JPS6330498Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、金属加工機械等の操作、或は清掃時
に排出されるクーラント等の排液を処理槽を導入
し、上記処理槽に導入された排液中に混入してい
る非磁性並に磁性異物を排液中から分離して取除
く機能を果す磁気式液中異物分離装置に配して、
上記装置の分離機能を向上するために、上記装置
に装着する液流分流ガイドに関するものである。

〈従来技術〉 本考案の基礎をなす磁気式液中異物分離装置の
基本的構造は、第１図に示す如く処理液導入部１
ａから分離した異物を排泄する排泄孔１ｂと処理
液放流孔１ｂをもつ処理槽１の底部に、排泄孔１
ｂ側一方の端を立上り面として構した磁石板２を
敷設し、この磁石板面に沿つてフライドバー４を
上記排泄孔１ｂ側に向つて移動するよう無端チエ
ーンコンベア３を懸架して張設してある。図中５
はフライドバー４を配した無端チエーンコンベア
駆動装置である。

この磁気式液中異物分離装置は、処理槽１中に
処理液導入部１ａからクーラント等の排液を導入
する。導入された排液中に混入する切紛、鉄紛等
の磁性異物は、処理槽１底部に敷設された磁石板
２の面に引着沈積させ、これを磁石板２両側に張
設されて排泄孔１ｂ側に向つて移動する無端チエ
ーンコンベア３に取付けられたフライドバー４に
よつて掻き取り、これを処理槽１の排泄孔１ｂか
ら排泄し、これらの異物を取除き、排泄した後の
処理液を放流孔から放流する機能を果すものであ
る。

〈考案が解決しようとする問題点〉 この磁気式液中異物分離装置に関しては、その
機能を高める考案として実開昭54年第34483号公
報に示すような出願がなされているが、本願は更
に、この機能を高める考案として、先に実願昭55
年第67803号の磁気式液中異物分離装置に取付け
られる液流分流ガイドについて、出願したが、本
願は、更にこれを簡易化し、異物分離機能を高め
ようとするものである。

〈問題解決のための手段〉 以下、本考案にかかる磁気式液中異物分離装置
の処理槽１に装着する液流分流ガイド６の構成を
説明する。

外形が、蒲鉾型、その他円錐型等、分流機能を
もたせた中空体の内側に、底辺をほぼ水平とした
中空の仕切室を設け、且つ、該仕切室に排水管の
流出口をのぞませて成るものである。

〈実施例〉 以上の如く構成した液流分流ガイド６を、磁気
式液中異物分離装置の処理槽１に装着するには、
上記の如く処理槽１底部に敷設された磁石板２の
面に、チエーンコンベア３に取付けられたフライ
トバー４が摺動するだけの間隔をあけて、液流分
離ガイド６の底辺６ａが上記磁石板２面と平行に
なるよう適宜の手段で配置固定する（第１図）。

そして、上記した液流分流ガイド６に取付けら
れた排水管８先端には、例えば、Ｌ字型に形成し
た継手管１０の一方を継ぎ、継手管の他方には処
理液を処理槽外に排出する排水導管を継ぎ、これ
から処理液を処理槽外に排出するようにする。

このように、液流分流ガイド６を装着して成る
磁気式液中異物処理装置の処理槽１中に、上記し
たクーラント等の廃液を、継続して導入部１ａよ
り導入するときは、上記廃液は処理槽１底面に敷
設された磁石板２を水没し、順次その水かさを増
して、液流分流ガイド６も水没するようになる。

液流分流ガイドを水没するに先だち、処理槽１
中に導入された廃液は、処理槽底面に敷設された
磁石板２の面と、水没すると磁石板２面から少間
隔をあけて配置された液流分流ガイド６の底辺６
ａを通過して液流分流ガイド外体内側に形成され
た仕切室７に浸入するが、同時に上記外体と仕切
室７のすき間Ａにも浸入し、そのすき間Ａに入つ
ている空気ａを圧縮し、或る程度浸入した後は圧
縮された空気ａの圧力でそのすき間には廃液ｂは
入らなくなる。すなわち、このすきまＡは廃液ｂ
で埋めたことになる。それ以後はそのすき間を充
満した廃液ｂの下を通つて仕切室７だけに流入す
ることになる。（第３図参照） 上記状態の液流分流ガイド６の底辺６ａを通つ
て仕切室７に侵入した廃液は、これが上記仕切室
の頂面に達した後は、次で排水管８の基部開口に
よつて形成された流水口９を上昇して、継手管１
０を通つて排水管（図示せず）に溢水して、これ
から排出されることになる。

