JPS6328899Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、各種携帯品等の被吊下げ物を肩に吊
下げる場合に使用される吊下げベルトに関する。

（従来の技術） たとえばカメラ、カメラアクセサリーなどを持
ち運ぶためにカメラ用ストラツプとよばれる吊下
げベルトが使用されている。この吊下げベルト
（以下、単にストラツプという）は普通幅の狭い
ひも状で形成されているが、それ以外に肩にあた
る部分を幅広な帯状で形成したものも知られてい
る。この幅広なストラツプはカメラなどを長時間
携帯する際にその重量によつて生じる疲労を軽減
するために用いられるもので、その両端に設けら
れたなす環、三角リング、丸リングなどのような
支持金具によりカメラなどを吊下げるようになつ
ている。

ところで、従来ある幅広のストラツプ１は、第
４図および第５図に示すように、たとえば皮革ま
たは合成樹脂材などにより所定長さにわたつて幅
広に形成されたベルト体２を有し、このベルト体
２の両端にはこれを表裏面側から挟んでその幅方
向の中央部分に環状部３ａを形成する略二等辺三
角形状の結合ベルト３が設けられていた。そし
て、これら一対の結合ベルト３の環状部３ａには
連結リング４が取付けられ、さらにこの連結リン
グ４の反対側に幅の狭い取付ベルト５を介してカ
メラ６の取付金具７に連結される支持リング８が
取付けられていた。

（考案が解決しようとする問題点） したがつて、このようなストラツプ１を用いて
カメラ６を吊下げた場合カメラ６はベルト体２の
両端における幅方向の中央部分に支持されること
になり、第５図に示すような不具合を生じてい
た。すなわち、第５図に示すように、ストラツプ
１を肩にかけた場合では、カメラ６が自重により
鉛直方向に垂下がるためベルト体２の一側縁部分
だけが肩にあたつてその一点にカメラ６の重量が
加わることになる。（図中Ａ部参照） したがつて、ベルト体２をせつかく幅広に形成
したとしても本来の目的である疲労の軽減化をは
かることができず、かえつて悪影響を与える結果
となり、さらにベルト体２と肩との密着性が弱
く、ずり落ちてしまうことがあり、使い難いもの
であつた。

（問題点を解決するための手段） 上述の事情に鑑み、本考案は、被吊下げ物を支
持する支持部を、ベルト体の両端であつてその幅
方向の中央からいずれか一方側に偏倚した位置に
設け、前記ベルト体の前記支持部側の側縁付近の
伸縮性より、他の側縁付近の伸縮性を大きくな
し、これにより被吊下げ物を肩のような傾斜した
部分に吊下げた場合にそのベルト体が身体になじ
んで密着し、その使用感が向上するとともに、長
時間の使用による疲労を大幅に軽減できるように
した吊下げベルトを提供するものである。

（実施例） 以下、本考案を図面に示した実施例を用いて詳
細に説明する。

第１図および第２図は本考案に係る吊下げベル
トをカメラ用のストラツプに適用した一実施例を
示すもので、同図において、このストラツプ１０
は、幅広に形成されたベルト体１１を備えてお
り、その両端にカメラ１２を吊下げた場合に身体
になじんで密着して長時間にわたる使用による疲
労を軽減できるように構成されている。この場
合、ベルト体１１の少なくとも片面（本実施例で
は裏面のみ）を滑止め面とし、これによりストラ
ツプ１０を肩にかけたときにベルト体１１が良好
に接触してずれることがないようにするとよい。
この滑止め面は滑止め効果のある布を縫い付けた
り、あるいは合成ゴムなどを接着または溶着する
ことにより形成することができる。また、この滑
止め面をベルト体１１の長手方向に平行なパター
ンにて形成すれば、より効果的なものである。

