JPH08199248A - 連続焼鈍設備の温度制御装置 - Google Patents

連続焼鈍設備の温度制御装置

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JPH08199248A
JPH08199248A JP684395A JP684395A JPH08199248A JP H08199248 A JPH08199248 A JP H08199248A JP 684395 A JP684395 A JP 684395A JP 684395 A JP684395 A JP 684395A JP H08199248 A JPH08199248 A JP H08199248A
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Japan
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heating zone
temperature
furnace
primary
operation amount
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JP684395A
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Inventor
Akihiko Hasegawa
谷 川 明 彦 長
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Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 板温制御の精度を改善する。加熱ゾ−ン間の
制御の干渉をなくする。 【構成】 炉毎又は加熱ゾ−ン毎に、最初の炉の入側か
ら加熱ゾ−ン出側までのストリップ温度上昇に必要な一
次操作量(S11,S21,S31)を生成する。当該
加熱ゾ−ンの一次操作量からそれよりも上流の全ての加
熱ゾ−ンの一次操作量を減算して二次操作量(S22,
S32)を生成し、二次操作量で各加熱ゾ−ンの燃料流
量を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続焼鈍設備の温度制
御に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に連続焼鈍設備においては、複数の
炉が連なるように設置され、あるいは1つの炉内に領域
毎に区分された複数の加熱ゾ−ンが設置されており、ス
トリップ(鋼帯)は、複数の炉あるいは複数の加熱ゾ−
ンに連続的に通板される。
【0003】この種の連続焼鈍設備において温度制御を
する場合、従来より、最終の炉の出側又は最終の加熱ゾ
−ンの出側に設置した単一の温度計によって板温を検出
し、この板温が目標値になるように制御している。
【0004】また、特開昭62−222030号公報で
は、加熱帯毎の定常熱収支モデルを作成しておき、スト
リップサイズ,通板速度,及び各加熱帯の燃料流量を与
えて前記モデルの計算をすることにより、各加熱帯出側
のストリップ温度を求めるとともに、一定の評価関数に
基づいて複数の加熱帯の出側目標温度を設定し、適当な
制御アルゴリズムにより各加熱帯の燃料流量を決定し
て、結果的に複数の加熱帯の出側板温をある昇温パタ−
ンに制御する、ことを提案している。
【0005】また、1つの連続焼鈍設備に複数の加熱炉
が順番に並んで設置されている場合には、一般にそれぞ
れの加熱炉について、独立した温度制御が実施される。
この種の温度制御には、例えば特公昭63−34210
号公報の技術を適用しうる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
上記特開昭62−222030号公報の技術を用いる場
合には、各加熱帯出側の板温を自由に調整することがで
きない。また、複数の加熱帯間の制御の干渉の影響が考
慮されていないため、制御対象の加熱帯以外で昇温パタ
−ンが変化したり、外乱を受けた場合には、実際の板温
とその目標値との偏差が増大する。
【0007】また、連続する炉のそれぞれで独立した温
度制御を実施する場合には、次のような不具合が生じ
