JP2593027B2 - メッキ付着量制御方法 - Google Patents

メッキ付着量制御方法

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JP2593027B2
JP2593027B2 JP19189692A JP19189692A JP2593027B2 JP 2593027 B2 JP2593027 B2 JP 2593027B2 JP 19189692 A JP19189692 A JP 19189692A JP 19189692 A JP19189692 A JP 19189692A JP 2593027 B2 JP2593027 B2 JP 2593027B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼材表面の合金化処理
に用いられるメッキ付着量制御に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼材が錆るのを防ぐために、鋼材の表面
を合金化処理することが一般に実施されている。この種
の処理を実施するためには、例えば、薄板状の鋼帯を溶
融亜鉛浴中に通して鋼帯表面に亜鉛メッキ層を付着させ
た後、それを合金化炉で加熱して合金化層を鋼帯の表面
に形成する。
【0003】このような表面処理を行なう場合、鋼帯表
面に付着した亜鉛メッキ層の厚みの変化が、合金化層の
品質に影響する。即ち、合金化炉における加熱量が一定
であるとすれば、メッキの厚みが大きくなると生焼けが
生じ易くなり、厚みが小さくなると過合金が生じ易くな
る。また、亜鉛メッキ層の厚みが大きすぎると、亜鉛を
無駄に消費し生産コストが増大する。
【0004】このため従来より、ノズルから窒素ガスな
どを噴射してそれを鋼帯表面に吹付け、合金化前のメッ
キ付着量を減らす設備(NJCと呼ばれる)が、溶融亜
鉛浴の出口と合金化炉入口との間に設置してあり、それ
を調整することによって、メッキ付着量が適正になるよ
うに制御している。
【0005】この種のメッキ付着量制御の従来技術は、
例えば特開平3−173757号公報に開示されてい
る。即ち、鋼帯に吹付けるガスの圧力、又は鋼帯表面と
ガス吹付用ノズルとの間隔を調整することによって、メ
ッキ付着量を制御している。また、この種の制御では、
フィ−ドフォワ−ド制御とフィ−ドバック制御の両方が
用いられる場合が多いが、それらの一方でガスの圧力を
調整し、他方で鋼帯表面とガス吹付用ノズルとの間隔を
調整する方法も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】制御目標となるメッキ
付着量の大きさは、成品の種類によって様々であるが、
特に最近では、従来に比べて非常に薄いメッキ付着量ま
でも要求される傾向にある。メッキ付着量を薄くするた
めには、ガス圧力を増大するか、又は鋼帯表面とガス吹
付用ノズルとの間隔を小さくすればよい。
【0007】ところが、鋼帯表面とガス吹付用ノズルと
の間隔が小さくなると、鋼帯に生じる厚み方向の揺れ
(フラッタリングと呼ばれる)によって、鋼帯表面とガ
ス吹付用ノズルとが衝突する場合がある。特に、軟質材
や板厚の薄い鋼帯は、フラッタリングが大きく、鋼帯表
面とガス吹付用ノズルとが衝突し易い。また、ガス圧力
を小さくした場合にも、鋼帯のフラッタリングが大きく
なり、鋼帯表面とガス吹付用ノズルとが衝突し易くな
る。更に、ガス圧力を大きくすると、ガスの消費量が増
大し、エネルギ−消費が増える。
【0008】従って本発明は、様々な厚み、特に非常に
薄いメッキ付着量をも制御可能にするとともに、鋼帯表
面とガス吹付用ノズルとの衝突を防止し、しかもエネル
ギ−の消費を最小限に抑えることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、メッキ浴中を通過した後のメッキ処理
対象物にノズルからガスを吹付けてメッキ処理対象物に
付着したメッキ層の厚みを減らすメッキ付着量制御方法
において:ノズルから吹き出すガスの圧力,及びノズル
とメッキ処理対象物との距離の両者を制御要素とし、予
