JP4037569B2 - 溶融めっき金属帯のめっき付着量制御方法 - Google Patents

溶融めっき金属帯のめっき付着量制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融めっき金属帯のめっき付着量を目標付着量に制御するめっき付着量制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、溶融めっき金属帯のめっき付着量は溶融めっき金属浴上に設けられた気体噴射ノズルから金属帯に付着した溶融めっき金属にガスを吹き付け、過剰な溶融めっき金属を吹払する、いわゆるガスワイピング法によって制御されている。このようなガスワイピング法におけるめっき付着量制御は、通常フィードバック制御とフィードフォワード制御とによって行われている。フィードバック制御は、目標めっき付着量と実績めっき付着量との偏差量に応じて噴射ガスの圧力または気体噴射ノズルと金属帯との間隔を調整する制御方法である。これに対して、フィードフォワード制御はめっき付着量と、それに係る因子(噴射ガス圧力など)との関係を表すモデル式を設定し、めっき付着量が目標めっき付着量になるようにモデル式に基づいて因子を調整する制御方法である。
【0003】
特開平3−173756号公報には、噴射ガスの圧力をめっき付着量、ライン速度、気体噴射ノズルとストリップとの距離、気体噴射ノズル高さの関数として表すモデル式を設定し、制御系の変動状況からその系の安定度を判別し、その系が安定しているときには、その系で得られた実測値を用いてめっき付着量の補正係数をフィードバック補正し、その系が不安定なときにはモデル式によるフィードフォワード制御を行う制御方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記モデル式を用いるフィードフォワード制御では、モデル式の精度が悪ければめっき付着量が目標めっき付着量から外れ、製品のめっき付着量の上下限値を外れる恐れがある。したがって、この制御にはモデル式の修正を頻繁に行う必要があるという問題がある。前記フィードバック制御には、めっき付着量を測定する付着量計が通常気体噴射ノズルから約100m離れた位置にあるので、制御の応答性が悪く、操業条件の変化に即応できないという問題がある。
【0005】
フィードフォワード制御とフィードバック制御とを切換えて用いる特開平3−173756号公報には、目標付着量およびライン速度などの条件が大幅に変化した場合、付着量計からの実績値が入るまではモデル式の誤差を修正することができないので、制御精度が低下するという問題がある。またこのような条件変化は、実操業では頻繁に発生するので、複数箇所において制御精度が低下するという問題がある。またフィードフォワード制御とフィードバック制御とを切換える場合、噴射ガスの圧力およびノズル間隔等の制御指令が急激に変化して付着量の変動を招く恐れがある。
【0006】
本発明の目的は、前記問題を解決し、条件変化に対する応答性に優れており、かつめっき付着量を精度よく制御することのできる溶融めっき金属帯のめっき付着量制御方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、連続的に走行する金属帯を溶融めっき金属の浴中に導入してめっきし、その後浴面から上方に引出された金属帯に浴面直上に設けられた一対の気体噴射ノズルから気体を吹付け、過剰に付着した溶融めっき金属を吹払して溶融めっき金属帯のめっき付着量を制御する方法において、
前記めっき付着量と、めっき付着量に係る因子との関係を表すモデル式を予め設定し、
前記因子の測定データを金属帯の長手方向に間隔をあけて採取し、採取した測定データをメモリに格納し、
前記データ採取時に気体噴射ノズルの設置位置に存在していた金属帯の長手方向位置が気体噴射ノズルよりも金属帯の走行方向下流側に設けられた付着量計の設置位置に到達する毎にめっき付着量を測定し、さらに前記金属帯の長手方向位置が気体噴射ノズルの設置位置に存在していたときに採取された前記因子の測定データをメモリから読み出し、
読み出した測定データに対応するめっき付着量の推定値(gn)をモデル式から求め、
前記めっき付着量の測定値と前記求めためっき付着量の推定値(gn)との偏差を求め、前記求めた偏差に基づいて目標めっき付着量の補正量を設定し、
