JP5962209B2 - 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、溶融亜鉛めっき後の冷却状態を制御することによってストレッチャーストレインの発生を防止し、良好な鋼板形状の溶融亜鉛めっき鋼板を製造する技術に関するものである。
BH鋼板等のような降伏点伸びを有する鋼板をめっき原板とし、連続式溶融亜鉛めっき設備において溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合、製品にストレッチャーストレインや腰折れ等の欠陥が発生する場合がある。腰折れ防止技術として、特許文献1には、腰折れが発生する以前に予め予歪を与える技術が示されている。一方、ストレッチャーストレインについては、溶融亜鉛めっき鋼板が使用される過程の成形加工で発生するストレッチャーストレインの防止技術、例えば、めっき後の調質圧延や、材質設計に関する技術は数多く公開されているものの、連続式溶融亜鉛めっき設備内で発生するストレッチャーストレインの防止技術については、未だ報告された例はない。
連続式溶融亜鉛めっき設備では、鋼板は溶融亜鉛浴に浸漬された後に引き上げられ、ガスワイピングによって付着量を制御された後に、そのまま冷却され、或いは加熱合金化処理を行った後に冷却される。冷却は水溶液ミスト冷却や空冷で行われる。一般的に製造される溶融亜鉛めっき鋼板は、板幅が1000mmを超え、最大板幅は1900mmに迫ることもあり、幅方向での品質均一性が必要とされる。鋼板の場合には、上記のような加熱・冷却等の温度変化により、材質・形状の変化が起こる場合が多くあるため、板幅方向での加熱・冷却の均一性は重要な要件であるが、その制御は容易ではない。特に、340BH鋼板のように、500℃以下で降伏点伸びが発生する鋼板では、溶融亜鉛めっき後の冷却過程でストレッチャーストレインが発生する可能性が高く、板幅方向での温度制御が重要である。
特開2004−107682号公報
しかし、従来では板幅方向の温度分布を計測する適当な手法が無く、板幅方向での冷却を均一にすることが行われてきたが、加熱された状態での鋼板幅方向の温度は必ずしも均一ではなく、このため冷却時の鋼板幅方向の温度差を制御することは困難であった。
このため従来では、特に降伏点伸びを有する鋼板を連続溶融亜鉛めっき設備において溶融亜鉛めっきする際に、連続溶融亜鉛めっき設備内、特に溶融亜鉛めっき後の冷却過程でのストレッチャーストレインの発生を適切に防止できなかった。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、連続溶融亜鉛めっき設備において、BH鋼板等のような降伏点伸びを有する鋼板を溶融亜鉛めっきする場合であっても、溶融亜鉛めっき後の冷却過程でのストレッチャーストレインの発生を適切に防止することができる溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]連続溶融亜鉛めっき設備において、鋼板を焼鈍した後、溶融亜鉛めっきを施し、引き続き合金化処理を行い又は合金化処理を行うことなく、めっき鋼板面に冷媒を噴射して冷却を行う溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、
冷却後の鋼板幅方向の温度分布を計測し、鋼板幅方向での温度差が許容値ΔTを超えたときに、めっき鋼板面への冷媒噴射量を鋼板幅方向で変化させることにより鋼板幅方向での温度差を低減させ、めっき鋼板を鋼板幅方向平均温度に対する鋼板幅方向での最大温度差が許容値ΔT以下となるように冷却するとともに、鋼板幅方向平均温度に対する鋼板幅方向での最大温度差の許容値ΔTを、下記(1)式を満足するように設定することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
