JP2545653B2 - 溶融合金化亜鉛めっき鋼帯の合金化炉入熱制御方法 - Google Patents

溶融合金化亜鉛めっき鋼帯の合金化炉入熱制御方法

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JP2545653B2
JP2545653B2 JP3230219A JP23021991A JP2545653B2 JP 2545653 B2 JP2545653 B2 JP 2545653B2 JP 3230219 A JP3230219 A JP 3230219A JP 23021991 A JP23021991 A JP 23021991A JP 2545653 B2 JP2545653 B2 JP 2545653B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融合金化亜鉛めっき
鋼帯の製造工程における合金化炉の加熱帯の入熱量制御
に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融合金化亜鉛めっき鋼帯の製造工程に
おいては、一般に鋼帯を溶融亜鉛めっき浴に通して鋼帯
表面に亜鉛めっき層を付着させ、次に鋼帯表面へのガス
の吹付けによってめっき付着量を調整し、続いて鋼帯を
合金化処理炉に通し、該合金化処理炉内で熱処理による
拡散によって、めっき層を鉄と亜鉛との合金とする。
【0003】このようにして製造される溶融合金化亜鉛
めっき鋼帯は、耐フレ−キング性及びパウダリング性に
優れていることが品質上重要である。好ましい品質の溶
融合金化亜鉛めっき鋼帯を得るためには、その製造工程
の合金化炉の温度や通板速度を制御して、合金化程度
(例えばめっき層中の鉄分の含有率で表わされる)を所
定の状態に制御し、合金化不足や合金化過剰の発生を防
止する必要がある。
【0004】例えば特開平1−279738号公報に開
示された製造方法においては、合金化処理における初期
の熱処理条件を特定することにより、耐フレ−キング性
を向上させ得ることが示されている。また特開平1−2
52761号公報には、鋼板の通板速度,亜鉛付着量,
及びめっき浴中のAl濃度に基づいて設定した目標板温
度と測定した板温度との偏差に応じてバ−ナの燃焼量、
即ち入熱量を調整するフィ−ドバック制御が開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】例えば、鋼帯の温度を
板温計によって検出し、検出値と板温目標値との偏差に
応じて入熱量を補償するフィ−ドバック制御を行なう場
合、板温計はバ−ナから離れた位置に配置せざるを得な
いので、鋼帯の温度が変化した場合にその変化が実際に
板温計で検出されるまでに時間遅れが生じる。温度変化
が大きい場合には、その時間遅れによる入熱量制御誤差
によって、合金化不足(生焼け)又は過合金の領域が鋼
帯上に発生し、これによって歩留まりが低下する。実際
の製造工程では、コイル状に巻回された多数の鋼材を互
いに連結し、連続的に亜鉛めっき鋼帯を合金化処理する
が、鋼帯のコイル間の継目部分では、鋼種,板厚,板
幅,通板速度,めっき付着量等々の操業条件が変更にな
る場合が多いので、その領域を処理する度に、フィ−ド
バック制御の時間遅れにより、合金化不足又は過合金の
領域が鋼帯上に生じる。
【0006】ところで、めっき処理工程で処理される前
の熱間圧延及び冷却工程において、鋼材はその先端部分
と後端部分がそれ以外の部分に比べて冷え易いので、冷
却プロセスに位置による差が生じ、圧延後の鋼材の組成
は、一般にコイル先端及び後端部とそれ以外の位置とが
同一ではなくなる。そこで、鋼材の組成を均一化するた
めに、Uパタ−ン冷却と呼ばれる冷却方法が採用される
場合がある。即ち、コイルの先端及び後端部の冷却量を
