
した通板速度v、及びストリツプ長(ストリツプ
の1ロツトの長さ、即ち先行のセツト替点から後
続のセツト替点までの長さ)L1に基づいて、加
熱炉出口から次のセツト替点までのストリツプ長
(セツト替点位置)Zを常時求めて後述のセツト
替点位置比較器4、パラメータ推定器9並びに板
温制御器8に出力すると共に、セツト替点の加熱
炉出口通過のタイミングに応じてストリツプ仕様
設定器1に起動信号P3を出力する。 ストリツプ仕様設定器1は、ストリツプトラツ
キング装置6からの信号P3により起動され、ス
トリツプの既定の通板スケジユールに基づいて、
ストリツプ仕様(板厚TH1、TH2;板幅WD1
WD2;ストリツプ全長L1、L2;加熱炉出口板温
基準TS01、TS02)を出力すると共に炉入口側の
セツト替点検出器19がセツト替点を検出した時
に後述の通板速度設定器2に起動信号P4を出力
する。ここでストリツプ仕様中の添字1は、加熱
炉出口通過中のストリツプに関する値であり、添
字2は後続のセツト替後のストリツプに関する値
である。 また、特にストリツプの全長L1、L2について
は、例えばストリツプ長が極端に短い場合、例え
ば先行のセツト替点が炉出口に達した時に後続の
セツト替点がすでに炉入口のセツト替点検出器1
9を通過しているような場合に、制御パラメータ
の1つとして考慮しなければならないが、一般に
は1ロツトのストリツプ長はそれよりはるかに長
いのでその場合には考慮から外してもよい。 通板速度設定器2は、ストリツプ仕様設定器1
からの信号P4で起動され、来たるべきセツト替
後のストリツプ仕様(TH2、WD2、L2、TS02
に基づき当該ストリツプ(後続ストリツプ)に対
する設定速度V02を計算し出力すると共に、速度
変更位置設定器3に起動信号P5を出力する。 速度変更位置設定器3は通板速度設定器2から
の信号P5で起動され、速度検出器11からの通
板速度v、通板速度設定器2からのセツト替後の
設定速度V02、及びストリツプ仕様設定器1から
のセツト替前後のストリツプ仕様を入力して、通
板速度をv(現在値)からV02(目標値)へ変更す
る最適タイミングを求める。尚、この変更タイミ
ングは速度変更位置Lv、つまり速度変更時にお
けるセツト替点位置と、加熱炉出口との間のスト
リツプ長として求められる。速度変更位置設定器
3は速度変更位置Lvと共に、後述の板温軌道設
定器7に起動信号P6を出力する。 セツト替点位置比較器4は、速度変更位置Lv
と次のセツト替点までのストリツプ長Zとを常時
比較し、LvとZが等しくなる(Lv=Z)タイミ
ングで設定速度V02を速度制御器5への設定値
Vs1(Vs1=V02)として出力する。 一方、板温軌道設定器7は、速度変更位置設定
器3からの起動信号P6により起動され、現在及
びセツト替前後のストリツプ仕様(TH1、TH2
WD1、WD2、L1、L2、TS01、TS02)、通板速度
v、設定速度V02、及び速度変更位置Lvとを入力
して、後述の板温制御モデルを用いて後続のセツ
ト替の前後における板温推移軌道(目標板温軌
道)TSxを求めこれを出力する。板温追従制御
器8は板温をフイードバツク制御するもので、所
定の制御周期(サンプリング周期)で起動され、
セツト替前後のストリツプ仕様、セツト替点まで
のストリツプ長Z、通板速度v、設定速度V02
速度変更位置Lv、並びに炉温検出器12からの
炉温観測値TF、燃料流量検出器13からの燃料
流量観測値FL、炉出口での板温検出器14から
の板温観測値TS、及び目標板温軌道TSxを入力
して、燃料流量設定値FLsを計算し、燃料流量制
御器10に出力する。燃料流量制御器10は例え
ば流量制御弁でよい。 以上述べた中で、通板速度設定器2、速度変更
位置設定器3、板温軌道設定器7、及び板温追従
制御器8は、後述の(1)〜(4)式に示される様な、炉
出口板温と、炉温、燃料流量、板厚、板幅、及び
速度との動的な関係を表わす板温制御モデル(サ
ンプリング周期を時間の単位として、時間に関し
て離散したモデル)を有している。 パラメータ推定器9は、所定のサンプリング周
期で起動され、上記板温制御モデル中の未知パラ
メータの推定値(ベクトル表現でθ^で表わす)を
今回までの実績値を用いて推定し上記各設定器
2,3,7及び制御器8に出力する。θ^の計算に
際しては、第1図からも明らかな様にTH1
WD1、v、V02、Lv、Z、TF、FL、TSの各種
信号が利用される。 尚、加熱炉は実際には複数のゾーンに分割され
