JP2633302B2 - エチレン除去剤及び該エチレン除去剤を用いた青果物の鮮度保持方法 - Google Patents

エチレン除去剤及び該エチレン除去剤を用いた青果物の鮮度保持方法

Info

Publication number
JP2633302B2
JP2633302B2 JP15212788A JP15212788A JP2633302B2 JP 2633302 B2 JP2633302 B2 JP 2633302B2 JP 15212788 A JP15212788 A JP 15212788A JP 15212788 A JP15212788 A JP 15212788A JP 2633302 B2 JP2633302 B2 JP 2633302B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
fruits
vegetables
palladium chloride
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP15212788A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH024443A (ja
Inventor
郁男 堀井
郁夫 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOPII KOGYO KK
Original Assignee
TOPII KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOPII KOGYO KK filed Critical TOPII KOGYO KK
Priority to JP15212788A priority Critical patent/JP2633302B2/ja
Publication of JPH024443A publication Critical patent/JPH024443A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2633302B2 publication Critical patent/JP2633302B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、新規エチレン除去剤及び該エチレン除去
剤を使用する青果物の鮮度保持方法に関するものであ
る。
「従来技術及びその問題点」 従来、青果物の鮮度保持方法としては、低温貯蔵、CA
貯蔵、フィルム包装等による密閉貯蔵などの方法が利用
されている。そして青果物の品質に影響を及ぼす貯蔵・
物流時の環境要因には、温度、湿度、ガス濃度、微生
物、光などがあり、これらが相互に関連して青果物の品
質を低下させる。
このなかで、フィルム包装等による密閉貯蔵の基本的
効果のひとつは、青果物の呼吸作用により、包装内部の
ガス条件を低酸素濃度、高二酸化炭素濃度の状態にする
ことにより、その呼吸活動を緩慢にして青果物の成熟を
抑制することにある。また、この方法は青果物から蒸散
する水分を保持し、青果物の環境を多湿度条件に維持す
ることができ、青果物からの水分蒸散を抑制し、しおれ
などによる鮮度低下を防ぐことができる。しかしながら
この方法は、青果物の適正保存保存条件を簡易的にまた
安価に作りだす利点がある反面、青果物の中には保存中
に植物の成長ホルモンとして知られるエチレンを包装内
で発生するものがあり、これが青果物の成熟を促進し、
更にエチレンを発生して加速度的に成熟を促進され、果
色の変化、軟質化、風味が悪くなるなどの鮮度低下が生
じ、青果物の商品価値が損なわれるという現象が生じ
る。従って、上記密閉貯蔵の場合、該容器内のエチレン
を除去できれば、青果物の自己成熟を抑制でき、貯蔵期
間を延長することが可能となる。
このような目的でのエチレン除去剤としては、過マン
ガン酸カリを主成分としたもの、活性炭に臭素を吸着さ
せたもの(特公昭55−50451号公報、特開昭54−70457号
公報)、また活性炭やゼオライトなどの吸着能を利用し
たもの、などがある。しかし過マンガン酸カリは人体に
対し有害物であり、危険物でもある。また、臭素とエチ
レンが反応した臭化エチレンも有害性があり、いずれも
包装内部に青果物と共存させるのは不適当である。ま
た、活性炭やゼオライトなどの単なる吸着材では、エチ
レンの吸着除去能に欠け、包装内のエチレンを完全に除
去するには多量の吸着剤を必要とする。更に、これらの
剤は、湿度の高い所で使用すると水分の影響を著しく受
けエチレン除去能が低下するという欠点が生じる。ま
た、最近特公昭61−25340号公報に、エチレン除去剤と
して、塩化パラジウムを添着させた活性炭を存在させる
青果物の鮮度保持方法が提案されている。しかして、こ
の方法は、青果物の鮮度保持にはある程度の効果を発揮
するが、耐水性に劣り、実際の青果での使用状況におけ
