JP3574204B2 - 溶融めっき鋼板のめっき付着量制御装置及び方法 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、鋼板さらにNiなどのめっき金属を施した鋼板が亜鉛、鉛−錫、アルミニウムなどの耐食性金属の溶融めっき浴を通過して走行する、溶融めっき鋼板の形状制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶融めっき鋼板は比較的融点の低い亜鉛、錫、アルミニウムなどその種類は多く、中でも亜鉛めっき鋼板あるいはその合金化亜鉛めっき鋼板は、耐食性や溶接性に優れている特性から、自動車や家電の素材として多く使用されている。こうした溶融めっき鋼板は、一般に熱間圧延さらには冷間圧延された鋼板は、予備酸化炉次いで還元焼鈍炉さらには冷却炉を通り、溶融めっき浴を通過して、表面に付着した溶融状態のめっき金属をガスワイピングで払拭しながら所定の目付量に制御し、必要によってはさらに合金化加熱炉を通って製造されている。しかしながら、製造された溶融めっき鋼板のめっき金属の目付量は、板幅方向で大きなばらつきが生じ、溶接性あるいは密着塗装性に支障を来す問題があった。こうした問題は、鋼板とガスワイピングノズルとの間隔に依存し、その間隔を常に一定に図ることで解決できるが、鋼板は各種の形状に変化して走行するため解決するに至っていない。
【0003】
鋼板形状を平坦化する手段としては、操作者が鋼板を目視して鋼板形状を判断し、めっき浴中のシンクロール、サポートロール又はガスワイピング上方のタッチロールを移動させたり、あるいは電磁力を使用して鋼板幅方向の形状を矯正したりするものがあるが。しかし、高精度の形状自動制御を行なうには、実際の鋼板形状に基づいて操作端の自動制御を行なう必要がある。このような自動制御方法の要求から、特開平2−265854号公報のように、ガスワイピングノズル上方で鋼板幅方向の端部と中央部のめっき層の厚さを検出し、その検出値の差が最低値になるようにシンクロール位置の自動制御を実施し、形状を矯正する方法が開発されている。
【0004】
しかし、このような矯正方法は、左右対称な単純反りを持つ鋼板の形状の場合のみ適用可能であるが、実際の鋼板形状は、左右対称な単純反りだけでなく左右非対称な鋼板形状もある。左右非対称鋼板形状の場合には、鋼板幅方向の端部と中央部のめっき層の厚さの差を産出して、シンクロールなどの位置を制御しても、鋼板は必ずしも平坦にならない。また例えば、特開平3−17249号公報のように、サポートロールの押込量を調整する制御方法では、鋼板が単純C反りの場合のみ鋼板形状の平坦化が可能であり、極値を2個以上有する鋼板形状、例えばM型のような鋼板形状を完全に平坦化することは困難である。即ち、極値を2個以上有する鋼板形状においてはその極値を平坦化する操作が必要であり、鋼板の連続形状の検出が必要である。
【0005】
鋼板幅方向の形状検出には、接触式の荷重検出やエアーベアリング方式を使用した検出器があるが、ガスワイピング位置前後では鋼板表面に未凝固の溶融亜鉛が付着しており、接触式の形状検出器は使用できないため、レーザー式と電磁式の非接触式の形状検出器が使用されている。しかし、このような形状検出器も、次のような問題があった。レーザー式形状検出器には、レーザー光を照射する光切断方式や照射レーザー光の反射光をスクリーンに投影し、画像処理する方法があるが、前者においては、ガスワイピング位置での鋼板は鏡面状態となっているために乱反射がおこりにくくなり、感度が劣化し、測定不可能である。後者においては、鋼板は振動している場合、反射像のずれが生じ測定精度に欠ける。また、測定精度は鋼板上の照射位置とスクリーン間の距離に依存するため、高精度に形状を検出するには鋼板から照射レーザー光間の距離を大きくとる必要があるが、ガスワイピング装置周辺には多くの機器が備わっており、物理的に設置が不可能であるという問題点がある。
【0006】