少なくし、それ以外の位置では通常の冷却量で冷却す
る。しかしながら、このUパタ−ン冷却された鋼材(U
パタ−ン材と呼ぶ)の場合、合金化炉で亜鉛めっきを熱
処理する際に、先端及び後端部分は他の部分に比べて焼
けにくく、生焼けが生じ易い。通常の冷却方法で製造さ
れた鋼材の場合には、この種の位置による焼け方の違い
は顕著ではない。従って、Uパタ−ン材を合金化処理す
る場合にも、従来のフィ−ドバック制御では、鋼材の先
端部や後端部で入熱量補償の遅れによって、生焼けや過
合金の領域が生じ、歩留まりの低下は避けられない。
【0007】従って本発明は、鋼種,通板速度,めっき
付着量等が大きく変化する実際の操業においても、また
Uパタ−ン材のような特殊な冷却処理を受けた鋼帯を処
理する場合でも、入熱量を常時適正に制御して生焼けや
過合金の発生を防止し、溶融合金化亜鉛めっき鋼帯の歩
留まりを高めることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願の第1番の発明は、熱間圧延及び冷却を施こさ
れ少くとも溶融亜鉛浴槽に供給されるまでに先行の一単
位の鋼帯に後行の一単位の鋼帯が連接されて連続鋼帯と
なり溶融亜鉛浴槽にて溶融亜鉛が付着した連続鋼帯、
合金化炉に通し、該合金化炉で加熱によって連続鋼帯に
鉄と亜鉛の合金化層を形成する工程で、前記合金化炉の
入熱量を制御するに際して、入熱量の設定値を、前記合
金化炉に入る一単位の鋼帯の鋼種,めっき付着量,及び
通板速度に基づいて求めるとともに、前記熱間圧延後の
却における該一単位の鋼帯の長手方向の温度分布パタ
ンに基づき、前記入熱量の設定値を、該一単位の鋼板
の前記合金化炉に入る長手方向位置に応じて補償する。
【0009】また本願の第2番の発明においては、更
に、合金化炉の保熱帯出側において、連続鋼帯の温度,
放射率,及び光反射率の少なくとも1つを測定して合金
化程度を検出し、検出された合金化程度がその目標値に
近づくように、前記入熱量の設定値を補正する。
【0010】
【作用】鋼帯の品質上最適な合金化程度が得られる入熱
量は、めっき鋼帯の鋼種,めっき付着量,通板速度等々
の操業条件によって変化するが、これらの操業条件に関
しては、実際の操業では、操業を管理するプロセスコン
ピュ−タが、鋼帯が合金化処理炉に入る前に予め知るこ
とができる。また、熱間圧延後の冷却工程でUパタ−ン
冷却を施された鋼帯か通常の冷却を施された鋼帯かの区
別も、当該鋼帯が合金化処理炉に入る前に、プロセスコ
ンピュ−タは知ることができる。従って、実際の操業条
件をセンサ等で検出しなくとも、予め割り当てられた各
々の鋼帯の操業条件と過去の製造実績とに基づいて、所
定の計算等を行なえば、各々の鋼帯に対して適当な入熱
量を求めることができる。また、Uパタ−ン材を処理す
る場合には、それの冷却パタ−ンと過去の製造実績とに
基づいて、例えば先端部及び後端部が合金化処理炉を通
過する時のみ、所定の補償量を通常の入熱量に加算して
入熱量を調整すれば、鋼帯の全長に渡って、生焼け及び
過合金の領域が生じるのを避けることができる。これら
の制御は、いわゆるフィ−ドフォワ−ド制御であり、フ
ィ−ドバック制御する時の検出遅れに基づく制御遅れの
ような現象をなくすることができるので、鋼帯の継目位
置において操業条件が変更されても、またUパタ−ン材
を合金化処理する場合であっても、生焼け及び過合金の
領域を最小限に減らして歩留まりを確実に高めることが
できる。
【0011】しかしこのようなフィ−ドフォワ−ド制御
だけを行なう場合には、実際の操業条件(めっき鋼帯の
鋼種,めっき付着量,及び通板速度)の計算上の値(設
定値等)とのずれ、ならびに、めっき浴中のAl(アル
ミニウム)濃度の変動によって、実際に必要とされる好
ましい入熱量と計算結果との間に差が生じうる。しかし
第2番の発明によれば、連続鋼帯の温度,放射率及び光