る多湿状況下ではエチレン除去能が著しく低下し、即効
性に欠ける等、十分満足すべきものではない。
「問題点を解決するための手段」 本発明者等は、この点に着目し鋭意研究の結果、活性
白土あるいはシリカに、塩化パラジウムを添着させてな
るエチレン除去剤が多湿状況下でも良好なエチレン除去
能を示し、しかも即効性で持続的に効力を示すことを見
出し、本発明に到達した。
本発明のエチレン除去剤は、活性白土あるいはシリカ
に、塩化パラジウムを添着させてなることを特徴とす
る。
また本発明は、活性白土あるいはシリカに、塩化パラ
ジウムを添着させてなるエチレン除去剤を密閉容器内に
青果物と共存させることを特徴とする。
従来塩化パラジウムを活性炭やアルミナに添着したも
のは知られていたが、これらは本願発明の使用条件下で
ある常温・多湿環境下では、いずれも十分満足できるも
のではない。本願発明は、塩化パラジウムを活性白土、
あるいはシリカに添着することによって、特に多湿状況
下でもエチレン除去能に優れ、しかも即効性のエチレン
除去剤が得られるという驚くべき事実を見出しなされた
ものである。
本発明においては、活性白土、あるいはシリカを担体
として使用し、これに塩化パラジウムを添着する。これ
に用いる活性白土の原料としてはモンモリロナイトのほ
かに、ハロイサイト鉱物、カオリナイト、イライト、セ
リサイト、海緑石、アパタルジャイト、膨潤性合成雲母
などの粘度鉱物を用いることができ、これに通常の鉱酸
(主に硫酸)処理を行なえばこの種目的の活性白土が得
られる。このなかで、モンモリロナイトを主成分とする
ベントナイトや酸性白土、あるいはカオリナイトが特に
好ましい。また酸性白土あるいはカオリナイトは、産出
地により酸処理をしなくてもある程度の効果を示すもの
がある。
また、これに用いるシリカについては、シリカゲル、
シリカガラスのような非晶質のものは不適当で、比表面
積100m2/g以上の多孔質シリカであればよく、特に比表
面積200m2/g以上のものが好ましい。また、シリカのな
かにアルミナをSiO2 1に対し0.8の範囲まで含んだもの
でも比表面積100m2/g以上、好ましくは200m2/g以上の多
孔質のものならよい。しかしアルミナの含有量がこの範
囲以上になると効果が著しく落ちる。
本発明における塩化パラジウムの添着量は、担体に対
し、0.01〜10wt%、好ましくは0.1〜1.0wt%であり、あ
まり少なすぎると本発明の効果を発揮しない。また多す
ぎても効果が比例するわけではないので不経済である。
塩化パラジウムを担体に添着させるには、例えば塩化パ
ラジウム塩酸溶液に担体を加えて混合し、十分乾燥すれ
ば本発明のエチレン除去剤が得られる。このようにして
得られた本発明のエチレン除去剤を密閉容器内の青果物
と共存させることにより、青果物の鮮度が効果的に保持
される。
本発明のエチレン除去剤の使用量は、エチレン除去剤
の種類及び青果物の種類、量、梱包形態によって異なる
が、一般的には、青果物1Kg当り、0.05〜20g、好ましく
は0.1〜5gである。
本発明に使用する密閉容器としては、この種目的に使
用される公知のものを使用すればよい。たとえば低密度
ポリエチレンなどのプラスチックフィルムによる密閉包
装あるいはハンカチ包装、ダンボール箱に樹脂あるいは
プラスチックフイルム、アルミニウム箱などをラミネー
トした気密性紙材による梱包容器などがある。また、冷
蔵庫、保冷庫、CA貯蔵庫などの貯蔵庫も本発明に使用す
る密閉容器に含まれる。本発明のエチレン除去剤を密閉
容器内の青果物と共存させる方法は、一般的に食品用乾
燥剤で使用されているパック状あるいはシート状の形態
で存在させる。また、密閉容器資材あるいは青果物の緩
衝用資材に固定して存在させるなど種々の方法が可能で
ある。本発明の青果物の種類、品種などは限定されるも
のではないが、カキ、スダチ、カボス、ナシ、チンゲン
サイ、青ウメ、切り花、リンゴなどに好ましく適用でき
る。
「実施例」 次に本発明の実施例を示し、本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1 塩化パラジウム1.66gに水150mlおよび塩酸(1+2)
2mlを加え加熱溶解し、冷却後さらに水を加え全量を200
mlとした。この溶液より所定量を分取し、担体を加え十
分混合した後120℃で乾燥して、各々塩化パラジウム0.2
5wt%添着した試料を得た。担体としてのシリカは、日
揮化学(株)製(比表面積320m2/g)を、また活性白土
は、水沢化学工業(株)製(比表面積320m2/g、SiO278
%、Al2O310%)を用いた。活性炭は比表面積が、1000m
2/gのものを使用した。
上記試料1gを1テトラバックに入れて密封し、エチ
レンガス(200ppm)800mlを封入し、エチレン残留濃度
の変化を測定した。その結果を表1に示す。尚、試料は
乾燥後デシケーター中で冷却した後直ちに測定に供し
た。
この結果より、本発明のエチレン除去剤は、塩化パラ