る。即ち、i番目の炉の制御において、前炉出側(当該
炉の入側)板温をTs(i-1)、当該炉の出側板温をTs
(i)とし、当該炉における昇温量y(i)が、y(i)=Ts
(i)−Ts(i-1)となるように制御する場合に、図2に示
すように、Ts(i-1)として前炉の制御系の温度目標値を
利用すると、前炉までのストリップの温度履歴(昇温パ
タ−ン)が制御に反映されないので、この昇温パタ−ン
が変化すると、当該炉の温度制御の精度が悪化する。ま
た、例えば図3に示すように、Ts(i-1)として実績
(温度計の検出値)を利用する場合には、更に、前炉ま
での全ての温度制御系の制御誤差が、当該炉の制御系に
悪影響を及ぼすので、温度制御の精度が悪化する。
【0008】本発明は、連続焼鈍設備の温度制御におい
て、制御対象炉(又は加熱帯)の上流でのストリップの
昇温履歴や温度制御誤差の影響によって、当該炉(又は
加熱帯)の制御誤差が悪化するのを防止することを課題
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、複数の炉が連なる連続焼鈍設備、もし
くは互いに区分された複数の加熱帯を有する連続焼鈍設
備の温度制御装置において:各々の炉又は加熱帯毎に、
その出側の温度と前記連続焼鈍設備の入側の温度との差
分を制御量として、それを制御するための一次操作量
(S11,S21,S31)を生成する一次操作量生成
手段(11,21,31);最上流の炉又は加熱帯を除
く各々の炉又は加熱帯毎に、それよりも上流の前記一次
操作量生成手段が生成した一次操作量を、当該炉又は当
該加熱帯の一次操作量生成手段が生成した一次操作量か
ら減算した結果を二次操作量(S22,S32)として
それぞれ出力する二次操作量生成手段(22,32a,
32b);および前記二次操作量生成手段が出力する各
々の二次操作量に従って、各々の炉又は加熱帯を制御す
る出力制御手段(41,42,43);を設ける。
【0010】また、請求項2においては、前記複数の炉
又は複数の加熱帯のそれぞれの出側に、それを通るスト
リップの板温を検出する板温検出手段(61,62,6
3)を備える。
【0011】また、請求項3においては、前記一次操作
量生成手段は、前記各一次操作量が予め定めた上限値及
び下限値の範囲を外れる場合には、その範囲内の値に一
次操作量を修正する一次操作量修正手段(13,23,
33)を備える。
【0012】なお上記括弧内に示した記号は、後述する
実施例中の対応する要素の符号を参考までに示したもの
であるが、本発明の各構成要素は実施例中の具体的な要
素のみに限定されるものではない。
【0013】
【作用】本発明においては、一次操作量生成手段(1
1,21,31)は、各々の炉又は加熱帯毎に、その出
側の温度と前記連続焼鈍設備の入側の温度との差分を制
御量として、それを制御するための一次操作量(S1
1,S21,S31)を生成する。
【0014】例えば、図1に示すようにストリップの搬
送経路上に3つの加熱ゾ−ンZ1,Z2,Z3が並んで
設置されている場合には、加熱ゾ−ンZ1を制御する第
1の一次操作量生成手段(11)は、設備の入口(Z1入
口)から加熱ゾ−ンZ1の出口までのストリップの温度
上昇分を制御対象とし、加熱ゾ−ンZ2を制御する第2
の一次操作量生成手段(21)は、前記設備の入口(Z1
入口)から加熱ゾ−ンZ2の出口までのストリップのト
−タルの温度上昇分を制御対象とし、加熱ゾ−ンZ3を
制御する第3の一次操作量生成手段(31)は、前記設
備の入口から加熱ゾ−ンZ3の出口までのストリップの
ト−タルの温度上昇分を制御対象とする。
【0015】しかしながら、例えば、加熱ゾ−ンZ2に
入るストリップはその上流の加熱ゾ−ンZ1で加熱され
ているので、第2の一次操作量生成手段(21)が出力
する一次操作量は、加熱ゾ−ンZ1での加熱分だけ過大
になる。また、加熱ゾ−ンZ3に入るストリップはその
上流の加熱ゾ−ンZ1,Z2で加熱されているので、第
3の一次操作量生成手段(31)が出力する一次操作量
は、加熱ゾ−ンZ1,Z2の分だけ過大になる。
【0016】そこで本発明では、二次操作量生成手段
(22,32a,32b)が、それよりも上流の前記一
次操作量生成手段が生成した一次操作量を、当該炉又は