夫々のゾーンを独立的に温度制御する事が多い。
そのような場合は、第2図に示す如く燃料流量検
出器13−1〜13−4と燃料流量制御器10−
1〜10−4とは各ゾーン,,,に1個
ずつ設置され、ゾーン毎に独立な燃料流量制御が
行われる。この場合好ましくは、燃料流量制御器
10−1〜10−4と板温制御器8との間には、
燃料流量配分器30が設けられ、板温追従制御器
8から出力された加熱炉全体に対する燃料流量設
定値FL3を、各ゾーンに適当な割合、FLs-1
FLs-4で配分する。FLs-1〜FLs-4は互いに等しい
場合もあるしあるいは異なる場合もある。 〔板温制御モデル〕 本発明において用いられる前述の板温制御モデ
ルはサンプリング周期(制御周期)を時間の単位
として時間に関して離散化したモデルであり、次
式によつて規定される。 y^(t)=a^y(t−1)+b^u(t−d) +b^u(t−d−1)+…+b^nu(t−d−

+1) +c^w1(t)+c^w2(t)+…+c^w4
t)
……(1) (1)式で表されるモデル式は、過去から(t−
1)時点までの炉出口板温、炉温、及び燃料流量
設定値の値(実績値)と、過去からt時点までの
板厚、板幅及び速度の値(実績値または予見値)
とを用いて、t時点における板温を推定(予見)
するものである。 上式において、 u(t−j)=DVF(t)・{FL(t−j)−} (j=d、d+1、…、d+m−1) ……(2) y(t)=TS(t)− ……(3) DVF(t)=∂(TSS(t))/∂(TF(t))…
…(4) 但し、上式中における各記号の意味するものは
次の通りである。 t:時刻(サンプリング周期を1単位とする) d:燃料流量と炉出口板温との間の制御上のむだ
時間(正整数) u:モデルにおける操作量(燃料流量) y:モデルにおける制御量(炉出口板温) y^:yの推定値 m:uの次数(正整数) FL:燃料流量 TF:炉温 TH:炉出口板厚 WD:炉出口板幅 VS(t):t時点において炉出口を通過する、ス
トリツプ上の点Pの炉内速度 v:通板速度 TSS:炉出口板温の定常値(板厚、速度が一定
な定常状態における板温) SVF:定常状態において、炉入口板温を基準と
した場合の炉出口板温の炉温に対する比 DVF:炉出口板温の炉温変化に対する変化率
(偏微分係数) w1、…、w4:予見可能な外乱、(板厚、板幅、速
度) g:速度重み率 gは0〜1間の適当な値とする。時刻が分単
位の時、gの値は0.6〜0.8が好ましい。 TV:加熱負荷〔=(板厚)×(炉内速度)〕 TSi:炉入口板温(定数) 、;夫々、FL、TSの値の通常操業におけ
る平均値 a^、b^、b^、…、b^n、c^、c
、c^、
^:未知パラメータの推定値 尚、これらモデルパラメータの推定値は、実操
業中に同定と逐次適応修正とが行われる。 上記第(1)式は実操業の知見に基づき、動的熱収
支理論から導出されるもので、 板温予見(予測)値=f(板温、流量、板厚、
板幅、速度、の過去及び現在値)なる関数として
認識できる。即ち、第(1)式はt−1を現在時刻と
して、 を展開したものであり外乱項wi(t)を加味した
点で従来のダイナミツクモデルと区別される。 また板温定常値TSSは定常伝熱理論より導出
されるもので次の如き関数、 板温定常値=f(炉温、板厚、速度、の現在値)
として認識される。 以上の特徴を持つた板温モデルを用いて、加熱
炉の板温制御は以下の如き方法で行われる。 〔板温推移軌道(目標板温軌道)の設定まで〕 第8図にトラツキング手段がセツト替点を検出
してからそのセツト替前後の板温推移軌道を求め
るためのフローチヤートが示される。その内容を
説明するに、トラツキング手段6がセツト替点を
検出するとまず前述の板温定常値TSSの計算式
を用いて、ストリツプの仕様に基づき、セツト替
後の板温が所定の板温基準に一致するような通板
速度を計算し設定する。 次にその通板速度への変更開始タイミングtsc
として、所定の評価関数が最小となるような値を
求める。この評価関数は、例えば次のように設定
する。 I=wse1 2+(1−ws)e2 2 ……(5) ここでe1、e2は夫々、セツト替直前、直後にお
ける板温の板温基準からの差(板温偏差)を表わ
し、wsはセツト替前後のストリツプ仕様によつ
て定まる定数で0ws1である。 上記の評価関数を用いる場合、tscをある値に
定めれば、現在以降炉温がほぼ一定との条件(操