ジウム添着活性炭と比較して極めて即効的にエチレンガ
スを除去していることがわかる。
実施例2 実施例1と同じ方法で塩化パラジウム0.25wt%添着し
たシリカ、および活性炭1gを1テトラバックに入れて
密封し、濃度の高いエチレンガス(1000ppm)を封入
し、残留エチレンがなくなったら新たにエチレンガス
(1000ppm)800mlと入れ替える操作を繰り返しエチレン
残留濃度の経時変化を測定した。その結果を表2に示
す。尚、試料は乾燥後デシケータ中で冷却した後直ちに
測定に供した。
この結果より、本発明のエチレン除去剤は、塩化パラ
ジウム添着活性炭と比較して、その除去能の持続性にお
いて極めて優れていることがわかる。
実施例3 塩化パラジウム添着量を0.25wt%、0.5wt%、1.0wt%
に変え、実施例1と同様に調整して得た各試料1gを室内
に4日間放置し、これを1テトラバックに入れて密封
し、エチレンガス(200ppm)800mlを封入し、エチレン
残留濃度の経時変化を測定した(以下、常湿試験とい
う)。また、試料1gを水を張ったデシケーター中に7日
間放置した後、水5ml含水紙を共存させた1テトラバ
ックに入れて密封し、エチレンガス(200ppm)800mlを
封入し、エチレン残留濃度の経時変化(以下多湿試験と
いう)を測定した。結果を次表3に示す。
この結果から、塩化パラジウム添着活性炭は、湿度の
影響を受けエチレン除去能が著しく劣化した。これに対
し本願発明のエチレン除去剤は、多湿試験においても極
めて良好にエチレンを除去している。
実施例4 8月10日に収穫したスダチ(徳島県産)約1kg(40果
入)を30μmポリエチレンフィルムでハンカチ包装し、
その中へ実施例1の方法で塩化パラジウムを0.25wt%添
着したシリカおよび活性白土10gを入れ、さらにこれを
蓋付き段ボール箱(C−1式)に入れ、室内で貯蔵し
た。貯蔵開始後20日、40日、2ヶ月後に各々開封し、収
穫時の緑色が保たれずに果面の20%以上が黄化した果
数、および腐敗の発生した果数を調べた。結果を次表4
に示す。
実施例5 11月9日に収穫した富有ガキ(岐阜県産)12果(約3K
g)を厚み80μmのポリエチレン袋に入れ、このなかへ
実施例1の方法で得た塩化パラジウム0.25wt%添着した
シリカおよび活性白土20gを入れ、ゴムバンドで密封
し、さらにダンボール箱に入れた。各試験区5ケース
(合計60果)調整し、これを室内で30日間貯蔵した後、
開封し品質を調べた。結果を次表5に示す。
*1 数字は対象果数を示す。
*2 果皮の褐色化の判定は目視で行ない下記内容で分 類した。
◎ 収穫時とほとんどかわらない。
○ 収穫時よりやや赤色が進んでいるが商品性は十分 ある。
△ 赤色が進み商品性の有無を判定しにくい。
× 商品にならない。
*3 果肉の軟化の判定は指触で行ない下記内容で分類 した。
◎ 収穫時とほとんどかわらない。
○ 収穫時よりやや軟化が進んでいるが商品性は十分 ある。
△ 軟化が進み商品性の有無を判定しにくい。
× 商品にならない。
「発明の効果」 以上述べた如く本発明のエチレン除去剤は、特に実際
の青果での使用状況における多湿環境下でも優れたエチ
レン除去能を示し、しかもこのエチレン除去能が即効性
で且つ持続性があるなど従来のこの種エチレン除去剤に
は全く見られない著しい効果を示すので、このエチレン
除去剤を使用した青果の鮮度保持方法は従来にない絶大
なる効果を発揮する。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性白土あるいはシリカに、塩化パラジウ
    ムを添着させてなることを特徴とするエチレン除去剤。
  2. 【請求項2】活性白土あるいはシリカに、塩化パラジウ
    ムを添着させてなるエチレン除去剤を、密閉容器内の青
    果に添加することを特徴とする青果物の鮮度保持方法。
JP15212788A 1988-06-22 1988-06-22 エチレン除去剤及び該エチレン除去剤を用いた青果物の鮮度保持方法 Expired - Lifetime JP2633302B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15212788A JP2633302B2 (ja) 1988-06-22 1988-06-22 エチレン除去剤及び該エチレン除去剤を用いた青果物の鮮度保持方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15212788A JP2633302B2 (ja) 1988-06-22 1988-06-22 エチレン除去剤及び該エチレン除去剤を用いた青果物の鮮度保持方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH024443A JPH024443A (ja) 1990-01-09
JP2633302B2 true JP2633302B2 (ja) 1997-07-23