一方、電磁式形状検出器には、特公昭57−6054号公報等で示されるように、鋼板に外部から電磁石を印加して鋼板の張力分布を測定して形状を検出する方法があるが、鋼板形状が変化して潜在化している形状まで検出するため、ガスワイピング位置での鋼板形状を検出することは不可能である。また、形状検出器は、ガスワイピングノズル付近が高温であり、物理的に設置することが不可能であるため、実際には、ガスワイピングより離れた位置にしか設置できない。しかし、鋼板形状はロールの拘束と張力影響により通板方向の位置によって変化するため、ガスワイピング位置での鋼板形状を捕らえることが困難である。
【0007】
また、特開平6−128710号公報で示されるめっき鋼板の形状制御装置では、ガスワイピング位置での鋼板形状を捕らえ、非対称形状の鋼板を平坦化できるという効果を発揮することができた。しかしながら、鋼板幅方向の形状が、鋼板の片面側から見て凸な鋼板の反り量と凹な鋼板の反り量が存在するいわゆるM型のような形状、または極値を2個以上有する複雑な鋼板の形状を平坦化するには到っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の難点を克服するもので、鋼板の連続形状の検出を可能とし、極値を2個以上有する鋼板形状、例えばM型のような鋼板形状においても、板幅方向に複数個配置している位置センサーおよび電磁石の組の、鋼板幅方向の設置位置および電磁石の電流を操作することにより、鋼板の平坦度を高精度に制御することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、次の通りである。
(1)溶融めっき浴からガスワイピング域を通って走行するめっき鋼板の幅方向に、γ線またはX線を照射して受光する蛍光X線の強度を検出し、鋼板幅方向の表裏面の各めっき付着量を測定する板幅方向走査めっき付着量測定装置と、該鋼板の各幅方向の表裏面の各測定めっき付着量から鋼板形状を求める形状演算装置と、これから得られた鋼板形状がn次式の関数で近似し、この関数の極大値と極小値を用いて、表裏板幅方向に移動可能に複数組配置した位置センサーと電磁石の組の、鋼板幅方向の設置位置及び電磁石の電流を決定する形状制御演算装置と、これから演算された設定位置まで位置センサーと電磁石の組を動かすための駆動装置と、電磁石の励磁電流を制御する電流制御装置からなることを特徴とする溶融めっき鋼板のめっき付着量制御装置。
【0010】
(2)溶融めっき浴からガスワイピング域を通って走行するめっき鋼板の幅方向に、γ線またはX線を照射して受光する蛍光X線の強度を検出して、鋼板幅方向の表裏面の各めっき付着量を測定し、該めっき付着量から下記(1)式に基づいて鋼板形状を演算し、該演算により得られた鋼板形状を4次関数で近似した下記(2)式と、該関数の極大値と極小値を用いて下記(3)式に基づき鋼板の表裏幅方向に移動可能に設置した複数組の位置センサーと電磁石の組の鋼板幅方向の設置位置及び電磁石の励磁電流を演算し、同演算結果に基づき位置センサーと電磁石の組を移動させ電磁石の励磁電流を制御することを特徴とする溶融めっき鋼板のめっき付着量制御方法。
である。
【0011】
【作用】
図1は、本発明の形状制御装置の一実施例を示す。図中1は、亜鉛、鉛−錫などの耐食性金属がめっきされ、走行する鋼板である。鋼板1は溶融めっき浴中のシンクロール2を転回してめっきされ、サポートロール3で形状矯正されながら上昇し、ガスワイピングノズル4さらには必要に応じて設置される(図示しない)電磁ワイピングノズルで所定のめっき目付量に制御した後上昇する。5は、変位計6の出力によりめっき鋼板1の形状を平坦化する電磁石であり板幅方向に複数個設置される。7は、めっき鋼板1の板幅方向走査めっき付着量測定装置で、ガスワイピングノズル4の上方に設置される。板幅方向走査めっき付着量測定装置7は、走行するめっき鋼板1の板幅方向に、γ線またはX線を照射して受光する蛍光X線強度を検出し、鋼板幅方向の表裏面の各めっき付着量を測定する。8は、形状演算装置であり、板幅方向走査めっき付着量装置7から送信された鋼板の各幅方向の表裏面のめっき付着量から以下で説明する式に基づき、鋼板1とガスワイピングノズル4間の距離を算出し、鋼板形状を求める。
【0012】
めっき付着量を決定する要因としては、通板速度V(m/分)、鋼板1〜ガスワイピングノズル4間距離D(mm)、ガスワイピング圧力P(kg/cm2 )、鋼板表面性状、鋼中成分、めっき浴成分、めっき浴温度、鋼板サイズ等があり、めっき付着量W( g/m2 )は、
