JP5131010B2 - 連続溶融金属メッキシステム及びメッキ方法 - Google Patents

連続溶融金属メッキシステム及びメッキ方法 Download PDF

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Description

本発明は連続溶融金属メッキラインにおける連続溶融金属メッキシステム及及びメッキ方法に関し、特に、鋼板等の帯状の金属(帯状体)の表裏面のメッキ付着量を高精度に制御するために用いて好適な技術に関する。
例えば、鉄鋼業において、帯状体である鋼板に溶融亜鉛メッキする製造工程における溶融亜鉛メッキ付着量の自動制御は、メッキ浴の上のガスワイピングノズル(以下では単にワイピングノズルとも記す)の位置及び吹付け圧力を制御することにより行われている。メッキ付着量とワイピング位置、ワイピング圧力並びに通板速度の関係式(モデル)は、例えば、特許文献1、特許文献2に報告されている。
具体的には、ワイピング制御量とメッキ付着量の関係は、関数で近似され、実際の測定データに基づきこれら関数のパラメータを回帰して用いられるのが通常である。例えば、Z=メッキ付着量[g/m2]、P:ワイピングガスのノズル圧力[kPa]、V:通板速度[mpm]、D:ノズル鋼板間の間隔[mm]とすると、以下のようなモデル式により計算される。
Z=f(P、V、D)=a0×Pa1×Va2×Da3
このようなモデル式を用いて制御する場合、目付量はノズル鋼板間の間隔に対し非線形性が高く、ノズルと鋼板の間隔の正確な認識が必要となる。表裏のノズルの間隙はノズル機軸に取付けた位置検出用のパルス発振機(PLG)などにより計測が可能であるが、鋼板と表裏それぞれのノズル間隙の正確な測定は困難である。
更に、溶融亜鉛メッキ付着量の自動制御においては、上記の鋼板長手方向に均一な付着量制御のみならず、鋼板の板幅方向に均一なメッキ付着量を得ることが重要である。一般にワイピングノズル間を通板される鋼板形状は完全には平坦でないことが多く、ノズルと鋼板の間隙が鋼板板幅方向(以下では板幅方向と記す)によって不均一となるため、板幅方向のメッキ付着量の分布は不均一となる。
板幅方向に均一なメッキ付着量を得るために、特許文献3などに開示されているような、板幅方向に複数の気体導入管を接続して、それぞれに圧力制御手段を設けたワイピングノズルを用いられる。しかし、このようなワイピングノズルを用いても、板幅方向に均一な付着量分布を得るには、板幅方向に適正なワイピング圧力の設定値を得る必要があり、板幅方向全幅にわたってノズルと鋼板間隙を正確に認識することが必要となる。
更に、メッキ付着量を制御するためにノズル位置を自動修正する場合、付着量の板幅方向の平均値と目標値との偏差に応じてノズル位置を調整するのが一般的であるが、ノズルが鋼板と接触し、ノズルの目詰まり、鋼板への疵混入、引いては板破断等のライントラブルを引き起こすという問題があった。
ワイピングノズルと鋼板の間隔を板幅方向に測定する方法として、例えば、過流式の位置センサなどを板幅方向に設置して測定する方法が実用化されている。
特開平06―108219号公報 特開平07―048663号公報 特開平07−3420号公報
しかしながら、ワイピングノズルと鋼板の間隔を測定したい位置においては鋼板温度が高く(450℃程度)、温度ドリフト等の影響で当該間隙を過流式の位置センサなどを用いて精度良く計測することは困難なことが多かった。
以上のように、メッキ付着量の自動制御においては、付着量の目標値との偏差に応じてノズル位置を自動修正するフィードバック制御の手段がとられるが、従来は鋼板とワイピングノズルの間隙を板幅方向全幅にわたって精度良く測定又は推定することが困難であったので、ノズルと鋼板の接触による通板トラブルが発生することが多かった。
本発明は上述の問題点に鑑み、帯状体の表裏面のメッキ付着量を帯状体の全長・全幅にわたって高精度に制御すると共に、帯状体とノズルの接触又は衝突による通板トラブルを防止することを目的としている。
本発明の要旨とするところは以下のごとくである。
(1) 本発明の連続溶融金属メッキシステムは、移動する帯状体の表面にメッキするための溶融金属浴槽と、前記溶融金属浴槽の上に配設され帯状体を挟んで対向した一対のガスワイピングノズルとで、溶融金属浴槽から出てきた帯状体の表面の幅方向にわたって気体を吹き付けてメッキ付着量を調節する連続溶融金属メッキシステムにおいて、前記ガスワイピングノズルそれぞれに、帯状体の幅方向に並列して接続された複数の気体導入管と、前記気体導入管のそれぞれに配設され、その内部の気体の圧力を調節するための複数の圧力制御バルブと、前記ガスワイピングノズルの通板方向下流側に配設され、帯状体の板幅方向の複数の位置で、帯状体の表・裏面のメッキ付着量を検出する表裏目付量測定装置と、前記表裏目付量測定装置で検出された、複数の位置でのメッキ付着量実績値に基づいて、帯状体の幅方向にメッキ付着量が均一になるように前記複数の圧力制御バルブ、及び帯状体と直交する方向のガスワイピングノズル位置を制御する付着量制御部と、を具備し、前記付着量制御部は、前記溶融金属浴槽を通過した帯状体とガスワイピングノズルそれぞれの間隙を、前記帯状体の板幅方向の複数の位置について推定するノズル−帯状体間の間隙推定手段と、前記ノズル−帯状体間の間隙推定手段により推定した前記複数の位置のガスワイピングノズル−帯状体間の間隙値に基づいて、複数の位置でのメッキ付着量を推定するメッキ付着量推定手段と、前記メッキ付着量推定手段により推定した前記複数の位置でのメッキ付着量推定値と予め設定した目標値との偏差に基づいて、帯状体と直交する方向のノズル位置修正量、及び複数の位置のノズル圧力修正量を計算する、ノズル位置及びノズル圧力修正量計算手段とを有することを特徴とする。
(2) 又、本発明の連続溶融金属メッキシステムは、前記付着量制御部は、前記ノズル−帯状体間の間隙推定手段によって推定した帯状体の板幅方向の複数の位置での、表と裏のノズル−帯状体間の間隙値に基づいて、ガスワイピングノズルそれぞれと帯状体との接触又は衝突を防止するために、前記ノズル位置修正量の制限値を計算するノズル位置修正量制限値計算手段をさらに有することを特徴とする。
(3) さらに又、本発明の連続溶融金属メッキシステムは、前記ノズル−帯状体間の間隙推定手段は、帯状体幅方向の複数位置において、前記表裏目付量測定装置により検出された表裏のメッキ付着量実績値と表裏のノズル圧力実績値と通板速度実績値とから、所定の関係式を用いて表裏のノズル−帯状体間の間隙の仮の推定値を求めて、当該仮の推定値から表と裏のガスワイピングノズルを結ぶ方向における帯状体のラインセンターからの変位位置を一旦求め、前記表裏のガスワイピングノズル間方向における帯状体の変位位置、及び表ノズル位置実績値と裏ノズル位置実績値と帯状体の板厚とから加減算で、表裏のノズル−帯状体間の間隙を計算することを特徴とする。
(4)さらに又、本発明の連続溶融金属メッキシステムは、前記メッキ付着量推定手段は、帯状体幅方向の複数位置における、前記表裏目付量測定装置により検出された表裏のメッキ付着量実績値を基に、前記ガスワイピングノズルの設置位置から前記表裏目付量測定装置までの通板時間での、帯状体の通板速度の変化量、ノズル圧力の変化量、及びノズル−帯状体間の間隙の変化量を用いて、帯状体幅方向の複数位置における帯状体のメッキ付着量の推定値を算出することを特徴とする。
(5) 本発明の連続溶融金属メッキ方法は、移動する帯状体の表面にメッキするための溶融金属浴槽と、前記溶融金属浴槽の上に配設され帯状体を挟んで対向した一対のガスワイピングノズルとで、溶融金属浴槽から出てきた帯状体の表面の幅方向にわたって気体を吹き付けてメッキ付着量を調節する連続溶融金属メッキ方法において、前記ガスワイピングノズルそれぞれに、帯状体の幅方向に並列に複数の気体導入管を接続し、前記気体導入管のそれぞれに配設され、その内部の気体の圧力を調節するための複数の圧力制御バルブを設けたメッキ付着量調整用のノズル部を用いて、前記ガスワイピングノズルの通板方向下流側に配設され、帯状体の板幅方向の複数の位置で、帯状体の表・裏面のメッキ付着量を検出する表裏目付量測定ステップと、前記表裏目付量測定ステップで検出された、複数の位置でのメッキ付着量実績値に基づいて、帯状体の幅方向にメッキ付着量が均一になるように前記複数の圧力制御バルブ、及び帯状体と直交する方向のガスワイピングノズル位置を制御する付着量制御ステップと、からなり、前記付着量制御ステップは、前記溶融金属浴槽を通過した帯状体とガスワイピングノズルそれぞれの間隙を、前記帯状体の板幅方向の複数の位置について推定するノズル−帯状体間の間隙推定ステップと、前記ノズル−帯状体間の間隙推定ステップにより推定した前記複数の位置のガスワイピングノズル−帯状体間の間隙値に基づいて、複数の位置でのメッキ付着量を推定するメッキ付着量推定ステップと、前記メッキ付着量推定ステップにより推定した前記複数の位置でのメッキ付着量推定値と予め設定した目標値との偏差に基づいて、帯状体と直交する方向のノズル位置修正量、及び複数の位置のノズル圧力修正量を計算する、ノズル位置及びノズル圧力修正量計算ステップとで構成されたことを特徴とする。
(6) 又、本発明の連続溶融金属メッキ方法は、前記付着量制御ステップは、前記ノズル−帯状体間の間隙推定ステップによって推定した帯状体の板幅方向の複数の位置での表と裏のノズル−帯状体間の間隙値に基づいて、ガスワイピングノズルそれぞれと帯状体との接触又は衝突を防止するために、前記ノズル位置修正量の制限値を計算するノズル位置修正量制限値計算ステップをさらに有することを特徴とする。
