JPH0636931B2 - 線材、棒材の圧延、冷却における温度制御方法 - Google Patents

線材、棒材の圧延、冷却における温度制御方法

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JPH0636931B2
JPH0636931B2 JP63267616A JP26761688A JPH0636931B2 JP H0636931 B2 JPH0636931 B2 JP H0636931B2 JP 63267616 A JP63267616 A JP 63267616A JP 26761688 A JP26761688 A JP 26761688A JP H0636931 B2 JPH0636931 B2 JP H0636931B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、線材,棒材の圧延,冷却に際しての、冷却装
置による温度制御に関するものである。
〔従来の技術〕
加熱炉で加熱されたビレットなどの、多数の圧延機列に
より熱間で連続圧延される、棒材,線材の圧延において
は、圧延材の材質改善と高速圧延のために、圧延ライン
上に複数台のクーリングトラフなどの冷却装置を設置し
て、強制水冷を行なう。その設備構成の概要を第1図に
示す。
このような設備においては、温度制御の目標値として圧
延ライン最終所定位置(以下目標位置と呼ぶ)における
材料の目標温度(一般には表面温度)が、また制御条件
として各冷却装置出側における材料表面下限温度が定め
られる。
温度制御は、材料圧延前に設定値を出力するプリセット
制御と、材料圧延中の制御とに分けられる。ここで各々
の制御について説明する。
プリセット制御 プリセット制御では、制御上の前記制約条件を満足する
範囲内で、極力圧延ライン上流側で、また極力少数の冷
却装置を使用して冷却することが、品質確保と生産コス
ト削減の両面から最適である。したがってプリセット制
御では、目標位置の材料温度が目標温度となり、かつ上
記制約条件と最適条件を満たすように、ライン上流側か
らの冷却装置使用台数と各冷却装置での水量とを求めて
プリセットすることが要求される。
材料圧延中の制御 温度制御においては、プリセット制御の誤差,上流工程
における材料温度の変動,圧延条件の変動などに対処し
て、材料全長に渡る目標位置での温度を目標温度に一致
させるために、材料圧延中に冷却水量を調節する必要が
ある。
従来において、この制御に関しては、冷却装置出側で材
料温度を実測して、その上流側における冷却水量を調節
するフィードバック制御が提案されており(例えば特開
昭57−121814号公報,特開昭59−193707号公報)、ライ
ン上流側の材料温度実測値に基づいて、それより下流側
の冷却水量を調節するフィードフォワード制御は、提案
されていなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のプリセット制御において、使用台数と水量との
最適値は、材料のサイズ(圧延前および圧延後),加熱
炉等上流工程における材料温度、および圧延条件などの
変化に依存して変化するが、従来において、最適値を精
度良くかつオンラインで十分な速さで求める方法は提案
されていなかった。たとえば、特開昭57−121814号公報
および特開昭59−193707号公報には、各冷却装置出側で
の目標温度が前もって与えられている場合のプリセット
制御が提示されており、ここで述べたような、目標位置
での目標温度と各冷却装置出側下限温度とが与えられて
いて最適なプリセット値を求めるものではない。
また、上記の材料圧延中の制御において、フィードバ
ック制御のみでは、温度実側位置と水量調節位置との間
の材料移動時間と、水量調節器に水量変更指令を出力し
てから実際の水量がその値になるまでの時間(水量調節
器動作遅れ時間)とに起因する制御の時間遅れは避けら
れず、材料温度を目標値に一致させるのにある程度の時
間を要し、また制御のオーバーシュートやハンチングが
生じやすい。
本発明が解決すべき課題は、上述の如き従来技術に鑑
み、まず同一ロット材(材料品種,サイズや圧延,冷却
仕様が同一の材料)に対する圧延前のプリセット制御に
おいては、各冷却装置出側における目標温度が前もって
与えられて、冷却水量を求めるものではなく、ライン所
定位置(目標位置)における目標温度、および、各冷却
