JP5673586B2 - 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度算出方法および合金化制御方法 - Google Patents

溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度算出方法および合金化制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5673586B2
JP5673586B2 JP2012066563A JP2012066563A JP5673586B2 JP 5673586 B2 JP5673586 B2 JP 5673586B2 JP 2012066563 A JP2012066563 A JP 2012066563A JP 2012066563 A JP2012066563 A JP 2012066563A JP 5673586 B2 JP5673586 B2 JP 5673586B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloying
steel sheet
emissivity
steel plate
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012066563A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013194318A (ja
Inventor
玄太郎 武田
玄太郎 武田
高橋 秀行
秀行 高橋
鈴木 克一
克一 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2012066563A priority Critical patent/JP5673586B2/ja
Priority to PCT/JP2012/007038 priority patent/WO2013084405A1/ja
Priority to TW101142082A priority patent/TWI496945B/zh
Publication of JP2013194318A publication Critical patent/JP2013194318A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5673586B2 publication Critical patent/JP5673586B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)

Description

本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度算出方法および合金化制御方法に関するものである。
溶融亜鉛めっき鋼板には、溶融亜鉛めっき後、めっき層の一部あるいは全体をFe−Zn合金層とするように合金化処理を施した合金化溶融亜鉛めっき鋼板がある。
一般的に、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、鋼板を焼鈍、冷却後、図4に示すように、溶融亜鉛が満たされているめっき浴1に鋼板Sを浸漬させた後、該鋼板Sを垂直上方に引き上げる工程の後に、鋼板表面に付着した溶融亜鉛が板幅方向および板長手方向に均一に所定のめっき厚になるように、この鋼板Sを挟んで対向して設けたワイピングノズル2から加圧気体を鋼板面に噴出させて、余剰な溶融亜鉛を絞り取り、ワイピングノズル2の直上に配置された加熱帯3aと保熱帯6を備える合金化炉で、鋼板を加熱した後保熱して亜鉛層へ鉄を拡散させて所定の合金化処理を行い、その後冷却帯7を通過させた後、トップロール8で通板方向を変更する。加熱帯3aは、ガス燃焼方式や誘導加熱方式が一般的に用いられている。
合金化処理が適正でない場合、つまり過合金や合金不足となると、その品質特性が損なわれるため、合金化度を高精度で制御する必要がある。合金化度を制御する技術として以下の技術が開示されている。
特許文献1には、合金化処理後の鋼板にX線を照射し、X線回折強度から合金化度を算出し、合金化度を制御する方法が開示されている。
特許文献2には、溶融亜鉛めっき用合金化炉内の板温保持帯域の通板方向の複数位置に放射温度計を配設し、その放射エネルギーを代表板温測定用放射温度計で測定した代表板温測定値と比較して各位置の鋼板の放射率を求め、その放射率が0.4〜0.7の範囲となる位置を合金化位置と定め、この合金化位置が一定位置となるように、合金化炉の燃料流量、通板速度を操作することによって合金化度を制御する方法が開示されている。
特開平1−301155号公報 特開平7−150328号公報