α・E・ΔT+σt<YP …(1)
但し σt:鋼板に付与するユニット張力(MPa)
YP:鋼板の降伏強度(MPa)
α:鋼板の線膨張係数(1/℃)
E:鋼板のヤング率(MPa)
[2]上記[1]の製造方法において、冷却後の鋼板幅方向の温度分布を赤外線サーモグラフィー装置又は走査型放射温度計で計測することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[3]上記[1]又は[2]の製造方法において、めっき鋼板面に噴射する冷媒が水ミスト又は/及び空気であることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法において、めっき鋼板冷却用の冷媒噴射ノズルを鋼板幅方向の複数箇所に設け、各冷媒噴射ノズルからの冷媒噴射量を個別に制御できるようにしたことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
本発明によれば、BH鋼板等のような降伏点伸びを有する鋼板を溶融亜鉛めっきする場合であっても、溶融亜鉛めっき後の冷却過程でのストレッチャーストレインの発生を適切に防止することができる。
本発明の一実施形態を模式的に示す図面 水ミストの冷却特性を鋼板温度と冷却能力との関係で示す図面 ある材料特性の鋼板を冷却する場合において、鋼板のσn+σtと鋼板幅方向平均温度に対する鋼板幅方向での最大温度差の許容値ΔTとの関係を示すグラフ 実施例において、本発明例と比較例の鋼板幅方向平均温度に対する鋼板幅方向での最大温度差を示す図面
溶融亜鉛めっき後の冷却過程でのストレッチャーストレインの発生は、板幅方向の鋼板温度差に起因していると考えられた。ここで、冷却過程でストレッチャーストレインが発生する状況を想定すると、下記(a)式を満足する状況であると考えられる。
σn+σt≧YP …(a)
但し σn:熱応力(MPa)
σt:鋼板に付与するユニット張力(MPa)
YP:鋼板の降伏強度(MPa)
σn=α・E・ΔT
α:鋼板の線膨張係数(1/℃)
E:鋼板のヤング率(Pa)
ΔT:鋼板幅方向平均温度に対する鋼板幅方向での最大温度差(℃)
上記(1)式より、鋼板の降伏強度YPとヤング率Eが事前に分かれば、許容できる板幅方向の温度差(鋼板幅方向平均温度に対する鋼板幅方向での最大温度差)を求めることができ、その温度差以内となるような冷却を行えばストレッチャーストレインの発生は防止できる。そこで、本発明者らは、冷却過程での鋼板幅方向での温度分布が測定可能であって、且つ鋼板幅方向の冷却速度を制御することが可能であれば、板幅方向の温度差を少なくして、ストレッチャーストレインの発生を防止できるという着想を得た。
連続溶融亜鉛めっき設備では、鋼板を焼鈍した後、溶融亜鉛めっきを施し、引き続き合金化処理を行い又は合金化処理を行うことなく、めっき鋼板面に冷媒(通常、水ミスト又は/及び空気)を噴射して冷却を行うことにより、溶融亜鉛めっき鋼板が製造される。本発明では、冷却後の鋼板幅方向の温度分布を計測し、鋼板幅方向平均温度に対する鋼板幅方向での最大温度差(以下、説明の便宜上「鋼板幅方向での温度差」という)が許容値ΔTを超えたときに、めっき鋼板面への冷媒噴射量を鋼板幅方向で変化させ、板幅方向の冷却速度の制御を行うことにより鋼板幅方向での温度差を低減させ、めっき鋼板を鋼板幅方向での温度差が許容値ΔT以下となるように冷却する。
めっき鋼板面に噴射する冷媒としては、通常、水ミスト又は/及び空気が用いられ、水ミスト冷却又は/及び空冷でめっき鋼板が冷却される。
上記(a)式からして、鋼板幅方向での温度差の許容値ΔTは、下記(1)式を満足するように設定すればよい。
α・E・ΔT+σt<YP …(1)
但し σt:鋼板に付与するユニット張力(MPa)
YP:鋼板の降伏強度(MPa)
α:鋼板の線膨張係数(1/℃)