業上好ましい条件)の下で、板厚、板幅、速度の
従来の予見値と(1)式とからe1、e2の値が求められ
Iの値が定まる。従つてtscのいくつかの値に対
するIの値を求めることにより、Iを最小とする
tscの値が求められる。ただしtscの値は、セツト
替前後における所定の許容範囲を越えないように
する。 tscの値が定まれば速度変化のみによる板温推
移軌道が上記板温制御モデルを用いて求まるから
これを軌道の初期値とする。こうして求めた初期
値軌道では不適切な場合には第9図斜線部に示す
ような修正量を加えて初期値軌道を修正し、板温
推移軌道(目標板温軌道)を設定する。 〔板温追従制御〕(第10図参照) 以上の如くして求めた目標板温軌道に実際の炉
出口板温を追従させる板温追従制御においては、
所定のサンプリング周期で、操作量である燃料流
量を時々刻々算出する閉ループ制御が行なわれ
る。燃料流量は、例えば次のような評価関数Jの
最小値を与える値として求める。 ここでd、u、y^は(1)式と同じであり、tは現
在時刻、yrは目標板温、usは定常状態におけるu
の値、qiは適当な定数、nは0または正整数とす
る。 上記のJの最小値を与えるu(t)の値を(2)式
に代入して、燃料流量FL(t)の値を求め、この
値を設定出力することにより制御が行なわれる。 ところでJにus(t)の項が含まれる理由は、
定常偏差をなくすためであり、また過去の操作量
u(t−1)、…u(t−n)の項を含めた理由は
適応制御の一分野であるSTC(Self Tuning
Control)理論に従つて、制御特性を改善するた
めである。 qiの値を定数にとれば通常のSTCとなるが、パ
ラメータ推定値a^、b^、…、b^n、c^、
…、
^を用いて適当な計算式によりqiを求める様に
すれば、極指定型・Self−tuning制御(極指定型
STC)が実現する。極指定型STCは、パラメー
タ推定値がいかに変化しても、板温制御系の極、
即ち目標板温から実際の板温までの間の伝達関数
の極が常に指定した値となる様な制御方式であ
り、qiの値の計算は多少複雑になるが、常に安定
した制御が行われるのでqiを定数とする場合より
望ましい。特に極をすべて原点に指定した場合
は、目標値変更に対して有限時間で板温が目標に
一致するいわゆる有限整数制御が実現する。 極指定型STCにおけるnの値の定め方とqi(i
=0、1、……・n)の計算式とは、種々の文献
に述べられており、また本発明の直接関与すると
ころではないので省略する。 〔モデル中の未知パラメータの同定と適応修正〕
(第11図参照) 板温モデル第(1)式は、ベクトル表現により次の
様に書換える事ができる。 φ(t)=(y(t−1)、u(t−d)、…、u(t
−d−m+1)、w1(t)、…、w4(t))T……(10) 但し
〔発明の効果〕
以上から明らかな様に本発明によれば、ストリ
ツプの炉出口板温と、炉温、燃料流量、板厚、板
幅及び速度との関係を動的に表わす板温モデルに
基づき、将来のセツト替に対して板温推移軌道が
品質上、操作上、また燃料消費上最適となる様
に、速度の変更と燃料流量設定値の出力とを行つ
ているため、ストリツプ品質の確保、操業の安定
化、及び燃料消費量の最小化を実現でき、また、
板温制御に関しては、安定性と追従性とを満足し
た高い制御性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る板温制御装置の一実施例
を図解的に示すブロツク図、第2図は第1図とは
別の実施例を示す要部のブロツク図、第3図はス
トリツプの(板厚×速度)の逆数と板温との関係
を示す定常状態の特性線図、第4図、第5図、第
6図、第7図は夫々炉温、燃料流量、板厚、及び
速度の変化に対する板温の時間的変化を示す特性
線図、第8図は本発明に係る板温の推移軌道を設
定するためのフローチヤートを示す図、第9図
は、セツト替前後の板温推移軌道(目標板温軌
道)の一例を示す図、第10図は板温制御計算の
フローチヤートを示す図、第11図はパラメータ
推定計算のフローチヤートを示す図、及び第12
図は板厚変化時における従来の板温制御方法の説
明図である。 1……ストリツプ仕様設定器、2……通板速度
設定器、3……速度変更位置設定器、5……速度
制御器、6……トラツキング手段、7……板温軌
道設定器、8……板温追従制御器、9……パラメ
ータ推定器、11……速度検出器、12……炉温
検出器、14……板温検出器、100……ストリ