装置出側における材料表面下限温度、が与えられたもと
で、品質確保と生産コスト削減の両面から最適となるよ
うに、上流側からの冷却装置使用台数と、各冷却装置に
おける冷却水量を求めることである。
本発明が解決すべき課題はまた、同一ロット材圧延中に
おいては、実測温度の目標からの偏差のフィードバック
制御ではなく、目標位置より上流側における材料実測温
度に基づくフィードフォワード制御により、目標位置に
おける材料温度を目標温度に一致させるとともに、制御
モデル(温度偏差モデル)係数値を、第3位置(A
点),第1位置(C点)における材料温度、および、第
2位置(B点)における冷却水量、の各々の実測値に基
づいて、フィードバック的に逐次修正することにより、
フィードフォワードおよびフィードバック両機能を備え
た制御を実現することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を達成するための本発明方法は、線材または棒
の圧延・冷却に際して、クーリングトラフ等の冷却装置
が圧延ライン上に複数台存在する場合において、ライン
上所定位置(目標位置)の材料目標温度と各冷却装置出
側における材料表面下限温度とが与えられている場合、
圧延,冷却による材料の断面温度分布の変化を、高速演
算可能な数式モデル(圧延温度モデル)で表わし、この
モデルを用いて、まず同一ロット材に対する圧延前のプ
リセット制御においては、品質確保と生産コスト削減の
両面から最適となるような冷却装置使用台数と各冷却装
置での冷却水量とを材料圧延前に求めるとともに、該モ
デルに含まれる各種熱伝達関数,加工発熱補正係数など
の各種パラメータの値を、材料温度,冷却水量,圧延条
件などのプラントデータ実測値に基づいて、オンライン
で逐次推定することを第1の特徴とする。
本発明方法はまた、目標位置である第1位置(C点)に
おける材料温度を、それより上流側の第2位置(B点)
における冷却水量および第2位置(B点)より上流側の
第3位置(A点)における材料温度とを変数とする簡易
式から成る温度偏差モデルで表わし、該モデルの係数値
は前述の圧延温度モデルにより圧延前に算出しておき、
同一ロット材圧延中は、第3位置(A点)における材料
実測温度に基づいて、第1位置(C点)における材料温
度が目標温度に一致するように、第2位置(B点)にお
ける冷却水量を時々刻々調節してフィードフォワード制
御を行なうとともに、第3位置(A点)および第1位置
(C点)における材料温度、ならびに、第2位置(B
点)における冷却水量を各々の実測値に基づいてモデル
係数を逐次修正して、フィードバック的にモデル誤差を
実質上0に収束させることを第2の特徴とする。
〔作用〕
本発明の対象とする圧延,冷却ラインの一態様を、第1
図に示す。ラインの始点はS点、終点はC点(第1位
置:目標温度位置)とし、C点では材料表面の目標温度
が与えられている。また、C点は目標位置とも呼ぶこと
にする。ライン上には冷却装置としてn個のクーリング
トラフがあり、上流側から順にCT,CT,・・
・,CTnと呼ぶ。材料のサイズやC点での目標温度な
どに応じて、これらn個のクーリングトラフの中でいく
つかを実際に使用するが、その使用するクーリングトラ
フの中で最も下流側のものをCTm′とし、その位置を
B点(第2位置)とする。B点は材料によって種々変化
する。ライン上にはこの他、圧延機または圧延機列があ
るが、第1図では図示を省略している。
なお、各圧延機においてもロール冷却水により材料表面
は冷却されるが、温度制御の操作量はクーリングトラフ
水量のみで、ロール冷却水は操作量として使用しない。
材料表面温度を実測するための温度計は、A点(第3位
置)とC点に設置され、温度制御の計算は制御用計算機
によって行われる。S点における材料断面温度分布、S
〜C間の圧延条件、C点における目標温度、S〜C間の
各クーリングトラフ出側における材料表面下限温度、お
よびA点とC点における材料表面実測温度が制御用計算
機に入力され、各クーリングトラフのON/OFF(使
用/不使用)設定信号と使用するクーリングトラフに対
する設定水量が、制御用計算機から出力される。
第1図のようなラインを通して材料を圧延,冷却した場
合の、材料断面温度分布変化の一例を第2図に示す。
材料表面は各クーリングトラフで急冷され、出口で表面
温度は極小値をとり、クーリングトラフを出た後は材料
