JPS6331813Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鋳型造型時に定盤上に載置された上型
または下型模型上に肌砂をセツトする際に用いら
れる枠に関する。

鋳型はその内面が溶湯に直接に接して溶湯の熱
を受けるので、特に吟味した砂を用いる必要があ
る。すなわち、その材質、成分、鋳込温度、鋳肌
の出来具合などを考慮して各条件を満足する肌砂
が種々決定される。鋳型を造型するためにあたつ
てこのような肌砂を模型に対してセツトする際、
通常の鋳型造型では定盤上に載置した模型上に肌
砂を被せ、次いで定盤上に鋳枠を載せた後裏砂を
セツトし、しかる後に定盤ごとあるいは鋳枠を反
転し上型または下型模型を取外して造型される。

このような従来の鋳型造型に際しては第１図に
示されるように定盤１上に載せられた上型または
下型模型２上に肌砂３が直接に投入されるため、
模型２の周囲の肌砂３が定盤１上に崩れるように
拡がり、その後の裏砂セツト時における鋳枠を定
盤上に載せる際のじやま（砂を噛み鋳型が不安定
になる）になり排除などの工程を必要とし、肌砂
の使用量も増大（前記排除砂は時間の経過ととも
に粘結度が変化し廃砂または再処理が必要とな
る）する欠点がある。

本考案はこのような肌砂セツト時における肌砂
の外周崩れを防止するとともに肌砂の有効利用を
図るための肌砂セツト用枠を提供することを目的
とする。

以下に本考案とその実施の一例を示す第２図を
参照して説明する。

第２図において、本考案に係る枠は、下方に向
かうに従つて末広がり状の傾斜内面９を有し、か
つその内面下端から外方に傾斜するテーパ面１０
を設けた枠体４と、枠体４の下端面に取り付けら
れた弾性材料製のリブ５からなり、このリブ５は
枠体４の下端面に接合される本体部６と、この本
体部６の枠内側端から下方に一体的に延びる枠外
側に湾曲したスカート部７とで形成され、本体部
６が固定金具８により枠体４の下端面に固定され
ている。このような枠を定盤１上に載置したと
き、スカート部７の湾曲した先端部の内側が模型
２の載せられた定盤１面と隙間を生じずに接して
上方の枠体４を支え、このとき枠の押下時の動き
代を許容する状態にある。なお、前記枠体４は通
常は木製である。

肌砂３を模型上に投入するに際し、まず前記の
ような枠を定盤１上に設置した後、肌砂３を模型
２および模型２が載せられた模型周囲の定盤１上
に所定厚さで積層されるように上方ホツパなどか
ら投入すると砂の飛散は防止され、その後図示し
ない枠体加圧装置などで枠体４を下方（垂直方
向）に加圧すると、肌砂３外周囲の上部は枠体４
の傾斜した内面９およびその下端部のテーパ面１
０で、また同時に肌砂３外周囲の下部はスカート
部７の湾曲部の湾曲度合いの高まるその模型側面
でそれぞれ肌砂外周囲が模型方向に押圧される。
さして肌砂セツト後、次工程に進むために押下加
圧を解除して枠体４を上方へ引き上げるが、肌砂
３外周部は前記のように枠体４およびリブ５の内
面によつて押圧された後であるため、解除時には
加圧前の枠セツト状態に戻つたスカート部７およ
び枠体４と肌砂３外周面との間に間隙１１が生じ
ていて枠の引き上げを容易にするとともに、引き
上げ接触による肌砂３の外周囲部が崩れるのが防
止される（第３図）。またこの被押圧状態は定盤
の移送中も有効である。なお、枠体４下端にリブ
５を設けない従来のような枠体４のみの枠を用い
た場合には、当所から枠体４の下端が定盤１に当
接した形態をとるため、枠体４の垂直下方方向の
移動は不可で、従つて前記のような枠体による肌
砂外周部への押圧作用を全く生じず、枠の引き上
げ時における砂崩れを有効には防止できず、崩れ
た砂のため次工程の裏砂セツト用枠の載置に不安
定を生み、該枠の置き部の排除清掃を余儀なくさ
れることはいうまでもない。

以上のように本考案によれば、枠体内面が下方
末広がりで、かつその下端部内面に外方に傾斜す
るテーパ面を有するとともに、該枠体の下端面の
内側端から下方に延びて枠外側方に湾曲した弾性
材料からなるスカート部を設けた構成としたた
め、枠を押下するだけで投入した肌砂の外周面の
上部から下部までを同時にかつ容易に模型方向へ
押圧することができ、肌砂セツト時の肌砂外周囲
の崩れを防止することができるとともに、押下解
除で枠はセツト状態位置に自然に戻り、枠と肌砂
周囲との間に間隙を生じ、しかも肌砂周囲面は上
部に至る程内方に傾斜しているため、枠を引き上
げる際に肌砂に触れて被押圧部を崩すおそれがな
い効果を有し、それに伴つて定盤上の崩落砂の除
去工程が不要になり作業性を良くし肌砂セツト時
のスピードアツプが図れ、次工程である裏砂セツ
ト用鋳枠と定盤間に砂噛みを生じる不都合を全く
生じないため鋳枠の傾きがなくなり、これらから
特に人手の省力化とスピードアツプを図るための
自動造型機への組み込みに適した枠を提供できる
などの副次的効果も大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による枠を用いない従来工程に
従つて肌砂をセツトした場合の概略説明図であ
る。第２図は本考案の一実施例を示す枠を用いて
肌砂をセツトした場合の概略断面説明図である。
第３図は第２図に示した実施例を用いた場合の作
用説明図である。 １……定盤、２……上型または下型模型、３…
…肌砂、４……枠体、５……リブ、６……本体
部、７……スカート部、８……固定金具Ｊ、９…
…内面、１０……テーパ面、１１……間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 枠体と、この枠体の下端面に取付けられる弾性
   材料で形成されたリブを具え、前記枠体の内面は
   下方に向かうに従つて末広がり状で、かつその下
   端部内面に外方に傾斜するテーパ面を有するとと
   もに、前記リブは枠体下端面に固着される本体部
   と、この本体部の枠内側端から下方に一体的に延
   びる枠外側に湾曲したスカート部とで構成され、
   前記スカート部の先端側部が模型の載置される定
   盤上に当接するように設置される鋳型造型時の肌
   砂セツト用枠。