前記補正量によって目標めっき付着量を補正して制御目標めっき付着量を設定し、この制御目標めっき付着量に対応する予め定める1つの因子の制御目標値を前記モデル式から求め、前記求めた制御目標値となるように該因子を制御することを特徴とする溶融めっき金属帯のめっき付着量制御方法である。
【0008】
本発明に従えば、めっき付着量に係る因子、たとえば気体噴射ノズルの噴射ガス圧力などの測定データに対応するめっき付着量の推定値(gn)がモデル式から求められ、その測定データに対応するめっき付着量の測定値が付着量計によって測定されるので、めっき付着量の測定値と推定値(gn)との偏差からモデル式の誤差を求めることができる。また前記求めた偏差に基づいて目標めっき付着量が補正されて制御目標めっき付着量が設定され、この制御目標めっき付着量に対応する1つの因子、たとえば噴射ガス圧力の制御目標値がモデル式から求められるので、噴射ガス圧力を制御目標値となるように制御することによってめっき付着量を目標めっき付着量になるように制御することができる。このように、モデル式の誤差がフィードバック補正されるので、めっき付着量を精度よく制御することができる。また、モデル式に基づいてフィードフォワード制御が行われるので、条件変化に対して応答性よくめっき付着量を制御することができる。
【0009】
また本発明は、前記目標めっき付着量の補正量を設定するとき、付着量計の設置位置で前記めっき付着量が測定される毎に、前記因子の測定データを採取し、その測定データに対応するめっき付着量の推定値(g1)を前記モデル式から求め、このめっき付着量の推定値(g1)と、前記求めためっき付着量の推定値(gn)との偏差(Δg1n)を求め、前記求めた偏差(Δg1n)の絶対値が大きくなるにつれて前記目標めっき付着量の補正量が小さくなるように設定されることを特徴とする。
【0010】
本発明に従えば、付着量計の設置位置でめっき付着量が測定される毎に金属帯のめっき付着量測定位置が気体噴射ノズルの設置位置に存在していたときの前記因子の測定データがメモリから読み出され、さらに現在の前記因子の測定データが採取され、両測定データに対応するめっき付着量の推定値(gn)および(g1)が前記モデル式からそれぞれ求められ、さらに両者の偏差(Δg1n)が求められ、目標めっき付着量の補正量が偏差(Δg1n)の絶対値が大きくなるにつれて小さくなるように設定される。これによって目標付着量の変更などの条件変化によって前記因子の状態が大きく変化するとき、前記目標めっき付着量の補正量、すなわちモデル式の誤差に関連する値が小さくなるように設定されるので、条件変化によってモデル式の誤差が不明のときでも、誤差が過大に設定されることによる不具合の発生を防止することができる。したがって、目標付着量が大きく減少した場合でも、補正量が過大になることが回避され、めっき付着量の上下限割れの発生を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を好適に適用することのできるめっき付着量制御装置1の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。図1には、めっき付着量制御装置1を備える連続溶融亜鉛めっき設備の主要部の概略構成も併せて示している。連続的に走行する金属帯である鋼帯3は、ポット4に貯留されている溶融めっき金属である溶融亜鉛の浴中に導入される。浴中に導入された鋼帯3は亜鉛めっきされながら、浸漬ロール5を介して浴中を通過し、浴面から上方に引き出されて下流側に搬送される。
【0012】
めっき付着量制御装置1は、一対の気体噴射ノズル6(以後、「ノズル」と略称する)を備える。一対のノズル6は、溶融亜鉛の浴面直上に鋼帯3を板厚方向に挟んで間隔をあけて設けられる。ノズル6には、空気圧縮機7から圧縮空気が供給管8を介して供給される。圧縮空気は、鋼帯3の表面に垂直に噴射され、鋼帯3に付着している過剰な亜鉛を吹払する。供給管8には、圧力調整弁9と圧力検出器10とが設けられている。圧力調整弁9は電磁弁であり、弁開度を調整して圧縮空気の噴射圧力(以後、「噴射圧力」と略称する)を制御する。圧力検出器10は噴射圧力Pを検出し、それを表す信号をラインL1を介して出力する。
【0013】