め前記ガス圧力の下限値,及びノズルとメッキ処理対象
物との距離の下限値を設定し、通常は、ガス圧力の制御
値を設定された下限値に固定し、ノズルとメッキ処理対
象物との距離の制御値のみを可変とし、予め定められた
計算式とガス圧力の下限値に基づいてノズルとメッキ処
理対象物との距離の制御値を求めてその距離を制御し、
計算によって求められたノズルとメッキ処理対象物との
距離の制御値が設定された下限値を下まわる場合には、
制御を切り替え、ノズルとメッキ処理対象物との距離を
その下限値に固定し、ガス圧力の制御値のみを可変と
し、予め定められた計算式と前記距離の下限値とに基づ
いてガス圧力の制御値を求めてその圧力を制御する。
【0010】
【作用】従来のように、例えばガスの圧力のみを調整対
象としてメッキ付着量を制御する場合、目標とするメッ
キ付着量が大きくなると、ガスの圧力を非常に小さくし
なければならず、フラッタリングが生じ、鋼帯がノズル
に衝突し易い。鋼帯とノズルとの衝突を防止するには、
予め鋼帯とノズルとの間隔を大きめに設定しておけばよ
いが、そのようにすると、逆に目標とするメッキ付着量
が小さくなった時に、ガスの圧力を非常に大きくしなけ
ればならず、ガスの消費が増大する。
【0011】また、鋼帯とノズルとの間隔のみを調整対
象としてメッキ付着量を制御する場合、目標とするメッ
キ付着量が小さくなると、鋼帯とノズルとの間隔を非常
に小さくしなければならず、小さなフラッタリングが生
じるだけで、鋼帯がノズルに衝突してしまう。鋼帯とノ
ズルとの衝突を防止するには、フラッタリングを防止す
るために、予めガスの圧力を大きめに設定しておけばよ
いが、そのようにすると、ガスの消費量が増大するのは
避けられない。
【0012】フィ−ドフォワ−ド制御とフィ−ドバック
制御の一方でガスの圧力のみを調整し、他方で鋼帯とノ
ズルとの間隔のみを調整する場合にも、上記と同様の結
果になる。
【0013】しかし本発明によれば、1つの制御系の中
で、ガス圧力と鋼帯−ノズル間隔との両方を調整対象と
しているので、上記のような不都合が発生しないよう
に、最適な制御を実施しうる。即ち、目標とするメッキ
付着量が比較的大きい場合には、ガス圧力をある程度
(ガス圧力の下限値)まで小さくしても、つまりある程
度フラッタリングが生じても、鋼帯とノズルとが衝突し
ない範囲内でそれらの間隔を調整すれば、目標とするメ
ッキ付着量が得られる。従って通常は、ガス圧力の制御
値を設定された下限値に固定し、ノズルとメッキ処理対
象物との距離の制御値のみを可変とし、予め定められた
計算式とガス圧力の下限値に基づいてノズルとメッキ処
理対象物との距離の制御値を求めてその距離を制御す
る。しかし、目標とするメッキ付着量が小さくなると、
そのままの制御では鋼帯−ノズル間隔が小さくなりす
ぎ、フラッタリングによって鋼帯とノズルとの衝突が生
じる。そこで、計算によって求められたノズルとメッキ
処理対象物との距離の制御値が設定された下限値を下ま
わる場合には、制御を切り替え、ノズルとメッキ処理対
象物との距離をその下限値に固定し、ガス圧力の制御値
のみを可変とし、予め定められた計算式と前記距離の下
限値とに基づいてガス圧力の制御値を求めてその圧力を
制御する。即ち、通常はガス圧力は最小であり、また制
御を切換えた後も、ノズルとメッキ処理対象物との距離
がその下限値に固定されるので、常にガス圧力を必要最
小限に抑え、ガスの消費量を最小にすることができる。
【0014】なお、設定すべきノズルとメッキ処理対象
物との距離の下限値は、例えば鋼帯の材質や板厚によっ
て定まる。
【0015】
【実施例】本発明を一態様で実施する装置の構成を図1
に示す。図1に示す設備は、連続処理ラインの一部であ
り、鋼帯の表面処理を実施する。図1を参照すると、図
示しない本体炉から供給される鋼帯は、図の右側から矢
印の向きに供給され、まず溶融亜鉛浴が設けられた亜鉛
ポット1の内部を通る。この時に、鋼帯の表面には溶融
亜鉛が層状に付着し、表面がメッキされる。
【0016】亜鉛ポット1の上方の鋼帯通路には、鋼帯
の表及び裏の各面と対向する位置に、それぞれノズル2