さて、本考案によれば、ベルト体１１の両端に
支持されるカメラ１２の支持位置を幅方向の中央
部分からベルト体１１の一方の側縁１１ａ側に偏
倚させ、これに加えて、側縁１１ａよりも側縁１
１ｂの伸縮性を大きくしたところに特徴を有する
ものである。すなわち、本実施例によれば、ベル
ト体１１の両端は長手方向に直交する方向に切断
されており、その端部１３にはこれを表裏面側か
ら挟んで接合される略直角三角形状をなす結合ベ
ルト１４が設けられている。したがつて、これら
の結合ベルト１４により形成される環状部１４ａ
はベルト体１１の一方の側縁１１ａに沿つて長手
方向に延長される部分に位置することになり、こ
れらの環状部１４ａに連結リング１５および取付
ベルト１６を介して支持リング１７を取付けるこ
とによりカメラ１２をベルト体１１の両端であつ
てその一方の側縁に近接する幅方向の中央から偏
倚した位置で支持するようになつている。

このように構成されているストラツプ１０を用
いてカメラ１２を吊下げると、そのベルト体１１
は肩あるいは首などになじんで密着してずり落ち
るようなことがなく、その使用感が向上し、また
長時間の使用による疲労を大幅に軽減させること
ができる。すなわち、ストラツプ１０を肩にかけ
た場合には、第３図に示すように、カメラ１２が
自重により鉛直方向に垂下がつてベルト体１１を
身体の内側に寄せることになり、ベルト体１１が
肩の線に沿つて良好に密着してその接触面積が拡
大される。したがつて、カメラ１２の重量がベル
ト体１１の接触面全体にわたつて分散された状態
で加わることになり、その使用感が向上し、また
疲労の軽減に良好な結果となる。

さらにこれに加えてベルト体１１の側縁１１ａ
よりも側縁１１ｂの伸縮性を大きくしておけばそ
の使用状態においては第３図１点鎖線で示す形状
となり、密着性が良好で、またその使用感を向上
させることができる。

なお、前述した実施例では、ストラツプ１０の
両端でカメラ１２を支持する支持具として結合ベ
ルト１４、連結リング１５、接続ベルト１６およ
び支持リング１７を用いた場合を説明したが、本
考案はこれに限定されるものではなく、たとえば
結合ベルト１４をベルト体１１に一体に形成して
これに直接支持リングあるいはなす環などの支持
金具を設けてもよい。要するに、幅広なベルト体
の両端であつてその幅方向の中央からいずれか一
方側に偏倚した位置で被吊下げ物を支持するよう
に構成されておればよく、結合ベルトの形状を直
角三角形以外の形状に適宜変更したもの、あるい
は結合ベルトを用いずに幅広なベルト体と幅の狭
い支持具とを弾性を有する合成樹脂、繊維などに
より一体に形成したもの等種々変形例が考えられ
る。

なお、本考案に係るストラツプを実際に形成す
る場合、ベルト体の幅は一般成人男子の体型から
考えると最大で約130mm程度であれば最適であり、
また接続ベルトとの相対関係を考えると接続ベル
ト幅の３倍程度以上が望ましいものである。

（本考案の効果） 以上説明したように、本考案に係る吊下げベル
トによれば、幅広なベルト体の両端であつてその
幅方向の中央から一方側に偏倚した位置で被吊下
げ物を支持し、その支持部側の側縁付近より他側
縁付近の伸縮性を大とするように構成したので、
使用時にベルト体が肩のような傾斜した部分であ
つてもこれになじんで密着し、ずり落ちるような
ことがなく、被吊下げ物の重量を一点に集中する
ことなく分散させることができ、その使用感が向
上するとともに、長時間の使用による疲労を大幅
に軽減させることができるといつた実用上優れた
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案に係る吊下げベル
トの一実施例を示す平面図、一部省略側面図およ
び使用状態図、第４図および第５図は従来の吊下
げベルトの一例を示す平面図および使用状態図で
ある。 １０……ストラツプ、１１……ベルト体、１１
ａ……一方の側縁、１２……カメラ、１３……端
部、１４……結合ベルト、１４ａ……環状部、１
５……連結リング、１６……接続ベルト、１７…
…支持リング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 幅広ベルト体の両端に被吊下げ物を取付けて吊
   下げるように構成されている吊下げベルトにおい
   て、前記ベルト体の両端であつてその幅方向の中
   央からいずれか一方側に偏倚した位置に前記被吊
   下げ物を支持する支持部を設け、前記ベルト体の
   前記支持部側の側縁付近の伸縮性より他側縁付近
   の伸縮性を大きくしたことを特徴とする吊下げベ
   ルト。