ノズル6には、駆動装置13およびノズル間隔測定器14が設けられている。駆動装置13は、一対のノズル6を鋼帯3の板厚方向に変位駆動し、ノズル間の間隔を調整する。ノズル間隔測定器14は、たとえば差動トランス変位計であり、ノズル間隔Dを検出し、それを表す信号をラインL2を介して出力する。さらにノズル6には、図示しない昇降装置とノズル高さ検出器16とが設けられている。昇降装置は、ノズル6を昇降変位駆動し、浴面からノズル6までの距離、すなわちノズル高さHを調整する。ノズル高さ検出器16は、たとえばセルシンモータであり、ノズル高さHを検出し、それを表す信号をラインL3を介して出力する。
【0014】
ノズル6の鋼帯3の走行方向下流側には、速度検出器17、移動距離検出器18および付着量計19が設けられている。速度検出器17は、鋼帯3の走行速度を検出し、ラインL4を介して出力する。移動距離検出器18は、ブライドルロール20に設けられ、鋼帯3が一定長さ走行する毎にパルスを発生して鋼帯3の移動距離を検出する。すなわち、鋼帯3の頭部の溶接点に形成された溶接点検出孔が、ノズル6の設置位置に到達してから鋼帯3がたとえば1m走行する毎にパルスを発生して鋼帯3のノズル位置からの移動距離を検出する。付着量計19は、たとえばX線付着量計であり、鋼帯3に付着しためっき付着量を検出し、それを表す信号をラインL5を介して出力する。
【0015】
めっき付着量制御装置1には、さらに制御演算装置21が備えられている。制御演算装置21には、上位コンピュータ23と前記ラインL1〜L5とが接続されている。上位コンピュータ23は、目標めっき付着量などの製造指令を表す信号をラインL6を介して出力する。制御演算装置21は前記各出力に応答し、後述のように噴射圧力の調整量を表す信号を発生し、その信号をラインL7を介して圧力調整弁9に出力する。
【0016】
本発明のめっき付着量制御方法においては、めっき付着量と、めっき付着量に係る因子との関係を表すモデル式が予め設定される。めっき付着量に係る因子は、噴射圧力P、ノズル間隔D、鋼帯3の走行速度V(以後、「ライン速度」と呼ぶこともある)、ノズル高さH、めっき浴組成、めっき浴温度およびめっき浴導入前の鋼帯3の温度などである。モデル式は、前記各因子のうちから選ばれた少なくとも1つの因子に関する操業データと、それに対応するめっき付着量との組合せデータを多数採取し、回帰分析を行うことによって設定される。本発明の実施の一形態では、前記因子として噴射圧力P、ノズル間隔D、ライン速度Vおよびノズル高さHが選ばれる。このようにめっき付着量に係る因子としてめっき付着量に対する影響の特に大きい因子が選ばれるので、モデル式の推定精度を向上することができる。めっき付着量gは、前記選ばれた各因子の関数として式1のように表される。
g = f(P,D,V,H) …(1)
【0017】
図2は、図1に示す制御演算装置21の電気的構成を示すブロック図である。制御演算装置21は、メモリ25を備えている。メモリ25には、前記ラインL1〜L4を介して送られてくる噴射圧力P、ノズル間隔D、ライン速度V、ノズル高さHの測定データが格納される。このような測定データは、前記移動距離検出器18がパルスを発生する毎に、すなわち鋼帯3が1m移動する毎に送られてくる。メモリ25はn個のデータ格納領域M1〜Mnを有しており、新たなデータが送られてくる毎にそのデータをデータ格納領域M1に格納し、これまで各データ格納領域に格納されていたデータを1つずつずらして格納する。したがって、最も新しい測定データ(以後、「データ1」と呼ぶ)が第1格納領域M1に格納され、最も古い測定データ(以後、「データn」と呼ぶ)が第n格納領域Mnに格納される。またデータ格納領域Mnに格納されていたデータnは、新たな測定データが格納される毎に消去される。
【0018】
メモリ25のデータ格納領域M1に格納されたデータ1が順次データ格納領域をずらされてデータ格納領域Mnに到達し、データnとして格納されるとき、めっきされた鋼帯3はノズル6の設置位置から付着量計19の設置位置まで移動してめっき付着量を測定される。したがって、データnはめっきされた鋼帯3のめっき付着量測定位置がノズル6の設置位置に存在していたときに採取された前記各因子の測定データであり、めっき付着量に対応する各因子の測定データである。
【0019】
データnは、第1演算器27に送られる。第1演算器27は、前記式1に基づいてデータnに対応するめっき付着量の第1推定値gnを演算し、その出力を第1および第2減算器28,29に送る。前記第1推定値gnは、式2によって表される。第1減算器28は、前記ラインL5から送られてくるめっき付着量の測定値gfbと、前記求めた第1推定値gnとの偏差Δgfbを式3に基づいて算出する。この偏差Δgfbは、式1の推定誤差を表している。