内部からの復熱により、表面温度が上昇する。第2図に
おいて、材料平均温度が上昇している部分は、圧延時の
加工発熱によるものである。
〔実施例〕
実施例では、あるロットの圧延を開始する前に、該ロッ
トに宛てられている、下記項にて説明する圧延温度モ
デルを用いて、下記項で説明する、圧延材の冷却に使
用する冷却装置およびそれらそれぞれの冷却水量の算出
と設定(プリセット制御)を行なう。そして1ロットの
圧延中には、下記項で説明するロット内制御を実行す
る。更に、1ロットの圧延を終えると、下記項で説明
する前記圧延温度モデルのパラメータ推定を行なって、
推定したプリセットを用いるものに前記圧延温度モデル
を更新する。なお、実施例では下記項+項+項+
項の温度制御を実施するが、本明細書の特許請求の範
囲の第(1)項は、下記項+項+項の温度制御を規
定し、第(2)項は、下記項+項+項の温度制御を
規定したものである。
以下、本発明の一実施例の温度制御の内容をなす、圧延
温度モデル,ロット間プリセット制御,圧延温度モデル
のパラメータの遂次推定、および、ロット内制御、をこ
の順に説明する。
圧延温度モデル 圧延温度モデルは、プリセット制御に使用されると共
に、ロット内制御に用いる後述の温度偏差モデルの係数
値の計算にも使用される。
圧延温度モデルは、圧延ライン上任意の2点、例えば第
1図に示すQ点およびR点、の間を材料が進行し圧延,
冷却される過程における材料断面内温度分布(材料断面
を円で近似し、半径方向にいくつかに分割したときの、
各分布領域の温度)を微少時間Δt毎に求めるもので、
公知のモデルである。
この圧延温度モデルの計算の概要を、第3図に示す。こ
の圧延温度モデルにおいて、始点Qにおける材料サイ
ズ,速度,断面内温度分布、および、QR間の圧延,冷
却条件、を与えることにより、終点Rにおける断面内温
度分布を求めることができる。この圧延温度モデルは、
Δt毎の温度変化のシミュレーションモデルであり、計
算に時間を要するため従来オフラインで用いられていた
が、本発明ではオンラインで高速演算させるために半径
方向の分割に際して、温度勾配の大きい表面ほど密に、
中心へ行くほど疎に不等分割することにより、半径方向
分割数を等分割の場合の数分の一以下に減じている。
不等分割の場合の各分割領域間の伝熱を第4図に表わし
た。
ロット間プリセット制御 同一ロット材の圧延,冷却に際して、前もって設定値を
求めるプリセット制御では、第1図のC点における材料
表面温度*TSCおよび各クーリングトラフCTの出側
における材料表面下限温度TSLiが与えられた下で、材
料品質確保と生産コスト削減の両面から最適となるよう
なクーリングトラフ使用台数m′と各クーリングトラフ
CTiでの冷却水量wi′とを前述の圧延温度モデルを
用いて求める。このm′とwi′とは、前記下限温度T
Liを満たす範囲内で極力ライン上流側で冷却したとき
の値となる。
第5a図および第5b図に、m′とwi′の計算処理を
示し、以下に説明を行なう。
〈プリセット制御計算手段〉 クーリングトラフ使用台数mを0に初期設定する(ステ
ップ1:以下カッコ内ではステップという語を省略す
る)。
始点Sにおける、材料の上流工程より与えられる断面内
温度分布予測値と材料速度とを初期値として与えて、C
点までの断面内温度分布の変化を、圧延温度モデルを用
いて求める(2)。
C点における材料表面温度と目標値とを比較して
(3)、材料表面温度が目標温度以下でなければmに1
を加える(4)。材料表面温度が目標温度以下であれ
ば、さらにm=0であるかを調べ(13)、m=0であれば
目標達成は不可能であり、異常終了する。
ステップ4でmに1を加えた後、mとnとを比較し
(5)、mがnを越える値であれば材料をC点にて目標
温度まで冷却するのは不可能であり、異常終了する。m
がnを越える値でなければ、ライン上m番目のクーリン
グトラフCTmにおける水量を、設備上許容される最大
水量wHmに設定する(6)。
CTm入側から出側までの断面内温度分布の変化を、圧
延温度モデルを用いて求める(7)。この時、断面温度
分布は、ステップ2またはステップ12におけるm≧2
の計算済の値を用いる。
CTm出側での材料表面温度と下限温度とを比較し
(8)、材料表面温度が下限温度を下回ったときは、C
Tm水量が0であるかを調べ(9)、CTm水量が0で
ないときは所定水量を減じてステップ7に戻り(1
0)、CTm水量が0であれば異常終了する。ただし、