近年、自動車分野では、車体材料に高強度鋼板を使用して車体を軽量化しようとする動きがある。高張力鋼板では、添加元素としてSiやMnの添加が材質設計上有利であることが知られているが、合金化溶融亜鉛めっき鋼板では、SiやMnの添加鋼を用いると、Si・Mnの鋼板表面への濃化に起因する合金ムラが鋼板の幅、長手方向に不規則に発生することがある。この合金ムラの発生を防止するには、合金ムラの発生位置を検出し、合金化処理の条件を合金ムラの発生を抑制できる条件に調整する必要がある。
特許文献1の方式では、合金化度の測定位置が限られており、幅方向の合金化度の情報が得られていないので、幅方向の一部箇所で合金ムラが発生してもそれを検出できず、合金化処理条件を、合金ムラを防止するように制御することが困難である。また、オペレーターの目視判定によって合金化帯の加熱制御を手動で補完することも可能であるが、全長全幅を管理・保証することは困難で、定量的評価もできない。また、特許文献2の方法でも、幅方向の合金ムラは検出不可能であり、母材となる鋼種の変化、通板速度の変化、焼鈍炉での加熱・均熱時の幅方向温度偏差に起因する添加元素の表面濃化状態の変化、Zn付着量の変化等の影響で幅方向にランダムに発生する合金化ムラを低減することが困難であることがわかった。
本発明は、前記問題点を考慮し、溶融亜鉛めっき鋼板の板幅方向の合金化度を算出する方法及び溶融亜鉛めっき鋼板を合金化処理する際に発生する合金ムラを抑制できる溶融亜鉛めっき鋼板の合金化制御方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明の合金化制御方法の要旨は、以下のとおりである。
(1)溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置において、あらかじめ合金化帯より下流側に配置した鋼板の表面状態の影響を受けない形式の温度測定手段で測定した鋼板温度と、前記温度測定手段よりも上流あるいは下流に配置した放射温度計で測定した鋼板温度から鋼板放射率を演算して求め、さらに前記で求めた鋼板放射率と合金化度の関係を求めておき、前記温度測定手段で鋼板温度を測定し、前記放射温度計で板幅方向の3点以上で鋼板温度を測定し、前記温度測定手段で測定した鋼板温度と、前記放射温度計で測定した鋼板温度から、鋼板幅方向の放射率を演算して求め、前記放射温度計で測定した鋼板温度に基づき、さらに合金化帯の加熱量を増加または減少させたときの放射率の増減傾向を考慮して、求めた放射率と前記で求めた鋼板放射率と合金化度の関係を用いて鋼板幅方向の合金化度を算出することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度算出方法。
(2)溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置において、あらかじめ合金化帯より下流側に配置した鋼板の表面状態の影響を受けない形式の温度測定手段で測定した鋼板温度と、前記温度測定手段よりも上流あるいは下流に配置した放射温度計で測定した鋼板温度から鋼板放射率を演算して求め、さらに鋼板放射率と合金化度の関係を求めて合金化度が所望範囲内になる鋼板放射率の範囲を求めておき、前記温度測定手段で鋼板温度を測定し、前記放射温度計で板幅方向の3点以上で鋼板温度を測定し、前記温度測定手段で測定した鋼板温度と、前放射温度計で測定した鋼板温度から、鋼板幅方向の放射率を演算して求め、鋼板幅方向の放射率が所望範囲内になるように合金化帯の鋼板幅方向の加熱量を調整することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の合金化制御方法。
(3)前記(2)に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化制御方法において、合金化帯の加熱量を増加させたときに鋼板放射率が上昇傾向となるときは、算出される放射率が0.4以上になるように合金化帯の加熱量を制御し、合金化帯の加熱量を増加させたときに鋼板放射率が下降傾向となるときは、算出される放射率が母材種に応じて設定される所定放射率以上になるように合金化帯の加熱量を制御することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の合金化制御方法。
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度算出方法によれば、溶融亜鉛めっき鋼板の幅方向の合金化ムラを検出できる。本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化制御方法によれば、鋼板幅方向での合金化進行状態を逐次監視し、合金化処理装置の加熱制御を適正範囲に制御することによって、鋼板の全長全幅に亘って合金ムラの少ない合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造することができるようになる。
本発明の実施に使用する合金化処理装置の一実施形態を示す側面図。 合金化度と見かけの放射率εの関係を表す図。 本発明の実施に使用する合金化処理装置に配置される鋼板幅方向で加熱量を調整できる加熱装置のガス噴射口の配置例を説明する概略図。 従来の合金化処理装置の要部を示す断面図。