(7) さらに又、本発明の連続溶融金属メッキ方法は、前記ノズル−帯状体間の間隙推定ステップは、帯状体幅方向の複数位置において、前記表裏目付量測定ステップにより検出された表裏のメッキ付着量実績値と表裏のノズル圧力実績値と通板速度実績値とから、所定の関係式を用いて表裏のノズル−帯状体間の間隙の仮の推定値を求めて、当該仮の推定値から表と裏のガスワイピングノズルを結ぶ方向における帯状体のラインセンターからの変位位置を一旦求め、前記表裏のガスワイピングノズル間方向における帯状体の変位位置、及び表ノズル位置実績値と裏ノズル位置実績値と帯状体の板厚とから加減算で、表裏のノズル−帯状体間の間隙を計算することを特徴とする。
(8) さらに又、本発明の連続溶融金属メッキ方法は、前記メッキ付着量推定ステップは、帯状体幅方向の複数位置における、前記表裏目付量測定装置により検出された表裏のメッキ付着量実績値を基に、前記ガスワイピングノズルの設置位置から前記表裏目付量測定装置までの通板時間での、帯状体の通板速度の変化量、ノズル圧力の変化量、及びノズル−帯状体間の間隙の変化量を用いて、帯状体幅方向の複数位置における帯状体のメッキ付着量の推定値を算出することを特徴とする。
本発明によれば、通板中の帯状体とガスワイピングノズルの間隙を板幅方向全幅にわたって推定し、この推定した帯状体とガスワイピングノズルの間隙に基づいて、ノズル位置修正量及び板幅方向のワイピング圧力設定値を計算するようにしたので、帯状体の長手方向の全長、及び帯状体板幅方向の全幅に渡って、帯状体の表裏面のメッキ付着量を高精度に制御することができる。さらに、推定した帯状体とガスワイピングノズルの間隙に基づいて、ノズル位置修正量の移動範囲に制限を設けるようにしたため、ノズル位置自動制御におけるノズルと帯状体の接触又は衝突による帯状体への疵混入、通板トラブルなどを防止することができる。
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。本実施の形態においては、帯状体のメッキとして、鉄鋼業における連続溶融金属メッキラインにおける鋼板の溶融亜鉛メッキを例として以下で詳細に説明する。
図1は、本発明の連続溶融金属メッキラインにおけるメッキ付着量制御装置の構成例を示すブロック図である。
図1において、10は鋼板、11は操業データ設定部、12は付着量制御部、13は第1のワイピングガス圧力制御装置、13aは第1の制御バルブ、14は第2のワイピングガス圧力制御装置、14aは第2の制御バルブ、15は溶融金属浴槽、15aはシンクロール、15bは上段サポートロール、15cは下段サポートロール、15dは溶融金属である。
図2に、鋼板10の幅方向(帯状体の板幅方向)に対抗して気体を吹き付けるために、鋼板の幅方向に広い幅を有する表面用又は裏面用のガスワイピングノズル(表ノズルと記す)16、(裏ノズルと記す)17と、当該表又は裏ノズルに気体を供給するために鋼板10の幅方向に並列に複数本配設された気体導入管20を示す。ガスワイピングノズル16及び17のそれぞれには、内部から噴射する気体の圧力を調節するための、第1及び第2の圧力制御バルブ13a、14aが設けられている。
表又は裏のワイピングガス圧力制御装置13、14は、板幅方向に複数個設けられた気体導入管20に設けられているそれぞれの圧力制御バルブ13a、14aを操作することにより、メッキ付着量調整用のノズル部として設けられているガスワイピングノズル16(17)を用いて、それぞれ独立に異なるガス圧力で気体を吹き付けることが可能である。
複数の表又は裏のワイピングガス圧力制御装置13、14は、図2に示したように別々に構成しても、又、一台にまとめて構成しても良い。表面(又は裏面)用のガスワイピングノズルヘッド21は、ガスワイピングノズル16(17)と気体導入管20と圧力制御バルブ13a(14a)とで構成されている。
再び、図1において、表ノズル16は表ノズル駆動装置16aで、裏ノズル17は裏ノズル駆動装置17aで、鋼板10の通板方向及び幅方向に直交する方向に移動可能に取り付けられている。こうして、表ノズル駆動装置16a及び裏ノズル駆動装置17aにより、表ノズル16及び裏ノズル17と鋼板表面との距離を適正な値に制御できるようにしている。
18は付着量計であり、表裏ノズル16、17に対して通板方向の下流側に所定の距離をおいて分離して設置されており、鋼板10の表裏に付着したメッキ量を計測するためのものである。付着量計18は一台であって鋼板10の板幅方向に走査し、板幅方向に複数の位置で、鋼板の表面及び裏面の付着量の測定を行う。又、付着量計18を鋼板10の幅方向に複数台設置して、それぞれの位置で表裏面の付着量を測定するようにしても良い。19は速度計であり、鋼板10の通板速度を検出するために設けられているもので、例えばロールにロータリーエンコーダを取り付けて構成する。