反射率の少なくとも1つを保熱帯出側で検出することに
よって、その位置における合金化程度を検出し、この検
出値を目標値に近づけるようにフィ−ドバック制御する
ことによって、より適切に入熱量を補償し、歩留まりを
更に高めることができる。
【0012】
【実施例】図1に、溶融合金化亜鉛めっき鋼帯の製造工
程の主要部の構成を示す。図1を参照して説明する。鋼
帯2は、図示しない熱間圧延工程及び冷却工程を通った
後、この合金めっき工程に導かれ、図中矢印の方向に搬
送され、溶融亜鉛浴1を通ってその表面に溶融亜鉛が付
着された後、ノズル3を通る際にガスの吹付けによって
溶融亜鉛の付着量が調整され、その後合金化処理炉4に
入る。合金化処理炉4の内部は、加熱帯4a,保熱帯4
b及び冷却帯4cに区分されており、合金化処理炉4に
入った鋼帯2は、まず加熱帯4aで急速に470℃以上
の板温に加熱され、続いて保熱帯4b中で一定の温度に
保持されて合金化処理を施され、次に冷却帯4cで冷却
され、鉄分含有率が6〜13%程度の亜鉛−鉄合金めっ
き層をその表面近傍に形成する。合金化処理炉4を出た
鋼帯2は、ロ−ル20を通って次の工程に搬送される。
【0013】圧延により製造され、各々コイル状に巻回
された鋼材すなわち各一単位の鋼帯は、連続的にめっき
処理できるように、コイルの端部が互いに結合され、
続鋼帯すなわち1本の鋼帯2としてこの工程に導かれ
る。鋼帯2の継目部分(コイルとコイルとの接合部:P
n)には、その位置を検出するために図示しない穴が形
成してある。継目検出器22がその穴を光学的に検出す
ることによって、鋼帯2の各継目の位置を、めっき工程
に入る前に検出することができる。継目検出器22で検
出された位置情報は、プロセスコンピュ−タ(プロコ
ン)14に入力される。また、鋼帯2を構成する各コイ
(各一単位の鋼帯)の鋼種(普通材/Uパタ−ン材の
区分を含む),通板速度,板厚,板幅,めっき付着量等
の各種製造条件の情報も、各コイルがこのめっき工程に
入る前に決定(又は測定)され、プロセスコンピュ−タ
14に入力される。
【0014】この実施例においては、合金化処理炉の加
熱帯4aにガスの燃焼によって熱を供給しており、供給
される燃料ガスの流量を制御することによって加熱帯4
aの入熱量を制御している。この制御は、熱量調節器1
1が図示しない流量調節弁の開度を調節することによっ
て実施される。この熱量調節器11には、入熱量演算器
13の出力する熱量設定値(目標値:入熱量)と、後述
するフィ−ドバック補償制御系からの補償量が印加され
る。
【0015】加熱帯4aの内部には炉温計8が設置さ
れ、保熱帯4bの出側には、鋼帯2の板温度を測定する
板温計10と、鋼帯2表面の放射率を測定する放射率計
9が配置されている。炉温計8が測定した炉温は入熱量
演算器13に入力され、板温計10の測定した板温度T
xは板温度補償器16に入力され、放射率計9の測定し
た放射率εxは放射率補償器15に入力される。なお放
射率計9は、放射率の測定原理として従来より公知の方
法を用いている。
【0016】ノズル3から出るガスの流量は、めっき付
着量調節器12によって制御される。めっき付着量調節
器12は、入力されるめっき付着量(設定値)に応じ
て、ノズル3に与えるガスの流量を制御する。プロセス
コンピュ−タ(プロコン)14は、溶融合金化亜鉛めっ
き鋼帯の製造工程の全体を管理しており、めっき付着量
調節器12に対してはめっき付着量の設定値を出力し、
入熱量演算器13に対しては、めっき付着量,鋼種,通
板速度,板幅及び板厚の情報を出力し、目標値演算器1
8に対しては、めっき付着量,鋼種,及び通板速度の情
報を出力する。入熱量演算器13は、入力される炉温
と、めっき付着量,鋼種,通板速度,板幅及び板厚の情
報に基づいて、入熱量Q、即ち熱量設定値を次の第(1)