以下に、本発明の形態について、図1〜図3を用いて具体的に説明する。
図1は本発明の実施に使用する溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置の一実施形態を示す。図1において、Sは鋼板、1はめっき浴、2はワイピングノズル、3は加熱帯で、第1加熱装置4と第2加熱装置5が配置されている。6は保熱帯、7は冷却帯、8はトップロール、T1は鋼板放射率の影響を受けない温度測定手段(以下、単に「温度測定手段T1」とも記載する。)、T2は鋼板幅方向の3点以上で鋼板の温度測定が可能な放射温度計(以下、単に「放射温度計T2」とも記載する。)、11は制御装置、12は第1加熱装置4の加熱制御装置、13は第2加熱装置5の加熱制御装置である。
第1加熱装置4は従来技術の合金化処理装置の加熱帯で採用されている加熱装置で、鋼板全幅をほぼ均一に加熱昇温する。第2加熱装置5は、放射温度計T2で測定する鋼板幅方向の温度測定位置に対応させて鋼板幅方向の加熱量を部分的に独立して調整できる加熱装置である。本明細書では、合金化帯は、加熱帯3と保熱帯6を含む。
第1加熱装置4は、鋼板全幅を加熱できるものであればよく、加熱方式は特に限定されない。ガス燃焼方式や誘導加熱方式などを用いることができる。
第2加熱装置5は、放射温度計の鋼板幅方向の温度測定位置に対応させて部分的に幅方向の加熱量を調整できるものであれば、加熱方式は限定されない。燃焼バーナー方式、高温ガスヒーター方式等を用いることができる。燃焼バーナー方式では、例えば、製鉄所内にある副生ガス(コークスガスなど)と空気をバーナー内で混合して燃焼させるノズルミックスバーナーなどを用いて燃焼ガスを吹き付けて鋼板を加熱する。高温ガスヒーター方式では、例えば、電気加熱(誘導加熱、通電加熱等)された加熱部にガス(空気や窒素ガス等)を流すことでガスを加熱するヒーターなどを用いて加熱したガスを噴きつけて鋼板を加熱する。
第2加熱装置5は、過合金の部分は加熱量を弱め、合金不足の部分は加熱量を強める必要がある。このような加熱条件の変更に対応できるように、第2加熱装置5は、合金ムラが発生しない状態では、鋼板幅方向でほぼ均一に一定の加熱量が負荷された状態で使用され、合金不足と判断されたときは、合金不足と判断された位置の加熱量の負荷を増加させ、過合金と判断されたときは、過合金と判断された位置の加熱量の負荷を低下させるように制御することが好ましい。
燃焼バーナー、高温ガスヒーターの鋼板面に対向する面のガス噴射口の配置は、図3に示すような千鳥配置とし、各ガス噴射口を放射温度計T2の鋼板幅方向の温度測定位置に対応させて配置し、各ガス噴射口のガス噴きつけ量(加熱量)を独立に制御できるようにすることが好ましい。
本発明では、合金化処理装置の合金化帯より下流側に鋼板の表面状態の影響を受けない形式の温度測定手段T1を配置して鋼板温度を測定し、また前記温度測定手段T1よりも上流あるいは下流に、鋼板幅方向の3点以上で温度測定可能な放射温度計T2を配置して、鋼板幅方向で3点以上鋼板温度を測定する。温度測定手段T1により、鋼板放射率に関わらず、真温度に近い鋼板温度を測定できる。一方、放射温度計T2は、温度計の設定放射率と実際の鋼板放射率がずれていれば、真温度とは異なる温度が計測される。
合金化ムラが発生すると鋼板放射率が変化することから、合金化ムラを温度ムラとして測定できる。放射温度計T2で鋼板幅方向の3点以上で鋼板温度を測定することで、鋼板幅方向における合金ムラの発生を検知できる。
プランクの法則(例えば、日本機械学会 伝熱工学資料改訂第4版(1986)p156)および物体から放出されるエネルギーと放射率の関係から、前記鋼板の表面状態の影響を受けない形式の温度測定手段T1で計測した板幅方向の各位置の板温Tと、前記放射温度計T2で計測した板温Tから、合金化後の亜鉛めっき鋼板の見かけの放射率εは下式(1)で算出される。
Figure 0005673586
ε:見かけの放射率、ε:放射温度計の設定放射率
:鋼板の表面状態の影響を受けない形式の温度測定手段の板温
:放射温度計の板温
λ:放射温度計の測定波長
発明者らは、式(1)で算出される見かけの放射率εと合金化度(皮膜中のFe濃度)の関係について調査した。その結果、図2に示すように、見かけの放射率εと合金化度の間に相関があることがわかった。したがって、板幅方向の複数箇所でみかけの放射率εを算出することで、板幅方向の合金化度を求めることができ、合金化度から合金ムラの発生位置を検出することができる。また、板幅方向の見かけの放射率εが所望の範囲内に収まるように合金化帯の加熱量を調整することで、合金ムラの発生を防止できる。
放射率と合金化度の関係は、図2に示すように、低合金化域では表面が液相の亜鉛であるため見かけの放射率εは低く、通常制御されるFe濃度:8〜13質量%程度の合金化度域では表面をFe−Znの合金相が覆うため、見かけの放射率εは合金化度の増加(Fe濃度の増加)に応じて上昇し、ある合金化度で最大となる。さらに高い合金化度域では、表面の凹凸がなくなる(やや平滑になる)ため、見かけの放射率εは減少傾向を示す。