【0020】
gn = f(Pn,Dn,Vn,Hn) …(2)
ここで、Pn,Dn,Vn,Hnはデータnにおける各因子の測定データである。
Δgfb = gfb − gn …(3)
【0021】
最も新しい現在のデータであるデータ1は、第2演算器30に送られる。第2演算器30は、前記式1に基づいてデータ1に対応するめっき付着量の第2推定値g1を演算し、その出力を第2減算器29に送る。第2推定値g1は、式4によって表される。第2減算器29は、前記第1推定値gnと第2推定値g1との偏差Δg1nを式5に基づいて算出し、第3演算器31に送る。
【0022】
g1 = f(P1,D1,V1,H1) …(4)
ここで、P1,D1,V1,H1はデータ1における各因子の測定データである。
Δg1n = gn − g1 …(5)
【0023】
第3演算器31は、前記偏差Δg1nの補正係数αを演算する。この演算は、前記偏差Δg1nの絶対値(以後、「|Δg1n|」と表すことがある)と、補正係数αとの関係を図3に示すように予め設定し、補正係数αを|Δg1n|の関数として表し、式5から求めた|Δg1n|に対応する補正係数αを求めることによって行われる。図3では、偏差Δg1nの絶対値が予め定める閾値U1未満では補正係数αが1に設定され、|Δg1n|が閾値U1以上では|Δg1n|が大きくなるにつれて補正係数αが直線的に低下するように設定されている。図3は、操業実績に基づいて設定される。前記補正係数αと|Δg1n|との関係はこのような直線的な関係に限定されるものではなく、曲線的な関係であってもよい。また補正係数αを|Δg1n|の大きさにかかわらず予め定める一定値に設定してもよい。
【0024】
前記補正係数αは、乗算器33に送られる。乗算器33は、前記偏差Δgfbと補正係数αとを乗算し、乗算値α・Δgfbを第3減算器34に送る。制御演算装置21には、制御目標生成器35が備えられている。制御目標生成器35は、前記ラインL6を介して上位コンピュータ23と接続されており、上位コンピュータ23から送られてくる製造指令の中から目標めっき付着量grefを表す信号を生成して第3減算器34に送る。
【0025】
第3減算器34は、目標めっき付着量grefから前記求めた乗算値α・Δgfbを減算して制御目標めっき付着量gcを算出する。制御目標めっき付着量gcは、式6によって表される。前記乗算値α・Δgfbはこのように目標めっき付着量grefの補正分に相当するので、以後、目標めっき付着量grefの補正量と呼ぶ。
gc = gref −(α・Δgfb) …(6)
【0026】
前記求めた制御目標めっき付着量gcは、圧力制御器36に送られる。圧力制御器36は、図4に示すように第4演算器37と調整器38とを備えている。第4演算器37には、前記制御目標めっき付着量gcと、前記データ1と同一の現在のデータであるノズル間隔D1,ライン速度V1およびノズル高さH1とが送られてくる。第4演算器37は、これらのデータを式7に代入して制御目標圧力Prefを演算する。式7は、前記式1を変形して噴射圧力Pをめっき付着量g、ノズル間隔D、ライン速度V、ノズル高さHの関数として表したものである。制御目標圧力Prefは、式8によって表される。
P = f1(g,D,V,H) …(7)
Pref = f1(gc,D1,V1,H1) …(8)
【0027】
この制御目標圧力Prefは、調整器38に送られる。調整器38は、前記制御目標圧力PrefおよびラインL1から送られてくる現在の噴射圧力P1とに基づいてPID制御を行い、噴射圧力の調整量を表す信号を発生してラインL7に出力する。
【0028】
図5は、本発明の実施の一形態であるめっき付着量の制御方法を説明するためのフローチャートである。ステップa1では、目標めっき付着量grefが上位コンピュータ23からの指令に基づいて設定される。ステップa2では、めっき付着量に係る要因の測定データが採取される。測定データは、前述のように走行する鋼帯3の長手方向に1mずつ間隔をあけて採取される。本実施の形態では、前記要因として噴射圧力P、ノズル間隔D、ライン速度Vおよびノズル高さHが選ばれる。
【0029】