なる関数であらわすことができる。Fはガスワイピングノズル形状、めっき成分、鋼板の成分に依存する関数であるので同一設備及びめっき成分を限定することによって決定できる。さらに(4)式より(5)式を算出することができる。
【0013】
(5)式より片側の付着量計出力から鋼板形状の算出が可能であるが、鋼板形状以外にも板幅方向付着量変動の影響因子があると考えられ、鋼板形状による付着量影響のみをとりだすために、付着量の板の形状に対する表裏の反対称性を利用して、P,Vその他の説明変数は表裏同一として表裏付着量計を用いて(6)式のように算出できる。ただし、Pにおいては、表裏同一の場合が多いが、表裏圧力差がある場合には圧力補正をする必要がある。
ΔD=(D1 −D2 ) (6)
ここで、ΔDは表裏ガスワイピングノズル4間距離の中心を0とした時の変位量、D1 は表の鋼板1〜ガスワイピングノズル4位置までの距離、W1 は鋼板1の表の付着量、D2 は表の鋼板1〜ガスワイピングノズル4位置までの距離、W2 は鋼板1の裏の付着量を表す。
【0014】
この場合、Dを説明変数に持つ(5)式が複雑な回帰式であり、数式処理により(6)式を求めることができなくても、板幅方向の各変数を使用して逐次数値演算することにより(6)式を求めることが可能であり、さらには(7)式が求まる。
【0015】
これにより(7)式を用いた形状演算装置8により鋼板形状が得られる。9は形状制御演算装置であり、形状演算装置8により求まった鋼板形状から、以下に説明する式に基づいて電磁石5の電流値及び変位計6と電磁石5の組の設置位置が決定され制御される。
【0016】
形状演算装置8で得られた鋼板形状は、(7)式のようなn次式の関数で近似できる。
ここで、C0 〜Cnは定数、Xは鋼板形状の板幅方向位置を表す。付着量検出器により出力された付着量を用いて算出されたΔDとその時のXを使って、C0 〜Cnの定数を決定することにより、鋼板形状の関数近似が可能となる。(7)式において1階微分により導関数(8)式を得る。
C1 +2×C2 ×X+・・・+n×Cn×Xn−1 =0の実数解α1,α2,・・・,αnを求める。又、鋼板の両エッジのX座標をβ1,β2として、α1,α2,・・・,αn,β1,β2を(7)式に代入することでG(β1),G(β2),G(α1),G(α2),G(α3),・・・,G(αn)を得る。
【0017】
変位計6と電磁石5の組はα1,α2,・・・,αn,β1,β2の地点に、電磁石および変位計板幅方向駆動装置11により設置される。各電磁石の電流値A(Xn)は、各変位計で検出する鋼板の変位量が(9)式で求められるS(Xn)となるように、フィードバック制御される。
ただし、Xnはα1,α2,・・・,αn,β1,β2の値をとり、W0 は付着量の狙い値である。
【0018】
さらに、Alnをワイピングノズル4の設置位置と変位計6の設置位置の板長さ方向ずれによる補正係数とすると、電磁石5の電流値は、変位計6で検出される距離がAlnになるように、フィードバック制御される。
【0019】
なお、電磁石及び変位計板幅方向駆動装置11の代わりに、極短い間隔で変位計と電磁石の組を設置し、α1,α2,・・・,αn,β1,β2の位置に最も近い変位計と電磁石の組を使用する方法、或いは最外側の変位計と電磁石の組のみ駆動化する方法、もしくはこれらを組み合わせる方法もある。
【0020】
上記のごとく、板幅方向に設置した電磁石5の電流を操作することにより、鋼板の平坦度を高精度に制御することが可能である。
【0021】
本発明で、付着量回帰モデル式を前述のP,V,Dのみで表わせ、かつ、鋼板形状が4次関数に近似できる場合を、以下に説明する。
めっき付着量を決定する要因としては、通板速度V(m/分)、鋼板1〜ガスワイピングノズル4間距離D(mm)、ガスワイピング圧力P(kg/cm2 )、鋼板表面性状、鋼中成分、めっき浴成分、めっき浴温度、鋼板サイズ等があるが、前述のP,V,D以外の要因においては、鋼種によって同一視できるか又は、変動に対する付着量影響が小さいためP,V,Dから付着量を精度良く算出でき、めっき付着量Wは、
W=F(P,V,D) (10)