このように構成された本実施形態の連続溶融金属メッキラインにおけるメッキ付着量制御装置において鋼板10は、図1中の左側から右側に通板される間にその表裏に適正量の溶融金属が付着されるメッキ処理が行われる。本実施形態においては、付着量計18が表ノズル16及び裏ノズル17から離れて設置している例を示しているが、付着量計18は表ノズル16及び裏ノズル17の近傍に設置することが望ましい。付着量計18としては、例えば亜鉛メッキ鋼板ラインでは蛍光X線方式による計測器などが一般に用いられる。
付着量の制御を高精度に行うために、種々の実績値を取得して付着量制御部12に入力するようにしている。すなわち、表ノズル駆動装置16aにより表ノズル位置実績値J1が取得されて付着量制御部12に入力される。また、裏ノズル駆動装置17aにより裏ノズル位置実績値J2が取得されて付着量制御部12に入力される。
また付着量制御部12に入力される別の実績値として、第1のワイピングガス圧力制御装置13により、表ノズル16用のワイピングガス圧力実績値J3が取得されて付着量制御部12に入力される。されに、第2のワイピングガス圧力制御装置14により、裏ノズル17用のワイピングガス圧力実績値J4が取得されて付着量制御部12に入力される。ここで、表ノズル及び裏ノズルのワイピングガス圧力実績値J3、J4は、図2に示したようにそれぞれの気体導入管20に一対一に対応した板幅方向に複数点の実績値が入力される。
さらに又、別の実績値として、付着量計18からは板幅方向に複数の位置での表/裏付着量実績値J5が取得されて付着量制御部12に入力される。また、操業データ設定部11からはコイル情報J6が付着量制御部12に入力される。コイル情報J6としては、鋼板10の板厚及び目標付着量等が付着量制御部12に入力される。さらに、速度計19からは鋼板10の通板速度実績値J7が取得されて付着量制御部12に入力される。
前述したような実績値J1〜J7が入力される付着量制御部12は、付着量制御量演算装置として機能しており、「ノズルと鋼板間間隙の推定計算」を実行する。この推定計算は、表裏のガスワイピングノズル間方向における帯状体の変位位置、及び表ノズル位置実績値と裏ノズル位置実績値と帯状体の板厚とから加減算で行う。前述のような、ノズルと鋼板間間隙の間隙推定計算を行うために、本実施形態においては「ノズルと鋼板間間隙の推定計算手段」、推定計算手段によって計算した間隙値に基づいて「ノズル直下の板幅方向全幅のメッキ付着量推定計算」を実行する「ノズル直下の板幅方向全幅のメッキ付着量推定計算手段」、「ノズル位置修正量制限値計算」、及び、メッキ付着量推定手段により推定した前記複数の位置でのメッキ付着量推定値に基づいて「ノズル位置及びノズル圧力修正量計算」を実行する「ノズル位置及びノズル圧力修正量計算手段」などを備えている。
次に、前述のように構成された本実施形態の連続溶融金属メッキラインにおけるメッキ付着量制御装置の動作を説明する。
最初に、付着量制御部12において行われる計算(演算)について説明する。本実施形態においては、(A)「ノズルと鋼板間間隙の推定計算」、(B)「ノズル直下の板幅方向全幅のメッキ付着量推定計算」、(C)「ノズル位置修正量制限値計算」、(D)「ノズル位置及びノズル圧力設定値計算」について、付着量制御部12で行っている。
先ず、図3を参照しながら、(A)「ノズルと鋼板間間隙の推定計算」について説明する。この計算は、対向して設置された表・裏ノズルについて、鋼板10の板幅方向に並んだn個の点において、(a)表裏ノズル間ギャップの計算、(b)鋼板位置のラインセンター(基準点)からの変位計算、(c)ガスワイピングノズルと鋼板の間隙、すなわち、表裏のガスワイピングノズル間方向における帯状体の変位位置の計算などを行うことにより実現している。ここで、n点は等間隔であることが望ましい。ラインセンターとは鋼板の通板位置の基準とする位置である。
先ず、図3に示した、(a)板幅方向の位置i(i=1、2、・・・n)における表裏ノズル間ギャップDafb,iの計算について説明する。この計算は、以下の(1)式を用いて行う。
Dafb,i=Daf,i+Dab,i−THa ・・・(1)式
(1)式において、
図3に示したように、Dafb,i:表裏ノズル間ギャップ[mm]、Daf,i:表ノズル位置実績値[mm]、Dab,i:裏ノズル位置実績値[mm]、THa:板厚[mm]である。なお、表ノズル位置と裏ノズル位置は表裏ノズル間のラインセンター(基準点)からの距離として表記した。また、Daf,i、Dab,iは全て付着量を測定した鋼板部位の位置がノズル直下にある時点でのノズル位置であり、THaは付着量を測定した位置の鋼板板厚である。
次に、(b)鋼板位置のラインセンターからの変位計算について説明する。この計算は、以下の(2)式を用いて行う。なお、板幅方向各点の鋼板変位位置:ΔPASS,i (i=1,2,・・・,n) は、図3に示したように、板幅方向各点の鋼板表面のラインセンター(基準点)からの変位である。