水量の下限値は0である。
ステップ8において、材料表面温度が下限温度以上で、
CTmの現水量がステップ6で設定した最大水量wHm
以上であれば、wHmをwHm′としてステップ12に
進み(11)、現設定水量がwHm未満のときは、CT
m出側での材料表面温度を下限温度とするようなCTm
水量を、第6図に示すような補間法により求めて、それ
をwm′としてステップ12に進む(11)。
CTm出側から目標位置までの断面内温度分布変化を圧
延温度モデルにより求めて、ステップ3に戻る(12)。
ステップ13でm=0でなければ、CTm水量を所定量
減じる(14)。ただし水量下限値は、0である。
CTm入側からC点までの材料断面温度分布変化を、圧
延温度モデルを用いて求める(15)。ただし、CTm
入側での断面温度分布はステップ12で計算済の値を用
いる。
C点における材料表面温度と目標値とを比較し(1
6)、材料表面温度が目標値以下であればステップ14
に戻る。材料表面温度が目標値を越えている場合は、C
点での材料表面温度を目標温度に一致させるようなCT
mの水量を、第6図に示すような補間法により求め、改
めてwm′とする(16)。
以上の処理によりm′とwi′とが求められる。
圧延温度モデルパラメータの逐次推定 圧延温度モデルにおいて、たとえば加工発熱Qは簡略
式により次のように表わすことができる。
QR=C1・ε・{1+C2・1n(v/v)}〔1+C3(Ceq-Ceq)(Tm2-Td2)〕
X… …(1) ここでεは圧下率、vは圧延速度、Ceqはカーボン当
量、Tmは材料断面内平均温度、Tdは変態点温度、v,
Ceqは各々v,Ceqの操業上の平均値、C,C,C
は適当な定数である。
定数C,C,Cの値は、設備条件や圧延条件に依
存して変化しうるため、ライン上A点,C点などにおけ
る材料表面実測温度と圧延温度モデルによる計算温度と
の差に基づいてC,C,Cの値や、その他圧延温
度制モデルのパラメータの値、たとえば水冷熱伝達係数
や輻射伝達係数などに掛かる補正係数の値に関しては、
各パラメータ変化の材料表面温度におよぼす影響係数を
X(t)として、次式によりオンライン逐次推定を行な
う。
C(t)=C(t-1)+P(t)X(t)ε(t) …(2) ここでε=TsA(t)−Tsc(t) …(3) X(t)=〔δTsc(t)/δC1,δTsc(t)/δC2,……,δTsc
(t)/δCk〕 …(4) ただし、TsAは材料表面温度の実測値、Tscは計算値で
ある。P(t)はパラメータ修正のゲインを定める行列で
あり、公知の技術である。重み付逐次型最小二乗法など
を用いて、値を変化させる。各影響係数Xi={δTsc
(t)/δCi}(i=1,2,…k)の値は、Ciの値をΔCiだけ変
化させて圧延温度モデルを計算し、そのときのTscの変
化ΔTscを求めてXi=(ΔTsc/ΔCi)とすること
により求める。このような影響係数の計算にはある程度
の時間を要するための、圧延温度モデルのパラメータ逐
次推定は同一ロット材の圧延終了後にそのロット材の平
均的な温度,圧延,冷却条件に対して行なう。
ロット内制御 同一ロット内におけるフィードフォワードおよびフィー
ドバック制御においては、第1図のA点における材料温
度の実測値を用いてB点における冷却水量を調節するこ
とにより、フィードフォワード的にC点における材料表
面温度を目標温度に制御するとともに、C点における材
料表面温度の実測値と、以下に示す温度偏差モデルによ
る計算値との誤差によってモデルの係数をフィードバッ
ク的に逐次修正する。
温度偏差モデルは次式で表わされる。
ΔTsc(t)=a1+a2ΔTsA(t)+a3ΔWB(t)…(5) ここで、△Tsc(t)=Tasc(t)−*Tsc ΔTsA(t)=TasA(t)−*TsA…(6) Δw(t)=w(t)−*w ただしTasA(t)、Tasc(t)は、時刻tにC点を通過した
材料表面温点Qの、各々A点とC点とにおける実測温
度、wは同じくQ点に対するB点における冷却水量、
*TscはC点における材料表面目標温度、*wはC点
における材料表面温度を目標値に一定させるための、B
点における冷却水量(圧延温度モデルによる計算値)、
*TsAはA点における材料表面温度で、*wと*TsA
とは材料圧延前に圧延温度モデルで計算した値である。
,a,aはモデル係数であり、圧延中に逐次修
正されるため以後a,a,aと表わす。
