JPS6328353Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は新規な空気調和機の換気用開閉扉機構
に係り、特に空気調和機の換気用開閉扉機構を改
良したものに関する。

〔考案の技術的背景〕

一般に空気調和機の室内側ユニツトに設けられ
る換気用開閉扉機構は第１図乃至第３図に示すご
とき構成が採用されている。

第１図に示す空気調和機１の室内側ユニツト２
には熱交換後の室内空気が流れる通路３が形成さ
れている。

この通路３を区画する隔壁４には外気を導入す
るための換気口５が設けられている。この換気口
５にはこれを開閉するための開閉扉６が設けられ
ている。この開閉扉６には前面パネル７側から開
閉するための換気レバー８が設けられている。

換気レバー８は第２図及び第３図に示す如くそ
の支点部９が上記通路３と区画する固定板１０に
枢支され、力点部１１が前面パネル７の外方に延
出されていると共に作用部１２が開閉扉６に枢支
されて構成されている。この換気レバー８は板金
製であり、図示する如く熱交換後の室内空気が流
れる通路３内を横断して前面パネル７に延出され
ている。

また、第２図及び第３図に示す如く開閉扉６は
スプリング１３によつて付勢されている。このス
プリング１３はその一端が換気レバー８の作用部
１２が枢支される開閉扉６側に係合され他端が支
点部９側の換気レバー８に係合され取付けられて
いる。

従つて開閉扉６を開放すべく換気レバー８を揺
動させると、スプリング１３は作用部１２を矢印
Ａ方向に外力により圧縮されある位置をすぎると
伸張し作用部１２の端部で係止する。よつて開閉
扉６は付勢され開放状態を保つ。また開放扉６を
閉じるべく換気レバー８を揺動させると、スプリ
ング１３は作用部１２を矢印Ａ方向に外力により
圧縮され、ある位置をすぎると伸張する。よつて
開閉扉６は付勢され換気口５を閉じた状態を保
つ。

〔背景技術の問題点〕

従来機構にあつては換気レバー８が板金製であ
り、通路３を横断しているためにこれに熱交換後
の冷気が接触すると水滴が発生し、これに付着す
る問題があつた。また換気レバー８が板金製であ
るために操作時に前面パネル７を破損し、外観を
損ねる問題があつた。

換気レバー８及び開閉扉６がスプリング１３に
よつて付勢されて復帰するように構成されている
ため部品点数が多くなり開閉扉６の開度規制及び
換気レバー８の位置決め等を設定するのに複雑な
構造を採用しなければならず更に開閉扉６の開閉
動作が円滑でない、音が出る、力がいるなどの問
題があつた。

〔考案の目的〕

本考案は従来のこの種の換気用開閉扉機構に有
する問題点を有効に解決すべく創案されたもので
ある。

本考案の目的は前面パネルを損傷させることな
く操作できると共に、冷気との接触による水滴の
発生を防止でき且つ開閉扉の開度規制、位置決め
及び円滑な開閉動作を容易になし得る空気調和機
の換気用開閉扉機構を提供するものである。

〔考案の概要〕

上記目的を達成するために、本考案は開閉扉を
開閉操作する換気レバーを合成樹脂材によりモー
ルド成型すると共に換気レバー部材の作用点部側
の回転軌跡上の固定板に作用点部側の回動を規制
する第１のストツパー部材を設け、且つ換気レバ
ー部材の作用点部側の回転軌跡上の固定板上に、
この回動始端部と終端部とを規制して位置決めす
るための第２のストツパー部材を設けて構成した
ものである。

〔考案の実施例〕 本考案の一実施例を添付図面に従つて詳述す
る。第４図ないし第６図に示す如く、空気調和機
の室内側ユニツト２には熱交換後の室内空気が流
れる通路３が形成されている。この通路３を区画
する隔壁４には外気を導入するための換気口５が
設けられている。この換気口５にはその内側に一
端がヒンジ機構１４に枢支された開閉扉６が設け
られている。この開閉扉６には通路３側に延出さ
れたブラケツト１５が設けられており、このブラ
ケツト１５には後述する換気レバー１６の作用点
部１７が枢軸１８を介して枢支されている。換気
レバー１６は合成樹脂材によりモールド成型され
ており、その支点部９は通路３を区画する固定板
１０に枢支されていると共に、力点部１１は前面
パネル７の外側に延出されている。

換気レバー１６の作用点部１７側の回転軌跡上
の固定板１０上には作用点部１７側の回動を規制
して上記開閉扉６の開度を規制する第１のストツ
パー部材１９が設けられている。この第１のスト
ツパー部材１９は固定板１０上に隆起して設けら
れた係止突起より構成されている。