ΔPASScal,i = Daf,i − Dafb,i * (Dfcal,i / (Dfcal,i + Dbcal,i)・・・(2)式
(2)式において、Daf,i:表ノズル位置(ラインセンターを基準とする)[mm]、Dafb,i:表裏ノズル間ギャップ[mm]、Dfcal,i:表ギャップ逆算値[mm]、Dbcal,i:裏ギャップ逆算値[mm]である。
ただし、ここで表ギャップ逆算値[mm] Dfcal,iと裏ギャップ逆算値[mm]Dbcal,iとは、それぞれ表側のノズルと鋼板表面とのギャップ値(間隙)、及び裏側のノズルと鋼板裏面とのギャップ値(間隙)の仮の推定値である。すなわち、この表ギャップ逆算値[mm] Dfcal,iと裏ギャップ逆算値[mm]Dbcal,iは、[背景技術]で説明した前記メッキ付着量のモデル式Z=f(P、V、D)において、メッキ付着量表面実績値Zaf,i、メッキ付着量裏面実績値[g/m2] Zab,i、表ノズル圧力実績値[kPa]Pf,i, 裏ノズル圧力実績値[kPa]Pb,i、Va:鋼板の通板速度実績値[mpm]を代入することによって表裏別に計算される。
ここで、以下の(3)式を用いて板幅方向各点の鋼板変位位置ΔPASS,iを(3)式で平滑化する。
ΔPASS,i(今回値)=ΔPASS,i(前回値)
+αp×(ΔPASScal,i−ΔPASS,i(前回値)) ・・・(3)式
ここで、αpは、目付量の測定ノイズなどによる変位位置計算値のノイズをフィルタリングするための係数である。
以上のように、(a)及び(b)の計算を行うことにより、「板幅方向各点の鋼板変位位置:ΔPASS,i」を求めることができる。
次に、(c)板幅方向各点iにおける、表ノズル16と鋼板10、及び裏ノズル17と鋼板10の各間隙の計算について説明する。この計算は、表ノズル位置実績値(Daf,i)[mm]と裏ノズル位置実績値(Dab,i)[mm]と(3)式の結果とから、以下の(4)式を用いて行う。
Df,i=Daf,i−ΔPASS,i、Db,i=Dab,i+ΔPASS,i−TH ・・・(4)式
なお、(4)式において、左辺のDf,i、Db,iはそれぞれ、板幅方向i位置における、表ノズル16と鋼板表面の間隙[mm]、裏ノズル17と鋼板表面の間隙[mm]である。
次に、(B)「ノズル直下の板幅方向全幅のメッキ付着量推定計算」について説明する。
板幅方向各点iにおける、鋼板表面の板幅方向各点の付着量推定値[mg/m2](Zpf,i)、及び、鋼板裏面の板幅方向各点の付着量推定値[mg/m2](Zpb,i)はそれぞれ下記(5)式で求められる。
Zpf,i=Zaf,i+c1*ΔV+c2*ΔPf,i+c3*ΔDf,i、
Zpb,i=Zab,i+c1*ΔV+c2*ΔPb,i+c3*ΔDb,i ・・・(5)式
ここで、c1,c2,c3は、それぞれ、速度、ノズル圧力、ノズル−鋼板間隙の変化による付着量の変化を表す影響係数である。
また、(5)式の右辺の各項は以下のようにして求められる。
ΔV=Va−Vab、
ΔDf,i=Df,i−Dafb,i、
ΔDb,i=Db,i−Dabb,i、
ΔPf,i=Pfa,i−Pfab,i、
ΔPb,i=Pba,i−Pbab,i、
ここで、Va:速度実績現在値[m.p.m]、Df,i:表ワイピングノズルと鋼板表面の間隙計算値((4)式による)[mm]、Db,i:裏ワイピングノズルと鋼板裏面の間隙計算値((4)式による)[mm]、Pfa,i:表ノズル圧力実績値[kPa]、Pfb,i:裏ノズル圧力実績値[kPa]、Zaf,i:メッキ付着量表面実績値[g/m2]、Zab,i:メッキ付着量裏面実績値[g/m2]、であり、又、Vab,i、 Dafb,i、 Dabb,i、 Pfab,i 、Pbab,iは、それぞれメッキ付着量実績値Zaf,i、Zab,iを測定した鋼板位置がノズル直下を通過した時の速度、ギャップ、圧力の実績値である。
すなわち、表ノズル16及び裏ノズル17の通板方向下流側に配設されていて、帯状体の板幅方向の複数の位置で、帯状体の表・裏面のメッキ付着量を検出する表裏目付量測定装置により検出された表裏のメッキ付着量実績値を基に、ノズルの設置位置から表裏目付量測定装置までの鋼板の通板時間での、鋼板の通板速度の変化量、ノズル圧力の変化量、及びノズル−帯状体間の間隙の変化量を用いて、鋼板の幅方向(帯状体の幅方向)の複数位置における鋼板のメッキ付着量の推定値を(5)式で算出する。
次に、(C)「ノズル位置修正量制限値計算」について説明する。
鋼板10が最もノズルに近接している位置iの鋼板とノズルの間隔がノズル位置修正量の制限値となる。よって、表ノズル位置修正量制限値[mm]:ΔDflim、裏ノズル位置修正量制限値[mm]:ΔDblimは、それぞれ下式で求められる。
ΔDflim = min (Df,1, Df,2, ・・・ , Df,n) + OF ・・・(6)式
ΔDblim = min (Db,1, Db,2, ・・・ , Db,n) + OF ・・・(7)式