ロット内制御に際しては、そのロットの材料圧延前に*
TsA,*wの値とa,a,aの初期値とを求め
ておく必要があり、以下のように定める。
まず、*wの値は、前記に記したプリセット制御計
算で使用する最後のクーリングトラフCTm′の水量w
m′であり、*TsAは始点S点における材料表面内温度
分布が与えられたときのA点における材料表面温度であ
る。またaの初期値は0とし、a,aの初期値
は、各々TsA,wの変化がTscの変化におよぼす影響
係数として次式により求める。
=δTsc/δTsA (TsA=*TsA,w=*w) a=δTsc/δw (TsA=*TsA,w=*w) …(7) 上記影響係数の値は、TsAおよびwの微小変化ΔTsA
およびΔwによるTscの変化量ΔTscを、圧延温度モ
デルを用いて計算することにより求める。
同一ロット圧延中は、所定のサンプリング周期で、まず
A点における材料表面温度を実測し、その実測点(材料
表面のQ点)の温度がTasA(t)であったとき、ライン上
C点におけるQ点温度Tasc(t)が目標温度*Tscに一致
するような水量w(t)を、前述の温度偏差モデルを用
いて次式により求める。
wB(t)=*wB−{a1+a2(TasA(t)−*TsA)}/a3 …(8) w(t)の値は、材料のAB間移動時間や冷却装置の動
作遅れ時間などを考慮して、材料表面Q点がライン上の
B点通過時に、B点水量がw(t)となるように適切な
タイミングで冷却装置に設定出力することにより、C点
における材料表面温度のフィードフォワード制御を行な
う。
一方、モデル係数推定値a,a,aは次式により
逐次修正を行なう。
a(t)=a(t-1)+P(t)X(t)ε(t) …(9) ここで、 a(t)=〔a(t),a(t),a(t)〕 x(t)=〔1,ΔTSA(t),Δw(t)〕 …(10) ε(t)=ΔTsc(t)−a(t-1)x(t) …(11) ただし、tは時刻(サンプリング周期単位)、 ΔTsA,Δw(t),ΔTsc(t)は各々、時刻tにC点上
を通過した材料表面Q点に関する実際の値である。
P(t)∈R3×3は修正のゲイン行列であり、公知の重み
付逐次型最小二乗法などを用いて値を求める。
この逐次修正は、圧延温度モデルの誤差,同一ロット材
圧延中の圧延条件の変化および各種外乱等に対処して、
フィードバック的にC点における材料表面温度Tascを
目標温度*Tscに一致させるために行なわれる。
第7図は材料圧延中の本発明による制御特性を図示した
ものであり、第1図A点における材料実温度の変化に基
づいてフィードフォワード的にB点における冷却水量を
変化させることにより、C点における材料実測温度はほ
ぼ目標温度に等しくなっている。一方、第8図は材料圧
延中の従来制御特性を図示したものであり、C点におけ
る材料実測温度の目標温度から偏差に基づいてB点にお
ける冷却水量を変化させるフィードバック制御であるた
め、冷却水量の変化が第7図の冷却水量の変化より遅れ
ており、C点における材料実測温度は目標温度から一時
的にはずれたりハンチングを起こしたりしている。
〔発明の効果〕
以上詳述したように本発明によれば、線材,棒材の圧
延,冷却における温度制御に際して、まず材料圧延前の
プリセット制御においては、材料温度を目標値に一致さ
せ、かつ各冷却装置出側での材料温度が下限値を下回ら
ないようにする制御目的を満たすとともに、従来と異な
り材料品質確保と生産コスト削減の両面からも最となる
ような、冷却装置使用台数と各冷却装置の水量とを、オ
ンラインで高速演算可能な圧延温度モデルを用いて求
め、設定出力する。この圧延温度モデルは、材料断面温
度分布の時間的変化を逐次計算する分布定数型の熱伝達
モデルであり、モデルパラメータは、材料温度,冷却水
量,圧延条件などの実測値を用いて、逐次修正するこに
より、圧延条件や設備条件等の変化に対処して計算精度
を高く保持する。
以上の処理により、高精度の最適プリセット制御が行な
われる。
一方、材料圧延中の制御においては、従来のようなフィ
ードバック制御のみでなく、ライン上流側での材料温度
実測値を用いて、それより下流の冷却装置の水量を調節
することにより、フィードフォワード的に目標位置にお
ける材料温度を目標値に一致させる。この計算に使用す
る温度偏差モデルの係数に関しては、材料圧延前に圧延
温度モデルにより初期値を求めるとともに、材料圧延中
は、材料温度および冷却水量の実測値を用いて逐次修正
