JPS63317039A - 青果物及び花き類の鮮度保持剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は青果物及び花き類（以下これらを青果物類と
いう）の保存及び流通過程における鮮度保持剤に関する
ものである。

従来の技術 青果物類はその呼吸作用の際に、植物の成熟ホルモンで
あるエチレンを発生し、これが青果物類の熟成を促進す
る。殊に密閉包装状態にあっては、エチレン濃度が高ま
り、青果物類の熟成を著しく促進するので、早期のうち
に青果物類の老化、変色、軟化あるいは萎れを生じ、そ
の商品価値が低下する。

このようなエチレンによる障害を防止するために、青果
物類の容器内に天然ゼオライトやモレキュラーシープと
呼ばれる汎用の合成ゼオライトを入れ、これによって発
生するエチレンを吸着する方法が知られている。

しかしながら、これらの天然あるいは汎用の合成ゼオラ
イトは、水分の吸着性が強いため、水分が共存する青果
物類の保存にあっては、その水分の吸着によってエチレ
ンに対する吸着力が低下したり、一度吸着したエチレン
を水分の吸着の進行とともに放出するのでエチレン除去
を十分に為し得ず、比較的短時間のうちに容器内のエチ
レン濃度が増大し、青果物類の熟成が促進される難点が
あった（特開昭５５−６４７５０号公報参照）。

このような天然あるいは合成のゼオライトの欠点を解消
する手段として、ゼオライトに過マンガン酸カリウムを
含浸あるいは配合しておき、これによってエチレンを酸
化分解する方法が提案されている（特開昭５５−１５４
９０１号、同５６−１８９０１号、同５６−６８３４６
号及び同５７−４０４０１号公報参照）。

また、青果物類を収納する容器内の酸素濃度を減少させ
て青果物類の呼吸作用を抑制することにより鮮度保持を
図る方法として、例えば金属粉、第１鉄化合物、アルカ
リ金属の硫化物等の脱酸素剤を用いる方法が提案されて
いる（特開昭５５−１４１１５７号及び同５６−６１９
８１号公報参照）。

発明が解決しようとする問題点 天然あるいは合成のゼオライトに過マンガン酸カリウム
を吸着あるいは配合して発生するエチレンを酸化分解さ
せる方法によれば、酸化剤である過マンガン酸カリウム
のエチレンに対する反応が遅いので、青果物類の鮮度を
十分に保持できず、また水分濃度の高い容器の中では、
過マンガン酸カリウムが溶は出し汚染の原因になること
から食品衛生上からも好ましくない。

さらに脱酸素剤を用いる方法によれば青果物類の容器内
における酸素濃度が減少するので、青果物類の呼吸作用
の抑制と雑菌による腐敗の防止に寄与し、青果物類の鮮
度保持にある程度の効果は期待できるけれども、脱酸素
剤事態にはエチレンの除去機能が皆無であることから、
青果物類の鮮度保持剤としては十分と云えなかった。

問題点を解決するための手段 本発明者等は、このような事情に鑑み水分濃度の高い密
閉包装状態の青果物類におけるエチレンを除去し、且つ
青果物類の呼吸作用の抑制及び雑菌による青果物類の腐
敗を抑制することによって、鮮度保持効果を高めること
を意図して、種々の試験を繰り返した結果、結晶性ゼオ
ライトのうち、特に５ｉＯｚ／ＡｈＯｓのモル比が約２
５以上のものにエチレンを吸着する優れた性質があり、
且つ水分が高濃度で共存する条件下においてもエチレン
の吸着除去機能を維持できることを知見し、さらにこれ
に脱酸素剤を併用することによって、これが青果物類の
呼吸作用を抑制し且つ雑菌の繁殖による腐敗劣化を抑制
する機能を付加しうろことを見い出し、本発明を完成す
るに至った。