なお、Df,i:表ワイピングノズルと鋼板表面の間隙計算値((4)式による)[mm]、Db,i:裏ワイピングノズルと鋼板裏面の間隙計算値((4)式による)[mm]である。また、OFは余裕代[mm]で定数で、鋼板のバタつきなどを考慮し、例えば2〜3mm程度にする。
次に、(D)「ノズル位置及びノズル圧力設定値計算」について説明する。この計算は、以下の(イ)表裏面ノズル位置修正量計算、(ロ)板幅方向各点iの表裏面ノズル圧力修正量計算を行うことにより実現される。
先ず、(イ)表裏面ノズル位置修正量計算について説明する。
表ノズル位置修正量(ΔDfset)[mm]、及び裏ノズル位置修正量(ΔDbset)[mm]はそれぞれ下式(8)、(9)で求められる。
ΔDfc=Gdf*c4*ΔZf ・・・(8)式
ΔDbc=Gdb*c4*ΔZb ・・・(9)式
ここで、ΔZf=Zctf−Zpfave、ΔZb=Zctb−Zpbaveである。
また、Zctf、Zctb:表面付着量目標値、裏面付着量目標値[g/m2]、Zpfave、Zpbave:ノズル直下表面付着量推定値Zpf,iの幅方向平均値[g/m2]、ノズル直下裏面付着量推定値Zpb,iの幅方向平均値[g/m2]、c4:付着量偏差とノズル位置修正量の関係を表す影響係数、Gdf、Gdb:制御ゲインで例えば0.8〜1.0程度の値とする。
以上で計算した、表裏各面のノズル位置修正量ΔDfset、ΔDbsetを前記「ノズル位置修正量制限値計算」で計算した、表裏ノズル位置修正量制限値[mm]:ΔDflim、ΔDblimでリミットすることにより、最終的な表裏ノズル位置修正量設定値が求められる。
次に、(ロ)板幅方向各点iの表裏面ノズル圧力修正量計算について説明する。
板幅方向i位置における、表ノズル圧力修正量[mm]:ΔPfset,i、裏ノズル圧力修正量[mm]:ΔPbset,iはそれぞれ下式で求められる。
ΔPfset,i = Gpf*c5*ΔZf,i ・・・(10)式
ΔPbset,i = Gpb*c5*ΔZb,i ・・・(11)式
ここで、ΔZf,i=Zpfave−Zpf,i、ΔZb,i=Zpbave−Zpb,iである。また、Zpf,i、Zpb,iは、ノズル直下表面付着量推定値、ノズル直下裏面付着量推定値[g/m2]であり、Zpfave、Zpbaveはそれぞれ、Zpf,i、Zpb,iの板幅方向平均値[g/m2]、c5:付着量偏差とガス圧力修正量の関係を表す影響係数、Gpf、Gpb:制御ゲインで例えば0.8〜1.0程度の値とする。
(第2の実施の形態)
次に、本実施形態の連続溶融金属メッキラインにおけるメッキ付着量制御装置で行う処理手順の一例について説明する。
先ず、図4のフローチャートを参照しながら、表/裏付着量実績値J5が取得されたときに行われる処理手順の一例を説明する。
先ず、ステップS41において、板幅方向各点におけるノズルと鋼板間間隙の推定計算が行われる。この計算は、前述した(1)式、(2)式、(3)式及び(4)式を用いて行われる。
次に、ステップS42において、ノズル直下の板幅方向各点の付着量推定計算が行われる。この計算は、前述した(5)式を用いて行われる。
次に、ステップS43において、ノズル位置修正量制限値計算が行われる。この計算は、前述した(6)式及び(7)式を用いて行われる。
次に、ステップS44において、ノズル位置修正量計算が行われる。この計算は、前述した(8)式及び(9)式を用いて行われる。
次に、ステップS45において、板幅方向各点のノズル圧力修正量計算が行われる。この計算は、前述した(10)式及び(11)式を用いて行われる。
前述のような処理を行うことにより、表裏目付量測定値から通板中の鋼板とガスワイピングノズルの間隙を板幅方向全幅にわたって推定する。そして、この推定した鋼板とガスワイピングノズルの間隙に基づいてガスワイピングノズル位置におけるメッキ付着量を板幅方向全幅に渡って高精度に推定することが可能となる。したがって、この推定した付着量と目標値との偏差に基づいてノズル位置修正量及び板幅方向各点のノズル圧力修正量を計算することにより、鋼板10の長手方向の全長及び板幅方向の全幅に渡って表裏面のメッキ付着量を高精度に制御することができる。さらに、推定した鋼板とガスワイピングノズルの間隙に基づいてノズル位置修正量の制限値を計算することにより、ノズル位置修正における鋼板とノズルの接触又は衝突を防止することができる。
以上の実施形態では、本発明を、鋼板の連続溶融金属メッキラインにおける連続溶融亜鉛メッキシステムを例として説明した。しかし、本発明は、帯状体としては鋼板に限定されることなく、その他の帯状の金属板の連続溶融金属メッキラインにおいても、適合するように装置を構成することによって、適用可能であることは明らかである。
(本発明に係る他の実施の形態)