当該加熱帯の一次操作量生成手段が生成した一次操作量
から減算した結果を二次操作量(S22,S32)とし
てそれぞれ出力し、出力制御手段(41,42,43)
が、二次操作量生成手段が出力する各々の二次操作量に
従って、各々の炉又は加熱帯を制御する。
【0017】本発明によれば、ゾ−ン毎又は炉毎に設け
られる複数の一次操作量生成手段(11,21,31)
が互いに独立しているので、制御が互いに干渉すること
がない。従ってゾ−ン毎に、又は炉毎に板温を自由に変
更することができる。また、例えば加熱ゾ−ンZ1を制
御する一次操作量生成手段(11)に制御誤差が生じた
場合であっても、その制御誤差を含む実際の一次操作量
(S11)が加熱ゾ−ンZ2の一次操作量(S21)か
ら減算された結果が二次操作量(S22)になるので、
制御誤差が累積しない。例えば、加熱ゾ−ンZ1の一次
操作量が過大になると、その超過分は加熱ゾ−ンZ2,
Z3の二次操作量を低減する方向に働く。また、加熱ゾ
−ンZ1の一次操作量が過小になると、その不足は加熱
ゾ−ンZ2,Z3の二次操作量を増大する方向に働く。
従って、加熱ゾ−ンZ2,Z3の出側の板温には大きな
制御誤差が生じない。
【0018】また、請求項2においては、ストリップの
板温を検出する板温検出手段(61,62,63)が、
前記複数の炉又は複数の加熱帯のそれぞれの出側に設置
されているため、各加熱帯出側の板温をより正確に制御
可能である。
【0019】請求項3においては、前記一次操作量が予
め定めた上限値及び下限値の範囲を外れる場合には、一
次操作量修正手段(13,23,33)が前記上限値及
び下限値で定まる範囲に入るように、一次操作量を自動
的に修正する。
【0020】一般に、焼鈍炉などの炉の熱源は、燃料ガ
スなどの燃焼エネルギ−であり、昇温制御における操作
量は燃料流量である。燃料流量の上限は、設備の配管の
太さや燃料供給源のガス圧力に応じて規制される。ま
た、燃料流量が過小になると、燃焼が不安定になり易い
ので、燃料流量の下限も予め規制する必要がある。一次
操作量を上限値と下限値の範囲に入るように修正したう
えで、それに基づいて二次操作量を生成するので、好ま
しい温度制御が実現する。
【0021】例えば、加熱ゾ−ンZ1の一次操作量が上
限値を越えた場合、その一次操作量は上限値以下の値に
修正されるため、加熱ゾ−ンZ1の一次操作量は予定よ
りも不足するが、その不足分は加熱ゾ−ンZ2,Z3の
二次操作量を増大する方向に働く。また、加熱ゾ−ンZ
1の一次操作量が下限値未満になると、その一次操作量
は下限値以上の値に修正されるため、加熱ゾ−ンZ1の
一次操作量は予定よりも過大になるが、その超過分は加
熱ゾ−ンZ2,Z3の二次操作量を低減する方向に働
く。従って、加熱ゾ−ンZ2,Z3の出側の板温には大
きな制御誤差が生じない。
【0022】
【実施例】連続焼鈍設備の温度制御系の構成を、一実施
例として図1に示す。図1を参照すると、この実施例で
は、独立した3つの加熱ゾ−ンZ1,Z2,Z3に区分
された加熱炉が備わっている。冷間圧延されたストリッ
プ(鋼板)100は、加熱ゾ−ンZ1の左端からこの設
備に入り、3つの加熱ゾ−ンZ1,Z2,Z3を順次に
通って次の工程に進む。加熱ゾ−ンZ1,Z2,Z3の
各々の内空間では、ストリップ100は、上下にそれぞ
れ配設された多数のハ−スロ−ル(図示せず)に支持さ
れて、上下に蛇行し往復しながら炉内を搬送される。ス
トリップ100の搬送経路に隣接する位置に、ラジアン
トチュ−ブと呼ばれるヒ−タ(図示せず)が多数設置さ
れている。燃料であるコ−クス炉ガスなどをラジアント
チュ−ブ内に供給し、それを燃焼させることによってラ
ジアントチュ−ブが発熱する。そしてラジアントチュ−
ブからの放射熱によって、各加熱ゾ−ン及びストリップ
100が加熱される。
【0023】加熱ゾ−ンZ1内のラジアントチュ−ブの
燃料流量を制御するために燃料流量制御器41が設置さ
れ、加熱ゾ−ンZ2内のラジアントチュ−ブの燃料流量
を制御するために燃料流量制御器42が設置され、加熱
ゾ−ンZ3内のラジアントチュ−ブの燃料流量を制御す
るために燃料流量制御器43が設置されている。燃料流
量制御器41は、燃料流量設定値FLSと、図示しない
燃料流量検出器によって検出される実際の燃料流量FL