本発明鮮度保持剤として使用しうる結晶性ゼオライトは
、５ｔ（ｈ／＾１８０．のモル比が約２５以上のもので
あり、その代表的なものとしてはペンタシル型高シリカ
ゼオライト、必要に応じて常法による脱アルミ等の処理
によってＳｉｎｇ／ＡＩｔｏ３のモル比を約２５以上に
増大させたモルデナイト型高シリカゼオライト、Ｘ型及
びＹ型を含むフォージャサイト型高シリカゼオライト、
エリオナイト型高シリカゼオライト、オフレタイト型高
シリカゼオライト、フェリエライト型高シリカゼオライ
ト及びＬ壁高シリカゼオライト等であり、これらのうち
ＺＳＭ−５型高シリカゼオライトとして知られているペ
ンタシル型高シリカゼオライトやモルデナイト型高シリ
カゼオライト等は比較的安価に入手しうるので有利であ
る。

本発明の実施に適する高シリカゼオライトはＳｉＯｘ／
Ａｌｚ０３のモル比が約２５以上から無限大迄のものが
使用できるが、例えば５ｉＯｚ／Ａｈ０３のモル比が約
５００以上のものについては、製造コストが高くなる程
に性能面の効果には増加がみられない。

なお、高シリカゼオライトにおけるＳｉｎｇ／ＡＩｔｏ
ｓのモル比が約２５を下廻ると、水分に対する選択吸着
特性が残るため所期の鮮度保持効果が得られない。

本発明の実施においては高シリカゼオライトの１種類あ
るいは数種のものを組み合わせて使用することができる
。

本発明の実施に適する脱酸素剤としては、酸素と反応す
ることにより酸素を吸収する物質であり、例えば鉄、ア
ルミニウム等の純金属粉末及びそれらの部分酸化物、硫
酸第１鉄あるいは酸化第１鉄等の第１鉄化合物、アルカ
リ金属の水硫化物及び硫化物、アスコルビン酸及びその
塩類等の有機還元性物質などであり、これら脱酸素剤は
１種類あるいは２種類以上を組み合わせて使用すること
ができる。

本発明の実施に当たっては、高シリカゼオライトと脱酸
素剤との配合割合は、任意に設定することができるが、
通常、重量比で高シリカゼオライト対脱酸素剤を３ニア
の範囲とするのが好適であり、必要に応じてこれらに高
分子吸水剤、天然または合成の汎用ゼオライトあるいは
塩化カルシウムやシリカゲルなどの吸湿剤、ケイ酸カル
シウム、重炭酸ソーダなどの増量剤、活性炭などの脱臭
剤等の青果物類の鮮度保持に補助的な効果を与える添加
物を混合しても良い。

本発明鮮度保持剤は粉末状または顆粒状もしくはペレッ
ト状として用いることができ、その用法は容器内に直接
投入する方法、通気性の袋に収納して容器内に入れる方
法、シート状に成形して用いる方法が一般的である。

本発明鮮度保持剤の使用量は、青果物類の種類によって
多少変化すべきであるが、通常青果物類１ｋｇに対して
有効成分を１〜２０ｇの範囲として用いるべきである。

本発明の鮮度保持剤はすべての青果物類に適用しうるも
のであり、特に、梨、バナナ、りんご、メロン、ぶどう
、さくらんぼ、柿、イチゴ、桃、柑橘類、トマト、青梅
、はうれん草、キャベツ、レタス、ピーマン、アスパラ
ガス、ブロッコリー、セロリ、カーネーション、ばら、
菊などに好適である。

作用 本発明鮮度保持剤における結晶性高シリカゼオライトは
、優れたエチレンの吸着性能を有し、水分が高濃度で共
存する条件下においてもエチレンの吸着作用が殆ど影響
されない特異な挙動を示す。

