JPS6332026Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車のルーフサイドにおけるボデ
イパネルの支持フランジ部などに嵌め込みによつ
て取付けるようにした縁飾り材料の改良に関す
る。

例えば自動車のルーフサイドにおいては第１図
に示すようにボデイパネル１の支持フランジ部１
ａの接合辺縁部にＵ字状をなす挾持条片２を嵌め
込むとともに、天井側ボデイパネル１に内接した
天井材３の側縁を覆うべく、上記挾持条片２の一
側部を延長してこの部分を装飾条片４とした合成
樹脂製の縁飾り材料５、あるいは第２図に示すよ
うに上記ボデイパネル１の支持フランジ部１ａ及
び天井材３を全体的に覆う鋼板曲成品からなるＵ
字状縁飾り材料本体１０の内面に適当な間隔で鉄
クリツプ１１を固定しておき、この鉄クリツプ１
１に形成された挾持片１１ａ，１１ａ間で上記支
持フランジ部１ａを挾着することによつて本体１
０をルーフサイドに固定するようにしたものが一
般に用いられている。

しかしながら前者のものにおいてはその挾持条
片２が合成樹脂であるために熱や温度変化により
安定した保持ができず、このため図に示す如き芯
骨６を埋設してあるため重量が重く、しかもこの
ようにしても挾着部分の樹脂が変形した場合には
やはり保持強度が弱くなる欠点があつた。

これに対し、後者にあつては、熱や温度変化に
対し安定ではあるものの全体が鋼製のものからな
るため重量が極めて重く、しかも可撓変形しにく
いために曲面のある部分への装着が難しく、更に
はその外表面等も塗装等の装飾的加工を施さなけ
ればならず製作コストの高いものとなつていた。

そこでこの考案は縁飾り材料本体を合成樹脂に
より構成するとともに、この本体の内部に略Ｓ字
状に形成された鉄クリツプの一端を嵌合装着し、
この鉄クリツプの他端をボデイパネルに装着する
ことにより、安定な保持と軽量化の双方の条件を
満足するようにした縁飾り材料を提供するもので
ある。

以下にこの考案の一実施例を第３図以下の図面
に基づき詳細に説明する。

同第３図及び第５図において、この考案に係る
縁飾り材料２０は縁飾り材料本体２１及びこの本
体２１の内部に固着される略Ｓ字状の鉄クリツプ
２２とからなる。

上記本体２１は硬質塩化ビニール、ポリプロピ
レン等の比較的耐熱性のある硬質樹脂を押出成形
して得たもので、全体的にボデイパネル１の支持
フランジ部１ａ及び天井材３の側縁を覆うべくＵ
字状に形成された装飾条部２３及びこの装飾条部
２３の内側にあつて、上記支持フランジ部１ａに
近接して一体に立設されたリブ２４とからなつて
いる。

また上記鉄クリツプ２２は第４図に示すよう
に、中央片２２ａを基点として両側片２２ｂ，２
２ｃを互いに逆向きのＵ字状に曲成した全体的に
Ｓ字形をなすもので、その中央片２２ａと一側片
２２ｂ間で上記リブ２４を挾着すべく本体２１に
適宜間隔をおいて差込まれるようになつており、
かつこの状態で本体２１をボデイパネル１に装着
することによつて上記中央片２２ａの裏面と他側
片２２ｃ間を挾持部としてこの挾持部により接合
辺縁部１ａを挾着するようになつている。

更に上記クリツプ２２の両端には係止爪２５，
２５が曲成されているとともに、その中央片２２
ａ、及び一側片２２ｂには打抜き成形により得ら
れた係止舌片２６，２６が差込み方向に対して斜
めに差込まれ、かつ抜き方向には喰い込んで打け
止めされるべく斜めに夫々の挾持面に突出してい
る。

したがつて、同第３図の状態から鉄クリツプ２
２をリブ２４に差込めば、これに形成された爪２
５、係止舌片２６がリブ２４に喰い込んで抜け止
めされる。

また第５図のように接合辺縁部１ａを鉄クリツ
プ２２で挾持した場合においても上記と同様爪２
５と係止片２６によつて噛合し、抜け方向に対し
て十分な抗力が与えられることになるのである。

なお、上記本体２１の断面形状は上記実施例に
限定されるものでなく、嵌め込み箇所に応じて
種々の断面形状を与えることができる。

また本体２１の装飾的な加工は、これを構成す
る樹脂に適当な着色を施しておくとともに、押出
成形加工時にシボ付け機等により網目、梨地その
他のシボ付けを行う、或いは表皮材の添着や静電
植毛法等によるパイル植設等種々な加工を施すこ
とが可能である。

以上説明したようにこの考案に係る縁飾り材料
にあつては、そのフランジ部分等を覆う縁飾り材
料本体を合成樹脂により構成するとともに、この
本体の内部に略Ｓ字状に形成された鉄クリツプの
一端を嵌合装着し、この鉄クリツプの他端をボデ
イパネルに装着するようにしたものであるから、
縁飾り材料のフランジ部分に対する保持力は熱や
温度変化によつて劣化することなく、また上記鉄
クリツプは本体内部に適宜間隔をおいて装着され
るものであるため従来の第１、第２図に示した如
き縁飾り材料に比して大幅にその重量が軽減され
るとともに、曲面等の曲げ部分では合成樹脂の可
撓性による曲げにより簡単に曲面に沿つて添着す
ることができるなど種々の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来の縁飾り材料及びこれら
をボデイパネルの支持フランジに嵌込んだ状態を
示す断面図、第３図はこの考案に係る縁飾り材料
の分解断面図、第４図は鉄クリツプの斜視図、第
５図は同縁飾り材料の装着状態を示す断面図であ
る。 １……ボデイパネル、１ａ……支持フランジ
部、２０……縁飾り材料、２１……縁飾り材料本
体、２２……鉄クリツプ、２４……リブ、２２
ａ，２２ｃ……挾持部（２２ａ…中央片、２２ｃ
…他側片）、２５，２６……係止片（２５…係止
爪、２６…係止舌片）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パネルの接合辺縁部とその近傍を覆う合成樹脂
   押出成形体からなり、裏面にクリツプ取付用のリ
   ブを一体に突設形成した縁飾り材料本体と、前記
   パネルの接合辺縁部と、リブとをそれぞれ逆向き
   に形成したＵ字状の挾持部により挾持すべく全体
   を略Ｓ字状に曲成してなり、挾持部内側に抜け落
   ち防止用の係止舌片を形成した鉄クリツプとから
   構成したことを特徴とする縁飾り材料。