Family

ID=15533651

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15212788A Expired - Lifetime JP2633302B2 (ja) 1988-06-22 1988-06-22 エチレン除去剤及び該エチレン除去剤を用いた青果物の鮮度保持方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2633302B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03228639A (ja) * 1990-02-05 1991-10-09 Nippon Zeon Co Ltd 園芸作物成長促進物質の除去剤及び園芸作物の鮮度保持方法
JPH03280827A (ja) * 1990-03-09 1991-12-11 Toray Ind Inc エチレン除去剤及びその使用方法
TWI481498B (zh) * 2013-12-27 2015-04-21 Plastics Industry Dev Ct 蔬果保鮮材料及其製造方法
JP6837828B2 (ja) * 2016-12-26 2021-03-03 太陽化学株式会社 低温酸化触媒

Also Published As

Publication number Publication date
JPH024443A (ja) 1990-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1100355A (en) Freshness keeping agent for vegetables and fruits
US4256773A (en) Brominated carbonaceous molecular sieve and method of use therefor
Akamine Preventing the darkening of fresh lychees prepared for export
US4235750A (en) Container for prevention of postharvest decay, maturation and senescense of harvested crops
KR100788874B1 (ko) 농산물의 신선도 유지를 위한 다기능 포장재의 제조방법 및 그에 의해 제조된 포장재
US20140272039A1 (en) Reactive ethylene absorber
JP2633302B2 (ja) エチレン除去剤及び該エチレン除去剤を用いた青果物の鮮度保持方法
US3946118A (en) Process for retaining freshness of fruits, vegetables and cereals
JP2020516548A (ja) 包装フィルム
US20230062559A1 (en) Humidity control material for fruits and vegetables, storage container for fruits and vegetables, and methods of preserving fruits and vegetables
JPS6120254B2 (ja)
EP0491767B1 (en) Absorbent material and uses thereof
JP2011036191A (ja) 青果物又は花卉類の鮮度保持材
JP4821100B2 (ja) ニンニクの発芽発根抑制方法
JPS6227785B2 (ja)
JPH0120842B2 (ja)
CA2011748C (en) Method of preventing after-ripening or aging of fruit and vegetables
JP2002186420A (ja) 青果物又は花卉の鮮度維持方法
Taechutrakul et al. Development of recycled paper-based ethylene scavenging packages for tomatoes
JPS6126332B2 (ja)
KR200435990Y1 (ko) 농산물의 신선도 유지를 위한 다기능 포장재
Matche Packaging aspects of fruits and vegetables
SU1457850A1 (ru) Способ хранени растительной продукции
KR820000531B1 (ko) 야채, 과물의 선도보지제(鮮度保持劑)
JPH0420277A (ja) 鮮度保持シートの製法及び使用方法