a及び2bが配置されている。ノズル2a及び2bに
は、それぞれ圧力調整弁3a及び3bを介して、タンク
4から窒素ガスが供給される。圧力調整弁3a及び3b
は、圧力制御装置7によって制御される。また、圧力調
整弁3a及び3bの出側の窒素ガス流路には、それぞ
れ、圧力センサ5a及び5bが設置されている。供給さ
れる窒素ガスは、ノズル2a及び2bから噴出して鋼帯
の表及び裏の各面に当たり、その圧力によって各面に付
着した余分な亜鉛メッキを拭き取り、該メッキ層の厚み
を減らす。ノズル2a及び2bは、それぞれ独立した駆
動機構によって支持されており、ノズル駆動装置6の制
御により、ノズルの各々と鋼帯表面との距離、即ち間隙
を調整しうる構成になっている。また、ノズル2a及び
2bの近傍には、それぞれ、それらと鋼帯表面との間隙
の大きさを検出する間隙センサ8a及び8bが設置され
ている。
【0017】後述するように、この実施例では、ノズル
2a及び2bに供給するガスの圧力とノズル2a,2b
と鋼帯表面との間隙の両者を調整することによって、各
面の亜鉛メッキ層の厚みを制御している。即ち、ノズル
に供給するガスの圧力を高くすればするほど、メッキの
厚みが小さくなり、またノズルと鋼帯との間隙が小さく
なればなるほど、メッキの厚みが小さくなる。実際に
は、1つの時点では圧力の調整と間隙の調整のいずれか
一方のみを実施しており、いずれを調整するかをその時
の条件によって自動的に切換えている。
【0018】ノズル2a,2bを通過してメッキ厚が調
整された鋼帯は、合金化炉9に入り、加熱されて、それ
の表面近傍の部分が、鋼材とその表面に付着した亜鉛メ
ッキとの合金に変わる。合金化炉9の出側からかなり離
れた位置であるが、鋼帯通路の鋼帯の各面と対向する位
置には、それぞれ鋼帯表面のメッキ厚を検出する付着量
計10a及び10bが設置されている。
【0019】ノズル駆動装置6に印加される間隙目標
値,及び圧力制御装置7に印加される圧力目標値は、プ
ロセスコンピュ−タ20によって生成される。この例で
は、プロセスコンピュ−タ20の処理は、フィ−ドフォ
ワ−ド制御21とフィ−ドバック制御22の2つに大別
される。また、定数テ−ブルとしてギャップリミットテ
−ブル23が、プロセスコンピュ−タ20のメモリ上に
備わっている。フィ−ドフォワ−ド制御21とフィ−ド
バック制御22は、各々、各ノズルと鋼帯の各面との間
隙に関する出力値と各ノズルに印加されるガスの圧力に
関する出力値とを生成し、両者の出力は加算されて間隙
目標値及び圧力目標値になる。鋼帯の表と裏をそれぞれ
独立した信号で制御するのは、例えば鋼帯に反りが生じ
ると、鋼帯表面の位置が通常の位置からずれ、2つのノ
ズルの中央に鋼帯が位置しなくなるためである。
【0020】プロセスコンピュ−タ20には、ビジネス
コンピュ−タ30から、処理する鋼帯に関するメッキ厚
目標値,鋼帯の板厚,鋼帯の材質,ライン速度,及び亜
鉛ポット1の入側の鋼帯温度の情報が入力される。これ
らの情報は、主としてフィ−ドフォワ−ド制御21で利
用される。また、プロセスコンピュ−タ20に接続され
た端末装置40を操作することにより、必要に応じて補
正値をオペレ−タが入力できるようになっている。
【0021】まず、フィ−ドフォワ−ド制御21につい
て説明する。この実施例では、フィ−ドフォワ−ド制御
21の基本数学モデルとして、次の第(1)式を用いてい
る。
【0022】
【数1】
【0023】但し、 M:メッキ付着量 T:亜鉛ポット入側
の鋼帯温度 V:ライン速度 t:メッキ浴内通過
の所要時間 P:ガス圧力 t=L/V D:鋼帯−ノズル間隙 L:メッキ浴内の鋼
帯長さ a0〜a6:係数(表と裏の各面で独立) この実施例では、メッキ付着量Mを目標値に維持するた
めに、ガス圧力Pと鋼帯−ノズル間隙Dの両者のうち、
その時の条件に応じていずれか一方を調整している。上
記第(1)式に基づいて、間隙Dを調整する場合には、表
と裏の各面について次の第(2)式によって計算した間隙
値を制御量として出力し、ガス圧力Pを調整する場合に
は、表と裏の各面について次の第(3)式によって計算し
た間隙値を制御量として出力する。