ステップa3では、採取された測定データがメモリ25に格納される。測定データは、前述のように最新のデータをデータ1として、最も古いデータをデータnとして格納される。ステップa4では、めっき付着量が測定され、測定値gfbが検出される。この処理は、前記データ採取時にノズル6の設置位置に存在していた鋼帯3の長手方向位置が付着量計位置に到達する毎に行われる。ステップa5では、メモリ25に格納されている前記データnの読み出しが行われる。この処理は、めっき付着量の測定と同期して行われる。ステップa6では、めっき付着量の第1推定値gnが前記読み出したデータnを式1に代入して求められる。ステップa7では、めっき付着量の測定値gfbと、めっき付着量の第1推定値gnとの偏差Δgfbが求められる。この偏差Δgfbは、モデル式である式1の推定誤差を表す。
【0030】
ステップa8では、めっき付着量の第2推定値g1の算出が行われる。前記第2推定値g1は、最新のデータである前記データ1をメモリ25から読み出し、読み出した前記データ1を式1に代入して求められる。ステップa9では、前記求めた第1推定値gnと第2推定値g1との偏差Δg1nが求められる。
【0031】
ステップa10では、前記偏差Δg1nの補正係数αが設定される。この設定は、前述のような手順で行われ、図3に示すように前記偏差Δg1nの絶対値が閾値U1以上では|Δg1n|が大きくなるにつれて補正係数αが直線的に低下するように設定されている。すなわち、めっきされた鋼帯3がノズル6の設置位置から付着量計19の設置位置まで移動する間に、モデル式に基づいて推定されためっき付着量gn,g1に大きな差があるときには、条件変化によって各因子の状態が大きく変化したと判断して補正係数αが1よりも小さい値に設定される。条件変化は、たとえば目標めっき付着量の変更、ライン速度の変動などによって発生する。
【0032】
ステップa11では、目標めっき付着量grefの補正量が求められる。この補正量は、前記偏差Δgfbに前記設定した補正係数αを乗算することによって求められる。すなわち、この補正量α・Δgfbはモデル式の誤差の補正値を表す。ステップa12では、制御目標めっき付着量gcが式6に基づいて求められる。
【0033】
ステップa13では、制御目標圧力Prefの設定が行われる。これは、前述のように式7に前記求めた制御目標めっき付着量gc、現在のノズル間隔D1、ライン速度V1、ノズル高さH1を代入して式8のように設定される。ステップa14では、噴射圧力調整量が求められる。これは前記設定した制御目標圧力Prefと現在の噴射圧力P1とに基づいてPID制御によって求められる。ステップa15では、圧力調整弁の調整が行われる。これは、前記求めた噴射圧力調整量に基づいて圧力調整弁の弁開度を調整することによって行われる。これによって、めっき付着量制御の1サイクルが終了する。
【0034】
このように本実施の形態では、めっき付着量の測定値gfbと、モデル式から求められためっき付着量の第1推定値gnとの偏差Δgfbを求めることによってモデル式の誤差を求め、モデル式の誤差に基づいて目標めっき付着量grefを補正して制御目標めっき付着量gcが求められるので、モデル式の誤差がフィードバック補正されることとなり、めっき付着量を目標めっき付着量になるように精度よく制御することができる。また制御目標めっき付着量gcをモデル式に代入して制御目標圧力Prefを求め、噴射圧力を調整して目標めっき付着量となるようにフィードフォワード制御が行われるので、条件変化が生じても応答性よくめっき付着量を制御することができる。したがって、本実施の形態では応答性と制御精度とを両立しためっき付着量制御が可能となる。
【0035】
また、目標めっき付着量の変更などの条件変化によって各因子の状態が大きく変化したときには、補正係数αが変化の度合に比例して自動的に小さく設定されるので、目標めっき付着量grefの補正量も小さく設定される。これによって、条件変化によってモデル式の誤差が不明のときでも、誤差が過大に設定されることによる不具合の発生を防止することができる。したがって、目標付着量が大きく減少した場合でも、補正量が過大になることが回避され、めっき付着量の上下限割れの発生を防止することができる。またこのようにフィードフォワード制御とフィードバック制御とを切換えることなくめっき付着量の制御を行うことができるので、従来技術の項で述べたような切換えに伴う問題点を解消することができる。
【0036】