式により計算し、その結果を熱量調節器11に印加す
る。
【0017】
【数1】 Q=a0+a1×炉温+a2×めっき付着量×通板速度× [1+k1(板幅−板幅標準値)+k2(板厚−板厚標準値)]+a3×鋼種定数 但し、a0〜a3,k1,k2:定数 ・・・(1) またこの実施例では、Uパタ−ン材に対して入熱量に特
別な補償を施すために、入熱量演算器13は実際には図
4に示す処理を実行する。図5は、鋼帯2上の各位置と
それが加熱帯4aを通過する時刻及び入熱量Qの関係の
一例を示している。図4及び図5を参照して入熱量演算
器13の動作を説明する。
【0018】ステップ51では、継目検出器22が鋼帯
2の継目位置Pnを検出したか否かを識別する。継目位
置Pnが検出された時には、次にステップ52に進み、
そうでない時にはステップ56に進む。
【0019】ステップ52では、継目検出器22の位置
から加熱帯4aまでの距離と鋼帯2の通板速度とに基づ
いて、検出された継目位置、即ち次のコイルの先端位置
が加熱帯4aに到達する時刻tnを計算して求める。
【0020】この実施例では、Uパタ−ン材に対して
は、その先端から長さxの範囲、及び後端から長さxの
範囲について、それ以外の領域とは異なる入熱量になる
ように入熱量の補償を行なっている。そのために、次の
ステップ53では、継目位置Pnよりxだけ手前の位置
が加熱帯4aに到達する時刻te2を、tn,x及び通板
速度に基づいて計算する。同様に、ステップ54では、
継目位置Pnよりxだけ後方の位置が加熱帯4aに到達
する時刻te1を、tn,x及び通板速度に基づいて計算
する。
【0021】ステップ55では、計算された各時刻t
n,te1及びte2においてそれぞれ後述する所定の処理
を実行するために、タイマをセットする。そして、時刻
te2になるとステップ56から57に進み、時刻tnに
なるとステップ59から60に進み、時刻te1になると
ステップ63から64に進む。
【0022】時刻tnになると、つまり鋼帯2の継目位
置Pnが合金化炉の加熱帯4aの位置に達すると、ステ
ップ60において前記第(1)式の計算を実施して、次に
合金化処理するコイル(鋼帯2)に対する入熱量Qを求
める。また次のステップ61で次コイルの鋼種をチェッ
クし、それがUパタ−ン材か否かを識別する。Uパタ−
ン材である時には、ステップ62を実行する。ステップ
62では、ステップ60で計算された入熱量(熱量設定
値)Qに補償量ΔQ(定数)を加算する。
【0023】時刻te1になると、つまり鋼帯2の継目位
置Pnから長さxだけ進んだ位置が合金化炉の加熱帯4
aの位置に達すると、ステップ64においてコイルの鋼
種をチェックし、それがUパタ−ン材か否かを識別す
る。Uパタ−ン材である時には、ステップ65を実行す
る。ステップ65では、それまでの入熱量(熱量設定
値)Qから補償量ΔQを減算する。
【0024】また時刻te2になると、つまり鋼帯2の継
目位置Pn(後端)より長さxだけ手前の位置が合金化
炉の加熱帯4aの位置に達すると、ステップ57におい
てコイルの鋼種をチェックし、それがUパタ−ン材か否
かを識別する。Uパタ−ン材である時には、ステップ5
8を実行する。ステップ58では、それまでの入熱量
(熱量設定値)Qに補償量ΔQを加算する。
【0025】つまり、普通材を処理する時には、入熱量
Qは鋼帯2の継目位置Pnでのみ更新され、Uパタ−ン
材を処理する時には、鋼帯2の継目位置Pnで入熱量Q
が計算されるが、コイルの先端部(先端から長さxの範
囲)及び後端部(後端から長さxの範囲)では、第(1)
式で計算された入熱量に対し、補償量ΔQが加算された
値に修正され、それ以外の領域に対しては第(1)式で計
算された入熱量がそのまま設定される。
【0026】Uパタ−ン材の場合、圧延・冷却工程での
温度分布の違いにより先端部及び後端部はそれ以外の部