【0024】
【数2】
【0025】実際の制御においては、上記第(2)式及び
第(3)式のメッキ付着量目標値Mt,ガス圧力P,間隙
D,及び係数a0〜a6として、鋼帯の表と裏の各面につ
いてそれぞれ独立した値を用い、表と裏の各面につい
て、必要とされるガス圧力P又は間隙Dを計算する。
【0026】ガス圧力Pと鋼帯−ノズル間隙Dの両者の
うち、いずれを調整対象とするかは、計算によって求め
られた結果を、所定の下限値と比較することによって決
定される。即ち、ガス圧力Pの下限値Pminと鋼帯−ノ
ズル間隙Dの下限値Dminを予め定めておき、ガス圧力
Pが下限値Pminを下まわらず、しかも、間隙Dが下限
値Dminを下まわらないように制御する。実際には、通
常、つまりメッキ付着量が格別に小さくない時には、ガ
ス圧力Pを下限値Pminに固定し、その条件における間
隙Dを前記第(2)式の計算により求めその計算結果Dと
Pminとを操作量として出力するが、前記第(2)式の計算
結果が下限値Dminより小さくなった場合には、制御を
切替え、間隙Dを下限値Dminに固定し、その条件にお
けるガス圧力Pを前記第(3)式の計算により求め、その
計算結果PとDminとを操作量として出力する。
【0027】図2に一点鎖線で示す等メッキ厚曲線は、
数種類のメッキ厚(メッキ付着量)の各々について、そ
れが得られる時の間隙Dと圧力Pとの相関を示してい
る。図2から明らかなように、メッキ厚が大きくなるに
従って、間隙Dを大きくするか、又は圧力Pを小さくす
る必要がある。この実施例においては、図2に示す間隙
制御領域の部分では、圧力Pを下限値Pminに固定して
間隙Dのみを調整し、図2に示す圧力制御領域の部分で
は、間隙Dを下限値Dminに固定して圧力Pのみを調整
する。このように制御することによって、ノズルと材料
との衝突を生じることなく、広い範囲に渡るメッキ厚の
変化に対応でき、しかも圧力Pを必要最小限に抑えるこ
とができるので、ガスの消費量が抑制される。
【0028】フィ−ドフォワ−ド制御21の実際の処理
手順を図3に示す。この処理は、間隙調整処理と圧力調
整処理とで構成されており、図2に示す間隙制御領域で
は間隙調整処理が実行され、図2に示す圧力制御領域で
は圧力調整処理が実行される。またこれらの制御は、少
なくともビジネスコンピュ−タ30から入力されるメッ
キ厚目標値,鋼帯の板厚,及びライン速度のいずれか1
つが変化した場合に実施される。まず、間隙調整処理を
説明する。
【0029】ステップ101では、圧力の下限値Pmin
と、間隙の下限値Dminを設定する。実際には、圧力の
下限値Pminは予め定めた定数とし、間隙の下限値Dmin
については、ギャップリミットテ−ブル23(図1参
照)上に存在する多数の定数の中から、その時の鋼帯の
材質及び板厚に基づいて選択し使用する。また、オペレ
−タが端末装置40から補正値を入力した場合には、そ
の補正値を各間隙下限値に加算して下限値を修正する。
また、下限値は表側と裏側の両方の制御系についてそれ
ぞれ独立して設けられており、表側の補正値と裏側の補
正値を異なる値に設定することにより、表側と裏側の下
限値を互いに異なる値に設定することができる。これに
よって、例えば鋼帯の厚み方向の反りによる位置ずれに
対応することができる。
【0030】図3のステップ102では、計算に必要な
パラメ−タを入力する。即ち、最新のメッキ付着量目標
値Mtをビジネスコンピュ−タ30から入力し、ライン
速度V及び亜鉛ポット入側の鋼帯温度Tを入力し、メッ
キ浴内通過所要時間tを計算により求める。
【0031】次のステップ103では、ガス圧力(目標
値)Pを、ステップ101で得られた圧力下限値Pmin
に設定(固定)する。
【0032】続くステップ104では、指定されたメッ
キ付着量を得るために必要な鋼帯−ノズル間隙Dを、前
記第(2)式を用い、ステップ102で入力した各パラメ
−タと、ステップ103で設定されたガス圧力(Pmi
n)から計算する。
【0033】次のステップ105では、前のステップ1
04で計算された間隙Dを、ステップ101で設定した