なる関数であらわすことができる。Fはガスワイピングノズル形状、めっき成分、鋼板の成分に依存する関数であるので同一設備及びめっき成分を限定することによって決定できる。溶融亜鉛めっきで、付着量30〜80(g/m2 )の場合には(11)式のような付着量回帰モデル式を得ることができる。
W= exp(K0 +K1 ×P+K2 ×V+K3 ×D) (11)
【0022】
ここでK0 〜K3 は定数であり、鋼板1の種類によってその値が決まる。(11)式により片側の付着量計出力から鋼板形状の算出が可能であるが、鋼板形状以外にも板幅方向付着量変動の影響因子があると考えられ、鋼板形状による付着量影響のみをとりだすために、付着量の板の形状に対する表裏の反対称性を利用して、P,Vは表裏同一として表裏付着量計を用いて(1)式のように算出できる。ただし、Pにおいては、表裏同一の場合が多いが、表裏圧力差がある場合には圧力補正をしてやる必要がある。
ここで、ΔDは表裏ガスワイピングノズル4間距離の中心を0とした時の変位量、D1 は表の鋼板1〜ガスワイピング4位置までの距離、W1 は鋼板1の表の付着量、D2 は表の鋼板1〜ガスワイピングノズル4位置までの距離、W2 は鋼板1の裏の付着量、Kは鋼板の種類によって決まる定数を表す。
【0023】
これにより(1)式を用いた形状演算装置8により鋼板形状が得られる。9は形状制御演算装置であり、形状演算装置8により求まった鋼板形状から、以下に説明する式に基づいて電磁石5の電流値及び変位計6と電磁石5の組の設置位置が決定され制御される。
【0024】
形状演算装置8で得られた鋼板形状は、(2)式のような4次式の関数で近似できる。
G(X)=C0 +C1 ×X+C2 ×X2 +C3 ×X3 +C4 ×X4 (2)
ここで、C0 〜C4 は定数、Xは鋼板形状の板幅方向位置を表す。(2)式はn次の多項式による近似も可能であるが、実際に確認されるワイピングノズル位置での鋼板形状及び演算速度の観点より4次式を使用する。付着量検出器により出力された付着量を用いて算出されたΔDとその時のXを使って、C0 〜C4 の定数を決定することにより、鋼板形状の関数近似が可能となる。(2)式において1階微分により導関数(12)式を得る。
C1 +2×C2 ×X+3×C3 ×X2 +4×C4 ×X3 =0の実数解α1,α2,α3を求める。また、鋼板の両エッジのX座標をβ1,β2として、α1,α2,α3,β1,β2を(2)式に代入することでG(β1),G(β2),G(α1),G(α2),G(α3)を得る。
【0025】
変位計6と電磁石5の組はα1,α2,α3,β1,β2の地点に、電磁石および変位計板幅方向駆動装置11により設置される。電流値A(X)は(3)式により決定され、電磁石電流制御装置10により制御される。
A(Xn)=A0 ×(G(Xn)+Aln)2 +A2 (3)
ただし、Xnはα1,α2,α3,β1,β2の値をとる。
【0026】
A0 ,Aln,A2 は定数であり、A0 ,A2 は鋼板サイズや張力によって決定される。Alnはワイピングノズル4の設置位置と変位計6の設置位置の板長さ方向ずれによる補正係数である。鋼板表裏の電磁石は、通常鋼板を吸引する側のみ使用するが、鋼板の振動の低減を目的に表裏とも使用する場合がある。この場合には、表裏電磁石の電流値の差がA(X)となるような電流値を選択する。さらに電磁石5の電流値は、プリセット設定後変位計6で検出される距離がAlnになるように、フィードバック制御される。
【0027】
なお、電磁石及び変位計板幅方向駆動装置11の代わりに、極短い間隔で変位計と電磁石の組を設置し、α1,α2,α3,β1,β2の位置に最も近い変位計と電磁石の組を使用する方法、あるいは最外側の変位計と電磁石の組のみ駆動化する方法、もしくはこれらを組み合わせる方法もある。
【0028】
上記のごとく、板幅方向に設置した電磁石5の電流を操作することにより、鋼板の平坦度を高精度に制御することが可能である。
【0029】
【実施例】
上記の実施例装置を用い溶融めっき鋼板の形状を制御した例について以下に述べる。
板厚0.76mm,板幅1823mmの溶融亜鉛めっき鋼板において、付着量回帰モデル式(11)式の係数は次のような値をとる。
K0 =3.02,K1 =−0.8,K2 =0.01,K3 =0.06
【0030】