分に比べて合金化処理炉4で焼けにくく、生焼けが生じ
易いが、予め先端部及び後端部の入熱量を大きめに設定
することによって、生焼けの発生を未然に防止しうる。
この補償は鋼帯の位置に応じたフィ−ドフォワ−ド補償
であるので、補償制御の遅れは生じない。
【0027】なおこの実施例では、Uパタ−ン材に対し
て、先端部及び後端部の入熱量がその他の部分よりも大
きくなるように補償しているが、圧延・冷却工程での温
度分布のしかたによっては、逆に先端部及び後端部の入
熱量をその他の部分よりも小さくなるように補償した方
が良い場合も生じる。また、先端部及び後端部のトラッ
キングをタイマ−に行なったが、例えばロ−ル20に
取付けたパルス・ジェネレ−タのパルス・カウントによ
り行なってもよい。
【0028】再び図1を参照して説明を続ける。目標値
演算器18は、プロセスコンピュ−タ14が出力する情
報に基づいて、板温度目標値と放射率目標値を生成す
る。板温度目標値T0は板温度補償器16に印加され、
放射率目標値ε0は放射率補償器15に印加され、いず
れもフィ−ドバック制御のために利用される。これらの
目標値は次式により計算される。
【0029】
【数2】 T0=b0+b1×めっき付着量+b2×通板速度+b3×鋼種定数・・(2) ε0=c0+c1×めっき付着量+c2×通板速度+c3×鋼種定数・・(3) 但し、b0〜b3,c0〜c3:定数 入熱量演算器13によって計算される入熱量は、プロセ
ス条件(炉温,めっき付着量,通板速度,板幅,板厚,
鋼種定数)の設定値と実際の値とのずれ、及び溶融亜鉛
浴1中のアルミニウム濃度の変動によって、最適な入熱
量に対して僅かにずれを生じる。このような制御誤差を
補償するために、この実施例では保熱帯4bの出側で、
鋼帯2の合金化程度を測定し、その測定値に基づいてフ
ィ−ドバック補償制御を行なっている。
【0030】即ち、図2に示すように、鋼帯の板温度及
び放射率は、それぞれ合金化程度と相関を有しており、
それらの値が大きいほど、合金化程度も大きい。但しこ
れらの関係は、非線形であり、鋼種,通板速度,めっき
付着量等のプロセス条件に応じても変化する。また、放
射率は合金化が進むと急激に大きくなり、望ましい合金
化程度を過ぎると合金化程度の変化に対する変化率が小
さくなる。更に、板温度及び放射率は、鋼帯の幅方向全
域で一様ではない。従って、合金化不足をなくするため
には、鋼帯の全幅にわたって板温度と放射率とを測定す
る必要がある。全幅にわたって測定された板温度デ−タ
群Txと放射率デ−タ群εxの管理方法はいろいろと考
えられるが、この実施例においては、板温度デ−タ群の
幅方向の平均値Tdを代表値として板温度補償制御に利
用し、放射率デ−タ群の幅方向の最低値εdを代表値と
して放射率補償制御に利用している。このような制御が
合金化不足の検出に効果的である。
【0031】フィ−ドバック補償制御系の一部を構成す
る板温度補償器16は、板温度目標値T0と板温度検出
値(幅方向平均値)Tdとの偏差に応じた補償量Ctを
計算により求め、最大値選択器17に出力する。またフ
ィ−ドバック補償制御系の一部を構成する放射率補償器
15は、放射率目標値ε0と放射率検出値(幅方向の最
小値)εdとの偏差に応じた補償量Cεを計算により求
め、最大値選択器17に出力する。最大値選択器17
は、入力される2つの補償量Ct及びCεを比較して、
両者のうち値の大きい方を選択し、選択した補償量をス
イッチSWを介してフィ−ドフォワ−ド制御系で生成さ
れた熱量設定値(入熱量目標値)に加算し、熱量調節器
11に印加する。
【0032】フィ−ドバック補償制御系の動作例を図3
に示す。図3を参照すると、最初のうちは板温度補償量
Ctが放射率補償量Cεより大きいので、板温度補償量
Ctが入熱量補償量として出力され、板温度目標値T0