上記したように、磁気式液中異物分離装置の処
理槽に導入された廃液は、処理槽外に排出される
過程で、必ず処理槽に敷設された磁石板面と、こ
の磁石板面に狭い間隔で平行に配された上記状態
の液流分流ガイドの底辺の間を通過することにな
る。

〈作用〉 この磁石板面と、平行に配された上記状態の液
流分流ガイドの底辺を廃液が通過する過程で、廃
液中に混入した磁性異物に対し、処理槽底部に敷
設された磁石板の磁力は、特に有効に作用して、
これを上記磁石板面に強制引着し、磁石板面に集
積することになる。

廃液中に混入されている非磁性異物も自重によ
り、この集積された磁性異物に混つて、磁石板面
に沈下して集積されることは勿論である。

そして、これらの異物を磁石板面に強制引着し
て分離された処理廃液は、上記状態の液流分流ガ
イドの底辺を通つて仕切室に流入し、仕切室に流
出口８ａをのぞませた排水管８から槽外に流出す
る。

上記した磁石板面に集積された廃液中の磁性、
並びに非磁性異物は、磁石板側面に配されたチエ
ーンコンベアに取付けられたフライドバー４が、
チエーンコンベア３の移動により摺動移動する
際、これを磁石板面から分離して、フライドバー
４の摺動移動に従つて処理槽外に排出する。

〈効果〉 本考案は、以上のように、底部に磁石板を敷設
した処理槽中に導入された廃液を、上記磁石板に
少間隔に保つて、平行に配された液流分流ガイド
の底辺の間を通過させて、液流分流ガイドの内側
に形成された仕切部７に導き、これから排水管を
通して排水しようとするものであるから、この磁
石板面に平行に配される液流分流ガイドの外体と
その内側に設けられる仕切室のすき間Ａはなるべ
く広くとつて、廃液で埋め、以後の廃液が磁石板
と、この液流分流ガイドのすき間Ａの間を通過す
る長さを長くとることが望ましい。

本考案は上記の如きものであるから、処理槽中
に導入された廃液に混入された異物、特に磁性異
物を、有効に磁石板面に引着して、これを分離し
た廃液処理をすることができる。

本考案は、上記の如く外形が、蒲鉾型、円錐型
に構成したが、本考案に考えいたる前に、本考案
者は、第４図に示すように、平板１１の中央部に
くぼみ１７を設け、これに排水管８の基部を貫通
して開口し流出口９を形成してなる液流分流ガイ
ドを実験的に作つてみたことがあるが、これでは
上記くぼみ１７の上面、平板面にも廃液中に混入
した磁性異物、非磁性異物の沈降物がたまり、そ
れが永い間には腐廃して所期の目的を達すること
ができなかつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、磁気式液中異物分離装置の処理槽の
基本構造を示す断面図、第２図は、磁気式液中異
物分離装置の処理槽に配する本考案にかゝる液流
分流ガイドの一部切欠斜面図、第３図は第２図の
断面図、第４図は、本考案の実験基礎となつた液
流分流ガイドの切欠斜面図。 １……処理槽、２……磁石板、３……チエーン
コンベア、４……フライドバー、５……チエーン
コンベア駆動装置、６……液流分流ガイド、７…
…へこみ部、８……排水管、９……流路、１０…
…継手管、１１……平板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外形が、蒲鉾型、その他円錐型等、分流機能を
   もたせた中空体の内側に、底辺をほぼ水平とした
   中空の仕切室を設け、且つ、該仕切室に排水管の
   流出口をのぞませて成ることを特徴とする磁気式
   液中異物分離装置の処理槽に配置する液流分流ガ
   イド。