E:鋼板のヤング率(MPa)
また、冷却後の鋼板幅方向の温度分布の測定手段としては、赤外線サーモグラフィー装置又は走査型放射温度計を適用できることが判った。すなわち、実際に市販の赤外線サーモグラフィー装置と走査型放射温度計をそれぞれ用いて冷却過程での鋼板表面温度を測定した結果、装置性能上±2℃の温度指示精度が得られることが判った。
赤外線サーモグラフィー装置は、対象物から出ている赤外線放射エネルギーを赤外線カメラで検出し、検出された赤外線放射エネルギーを温度に変換し、温度分布を測定する装置であり、例えば、めっき鋼板を冷却する冷却帯の出側位置に前記赤外線カメラを設置し、冷却後のめっき鋼板の板幅方向での温度分布を測定する。また、走査型放射温度計は、赤外線サーモグラフィー装置と同様に、対象物から出ている赤外線放射エネルギーを検知することで温度分布を測定する測定器であり、例えば、めっき鋼板を冷却する冷却帯の出側位置に設置し、冷却後のめっき鋼板の板幅方向での温度分布を測定する。
したがって、本発明では、冷却後の鋼板幅方向の温度分布を赤外線サーモグラフィー装置又は走査型放射温度計で計測することが好ましい。鋼板幅方向平均温度も、この赤外線サーモグラフィー装置又は走査型放射温度計で計測された鋼板幅方向の温度分布により求めることができる。
赤外線サーモグラフィー装置又は走査型放射温度計の測定素子としては、鋼板表面放射率の影響を受けにくいように、極力波長が短いことが望ましい。例えば、InGaAs(波長:0.76〜1.7μm)やPbSe(波長:1.8〜5.0μm)などのような、測定波長5.0μm以下の測定素子を用いることがより望ましい。
また、鋼板幅方向での温度差が許容値ΔTを超えたときに、めっき鋼板面への冷媒噴射量(例えば、水ミスト量又は/及び空気量)を鋼板幅方向で変化させ、板幅方向の冷却速度の制御を行うために、めっき鋼板冷却用の冷媒噴射ノズル(噴射口)を鋼板幅方向の複数箇所に設け、各冷媒噴射ノズルからの冷媒噴射量を個別に制御できるようにすることが好ましい。例えば、冷媒噴射ノズルを鋼板幅方向で4〜5箇所程度設け、各冷媒噴射ノズルから供給する冷媒量(冷媒圧力)を個別に制御(冷媒供給の有無及び供給量の変更)できるように、冷媒供給系を構成すればよい。
本発明法による制御例としては、赤外線サーモグラフィー装置又は走査型放射温度計により冷却後の鋼板幅方向の温度分布を計測し、鋼板幅方向での温度差が許容値ΔTを超えたときに、その温度差を解消する方向で板幅方向の冷却状況を変化させる。つまり、鋼板幅方向で温度が高い領域に対する冷媒噴射ノズルからの冷媒供給量を増加させるか、温度が低い領域に対する冷媒噴射ノズルからの冷媒供給量を減少させ若しくは冷媒供給を停止するか、その両方を行う。これにより板幅方向の冷却速度の制御を行い、鋼板幅方向での温度差を低減させ、めっき鋼板を鋼板幅方向での温度差が許容値ΔT内となるように冷却する。
図1は本発明の一実施形態を模式的に示すものである。図1(A)は全体説明図(設備の側面を示す図面)であり、図において、1は溶融亜鉛めっき浴、2はシンクロール、3は合金化処理帯、4は冷却帯、5は赤外線サーモグラフィー装置、6は制御装置、7はガスワイピングノズル、8は浴中サポートロール、9は浴上サポートロール、50は赤外線サーモグラフィー装置5を構成する赤外線カメラ、Sは鋼板である。また、図1(B)は、前記冷却帯4を示す平面図であり、図において、40は冷媒噴射ノズル、41は冷却水流量調整弁、42は冷却ガス流量調整弁である。なお、赤外線サーモグラフィー装置5に代えて走査型放射温度計を設置してもよい。