(合金化程度の目標値でもある)と板温度検出値Tdと
の偏差を0に近づけるように入熱量が修正される。放射
率補償量Cεが徐々に増大し、それが板温度補償量Ct
を越えると、つまり放射率検出値εdがその目標値ε0
(合金化程度の目標値でもある)を下回ると、放射率補
償量Cεが入熱量補償量として出力され、放射率検出値
εdがその目標値ε0に近づくように入熱量が修正され
る。
【0033】即ち、2つの補償量Ct及びCεのうち大
きい方を入熱量の補償量として選択することによって、
板温度と放射率とが共にそれらの設定値、つまり合金化
程度の設定値を下回らないように制御することができ
る。これにより、板温度と放射率のいずれの要素から推
定した場合でも、合金化不足の発生が確実に防止され
る。仮に、2つの補償量Ct及びCεのうち小さい方が
正しい合金化程度に対応した値であると、合金化程度を
促進する方向にその目標値から制御がずれることになる
が、その状態は合金化不足が生じる場合と比べると品質
上の問題が少なく、品質上安全な操業状態である。
【0034】入熱量演算器13は、前述のようにプロセ
スコンピュ−タ14の出力する情報に基づいて熱量設定
値を計算するが、その他に、スイッチSWを開閉制御す
る。即ち、通常はスイッチSWを閉としてフィ−ドバッ
ク補償をオンにしておくが、鋼帯の継目の位置が通過す
るタイミングなどで、プロセスコンピュ−タ14の出力
するプロセス条件(鋼種,めっき付着量等)が変更にな
った場合には、一時的にスイッチSWを開いてフィ−ド
バック補償制御をオフする。
【0035】なお上記実施例においては、鋼帯の合金化
程度を推定する1つの手段として鋼帯の放射率を用いて
いるが、理論的には放射率の代わりに、それと似たパラ
メ−タである鋼帯表面の光反射率を用いることが可能で
ある。光反射率の場合には、合金化程度が低い時にその
値が大きく、合金化程度が高い時に値が小さくなる。但
し実際の操業において、保熱帯の出側で鋼帯の光反射率
を検出することが難しいので、放射率を用いるのが実用
的である。
【0036】また、板温度目標値T0及び放射率目標値
ε0を求める計算式としては、前記第(2)式及び第(3)式
に限らず、例えば通板速度の項目を省略した次式により
求めてもよい。
【0037】
【数3】 T0=b0+b1×めっき付着量+b2×鋼種定数 ・・・(4) ε0=c0+c1×めっき付着量+c2×鋼種定数 ・・・(5) また合金化程度の下限管理のみを実施する場合には、板
温度目標値T0及び放射率目標値ε0を各々定数としても
よい。
【0038】また、入熱量の推定式としては、前記第
(1)式に代えて例えば次に示す各式を用いてもよい。
【0039】
【数4】 Q=a0+a1×(めっき付着量×通板速度)+a2×鋼種定数 ・・(6) Q=a0+a1×めっき付着量+a2×通板速度+a3×鋼種定数 ・・(7) Q=a0+a1×炉温+a2×めっき付着量+a3×通板速度 +a4×板幅+a5×板厚+a6×鋼種定数 ・・(8) また前記実施例においては、入熱量Qの絶対値を求める
ようにしているが、実際には一定の周期で入熱量の計算
を繰り返し実行することになるので、入熱量の偏差を繰
り返し演算し、得られた入熱量の偏差量をそれまでの入
熱量に加えるように制御内容を変更してもよい。その場
合には、次に示すいずれかの計算式を使用して入熱量偏
差を計算すればよい。なおここでは、1演算周期(Δ
t)間の変数の変化をΔで示す。
【0040】
【数5】 ΔQ=a0+a1×Δ炉温+a2×Δ入熱量補正値+a3×Δ鋼種定数・・・(9) Δ入熱量補正値=Δ[めっき付着量×通板速度× {1+k1(板幅−板幅標準値)+k2(板厚−板厚標準値)}]・・(10) ΔQ=a0+a1×Δ(めっき付着量×通板速度)+a2×Δ鋼種定数 ・・・(11) ΔQ=a0+a1×Δめっき付着量+a2×Δ通板速度 +a3×Δ鋼種定数 ・・・(12) ΔQ=a0+a1×Δ炉温+a2×Δめっき付着量+a3×Δ通板速度 +a4×Δ板幅+a5×Δ板厚+a6×Δ鋼種定数 ・・・(13) なお、前述の各計算式における定数や補償量は、過去の