を入力し、比例積分微分(PID)計算により生成した
出力によって燃料流量調整用の弁装置の開度を制御す
る。他の燃料流量制御器42及び43も同様である。
【0024】加熱ゾ−ンZ1,Z2及びZ3の炉内温度
を測定するために、各ゾ−ンに炉温検出器51,52及
び53が設置されている。また、加熱ゾ−ンZ1の出
側,加熱ゾ−ンZ2の出側及び加熱ゾ−ンZ3の出側の
ストリップ温度を測定するために、それぞれの位置に板
温検出器61,62及び63が設置されている。
【0025】この連続焼鈍設備に通されるストリップの
端部には、第2のストリップの一端が溶接により連結さ
れ、更に第2のストリップの他端に第3のストリップの
一端が連結され、これらの操作の繰り返しによって連続
的にストリップが通板される。互いに連結されるストリ
ップは、種類や仕様が異なる場合が多い。加熱炉を通る
ストリップの種類や仕様が変化すると、板温制御の条件
を変更する必要がある。そこで、ストリップの種類や仕
様が変化する継ぎ目の位置を検出するために、継ぎ目検
出器65,66,67及び68が備わっている。トラッ
キング装置50は、ストリップの搬送速度を検出する速
度検出器64の出力信号と、継ぎ目検出器65,66,
67及び68の各出力信号を監視して、各々の加熱ゾ−
ンを通過するストリップを区分する信号を出力する。
【0026】ストリップ仕様設定器10は、通板予定の
多数のストリップに関する情報を予め保持しており、ト
ラッキング装置50からの信号(ストリップ間の継ぎ目
が各加熱ゾ−ン出側に到達する毎に発生)を受けると、
新しいストリップ仕様情報を出力する。ストリップ仕様
情報としては、先行材の板厚TH1,後行材の板厚TH
2,先行材の板幅WD1,後行材の板幅WD2,ストリ
ップ長L,先行材の加熱炉出口板温基準(目標板温)T
SR1,および後行材の加熱炉出口板温基準TSR2が
ある。
【0027】加熱ゾ−ンZ1での板温制御のために温度
制御器11が設置され、加熱ゾ−ンZ2での板温制御の
ために温度制御器21が設置され、加熱ゾ−ンZ3での
板温制御のために温度制御器31が設置されている。簡
単に説明すると、温度制御器11は、加熱ゾ−ンZ1の
入口から加熱ゾ−ンZ1の出口までの間のストリップの
昇温に必要な操作量(燃料流量設定値)S11を生成
し、温度制御器21は、加熱ゾ−ンZ1の入口から加熱
ゾ−ンZ2の出口までの間のストリップの昇温に必要な
ト−タルの操作量S21を生成し、温度制御器31は、
加熱ゾ−ンZ1の入口から加熱ゾ−ンZ3の出口までの
間のストリップの昇温に必要なト−タルの操作量S31
を生成する。
【0028】温度制御器11が出力する操作量S11
は、リミッタ13を通って燃料流量制御器41に印加さ
れ、温度制御器21が出力する操作量S21は、リミッ
タ23を通って燃料流量制御器42に印加され、温度制
御器31が出力する操作量S31は、リミッタ33を通
って燃料流量制御器43に印加される。また、加熱ゾ−
ンZ1のリミッタ13の出力は、加熱ゾ−ンZ2の減算
器22に印加され、温度制御器21の出力を補正するの
に利用される。即ち、温度制御器21が生成する操作量
S21は、第1の加熱ゾ−ンZ1における加熱分と、第
2の加熱ゾ−ンZ2における加熱分の総和であるので、
操作量S21からリミッタ13の出力(加熱ゾ−ンZ1
に対する実際の操作量)を差し引くことによって、第2
の加熱ゾ−ンZ2に対する必要な操作量S22を得るこ
とができる。更に、加熱ゾ−ンZ1のリミッタ13の出
力は、加熱ゾ−ンZ3の減算器32aに印加され、加熱
ゾ−ンZ2のリミッタ23の出力は、加熱ゾ−ンZ3の
減算器32bに印加され、温度制御器31の出力を補正
するのに利用される。即ち、温度制御器31が生成する
操作量S31は、第1の加熱ゾ−ンZ1における加熱分
と、第2の加熱ゾ−ンZ2における加熱分と、第3の加
熱ゾ−ンZ3における加熱分との総和であるので、操作
量S31からリミッタ13の出力(加熱ゾ−ンZ1に対
する実際の操作量)およびリミッタ23の出力(加熱ゾ
−ンZ2に対する実際の操作量)を差し引くことによっ
て、第3の加熱ゾ−ンZ3に対する必要な操作量S32
を得ることができる。
【0029】リミッタ13の動作を図4に示す。なお、
他のリミッタ23及び33の動作は、上限値および下限
