JPS6329069Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は屋根の棟構造に関する。

従来の屋根の棟構造にあつては、湿式施工によ
り平板瓦を重ねその上に棟瓦を載せて構成されて
いたので、施工性が悪いという問題があつた。

本考案は上記の点に鑑みて為されたものであつ
て、その目的とするところは平板瓦を重ねなくと
も段積みの外観を引き出せ、しかも乾式施工でき
て施工性も向上できる屋根の棟構造を提供するに
ある。

本考案の要旨は、横片１と縦片２とで棟部の長
さ方向に長い断面Ｌ字状の棟役物３を形成すると
ともに縦片２外側面に棟部の長さ方向に長くなつ
た溝条４を縦方向で複数本並設し、この棟役物３
を縦片２を外側にして横片１で棟部の左右一対の
瓦棧６に瓦棧６の外側側に水切り用空間１５を形
成するようにして夫々固定し、棟役物３を跨いで
棟瓦５を載設して成る屋根の棟構造に係るもので
ある。以下、本考案を図示の実施例に基づいて詳
述する。３はセメント系材料（例えば石綿セメン
ト）で成形された棟設物であつて、長尺物となつ
ている。棟役物３は横片１と縦片２とで構成され
てあり、縦片２の外側面には縦方向に複数本の溝
条４が凹設されてあり、この溝条４は棟部の長さ
方向に長く形成されてある。５は棟役物３と同質
の材料で成形された棟瓦であつて、第２図ａ，ｂ
のように素丸や紐丸形状となつてある。

第３図は棟役物３および棟瓦５の施工状態を示
してある。棟部の左右に一対の瓦棧６が配されて
あり、棟役物３は打釘７にて瓦棧６の外側側に水
切り用空間１５を形成するようにして瓦棧６に
夫々固定されてある。棟瓦５は一対の棟役物３に
跨がつて配されてあつて棟木９に棟釘８にて固定
されてある。棟役物３および棟瓦５には釘孔をあ
らかじめあけておくと施工がしやすくなる。第４
図は切妻屋根の施工例、第５図は寄せ屋根の施工
例を示してある。第４図では棟役物３を軒先瓦お
よびけらば瓦として用いてあり、この場合の施工
例を第６図に示す。第６図ａは棟先部の施工説明
図であつて、軒先の野地板１０に棟役物３を打釘
７等で固定し、その上に軒先下瓦１１および平板
瓦１２を葺設してある。第６図ｂはけらば部の施
工説明図であつて、登り木１３に棟役物３を固定
してある。１４は金属水切板である。

本考案は叙述のように、横片と縦片とで棟部の
長さ方向に長い断面Ｌ字状の棟役物を形成すると
ともに縦片外側面に棟部の長さ方向に長くなつた
溝条を縦方向に複数本並設し、この棟役物を縦片
を外側にして棟部の左右一対の瓦棧に瓦桟の外側
側に水切り用空間を形成するようにして夫々固定
し、棟役物を跨いで棟瓦を載設したので、複数の
溝条にて棟役物の外観がのし瓦を重ねたようにな
つて重量感が引き出され、しかも棟役物は瓦棧に
固定するだけで水切り用空間を形成させて水切り
処理も済んで施工性も良いという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本考案の棟役物の斜視図および
断面図、第２図ａ，ｂは同上の棟瓦の斜視図、第
３図は同上の施工状態を示す断面図、第４図およ
び第５図は屋根の全体図、第６図ａ，ｂは棟役物
の他の使用例を示す斜視図および断面図。 １は横片、２は縦片、３は棟役物、４は溝条、
５は棟瓦、６は瓦棧、１５は水切り用空間であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横片と縦片とで棟部の長さ方向に長い断面Ｌ字
   状の棟役物を形成するとともに縦片外側面に棟部
   の長さ方向に長くなつた溝条を縦方向で複数本並
   設し、この棟役物をその縦片を外側にして横片で
   棟部の左右一対の瓦桟の外側側に水切り用空間を
   形成するようにして夫々固定し、棟役物を跨いで
   棟瓦を載設して成る屋根の棟構造。