製造実績に基づいて、最適な結果が得られるような値に
予め設定される。
【0041】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、冷却工程
における鋼帯の位置−温度分布パタ−ンがUパタ−ン材
のように特殊なものに対しては、予めその位置に適した
補償を自動的に実施する(図4のステップ58,62,
65)ので、この種の特殊な鋼帯の場合でも、全長にわ
たって生焼け等の発生を防止し、歩留まりを高めること
ができる。
【0042】また本願の第2番の発明においては、更
に、実際の合金化程度が目標値を外れた場合であって
も、検出した合金化程度に基づくフィ−ドバック補償制
御によって、合金化程度が好ましい方向に修正されるよ
うに、入熱量が自動的に補償されるので、歩留まりを更
に改善しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 溶融合金化亜鉛めっき鋼帯の製造工程の主要
部の構成を示すブロック図である。
【図2】 板温度と合金化程度及び放射率と合金化程度
との相関をそれぞれ示すグラフである。
【図3】 フィ−ドバック補償制御系の動作例を示すタ
イミングチャ−トである。
【図4】 入熱量演算器13の動作を示すフロ−チャ−
トである。
【図5】 鋼帯の位置及び時刻と入熱量の変化の一例を
示すタイミングチャ−トである。
【符号の説明】
1:溶融亜鉛浴 2:鋼帯 3:
ノズル 4:合金化処理炉 4a:加熱帯 4
b:保熱帯 4c:冷却帯 8:炉温計 9:
放射率計 10:板温計 11:熱量調節器 12:めっき付着量調節器 1
3:入熱量演算器 14:プロコン 15:放射率補償器 1
6:板温度補償器 17:最大値選択器 18:目標値演算器 2
0:ロ−ル 22:継目検出器 SW:スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中 村 功 北九州市八幡東区枝光1−1−1 新日 本製鐵株式会社技術開発本部 設備技術 センタ−内 (56)参考文献 特開 平2−200760(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延及び冷却を施こされ少くとも溶
    融亜鉛浴槽に供給されるまでに先行の一単位の鋼帯に後
    行の一単位の鋼帯が連接されて連続鋼帯となり溶融亜鉛
    浴槽にて溶融亜鉛が付着した連続鋼帯、を合金化炉に通
    し、該合金化炉で加熱によって連続鋼帯に鉄と亜鉛の合
    金化層を形成する工程で、前記合金化炉の入熱量を制御
    するに際して、 入熱量の設定値を、前記合金化炉に入る一単位の鋼帯の
    鋼種,めっき付着量,及び通板速度に基づいて求めると
    ともに、前記熱間圧延後の冷却における該一単位の鋼帯
    長手方向の温度分布パタ−ンに基づき、前記入熱量の
    設定値を、該一単位の鋼板の前記合金化炉に入る長手方
    向位置に応じて補償する、溶融合金化亜鉛めっき鋼帯の
    合金化炉入熱制御方法。
  2. 【請求項2】 合金化炉の保熱帯出側において、連続
    帯の温度,放射率,及び光反射率の少なくとも1つを測
    定して合金化程度を検出し、検出された合金化程度がそ
    の目標値に近づくように、前記入熱量の設定値を補正す
    る、前記請求項1記載の溶融合金化亜鉛めっき鋼帯の合
    金化炉入熱制御方法。
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