前述した本発明の実施の形態における連続溶融金属メッキラインにおけるメッキ付着量制御装置を構成する各手段は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施の形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
なお、本発明は、前述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施の形態では図4に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接、あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記録媒体としては種々の記録媒体を使用することができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などがある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施の形態の機能が実現される他、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行うことによっても前述した実施の形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現される。
本発明の実施形態を示し、連続溶融金属メッキラインにおけるメッキ付着量制御装置の構成例を示すブロック図である。 ガスワイピングノズルの構造及びガスワイピングノズルの圧力制御を説明する図である。 鋼板表面とラインセンターの変位を説明する図である。 付着量測定値を受信した時に行う処理手順の一例を説明するフローチャートである。
符号の説明
10 鋼板
11 操業データ設定部
12 付着量制御部
13 第1のワイピングガス圧力制御装置
13a 第1の制御バルブ
14 第2のワイピングガス圧力制御装置
14a 第2の制御バルブ
15 溶融金属浴槽
15a シンクロール
15b 上段サポートロール
15c 下段サポートロール
15d 溶融金属
16 表ノズル
16a 表ノズル駆動装置
17 裏ノズル
17a 裏ノズル駆動装置
18 付着量計
19 速度計
20 気体導入管
21 ガスワイピングノズルヘッド

Claims (8)

  1. 移動する帯状体の表面にメッキするための溶融金属浴槽と、前記溶融金属浴槽の上に配設され帯状体を挟んで対向した一対のガスワイピングノズルとで、溶融金属浴槽から出てきた帯状体の表面の幅方向にわたって気体を吹き付けてメッキ付着量を調節する連続溶融金属メッキシステムにおいて、
    前記ガスワイピングノズルそれぞれに、帯状体の幅方向に並列して接続された複数の気体導入管と、
    前記気体導入管のそれぞれに配設され、その内部の気体の圧力を調節するための複数の圧力制御バルブと、
    前記ガスワイピングノズルの通板方向下流側に配設され、帯状体の板幅方向の複数の位置で、帯状体の表・裏面のメッキ付着量を検出する表裏目付量測定装置と、
    前記表裏目付量測定装置で検出された、複数の位置でのメッキ付着量実績値に基づいて、帯状体の幅方向にメッキ付着量が均一になるように前記複数の圧力制御バルブ、及び帯状体と直交する方向のガスワイピングノズル位置を制御する付着量制御部と、を具備し、
    前記付着量制御部は、前記溶融金属浴槽を通過した帯状体とガスワイピングノズルそれぞれの間隙を、前記帯状体の板幅方向の複数の位置について推定するノズル−帯状体間の間隙推定手段と、
    前記ノズル−帯状体間の間隙推定手段により推定した前記複数の位置のガスワイピングノズル−帯状体間の間隙値に基づいて、複数の位置でのメッキ付着量を推定するメッキ付着量推定手段と、
    前記メッキ付着量推定手段により推定した前記複数の位置でのメッキ付着量推定値と予め設定した目標値との偏差に基づいて、帯状体と直交する方向のノズル位置修正量、及び複数の位置のノズル圧力修正量を計算する、ノズル位置及びノズル圧力修正量計算手段とを有することを特徴とする連続溶融金属メッキシステム。
  2. 前記付着量制御部は、前記ノズル−帯状体間の間隙推定手段よって推定した帯状体の板幅方向の複数の位置での、表と裏のノズル−帯状体間の間隙値に基づいて、ガスワイピングノズルそれぞれと帯状体との接触又は衝突を防止するために、前記ノズル位置修正量の制限値を計算するノズル位置修正量制限値計算手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の連続溶融金属メッキシステム。
  3. 前記ノズル−帯状体間の間隙推定手段は、帯状体幅方向の複数位置において、
    前記表裏目付量測定装置により検出された表裏のメッキ付着量実績値と表裏のノズル圧力実績値と通板速度実績値とから、所定の関係式を用いて表裏のノズル−帯状体間の間隙の仮の推定値を求めて、当該仮の推定値から表と裏のガスワイピングノズルを結ぶ方向における帯状体のラインセンターからの変位位置を一旦求め、