一方、第２のストツパー部材２０は換気レバー
１６の作用点部１７側の回転軌跡上に位置される
固定板１０上に設けられた係止突起２１と作用点
部１７側の換気レバー１６に一体的にモールド成
型された係合凹部２２とによつて構成されてい
る。固定板１０に設けられた係止突起２１は換気
レバー部材１６の作用点部１７の回転軌跡上にあ
り開放状態を保つ端部に設けられている。

以上の構成からなる本考案の作用について述べ
る。第４図に示すように換気レバー１６の力点部
１１を前面パネル７の外側から矢印Ｂ方向に揺動
させることにより作用点部１７は回動し、第１の
ストツパー部材１９によつて最大回動位置が規制
されることにより、その作用点部１７に枢支され
た開閉扉６は規制された範囲内の開度に調整され
て換気口５を開放して所定回動以上の開き過ぎを
防止することができると共に、第７図に示すよう
に固定板１０に設けられた係止突起２１と換気レ
バー１６に一体的にモールド成型された係合凹部
２２とが嵌合することにより一定開度に開閉扉６
を固定し開放することができる。

また換気レバー１６を矢印Ｂと反対方向に揺動
させることにより作用点部１７は回動し開閉扉６
が換気口５をふさぐことにより回動位置が規制さ
れると共に、第６図に示すように係止突起２１の
側部に係合凹部の側部が接触することにより開閉
扉６が換気口５を完全にふさいだ状態に固定する
ことができる。

換気レバー部材１６は特に合成樹脂材によりモ
ールド成型されているため、前面パネル７がたと
え軟質の合成樹脂で成型されていてもこれを損傷
させて美観を損なうことがない。また合成樹脂材
は熱伝導性が低いため冷却されにくく水滴が発生
しない。

さらに開閉扉６、換気レバー１６はバネにより
付勢されていないため開閉操作も楽にでき開閉の
瞬間大きな音を発生することもない。バネを用い
ないため部品点数も少なくなり組立工程が簡素化
しコストダウンが達成できる。

〔考案の効果〕

以上本考案によれば以下の優れた効果を発揮す
る。

(1) 前面パネルを換気レバーにより損傷させるこ
となく換気用開閉扉を操作することができる。

(2) 換気レバーが冷却により水滴を発生すること
がない。

(3) 開閉扉の開度規制及び位置決めを容易になし
得ると共に開閉操作が楽にでき大きな音を発生
することもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の空気調和機と、その換気用開閉
扉機構を示す一部分解斜視図、第２図は開閉扉機
構の平面図、第３図はその側面図、第４図は本考
案の一実施例を示す平面図、第５図はその側断面
図、第６図及び第７図は開閉扉を閉じた状態及び
開けた状態の第１及び第２のストツパー部材を示
す概略側面図である。 ５……換気口、６……開閉扉、７……前面パネ
ル、１０……固定板、１４……ヒンジ機構、１６
……換気レバー、１７……作用点部、１９……第
１のストツパー部材、２０……第２のストツパー
部材、２１……係止突起、２２……係合凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 換気口にこれを開閉するためにヒンジ機構に
   枢支された開閉扉と、合成樹脂材により成型さ
   れ、支点部が固定板上に回転自在に枢支され力
   点部が前面パネル外方に延出されると共に作用
   点部が上記開閉扉に枢支された換気レバー部材
   と、該換気レバー部材の作用点部側の回転軌跡
   上の固定板に設けられ、作用点部側の回動を規
   制して上記開閉扉の開度を規制する第１のスト
   ツパー部材と、上記換気レバー部材の作用点部
   側の回転軌跡上の固定板上に設けられ開閉扉を
   開放状態に保つ開放位置を規制するための第２
   のストツパー部材とを備えたことを特徴とする
   空気調和機の換気用開閉扉機構。 (2) 上記第１のストツパー部材が上記換気レバー
   部材の作用点部側の回転軌跡上に位置される上
   記固定板に設けられた係止突起によつてなるこ
   とを特徴とする上記実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の空気調和機の換気用開閉扉機構。 (3) 上記第２のストツパー部材が上記換気レバー
   部材の作用点部側より上記固定板上に臨んで一
   体的にモールド成型されて突出された係合凹部
   と、上記固定板上に上記作用点部の回転軌跡上
   において上記開放位置に設けられた係止突起と
   によつて構成されたことを特徴とする上記実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の空気調和機の
   換気用開閉扉機構。