合金化度が増加すると見かけの放射率εが大きくなる領域(放射率が最大になる合金化度よりも低合金化度域)では、母材種に関係なく、見かけの放射率εが0.4以上で合金化度が所望の範囲内(適正範囲内)になる。一方、合金化度が増加すると見かけの放射率εが小さくなる領域(放射率が最大になる合金化度よりも高合金化度域)では、母材Aは見かけの放射率εがε以上で、母材Bは見かけの放射率εがε以上で合金化度が適性範囲内となり、合金化度が適正範囲内になる見かけの放射率εは母材種によって異なる。従って、あらかじめ母材種ごとに放射率と合金化度の関係を求めておく。
図2の放射率と合金化度の関係を用いて、鋼板の合金化度を算出することができる。合金化処理の際に、鋼板の表面状態の影響を受けない形式の温度測定手段で測定した板温と、放射温度計で測定した板温から、鋼板の見かけの放射率εを演算して求める。その際に、合金化帯の加熱量、例えば第2加熱帯の加熱量を増加、または減少して放射率の増減傾向を調べる。加熱量の増加により放射率が増加、または加熱量の減少により放射率が減少するときは、放射率が最大になる合金化度よりも低合金化度域において求めた見かけの放射率εに対応する合金化度から、鋼板の合金化度を求めることができる。加熱量の増加により放射率が減少、または加熱量の減少により放射率が増加するときは、放射率が最大になる合金化度よりも高合金化度域において、求めた見かけの放射率εに対応する合金化度から、鋼板の合金化度を求めることができる。放射温度計で板幅方向の複数箇所で板温を測定することで、板幅方向の合金化度を算出でき、また、板幅方向の合金ムラを検知することができる。
見かけの放射率εが上記した範囲内、すなわち放射率が最大になる合金化度よりも低合金化度域では放射率が0.4以上、放射率が最大になる合金化度よりも高合金化度域では母材種に応じて設定される所定放射率以上になるように合金化帯の加熱量を制御することで、合金ムラの発生を防止できる。
制御装置11には、母材種ごとに、合金化度が所定範囲となる見かけの放射率εの範囲が記憶され、T1、T2から入力される温度情報から、見かけの放射率εを演算する演算部、第2加熱装置5の加熱量を増加(または減少)させたときに見かけの放射率εが増加したか減少したかを判定し、放射率が最大になる合金化度よりも低合金化度域にあるか、高合金化度域にあるかを判定する判定部を備える。制御装置11では、放射温度計T2での鋼板幅方向温度測定位置に対応して、見かけの放射率εが算出される。算出された見かけの放射率εの中に前記範囲を外れるものがあるときは、当該位置の見かけの放射率εが上記の範囲に入るように第2加熱装置の加熱制御装置13に指令して第2加熱装置5の幅方向の加熱量を調整する。
例えば、鋼板端部からk番目の位置の見かけの放射率εkを適正範囲内にするには、以下のように調整する。
最初に、k番目の温度測定位置の見かけの放射率εkが0.4以上であるか否かを、式(1)を用いて確認する。通常、放射率が最大になる合金化度よりも高合金化度域で放射率が0.4未満になることがないので、見かけの放射率εkが0.4未満であれば、0.4を超えるまでk番目の温度測定位置の第2加熱装置5の加熱量を増加させる。見かけの放射率εkが0.4以上のときは、加熱量を増加させて見かけの放射率εkが増加するか減少するかを確認する。加熱量を増加して見かけの放射率εkが増加する場合は低合金化領域であるので、加熱量の調整は行わなくてもよい。一方、加熱量を増加して見かけの放射率εkが減少する場合は高合金化領域であり、高合金化領域の適正放射率を下回らないように加熱量を減少する。このとき見かけの放射率εkが減少しはじめるまで加熱量を下げるのがさらに望ましい。同一コイル内(同一母材内)の幅方向のある位置で一旦適正範囲内に入っても、鋼板が進行する過程で再び放射率が適正範囲から外れた場合は、それ以前の制御履歴を踏まえて加熱量を調整すれば(例えば、一旦合金不足と判定して加熱量を上昇させ所定放射率範囲内に入った場合は、許容合金化範囲の下限付近であることが推測され、再度所定放射率範囲を外れた場合は直ちに加熱量上昇するように制御する)、合金ムラ発生部分の長さを極力短くすることが可能となる。
また、鋼板長手方向位置に対応させて見かけの放射率εのデータを記録することで、仮に合金化度が適正範囲から外れた箇所が発生したとしても、見かけの放射率εのデータからその位置を特定できるので、当該部分を除去することで合金化不良による歩留まりロスを最小限に抑えることができる。
温度測定手段T1には、多重反射式放射温度計、接触式温度計、測温ロールなどがある。鋼板放射率の影響を受けない方式の温度計であれば、その他の方式でもかまわない。