以上述べたように、本実施の形態ではめっき付着量に係る因子として、噴射圧力P、ノズル間隔D、ライン速度V、ノズル高さHが選ばれているけれども、選ばれる因子はこれに限定されるものではなく、これらのうちの少なくとも1つを選んでもよく、他の因子を加えてもよい。また本実施の形態では、各因子のうちの噴射圧力Pを調整してめっき付着量の制御を行うように構成されているけれども、ノズル間隔Dも併せて調整するように構成してもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の本発明によれば、モデル式の誤差はフィードバック補正されるので、めっき付着量を精度よく制御することができる。またモデル式に基づいてフィードフォワード制御が行われるので、条件変化に対して応答性よくめっき付着量を制御することができる。
【0038】
また請求項2記載の本発明によれば、目標めっき付着量の変更などの条件変化によって前記因子の状態が大きく変化するとき、前記目標のめっき付着量の補正量が小さくなるように設定されるので、条件変化によってモデル式の誤差が不明のときでも、誤差が過大に設定されることによる不具合の発生を防止することができる。したがって、目標めっき付着量が大きく減少した場合でも、補正量が過大になることが回避され、めっき付着量の上下限割れの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を好適に適用することのできるめっき付着量制御装置1の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。
【図2】図1に示す制御演算装置21の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】偏差Δg1nの絶対値と補正係数αとの関係を示すグラフである。
【図4】図2に示す圧力制御器36の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の一形態であるめっき付着量の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 めっき付着量制御装置
3 鋼帯
6 気体噴射ノズル
9 圧力調整弁
10 圧力検出器
14 ノズル間隔測定器
16 ノズル高さ検出器
17 速度検出器
18 移動距離検出器
19 付着量計
21 制御演算装置
23 上位コンピュータ
25 メモリ
36 圧力制御器

Claims (2)

  1. 連続的に走行する金属帯を溶融めっき金属の浴中に導入してめっきし、その後浴面から上方に引出された金属帯に浴面直上に設けられた一対の気体噴射ノズルから気体を吹付け、過剰に付着した溶融めっき金属を吹払して溶融めっき金属帯のめっき付着量を制御する方法において、
    前記めっき付着量と、めっき付着量に係る因子との関係を表すモデル式を予め設定し、
    前記因子の測定データを金属帯の長手方向に間隔をあけて採取し、採取した測定データをメモリに格納し、
    前記データ採取時に気体噴射ノズルの設置位置に存在していた金属帯の長手方向位置が気体噴射ノズルよりも金属帯の走行方向下流側に設けられた付着量計の設置位置に到達する毎にめっき付着量を測定し、さらに前記金属帯の長手方向位置が気体噴射ノズルの設置位置に存在していたときに採取された前記因子の測定データをメモリから読み出し、
    読み出した測定データに対応するめっき付着量の推定値(gn)をモデル式から求め、
    前記めっき付着量の測定値と前記求めためっき付着量の推定値(gn)との偏差を求め、前記求めた偏差に基づいて目標めっき付着量の補正量を設定し、
    前記補正量によって目標めっき付着量を補正して制御目標めっき付着量を設定し、この制御目標めっき付着量に対応する予め定める1つの因子の制御目標値を前記モデル式から求め、前記求めた制御目標値となるように該因子を制御することを特徴とする溶融めっき金属帯のめっき付着量制御方法。
  2. 前記目標めっき付着量の補正量を設定するとき、付着量計の設置位置で前記めっき付着量が測定される毎に、前記因子の測定データを採取し、その測定データに対応するめっき付着量の推定値(g1)を前記モデル式から求め、このめっき付着量の推定値(g1)と、前記求めためっき付着量の推定値(gn)との偏差(Δg1n)を求め、前記求めた偏差(Δg1n)の絶対値が大きくなるにつれて前記目標めっき付着量の補正量が小さくなるように設定されることを特徴とする請求項1記載の溶融めっき金属帯のめっき付着量制御方法。
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