前記冷媒噴射ノズル40は、ガス単独で使用することも、また水とガスをノズル内で混合させてミスト状に噴射させることも可能な形式のノズルであり、本実施形態では、冷却水供給系10から冷却水が、冷却ガス供給系11から冷却ガス(通常、空気、窒素など)がそれぞれ供給され、これら冷却水と冷却ガスはノズル内で混合され、ノズルから水ミストが噴射される。冷却水流量調整弁41及び冷却ガス流量調整弁42によって冷媒噴射ノズル40に供給する冷却水量及び冷却ガス量を変えることで、冷却能力を調整することができる。
冷媒噴射ノズル40は鋼板幅方向で間隔をおいて複数配置され(図1では4基)、赤外線サーモグラフィー装置5(又は走査型放射温度計)で検出された温度データに基づいて、冷媒流量を個別に制御することが可能である。制御装置6は、各冷却水流量調整弁41及び冷却ガス流量調整弁42の開度調整を行い、冷媒流量を調整する。
合金化処理帯3を通過後の鋼板温度は450〜550℃程度、合金化しない場合でも350〜400℃程度であるのに対し、冷却帯4において鋼板は200〜300℃まで冷却されることが望ましい。したがって、水ミスト用の冷却ガスは常時一定圧力で噴射しておき、鋼板サイズや通板速度によって、板幅・長手方向の冷却水量を制御するような方法で使用されることが好ましい。
水ミスト冷却の冷却特性として、図2に示すような水の沸騰現象が関係することが一般に知られている(例えば、「日本鉄鋼協会
鋼材の強制冷却」p.47)。水ミスト冷却は膜沸騰領域内であれば、鋼板温度に関わらずほぼ一定の冷却能力になるが、鋼板温度が低下して遷移沸騰領域になると、鋼板温度が低温であるほど冷却能力が大きくなる発散型の冷却形態となり、板幅方向温度差が拡大しやすくなる。特に冷却前の加熱ムラがあると、冷却前の板幅方向温度偏差が冷却後は数倍にも拡大することになる。したがって、水ミスト冷却は膜沸騰領域内で冷却することが望ましい。遷移沸騰に移行する遷移温度は水量によって変化するが、水ミストの場合200〜500℃であり、本発明が対象とする温度域と重複するため、水量制御が非常に重要になる。したがって、冷媒噴射ノズル40の冷却水量及び冷却ガス量による冷却特性変化を予め求めておき、冷却水量設定制御に盛り込むことが望ましい。
C:0.0008〜0.0040mass%、Si:0.2mass%以下、Mn:2.0mass%以下、P:0.070mass%以下、S:0.020mass%以下、残部Fe及び不可避不純物からなる成分組成を有し、板厚0.6〜0.8mmで引張強さTSが450MPa以下の鋼板を素材鋼板とし、連続式溶融亜鉛めっき設備で溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。連続式溶融亜鉛めっき設備では、鋼板を連続焼鈍した後、浴温480℃の溶融亜鉛めっき浴に浸漬し、ガスワイピングで亜鉛付着量を45g/mとなるように調整した後、水ミスト冷却で300℃以下となるように冷却した。
本発明例では、冷却帯4の出側位置に、図1に示すような赤外線サーモグラフィー装置5(赤外線カメラ50)に代えて走査型放射温度計を設置した。また、冷媒として水と空気を混合させた水ミストを用い、その冷媒噴射ノズル40を鋼板幅方向で400mm間隔で4箇所に設け、各冷媒噴射ノズル40からの水ミスト噴射量を冷却水流量調整弁41による冷却水量の調整によって個別に制御できるようにした。一方、水ミスト用の冷却ガスは常時一定圧力(各配管ヘッダ部分で3kPa)で噴射するようにした。なお、冷媒噴射ノズル40は鋼板進行方向に400mm間隔で20列、隣接する冷媒噴射ノズル40が幅方向で50mmずつずれるように配置されている。なお、個々の冷媒噴射ノズル40に流量計を設置するのが困難な場合は、冷媒噴射ノズル群を鋼板進行方向で数列単位の複数ゾーンに分けてゾーン毎の冷却水量を測定し、個別のノズルについては、冷媒噴射ノズル直前の流量と流量調整弁開度、配管圧力の関係を予め把握しておき、流量調整弁開度と配管圧力を常時監視することで、分配される冷却水量のムラが無いように使用することができる。