放射温度計T2は、スポット型放射温度計を幅方向に3箇所以上配置してもいいが、鋼板全幅の品質を保証する観点から、全板幅の温度情報を得ることができる走査型放射温度計あるいは熱画像計測型温度計(サーモグラフィー)を用いることが望ましい。また、放射温度計の測定波長は、放射率による温度誤差を小さくするため、測定温度レンジを踏まえて極力短い波長のタイプを選択するのが一般的であるが、放射温度計T2では放射率の変化を捉えるため、測定波長が6μm以上の素子を有する放射温度計を選択することが好ましく、測定波長が8〜13μmの素子を有する放射温度計を選択することがさらに好ましい。例えば、測定波長が前記波長の素子であるサーモパイル等を用いることができる。
放射温度計T2は、品質保証の観点から、鋼板の表裏に設置することがより好ましい。
また、めっき品質のひとつにパウダリング(合金化温度が高温になると、めっき密着性が劣化してパウダー状に離脱する現象)があり、合金化度を制御するにあたっては、図2に示す見掛けの放射率εが0.4以上になる適正範囲の中で、放射率が最大になる合金化度よりも低合金化度域に制御することが好ましく、この領域でもより低合金化度に制御、例えば見掛けの放射率εが0.45〜0.60の範囲内になるように制御することがさらに好ましい。
以下の溶融亜鉛めっき鋼板の製造試験を行った。溶融亜鉛めっき鋼板の製造条件は、0.8〜1.2mm厚×900〜1400mm幅、めっき付着量は片面あたり50g/mとし、Si添加量の異なる母材を3種類通板した。
本発明例では、図1の合金化処理装置を用い、第1加熱装置4は誘導加熱タイプ、第2加熱装置5は、高温ガスヒーターを用い、ガス噴射口は、鋼板幅方向に一列あたり5個を等間隔で配置したものを、鋼板長手方向に3列配置した。その際、隣り合う列のガス噴射口の幅方向位置を、ガス噴射口同士の間隔の1/3ずつずらして配置し、15個のガス噴射口が鋼板幅方向で等間隔に配置されるようにした。
温度測定手段T1には測定素子がInGaAs(測定波長1.55μm)の多重反射式放射温度計を用い、また放射温度計T2には走査型放射温度計(幅方向5mmピッチの解像度:1400mm幅で280点、測定素子:サーモパイル(測定波長8〜13μm))からなるものを用い、トップロールへの巻付き開始点から1m下(トップロール中心との鉛直距離が1mとなる位置)に設置した。放射温度計T2は放射率設定値を0.55とした。鋼板幅方向のガス噴射口の配置場所に対応させて、放射温度計の温度測定点を板幅方向に15のグループに分割した。
合金化度制御方法としては、見かけの放射率εが0.45〜0.60の範囲に収まるように加熱量を制御したが、第2加熱装置と温度測定手段T1、放射温度計T2設置位置のずれから放射率が所望範囲を外れる場合が一部発生した。
従来例は、特許文献2に記載の方法を用いた。具体的には、通板長手方向に4個のスポット型放射温度計を、それぞれ幅方向中央位置に配設し、放射率が0.4〜0.7の範囲となる位置を合金化位置と定め、これが一定位置となるように、加熱帯の燃料流量、通板速度を操作することによって合金化度を制御した。加熱帯は誘導加熱タイプとした。
その他の製造条件およびリコイルラインで判定された合金ムラ(合金不足、過合金)発生割合(元コイル重量に対する、合金ムラと判定されて切り落とされた部分の重量)を表1に示す。
Figure 0005673586
従来例は、鋼板幅方向センター部以外に発生する合金ムラを抑制できないため、合金ムラの発生が多い。一方、本発明例は、鋼板幅方向の合金化度が所定合金化度になるように見かけの放射率εを制御したことで、Si添加鋼であっても、従来例に比べて、合金ムラの発生が著しく低減されている。
本発明によれば、鋼板の全長全幅に亘って合金ムラの少ない合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造することができるようになる。
S 鋼板
1 めっき浴
2 ワイピングノズル
3、3a 加熱帯
4 第1加熱装置
5 第2加熱装置
6 保熱帯
7 冷却帯
8 トップロール
11 制御装置
12 第1加熱装置の加熱制御装置
13 第2加熱装置の加熱制御装置
T1 鋼板放射率の影響を受けない温度測定手段
T2 放射温度計

Claims (3)

  1. 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置において、あらかじめ合金化帯より下流側に配置した鋼板の表面状態の影響を受けない形式の温度測定手段で測定した鋼板温度と、前記温度測定手段よりも上流あるいは下流に配置した放射温度計で測定した鋼板温度から鋼板放射率を演算して求め、さらに前記で求めた鋼板放射率と合金化度の関係を求めておき、前記温度測定手段で鋼板温度を測定し、鋼板の一面側において前記放射温度計で板幅方向の3点以上で鋼板温度を測定し、前記温度測定手段で測定した鋼板温度と、前記放射温度計で測定した鋼板温度から、鋼板幅方向の放射率を演算して求め、前記放射温度計で測定した鋼板温度に基づき、さらに合金化帯の加熱量を増加または減少させたときの放射率の増減傾向を考慮して、求めた放射率と前記で求めた鋼板放射率と合金化度の関係を用いて鋼板幅方向の合金化度を算出することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度算出方法。