板幅方向走査めっき付着量測定装置と形状演算装置を用いて求まった図2に示すような鋼板形状に対し、形状制御演算装置から電磁石の設置位置及び電流値を算出し、形状矯正を行った結果、鋼板形状は図3(5個の電磁石を用いた例)および図4(9個の電磁石を用いた例)のようになり、極値を2個以上有する鋼板形状、例えばM型のような複雑な鋼板形状においても、鋼板の平坦度を高精度に制御できる。
なお、図3および図4の点線の矢印は、電磁石の磁力の作用する位置と方向、大きさを表わす。
【0031】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、複雑な鋼板形状であっても、その平坦度を高精度に制御することができ、これによってメッキ付着量の均一化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いる形状制御装置の構造例を示すものである。
【図2】板厚0.76mm,板幅1823mmの溶融亜鉛めっき鋼板の矯正を行わない場合の形状例を示す図。
【図3】図2に示された鋼板形状において、5個の電磁石により形状矯正された後の鋼板形状及び磁力分布を示す図。
【図4】図2に示された鋼板形状において、9個の電磁石により形状矯正された後の鋼板形状及び磁力分布を示す図。
【符号の説明】
1 鋼板
2 シンクロール
3 サポートロール
4 ワイピングノズル
5 電磁石
6 変位計
7 板幅方向走査式めっき付着量測定装置
8 形状演算装置
9 形状制御演算装置
10 電磁石電流制御装置
11 電磁石及び変位計板幅方向駆動装置
Claims (2)
- 溶融めっき浴からガスワイピング域を通って走行するめっき鋼板の幅方向に、γ線またはX線を照射して受光する蛍光X線強度を検出し、鋼板幅方向の表裏面の各めっき付着量を測定する板幅方向走査めっき付着量測定装置と、該鋼板の各幅方向の表裏面の各測定めっき付着量から鋼板形状を求める形状演算装置と、これから得られた鋼板形状がn次式の関数で近似し、この関数の極大値と極小値を用いて、表裏板幅方向に移動可能に複数組配置した位置センサーと電磁石の組の、鋼板幅方向の設置位置及び電磁石の電流を鋼板をあえてフラットでない形状とするように決定する形状制御演算装置と、これから演算された設定位置まで位置センサーと電磁石の組を動かすための駆動装置と、電磁石の励磁電流を制御する電流制御装置からなることを特徴とする溶融めっき鋼板のめっき付着量制御装置。
- 溶融めっき浴からガスワイピング域を通って走行するめっき鋼板の幅方向に、γ線またはX線を照射して受光する蛍光X線の強度を検出して、鋼板幅方向の表裏面の各めっき付着量を測定し、該めっき付着量から下記(1)式に基づいて鋼板形状を演算し、該演算により得られた鋼板形状を4次関数で近似した下記(2)式と、該関数の極大値と極小値を用いて下記(3)式に基づき鋼板の表裏幅方向に移動可能に設置した複数組の位置センサーと電磁石の組の鋼板幅方向の設置位置及び電磁石の励磁電流を演算し、同演算結果に基づき位置センサーと電磁石の組を移動させ電磁石の励磁電流を制御することを特徴とする溶融めっき鋼板のめっき付着量制御方法。
ただし、ΔD:表裏ガスワイピングノズル間距離の中心を0とした時の鋼板の変位量(mm)
W1:鋼板の表の付着量(g/m2)
W2:鋼板の裏の付着量(g/m2)
K :鋼板の種類によって決まる定数
ただし、X :鋼板幅方向の座標
G(X) :板幅方向Xの座標での表裏ガスワイピングノズル間距離の中心を0とした時の鋼板の変位量の計算値(mm)
C0〜C4:鋼板形状によって決まる定数
ただし、A(Xn):板幅方向Xnの座標に位置する電磁石の励磁電流の計算値
G(Xn):板幅方向Xnの座標での表裏ガスワイピングノズル間距離の中心を0とした時の鋼板の変位量の上記(2)式からの計算値(mm)
Xn :両板端と、鋼板形状4次近似式(上記(2)式)が極大および極小値をとる板幅方向の座標で、位置センサーと電磁石の組の板幅方向設置位置
A0、A2 :鋼板のサイズや張力によって決まる定数
Aln :ワイピングノズルと位置センサー設置位置の板長さ方向の差に起因する、補正すべき鋼板の変位量
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