その現象及び理由について、理論的に解明する迄には至
っていないが、後述の参考例に示した試験結果からその
事実を確認した。また脱酸素剤の作用については、特開
昭５５〜１４１１５７号、同５６−６１９８１号公報等
に記載されているとおり、包装容器内の酸素濃度を低減
できることから、包装容器内に密閉収納された青果物類
の呼吸作用（酸素を吸収して炭酸ガスを放出する）を抑
制することにより、青果物類の生理作用が不活発となっ
て、その老化を妨げるとともに、青果物類に付着したり
あるいは雰囲気の大気中に存在する主として好気性の雑
菌が繁殖して、青果物類が腐敗することを抑制するもの
と考えられる。

参考例 容積３００ｃｃのガラス製密閉容器に、乾燥処理した試
料を１ｇ入れたのち、シリンジを用いてエチレン０．１
５ｍ　１２を注入し、容器内のエチレン濃度を５００ｐ
ｐｍとした。この状態で容器を２０°Ｃの温度に保ち１
．５時間のち、容器内のガスをサンプリングし、さらに
容器の内壁に２０°Ｃの温度で露が出始める迄水分を噴
霧状で注入し、１．５時間この状態を保ったのち、容器
内のガスをサンプリングした。

サンプリングしたガスは、その都度ガスクロマトグラフ
を用いてエチレン濃度を測定した。

試料として種々のゼオライト及び活性炭を用いて、同様
の試験を繰り返した。

第１表はその試験結果を示したものであり、特に表中試
料阻７〜Ｎα９に掲げた５ｉ（ｈ／＾ｈ０３モル比が通
常型のゼオライトの場合は水分が高濃度で共存すると一
度吸着したエチレンの殆ど全てを気相中に再放出し、エ
チレンの再吸着はほとんど起こ第１表 なお、第１表中の阻１〜に６において使用した高シリカ
ゼオライトのカチオンは水素（Ｈ）であるが、ＮａやＫ
のようなアルカリ金属イオン、Ｃａなどのアルカリ土類
金属イオン、ＦｅやＡｇのような金属イオンなどに置換
したものも同様の結果であった。

これらの試験結果から、本発明の鮮度保持剤に使用する
結晶性高シリカゼオライトは、水分による影響を殆ど受
けず、エチレンに対して優れた吸着性能を示すことが認
められた。

実施例１ 小梅（徳島県産、品種：体製）　　１．５ｋｇを容積５
１のガラス製容器に入れ、それぞれの試料３ｇを通気性
不織布の袋に入れ、これを容器内に密閉し、２３°Ｃの
温度で３日間放置したのち、容器内のガスをサンプリン
グして、エチレン濃度、酸素濃度及び炭酸ガス濃度をガ
スクロマトグラフによって測定した。

なお、エチレン濃度の測定にはＦＩＤ型検出器を用い、
酸素及び炭酸ガスの測定にはＴＣＤ型検出器を用いた。

またこれらガス濃度の測定とともに外観検査を行った。

この試験結果は、第２表に示したとおりであった。

第２表 注） 磁１はモルデナイト型高シリカゼオライト（ＳｉＯｚ／
＾ＩｚＯｓモル比４２）５重量部と鉄粉５重量部との配
合物 Ｎａ２はＹ型高シリカゼオライト（ＳｉＯ２／Ａ１ｚＯ
ｉモル比３９）５重量部と鉄３９重量部との配合物！ｌ
ｈ３はＺＳＭ−５型高シリカゼオライト（ＳｉＯｚ／Ａ
ｌｚ０３モル比４３）５重１部と鉄粉５重量部との配合
物Ｎα４はモルデナイト型高シリカゼオライト（ＳｉＯ
＊／ＡＩ！０３モル比４２）４重量部と硫酸第１鉄６重
量部との配合物 Ｎａ５はＺＳＭ−５型高シリカゼオライト（ＳｉＯよ／
Ａｌ２Ｏ、モル比４３）６重量部と硫酸第１鉄４重量部
との配合物 阻６は鉄粉 Ｎａ７はモルデナイト（Ｓｉ（ｈ／ＡｈＯｓモル比１５
）５重量部と鉄粉５重量部との配合物 Ｎ１１ｋＢは天然ゼオライト（クリノプチロライト）５
！量部と鉄粉５重量部との配合物 ＮｃＬ９はブランク この試験結果から、試料として結晶性高シリカゼオライ
トと脱酸素剤との配合物は、他のものに比べ遥かに優れ
た鮮度保持効果が認められた。