  2. 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置において、あらかじめ合金化帯より下流側に配置した鋼板の表面状態の影響を受けない形式の温度測定手段で測定した鋼板温度と、前記温度測定手段よりも上流あるいは下流に配置した放射温度計で測定した鋼板温度から鋼板放射率を演算して求め、さらに鋼板放射率と合金化度の関係を求めて合金化度が所望範囲内になる鋼板放射率の範囲を求めておき、前記温度測定手段で鋼板温度を測定し、鋼板の一面側において前記放射温度計で板幅方向の3点以上で鋼板温度を測定し、前記温度測定手段で測定した鋼板温度と、前放射温度計で測定した鋼板温度から、鋼板幅方向の放射率を演算して求め、鋼板幅方向の放射率が所望範囲内になるように合金化帯の鋼板幅方向の加熱量を調整することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の合金化制御方法。
  3. 請求項2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化制御方法において、合金化帯の加熱量を増加させたときに鋼板放射率が上昇傾向となるときは、算出される放射率が0.4以上になるように合金化帯の加熱量を制御し、合金化帯の加熱量を増加させたときに鋼板放射率が下降傾向となるときは、算出される放射率が母材種に応じて設定される所定放射率以上になるように合金化帯の加熱量を制御することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の合金化制御方法。
JP2012066563A 2011-12-05 2012-03-23 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度算出方法および合金化制御方法 Active JP5673586B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012066563A JP5673586B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度算出方法および合金化制御方法
PCT/JP2012/007038 WO2013084405A1 (ja) 2011-12-05 2012-11-02 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置、合金化制御方法および合金化度算出方法
TW101142082A TWI496945B (zh) 2011-12-05 2012-11-12 熱浸鍍鋅鋼板的合金化處理裝置、合金化控制方法以及合金化度計算方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012066563A JP5673586B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度算出方法および合金化制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013194318A JP2013194318A (ja) 2013-09-30
JP5673586B2 true JP5673586B2 (ja) 2015-02-18

Family

ID=49393623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012066563A Active JP5673586B2 (ja) 2011-12-05 2012-03-23 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度算出方法および合金化制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5673586B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210110661A (ko) * 2019-01-15 2021-09-08 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 해석 시스템 및 해석 방법

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01252761A (ja) * 1987-12-08 1989-10-09 Kawasaki Steel Corp 溶融亜鉛めっき用合金化炉の板温制御装置
JPH03146649A (ja) * 1989-10-31 1991-06-21 Kawasaki Steel Corp 合金化亜鉛めっき鋼帯の製造方法