下限値Dminと比較する。そしてD≧Dminであれば、次
にステップ106に進む。ステップ106では、ステッ
プ104の計算の結果得られた間隙Dをノズル駆動装置
6に出力する。そして次のステップ107では、ガス圧
力の下限値Pminを、圧力目標値として圧力制御装置7
に出力する。
【0034】D≧Dminである間は、上記間隙調整処理
を繰り返し実行し、圧力Pは下限値Pminに固定し、間
隙Dのみを調整する。しかし、D<Dminになると、ス
テップ105からステップ111に進み、圧力調整処理
に移行する。圧力調整処理の最初のステップ111で
は、ステップ101と同一の処理を実行し、ガス圧力及
び間隙の下限値を設定する。
【0035】次のステップ112では、計算に必要なパ
ラメ−タを入力する。即ち、最新のメッキ付着量目標値
Mtをビジネスコンピュ−タ30から入力し、ライン速
度V及び亜鉛ポット入側の鋼帯温度Tを入力し、メッキ
浴内通過所要時間tを計算により求める。
【0036】次のステップ113では、鋼帯−ノズル間
隙(目標値)Dを、ステップ111で得られた間隙下限
値Dminに設定(固定)する。
【0037】続くステップ114では、指定されたメッ
キ付着量を得るために必要な圧力Pを、前記第(3)式を
用い、ステップ112で入力した各パラメ−タと、ステ
ップ113で設定された間隙(Dmin)から計算する。
【0038】ステップ116では、ステップ114の計
算の結果得られた圧力Pを圧力制御装置7に出力する。
そして次のステップ117では、間隙の下限値Dmin
を、間隙目標値としてノズル駆動装置6に出力する。
【0039】従って、メッキ付着量の目標値が広い範囲
に渡って変動する場合には、間隙調整処理と圧力調整処
理とを交互に繰り返すことになる。
【0040】次に、フィ−ドバック制御22について説
明する。この制御では、メッキ付着量目標値Mtと、メ
ッキ厚計10a,10bによって検出されるメッキ付着
量実績Maとに基づいて、制御誤差eを小さくするため
の間隙及び圧力の操作量を生成する。フィ−ドバック制
御22についても、間隙Dと圧力Pの両方を調整対象と
しており、ある時点では、その時の条件に応じて選択し
たいずれか一方のみを調整している。選択の条件は前記
フィ−ドフォワ−ド制御21の場合と同様である。
【0041】間隙Dを調整する場合には、次の第(4)式
を用いて間隙変更量ΔDを求め、圧力変更量ΔPは0に
固定し、圧力Pを調整する場合には、前記第(3)式を用
いて圧力目標値Pを求める。
【0042】
【数3】
【0043】フィ−ドバック制御22の処理手順は、基
本的には図3と同一であるのでそれの図示及び説明は省
略する。但し、計算処理の内容は上記第(4)式及び第(3)
式に示したように異なっており、次に説明するように制
御のタイミングも異なっている。
【0044】即ち、フィ−ドバック制御22では、鋼帯
上のノズル2a,2bを通った部分が、その位置から付
着量計10a及び10bの設置位置に達するまでの所要
時間+αと同一の周期で、操作量D及びPが更新される
ように制御が実施される。+αは、付着量計10a,1
0bの検出に要する時間である。付着量計は、鋼帯の幅
方向に検出位置を走査して不連続な数点の位置で、繰り
返しメッキの厚みを検出するように構成されており、付
着量を検出するためにはある程度の時間が必要である。
また、フィ−ドフォワ−ド制御21に入力されるパラメ
−タが変更され、フィ−ドフォワ−ド制御21の操作量
D及びPが変更された場合には、その時から、その影響
が付着量計10a,10bによって検出されうる時点ま
で、フィ−ドバック制御は一時的に禁止される。このよ
うな処理によって、一般のPID制御の場合に生じうる
過剰制御が防止される。
【0045】いずれにしても、ノズル駆動装置6に入力
される間隙目標値は、フィ−ドフォワ−ド制御21によ
って生成される間隙Dとフィ−ドバック制御22によっ
て生成される操作量ΔDとを加算した値であり、圧力制
御装置7に入力される圧力目標値は、フィ−ドフォワ−
ド制御21によって生成される圧力Pとフィ−ドバック
制御22によって生成される操作量Pであり、それらが