実施例２ イチゴ３００ｇを透明のポリエチレン袋に密閉包装する
際に、試料３ｇをそれぞれ通気性不織布の袋に入れて同
封し、２３°Ｃの温度で４日間保存したのち、外観検査
を行った。この試験結果は第３表に示したとおりであっ
た。

第３表 注） Ｎ１１Ｌｌはモルデナイト型高シリカゼオライト（Ｓｉ
Ｏ□／＾１２０、モル比４２）５重量部と鉄粉５重量部
との配合物 阻２はＹ型高シリカゼオライト（ＳｉＯ□／ＡｈＯｓモ
ル比３９）５重量部と鉄粉５重量部との配合物１１ｋ１
３はＺＳＭ−５型高シリカゼオライト（Ｓｉｎｇ／Ａｈ
０３モル比４３）５重量部と鉄粉５重量部との配合物隘
４はモルデナイト型高シリカゼオライト（Ｓｉ（ｈ／Ａ
ｌ２Ｏ、モル比４２）４重量部と硫酸第１鉄６重量部と
の配合物 に５はＺＳＭ−５型高シリカゼオライト（Ｓｉｎｇ／Ａ
ｈ０３モル比４３）６重量部と硫酸第１鉄４重里部との
配合物 Ｎα６は鉄粉 １１１［Ｌ７はモルデナイト（ＳｉＯｚ／Ａｈ（ｈモル
比１５）５重量部と鉄粉５重量部との配合物 阻８は天然ゼオライト（クリノプチロライト）５重量部
と鉄粉５重量部との配合物 Ｎα９はブランク この試験結果から、試料として結晶性高シリカゼオライ
トと脱酸素剤との配合物は、他のものに比べ遥かに優れ
た鮮度保持効果が認められた。

発明の効果 この発明によれば青果物類の鮮度を長期間に亘って保持
し得るので、長距離輸送や出荷時期の調節ができるなど
物流過程を著しく改善でき、また手続補正書（自発）（
３） 昭和６２年７月ＺＳ日 昭和６２年特許願第１５４０３７号 ２、　発明の名称 青果物及び花き類の鮮度保持剤 ３、補正をする者 ）、 レ 一ノ ４、補正の対象 明細書の発明の詳細な説明の欄 ５、補正の内容 （リ　明細書第３真下から２行目の「脱酸素剤事態」を
「脱酸素剤自体」に補正する。

（２）同第５頁８行目の「高シリカゼオライトとして知
られている」を「高ノリカゼオライドなどとし同第６頁
下から６行目以下の「高シリカゼオライト対脱酸素剤３
ニアの範囲とする・・・・・・」を「高シリカゼオライ
ト対脱酸素剤を３ニア〜７：３の範囲とする・・・・・
・」に補正する。

以上 １、事件の表示 昭和６２年特許願第１５４０３７号 ２、発明の名称 青果物及び花き類の鮮度保持剤 ３、補正をする者 事件との関係：特許出願人 ４、補正の対象 明細書の発明の詳細な説明の欄 ５、補正の内容 明細書第１４頁における第３表中の「過熱果」を「過熟
果」に補正する。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ＳｉＯ＿２／Ａｌ＿２Ｏ＿３のモル比が約２５以上の結
   晶性高シリカゼオライトと脱酸素剤とを必須の有効成分
   とする青果物及び花き類の鮮度保持剤。