値の値を除きリミッタ13と同一である。図4を参照し
て説明する。まず一次操作量(S11)を入力し、その
入力値を予め定めた上限値と比較する。入力値>上限値
でなければ、更に入力値を予め定めた下限値と比較す
る。入力値<下限値でなければ、即ち下限値≦入力値≦
上限値であれば、入力値をそのまま出力する。また、入
力値>上限値であれば、上限値を出力する。更に、入力
値<下限値なら、下限値を出力する。上限値および下限
値は各加熱ゾ−ンの燃焼系の特性によって定まり、上限
値は最大燃焼能力によって規制され、下限値は燃焼の安
定度に応じて規制される。
【0030】リミッタ13,23及び33を介在するこ
とによって、最大燃焼能力を越える燃焼流量が設定され
たり、燃焼が不安定になるのを防止できる。温度制御器
によって生成された一次操作量をリミッタで減らした場
合には、減少分がそれより下流の加熱ゾ−ンの一次操作
量に加算されるし、温度制御器によって生成された一次
操作量をリミッタで増大させた場合には、増大分がそれ
より下流の加熱ゾ−ンの一次操作量から低減されるの
で、ストリップに加わる熱量は全体としては変化せず、
第3の加熱ゾ−ンZ3の出側ではストリップの温度は一
定になる。
【0031】温度制御器11は、加熱ゾ−ンZ1出側の
板温TS1と、加熱ゾ−ンZ1の炉温TF1と、加熱ゾ
−ンZ1を通るストリップの仕様情報に基づいて一次操
作量を計算する。同様に、温度制御器21は、加熱ゾ−
ンZ2出側の板温TS2と、加熱ゾ−ンZ1の炉温TF
1及び加熱ゾ−ンZ2の炉温TF2と、加熱ゾ−ンZ2
を通るストリップの仕様情報に基づいて一次操作量を計
算する。温度制御器31は、加熱ゾ−ンZ3出側の板温
TS3と、加熱ゾ−ンZ1の炉温TF1,加熱ゾ−ンZ
2の炉温TF2及び加熱ゾ−ンZ3の炉温TF3と、加
熱ゾ−ンZ3を通るストリップの仕様情報に基づいて一
次操作量を計算する。このように入力されるパラメ−タ
が互いに異なる以外は、温度制御器11,21,31の
動作は共通である。なお、加熱ゾ−ンZ1入側の板温
は、固定値(常温)に定めてある。温度制御器11,2
1及び31は、それぞれ各加熱ゾ−ン出口板温と、炉
温,燃料流量,板厚,板幅および速度との動的な関係を
表わす板温予測モデルと、炉温と、燃料流量,板厚,板
幅,及び速度との動的な関係を表わす炉温予測モデルを
有している。また、上記板温予測モデルと炉温予測モデ
ルの中のパラメ−タを所定の周期毎に推定するパラメ−
タ推定器を含んでいる。なお、パラメ−タ推定器につい
ては特開昭61−190026号公報に示されたものと
同一である。
【0032】この実施例においては、次に示す板温予測
モデル及び炉温予測モデル(サンプリング周期(制御周
期)を時間の単位として、時間に関して離散化したも
の)を使用している。
【0033】
【数1】
【0034】上式は、現在の板温,現在から過去nサン
プリング前までの燃料流量,現在からむだ時間先までの
板厚,板幅,及び速度の予見値を用いて、むだ時間先の
板温を予測するものである。
【0035】
【数2】炉温予測モデル (y'(t+d')の予測値)=a1×y'(t)+b1×u(t)+b2×u(t-1)+ ・・・+bm×u(t-m+1)+c1×w(t+1)+・・・+cd'×w(t+d') ・・・(7) u(t)=FL(t)−FL0 ・・・(8) w(t)=WD(t)×TH(t)×VS(t)−WTV0 ・・・(9) y'(t)=TF(t)−TF0 ・・・(10) VS(t)=(f1×V(t)+f2×V(t-1)+・・・・+fl×V(t-l+1)) /(f1+f2+・・・+fl) ・・・(11) t:サンプリング時刻 d':燃料流量と炉温との間の制御上のむだ時間 u:モデルにおける操作量(燃料流量) y':モデルにおける制御量(炉温) m:uの次数 FL:燃料流量 FL0:通常操業における燃料流量の平均的な値 TF:炉温(全炉(全ゾ−ン)入口から板温測定点まで
の平均炉温) TF0:通常操業における炉温TFの平均的な値 TH:炉(加熱ゾ−ン)出口板厚 WD:炉(加熱ゾ−ン)出口板幅 VS:炉(加熱ゾ−ン)出口を通過するストリップ上の点
の炉内平均速度 V:中央速度 WTV0:通常操業におけるWD×TH×VSの平均的な値 上式は、現在の炉温,現在から過去mサンプリング前ま