各々の設定された下限値を下まわらないように制御され
る。
【0046】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、1つの
制御系の中で、ガス圧力と鋼帯−ノズル間隔との両方を
調整対象としているので、不都合が発生しないように、
最適な制御を実施しうる。即ち、目標とするメッキ付着
量が比較的大きい場合には、ガス圧力をある程度(ガス
圧力の下限値)まで小さくしても、つまりある程度フラ
ッタリングが生じても、鋼帯とノズルとが衝突しない範
囲内でそれらの間隔を調整すれば、目標とするメッキ付
着量が得られる。従って通常は、ガス圧力の制御値を設
定された下限値に固定し、ノズルとメッキ処理対象物と
の距離の制御値のみを可変とし、予め定められた計算式
とガス圧力の下限値に基づいてノズルとメッキ処理対象
物との距離の制御値を求めてその距離を制御する。目標
とするメッキ付着量が小さくなると、そのままの制御で
は鋼帯−ノズル間隔が小さくなりすぎ、フラッタリング
によって鋼帯とノズルとの衝突が生じるが、本発明で
は、計算によって求められたノズルとメッキ処理対象物
との距離の制御値が設定された下限値を下まわる場合に
は、制御を切り替え、ノズルとメッキ処理対象物との距
離をその下限値に固定し、ガス圧力の制御値のみを可変
とし、予め定められた計算式と前記距離の下限値とに基
づいてガス圧力の制御値を求めてその圧力を制御するの
で、鋼帯とノズルとの衝突は防止される。しかも、通常
はガス圧力は最小であり、また制御を切換えた後も、ノ
ズルとメッキ処理対象物との距離がその下限値に固定さ
れるので、常にガス圧力を必要最小限に抑え、ガスの消
費量を最小にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】 等メッキ厚曲線と制御の領域を示すグラフで
ある。
【図3】 制御手順の概略を示すフロ−チャ−トであ
る。
【符号の説明】
1:亜鉛ポット 2a,2b:ノズル 3a,3b:圧力調整弁 4:窒素ガス 5a,5b:圧力センサ 6:ノズル駆動装置 7:圧力制御装置 8a,8b:間隙セン
サ 9:合金化炉 10a,10b:付着
量計 20:プロセスコンピュ−タ 21:フィ−ドフォワ
−ド制御 22:フィ−ドバック制御 23:ギャップリミッ
トテ−ブル 30:ビジネスコンピュ−タ 40:端末装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−9637(JP,A) 特開 昭56−13468(JP,A) 特開 平3−170654(JP,A) 特開 平3−173757(JP,A) 特開 平5−171395(JP,A) 特開 平6−10108(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メッキ浴中を通過した後のメッキ処理対
    象物にノズルからガスを吹付けてメッキ処理対象物に付
    着したメッキ層の厚みを減らすメッキ付着量制御方法に
    おいて:ノズルから吹き出すガスの圧力,及びノズルと
    メッキ処理対象物との距離の両者を制御要素とし、予め
    前記ガス圧力の下限値,及びノズルとメッキ処理対象物
    との距離の下限値を設定し、 通常は、ガス圧力の制御値を設定された下限値に固定
    し、ノズルとメッキ処理対象物との距離の制御値のみを
    可変とし、予め定められた計算式とガス圧力の下限値に
    基づいてノズルとメッキ処理対象物との距離の制御値を
    求めてその距離を制御し、 計算によって求められたノズルとメッキ処理対象物との
    距離の制御値が設定された下限値を下まわる場合には、
    制御を切り替え、ノズルとメッキ処理対象物との距離を
    その下限値に固定し、ガス圧力の制御値のみを可変と
    し、予め定められた計算式と前記距離の下限値とに基づ
    いてガス圧力の制御値を求めてその圧力を制御すること
    を特徴とする、メッキ付着量制御方法。
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