    前記表裏のガスワイピングノズル間方向における帯状体の変位位置、及び表ノズル位置実績値と裏ノズル位置実績値と帯状体の板厚とから加減算で、表裏のノズル−帯状体間の間隙を計算することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の連続溶融金属メッキシステム。
  4. 前記メッキ付着量推定手段は、帯状体幅方向の複数位置における、前記表裏目付量測定装置により検出された表裏のメッキ付着量実績値を基に、前記ガスワイピングノズルの設置位置から前記表裏目付量測定装置までの通板時間での、帯状体の通板速度の変化量、ノズル圧力の変化量、及びノズル−帯状体間の間隙の変化量を用いて、帯状体幅方向の複数位置における帯状体のメッキ付着量の推定値を算出することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の連続溶融金属メッキシステム。
  5. 移動する帯状体の表面にメッキするための溶融金属浴槽と、前記溶融金属浴槽の上に配設され帯状体を挟んで対向した一対のガスワイピングノズルとで、溶融金属浴槽から出てきた帯状体の表面の幅方向にわたって気体を吹き付けてメッキ付着量を調節する連続溶融金属メッキ方法において、
    前記ガスワイピングノズルそれぞれに、帯状体の幅方向に並列に複数の気体導入管を接続し、
    前記気体導入管のそれぞれに配設され、その内部の気体の圧力を調節するための複数の圧力制御バルブを設けたメッキ付着量調整用のノズル部を用いて、
    前記ガスワイピングノズルの通板方向下流側に配設され、帯状体の板幅方向の複数の位置で、帯状体の表・裏面のメッキ付着量を検出する表裏目付量測定ステップと、
    前記表裏目付量測定ステップで検出された、複数の位置でのメッキ付着量実績値に基づいて、帯状体の幅方向にメッキ付着量が均一になるように前記複数の圧力制御バルブ、及び帯状体と直交する方向のガスワイピングノズル位置を制御する付着量制御ステップと、からなり、
    前記付着量制御ステップは、前記溶融金属浴槽を通過した帯状体とガスワイピングノズルそれぞれの間隙を、前記帯状体の板幅方向の複数の位置について推定するノズル−帯状体間の間隙推定ステップと、
    前記ノズル−帯状体間の間隙推定ステップにより推定した前記複数の位置のガスワイピングノズル−帯状体間の間隙値に基づいて、複数の位置でのメッキ付着量を推定するメッキ付着量推定ステップと、
    前記メッキ付着量推定ステップにより推定した前記複数の位置でのメッキ付着量推定値と予め設定した目標値との偏差に基づいて、帯状体と直交する方向のノズル位置修正量、及び複数の位置のノズル圧力修正量を計算する、ノズル位置及びノズル圧力修正量計算ステップとで構成されたことを特徴とする連続溶融金属メッキ方法。
  6. 前記付着量制御ステップは、前記ノズル−帯状体間の間隙推定ステップによって推定した帯状体の板幅方向の複数の位置での表と裏のノズル−帯状体間の間隙値に基づいて、ガスワイピングノズルそれぞれと帯状体との接触又は衝突を防止するために、前記ノズル位置修正量の制限値を計算するノズル位置修正量制限値計算ステップをさらに有することを特徴とする請求項5に記載の連続溶融金属メッキ方法。
  7. 前記ノズル−帯状体間の間隙推定ステップは、帯状体幅方向の複数位置において、
    前記表裏目付量測定ステップにより検出された表裏のメッキ付着量実績値と表裏のノズル圧力実績値と通板速度実績値とから、所定の関係式を用いて表裏のノズル−帯状体間の間隙の仮の推定値を求めて、当該仮の推定値から表と裏のガスワイピングノズルを結ぶ方向における帯状体のラインセンターからの変位位置を一旦求め、
    前記表裏のガスワイピングノズル間方向における帯状体の変位位置、及び表ノズル位置実績値と裏ノズル位置実績値と帯状体の板厚とから加減算で、表裏のノズル−帯状体間の間隙を計算することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の連続溶融金属メッキ方法。
  8. 前記メッキ付着量推定ステップは、帯状体幅方向の複数位置における、前記表裏目付量測定装置により検出された表裏のメッキ付着量実績値を基に、前記ガスワイピングノズルの設置位置から前記表裏目付量測定装置までの通板時間での、帯状体の通板速度の変化量、ノズル圧力の変化量、及びノズル−帯状体間の間隙の変化量を用いて、帯状体幅方向の複数位置における帯状体のメッキ付着量の推定値を算出することを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の連続溶融金属メッキ方法。
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