での燃料流量,現在からむだ時間先までの板厚,板幅,
及び速度の予見値を用いて、むだ時間先の炉温を予測す
るものである。
【0036】この実施例では、板温追従制御を実施する
ため、次に示す評価関数を用いる。
【0037】
【数3】
【0038】ここでN2およびN2’は将来の板温およ
び炉温を連続的に予測して目標値との偏差を評価する時
間を表わしている。また、ω1,ω2,ω3の重みを変
化させることによって様々な意図の制御を実現できる。
一般的にはω3を相対的にω1,ω2より大きくすると
燃料流量の変動は小さくなるが目標値追従性の遅い制御
となり、逆にω3を相対的にω1,ω2より小さくする
と燃料流量の変動は大きくなるが目標値追従性の速い制
御となる。具体的な値については、事前のシミュレ−シ
ョンや個々の対象の加熱炉の特性や操業方針などに従っ
て、初期値を決めた後、実炉への適用時に応答性を見な
がら最適値にチュ−ニングされる。
【0039】所定の時間が経過する毎に、及び中央速度
変化時には、温度制御器11,21及び31は、それぞ
れ、上記第(6)式の評価関数Jを最小にする操作量変更
量Δuを求め、そのΔuの分だけ、操作量、即ち燃料流
量設定値(S11,S21,S31)を変更する。現代
制御理論の一手法である一般化予測制御理論(Generali
zed Predictive Control Theory)に基づいて、評価関
数Jの最小値を与えるΔuを計算することができるが、
この計算方法については公知であるので説明は省略す
る。なお、図1に示す制御は、実際にはプロセスコンピ
ュ−タによって実行される。
【0040】図1の実施例において、加熱ゾ−ンZ1の
温度制御器11の設定温度を変更した場合の、Z1出側
及びZ3出側のストリップ温度の変化を図5に示す。図
5を参照すると、設定温度の変更に伴なって、Z1出側
のストリップ温度はステップ状に変化しているが、Z3
出側のストリップ温度はほとんど変化していないと認め
られる。即ち、温度制御器11が出力する操作量S11
の変化に伴なって、燃料流量制御器42及び43の入力
が自動的に修正されるので、加熱ゾ−ンZ1におけるス
トリップの昇温履歴の変化が相殺されるように、加熱ゾ
−ンZ2,Z3での温度制御が実施される。従って、複
数の加熱ゾ−ンの間で、制御の干渉が生じにくいので、
設定温度の変更などは加熱ゾ−ン毎に独立に実施するこ
とができる。
【0041】なお上記実施例においては、複数の加熱ゾ
−ンが連なる加熱炉にストリップを通す設備を示した
が、複数の加熱炉が連なって配置される設備において
も、単に加熱ゾ−ン毎の制御を加熱炉毎の制御に置き代
えることにより、同様に本発明を実施しうる。
【0042】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、ゾ−ン毎
又は炉毎に設けられる複数の一次操作量生成手段(1
1,21,31)が互いに独立しているので、制御が互
いに干渉することがない。従ってゾ−ン毎に、又は炉毎
に板温を自由に変更することができる。また、例えば加
熱ゾ−ンZ1を制御する一次操作量生成手段(11)に
制御誤差が生じた場合であっても、その制御誤差を含む
実際の一次操作量(S11)が加熱ゾ−ンZ2の一次操
作量(S21)から減算された結果が二次操作量(S2
2)になるので、制御誤差が累積しない。例えば、加熱
ゾ−ンZ1の一次操作量が過大になると、その超過分は
加熱ゾ−ンZ2,Z3の二次操作量を低減する方向に働
く。また、加熱ゾ−ンZ1の一次操作量が過小になる
と、その不足は加熱ゾ−ンZ2,Z3の二次操作量を増
大する方向に働く。従って、加熱ゾ−ンZ2,Z3の出
側の板温には大きな制御誤差が生じない。
【0043】また、請求項2においては、ストリップの
板温を検出する板温検出手段(51,52,53)が、
前記複数の炉又は複数の加熱帯のそれぞれの出側に設置
されているため、各加熱帯出側の板温をより正確に制御
可能である。
【0044】また請求項3によれば、一次操作量を上限
値と下限値の範囲に入るように修正したうえで、それに
基づいて二次操作量を生成するので、好ましい温度制御
が実現する。例えば、加熱ゾ−ンZ1の一次操作量が上
限値を越えた場合、その一次操作量は上限値以下の値に