さきに挙げた(1)式に従い、鋼板幅方向での温度差の許容値ΔTが以下のように算出された。対象とする鋼板素材の300℃における材料特性を採用すると、鋼板のヤング率189000(MPa)、線膨張係数12.8×10-6(1/℃)、降伏応力160MPaであるので、鋼板幅方向での温度差の許容値ΔTとσn+σtの関係は図3に示すようになり、降伏応力160MPa以下にするには、鋼板幅方向での温度差の許容値ΔTは50℃と算出される。
本発明例として、冷却直後の鋼板幅方向の温度分布を走査型放射温度計で計測し、鋼板幅方向での温度差が許容値ΔTである50℃を超えないように各冷媒噴射ノズル40からの水ミスト噴射量を個別に調整した。この場合、合金化処理帯に近い側から15列は冷却水と空気を供給(残り5列は空気のみ供給)することとし、低温部が見られた鋼板幅方向中央部より左側の領域に相当する冷媒噴射ノズル40には400mL/min、それ以外の冷媒噴射ノズル40には500mL/minの冷却水量を供給するようにした。その結果、図4に示すように鋼板幅方向平均温度に対する鋼板幅方向での温度差は最大30℃に収まり、ストレッチャーストレインの発生は認められなかった。
比較例として、同様の溶融亜鉛めっき鋼板の製造において、鋼板幅方向の水ミスト噴射量を調整せずに全冷媒噴射ノズルから一律500mL/minの冷却水量で冷却を行ったが、図4に示すように鋼板幅方向平均温度に対する鋼板幅方向での温度差は最大120℃に達し、ストレッチャーストレインの発生が認められた。
1 溶融亜鉛めっき浴
2 シンクロール
3 合金化処理帯
4 冷却帯
5 赤外線サーモグラフィー装置
6 制御装置
7 ガスワイピングノズル
8 浴中サポートロール
9 浴上サポートロール
10 冷却水供給系
11 冷却ガス供給系
40 冷媒噴射ノズル
41 冷却水流量調整弁
42 冷却ガス流量調整弁
50 赤外線カメラ
S 鋼板

Claims (4)

  1. 連続溶融亜鉛めっき設備において、鋼板を焼鈍した後、溶融亜鉛めっきを施し、引き続き合金化処理を行い又は合金化処理を行うことなく、めっき鋼板面に冷媒を噴射して冷却を行う溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、
    冷却後の鋼板幅方向の温度分布を計測し、鋼板幅方向での温度差が許容値ΔTを超えたときに、めっき鋼板面への冷媒噴射量を鋼板幅方向で変化させることにより鋼板幅方向での温度差を低減させ、めっき鋼板を鋼板幅方向平均温度に対する鋼板幅方向での最大温度差が許容値ΔT以下となるように冷却するとともに、鋼板幅方向平均温度に対する鋼板幅方向での最大温度差の許容値ΔTを、下記(1)式を満足するように設定することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
    α・E・ΔT+σt<YP …(1)
    但し σt:鋼板に付与するユニット張力(MPa)
    YP:鋼板の降伏強度(MPa)
    α:鋼板の線膨張係数(1/℃)
    E:鋼板のヤング率(MPa)
  2. 冷却後の鋼板幅方向の温度分布を赤外線サーモグラフィー装置又は走査型放射温度計で計測することを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. めっき鋼板面に噴射する冷媒が水ミスト又は/及び空気であることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  4. めっき鋼板冷却用の冷媒噴射ノズルを鋼板幅方向の複数箇所に設け、各冷媒噴射ノズルからの冷媒噴射量を個別に制御できるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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