することにより、フィードバック的に計算誤差を実質上
0にする。
以上の処理により、材料圧延中の制御はフィードフォワ
ード機能とフィードバック機能とを両方備えたものとな
り、各種外乱に対処して材料温度を目標温度に保持す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、線材,棒材等の圧延,冷却ラインの概要を示
すブロック図である。 第2図は、材料断面の温度分布変化を示すグラフであ
る。 第3図は、圧延温度モデルに基づいた温度分布演算処理
を示すフローチャートである。 第4図は、材料断面の分割と各分割領域間の伝熱の関係
を示す断面図である。 第5図は、プリセット制御計算処理を示すフローチャー
トである。 第6図は、クーリングトラフにおける冷却水量を求める
ための補間法を説明するための温度グラフである。 第7図は、材料圧延中の、本発明による制御特性を示す
グラフである。 第8図は、材料圧延中の従来制御特性を示すグラフであ
る。 CT1〜CTn:クーリングトラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐坂 晋二 北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式 會社室蘭製鐵所内 (72)発明者 千田 雄治 北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式 會社室蘭製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】線材,棒材の圧延,冷却に際して、クーリ
    ングトラフなどの冷却装置が圧延ライン上に複数台存在
    する場合において、被圧延材のロット毎のライン上所定
    位置における材料の目標温度および各冷却装置出側にお
    ける材料の下限温度が定められている場合、圧延,冷却
    による材料の断面温度分布の変化を、高速演算可能な圧
    延温度モデルで表わし、この圧延温度モデルを用いて、
    冷却装置の使用台数と各冷却装置の冷却水量とをオンラ
    インで演算算出して、ライン上所定位置における材料温
    度が目標値に一致するようにロット単位でプリセット制
    御を行なうとともに、前記圧延温度モデルに含まれる各
    種熱伝達関数,加工発熱補正係数などの各種パラメータ
    の値を、材料温度,冷却水量,圧延条件などのプラント
    データ実測値に基づいて、オンラインでかつ、ロット単
    位で逐次更新することを特徴とする、線材,棒材の圧
    延,冷却における温度制御方法。
  2. 【請求項2】線材,棒材の同一ロット内の圧延,冷却に
    際して、ライン上の第1位置の材料および目標温度が定
    められている場合、圧延,冷却による材料の断面温度分
    布の変化を、高速演算可能な圧延温度モデルで表わし、
    この圧延温度モデルを用いて、冷却に使用する冷却装置
    と該冷却装置それぞれの冷却水量とをオンラインで演算
    算出し、第1位置の材料温度の目標からの偏差を、第1
    位置より上流側にある、前記冷却に使用する冷却装置の
    うちの最下流の冷却装置の冷却水量と、この最下流の冷
    却装置より上流側の第3位置の材料温度とを変数とする
    簡易式から成る温度偏差モデルで表わし、該温度偏差モ
    デルの係数値は、前記圧延温度モデルにより圧延前に算
    出しておき、材料圧延中は、材料が第3位置を通過する
    時に第3位置における材料温度を実測し、この実測値に
    基づいて、前記温度偏差モデルを用いて、第1位置の材
    料温度が目標温度に一致するように前記最下流の冷却装
    置の冷却水量を時々刻々調節してフィードフォワード制
    御を行なうとともに、材料が第1位置を通過する時に、
    第3位置および第1位置における材料温度、ならびに前
    記最下流の冷却装置における冷却水量、の各々の実測値
    に基づいて前記温度偏差モデルの係数を逐次修正して、
    フィードバック的に温度偏差モデルの計算誤差を実質上
    0に収束させることを特徴とする、線材,棒材の圧延,
    冷却における温度制御方法。
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