修正されるため、加熱ゾ−ンZ1の一次操作量は予定よ
りも不足するが、その不足分は加熱ゾ−ンZ2,Z3の
二次操作量を増大する方向に働く。また、加熱ゾ−ンZ
1の一次操作量が下限値未満になると、その一次操作量
は下限値以上の値に修正されるため、加熱ゾ−ンZ1の
一次操作量は予定よりも過大になるが、その超過分は加
熱ゾ−ンZ2,Z3の二次操作量を低減する方向に働
く。従って、加熱ゾ−ンZ2,Z3の出側の板温には大
きな制御誤差が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の制御系の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】 従来例の制御系の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】 従来例の制御系の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】 リミッタの動作を示すフロ−チャ−トであ
る。
【図5】 実施例の板温変化例を示すタイムチャ−トで
ある。
【符号の説明】
10:ストリップ仕様設定器 11,21,31:温
度制御器 13,23,33:リミッタ 22,32a,32
b:減算器 41,42,43:燃料流量制御器 50:トラッキング装置 51,52,53:炉
温検出器 61,62,63:板温検出器 64:速度検出器 65,66,67,68:継ぎ目検出器 100:ストリップ TS1,TS2,TS3:検出した板温 TF1,TF2,TF3:検出した炉温

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の炉が連なる連続焼鈍設備、もしく
    は互いに区分された複数の加熱帯を有する連続焼鈍設備
    の温度制御装置において:各々の炉又は加熱帯毎に、そ
    の出側の温度と前記連続焼鈍設備の入側の温度との差分
    を制御量として、それを制御するための一次操作量をそ
    れぞれ生成する一次操作量生成手段;最上流の炉又は加
    熱帯を除く各々の炉又は加熱帯毎に、それよりも上流の
    前記一次操作量生成手段が生成した一次操作量を、当該
    炉又は当該加熱帯の一次操作量生成手段が生成した一次
    操作量から減算した結果を二次操作量としてそれぞれ出
    力する二次操作量生成手段;および前記二次操作量生成
    手段が出力する各々の二次操作量に従って、各々の炉又
    は加熱帯を制御する出力制御手段;を設けたことを特徴
    とする連続焼鈍設備の温度制御装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の炉又は複数の加熱帯のそれぞ
    れの出側に、それを通るストリップの板温を検出する板
    温検出手段を備える、前記請求項1記載の連続焼鈍設備
    の温度制御装置。
  3. 【請求項3】 前記一次操作量生成手段は、前記各一次
    操作量が予め定めた上限値及び下限値の範囲を外れる場
    合には、その範囲内の値に一次操作量を修正する一次操
    作量修正手段を備える、前記請求項1記載の連続焼鈍設
    備の温度制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006171934A (ja) * 2004-12-14 2006-06-29 Yokogawa Electric Corp 連続系プロセス制御方法および連続系プロセス制御システム
JP2008175761A (ja) * 2007-01-22 2008-07-31 Jfe Steel Kk 放射温度計の故障監視方法
JP2010073101A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Yamatake Corp 制御装置および制御方法
CN104561517A (zh) * 2013-10-18 2015-04-29 沈阳东宝海星金属材料科技有限公司 板带材周期变温度差异化退火方法和装置

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