JP2981290B2 (ja) * 1990-12-19 1999-11-22 川崎製鉄株式会社 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP5403042B2 (ja) * 2011-12-05 2014-01-29 Jfeスチール株式会社 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置および合金化制御方法
JP5403041B2 (ja) * 2011-12-05 2014-01-29 Jfeスチール株式会社 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013194318A (ja) 2013-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103069041B (zh) 镀锌钢板的热冲压方法
CN110088310B (zh) 用于制造热处理钢板的动态调整的方法
JP5673586B2 (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度算出方法および合金化制御方法
JPH0645851B2 (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法
JP5403042B2 (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置および合金化制御方法
US5785772A (en) Method and apparatus for controlling galvanneal induction furnace operation
JP5403041B2 (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置
WO2013084405A1 (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置、合金化制御方法および合金化度算出方法
MXPA96005783A (en) Method and apparatus for controlling the operation of the induction of galvanized and recoc
KR101648310B1 (ko) 합금화 용융아연도금강판의 합금화 제어장치
JP2807156B2 (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度制御方法
JPH11269627A (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化炉および溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度の制御方法
JP3787320B2 (ja) 溶融亜鉛めっきラインにおける合金化制御方法及びその装置
JP5962209B2 (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
KR100511513B1 (ko) 지에이 강판의 철함량 편차 균일화 방법
JP2981290B2 (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP3175802B2 (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化制御方法
US20240158885A1 (en) Continuous annealing equipment, continuous annealing method, method of producing cold-rolled steel sheets and method of producing coated or plated steel sheets
JP2545653B2 (ja) 溶融合金化亜鉛めっき鋼帯の合金化炉入熱制御方法
JPH06207296A (ja) ストリップ材の亜鉛めっき法及びそのための設備
JP2020509242A (ja) 熱的に処理された鋼板を製造するための動的調整の方法
JP2024048224A (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置及び合金化処理方法
JPH0645852B2 (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法
JPH06207297A (ja) ストリップ材の亜鉛めっき法及びそのための設備
JPH072983B2 (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140513

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5673586

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250