ツプ、P……セツト替点。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 板厚、板幅あるいは加熱炉出口温度基準の異
    なるストリツプを加熱炉に連続的に通板して連続
    焼鈍を行う連続焼鈍炉においてこれら板厚、板
    幅、あるいは加熱炉出口ストリツプ温度基準(板
    温基準)の変更(セツト替)に伴い操作量として
    の加熱炉の燃料流量あるいはそれとストリツプの
    炉内通板速度とを変更して制御量たる加熱炉出口
    ストリツプ温度(板温)を制御する板温制御方法
    であつて、初めに炉出口板温と燃料流量、炉温、
    板厚、板幅及びストリツプの炉内通板速度との関
    係を動的に表現する可変未知パラメータを含む板
    温制御モデルを設定し、来たるべき板厚、板幅あ
    るいは炉出口板温基準の変更(セツト替)に対し
    て所定の評価関数の最小値を与える板温の推移軌
    道と、ストリツプの炉内通板速度の変更を伴う場
    合にはその速度変更量並びに変更開始時期とを上
    記板温制御モデルを用いて予め求め、ストリツプ
    のセツト替位置を絶えずトラツキングしながら上
    記で求めた速度変更開始時期に通板速度を変更す
    ると共に板温が推移軌道に向かつて推移するよう
    に燃料流量を所定のサンプリング周期で時々刻々
    算出し制御することを特徴とする連続焼鈍炉にお
    ける板温制御方法。 2 燃料流量の設定値を求める際にその設定値は
    所定の評価関数の最小値を与える値として、板温
    制御モデルを用いて算出されることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項に記載の板温制御方法。 3 制御モデル中の可変未知パラメータを推定す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    の板温制御方法。 4 板厚、板幅あるいは加熱炉出口板温基準の異
    なるストリツプを加熱炉に連続的に通板して連続
    焼鈍を行う連続焼鈍炉において炉出口板温と燃料
    流量、炉温、板厚、板幅及びストリツプの炉内通
    板速度との関係を動的に表現する可変未知パラメ
    ータを含む板温制御モデルに基づいて板厚、板幅
    あるいは炉出口板温基準の変化に伴い操作量たる
    加熱炉の燃料流量あるいはそれとストリツプの炉
    内通板速度とを変更して制御量たる加熱炉出口ス
    トリツプ温度(板温)を制御する板温制御装置で
    あつて、 ストリツプのセツト替点を検出するセツト替検
    出器、ストリツプの通板速度を検出する速度検出
    器、加熱炉の温度を検出する炉温検出器、並びに
    炉出口におけるストリツプの温度を検出する板温
    検出器を具備した検出器群と、 上記セツト替検出器及び速度検出器からの出力
    信号に応じてストリツプのセツト替位置を絶えず
    追跡するストリツプトラツキング手段と、 所定の通板スケジユールに基づいてストリツプ
    の仕様(セツト替前後の、板厚、板幅、炉出口板
    温基準)を予め指定するストリツプ仕様設定手段
    と、 上記板温制御モデルによりセツト替後の通板速
    度を設定する通板速度設定手段と、 上記板温制御モデルにより通板速度の変更開始
    タイミングを設定する速度変更位置設定手段と、 上記通板速度の変更開始タイミング時に通板速
    度を設定通板速度に制御する速度制御手段と、 上記ストリツプ仕様設定手段によるセツト替前
    後のストリツプ仕様に基づき上記板温制御モデル
    を用いて所定の評価関数の最小値を与える板温の
    推移軌道を設定する板温軌道設定手段と、 将来の板厚、板幅、通板速度をセツト替位置の
    トラツキングに基づき常に予見するこれら制御の
    外乱の予見手段と、 この予見値に基づき上記制御モデルを用いて将
    来の板温を常時予見し、この予見値が上記推移軌
    道に沿うように板温を所定のサンプリング周期で
    フイードバツク制御する板温制御手段と、 該板温制御手段からの出力信号に基づき燃料流
    量を制御する燃料流量制御手段、 を有する連続焼鈍炉における板温制御装置。
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