JPS6328222Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はドビー機とヘルドフレーム間にあつて
ヘルドフレームをワイヤロープに連結するヘルド
アジヤスタに関する。

従来の技術 ドビー機を有する織機において、ドビー機の運
動をワイヤロープによつてヘルドフレームに伝達
し、スプリング力に抗して上記ヘルドフレームを
上昇又は下降させ、スプリング力によつて元位置
へ復帰させるタイプがある。

このような場合、織機の運転開始に先立つて、
ヘルドフレームの左右の平行度、あるいは、複数
枚のヘルドフレームの昇降量等を調節したり、長
期運転の後、ワイヤロープの伸びによるヘルドフ
レームの高さ位置の調整等が必要である。このた
め、ドビー機に連るワイヤロープとヘルドフレー
ムの連結部において、ワイヤロープ長さの調整、
ヘルドフレームの高さ調整が行える機構が必要で
ある。

一方、織機の運転中は、上記連結部において、
織機の振動、衝撃等によつて、ワイヤロープとヘ
ルドフレーム間にゆるみが生じる恐れがある。即
ち、調整作業の容易性と振動等に耐え得る機構と
は相反する面があり、一方を優先させているのが
一般である。

考案が解決しようとする問題点 本考案は上記点に着目し、ヘルドフレームの高
さの調整が容易でかつ、運転中の振動によつて
も、ワイヤロープとヘルドフレーム間がゆるむこ
となく、正確な開口動作を行い得るヘルドアジヤ
スタを提供するものである。

問題を解決するための手段 一端にワイヤロープ接続部を有するアジヤスタ
本体に、切欠窓、および該窓を通つて貫通する孔
を形成し、ヘルドフレーム連結部材を先端に有す
るねじロツドを上記孔内に挿入し、窓部分には上
記ネジロツドに螺合する多角ナツト体を配し、該
ナツト体の両側にナツト体の対辺に近接する規制
片および規制ボルトを配し、該ボルトがアジヤス
タ本体側面から窓内部に貫通してナツト体に対し
て進退自在であるようにしたものである。

作 用 ボルトの先端がナツトの対辺に近接しているた
め、規制片とボルト間のナツト体が回転せず、従
つて運転中のナツト体の振動等による回転によつ
てヘルドフレームを支持したねじロツドが変位す
ることがない。また、調整時には上記ボルトをナ
ツト体から離反させる方向にゆるめることによ
り、ナツト体の頂点から離れ、ナツト体を軽く回
すことができる。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に従つて説明す
る。

第６図において、ヘルドフレーム１は、支柱
２，２間の横フレーム３上に設置されたドビー機
４にジヤツクレバー５、ワイヤロープ６ａ，６
ｂ、ヘルドアジヤスタ７ａ，７ｂを介して吊着さ
れ、ヘルドフレーム１の下部にはボツクス８ａ，
８ｂ内に収容されるヘルドフレーム下降用スプリ
ングにロープ９ａ，９ｂを介して接続される。１
０ａ，１０ｂはワイヤロープ６ａ，６ｂの変向ガ
イドローラである。上記ヘルドフレーム１とアジ
ヤスタ７ａ，７ｂは第７図示の如く、フレームバ
ー１ａに固定したフツク１１ａがアジヤスタ７ａ
の連結部材１２ａに係止されて連結されている。

従つて、ドビー機４のジヤツクレバー５が矢印
１３方向の旋回により、ワイヤロープ６ａ，６ｂ
が引かれ、アジヤスタ７ａ，７ｂを介してヘルド
フレーム１はスプリング力に抗して上昇し、ヘル
ド１４に通されたタテ糸が開口を形成する。この
ようなヘルドフレームが第６図紙面直角方向に複
数枚設けられ、各ヘルドフレームが対応するジヤ
ツクレバーに連絡されて選択的に昇降する。

次に、上記ヘルドアジヤスタ７ａ，７ｂについ
て詳述するが左右同一の構造であるので一方のア
ジヤスタ７ａについてのみ説明する。

第１〜第５図において、アジヤスタ本体１５の
上部にはドビー機に連るロープ６ａの接続部１６
がロープ挿入孔１７、ロープ巻回部材１８、およ
びロープ締付用ボルト１９等より構成される。即
ち、本体１５に形成されたロープ挿入孔１７の上
端開口２０から孔内に挿入されるロープ端１６は
本体１５を一体的に第５図のように形成される巻
回部材１８を巻回して再び上記孔１７を通つて上
端開口２０から上方外部へ出て、孔１７の側壁２
１から螺入されるボルト１９および締付金具２２
によつて折返して重なり合つたロープ部分が締付
けられてロープ６ａとアジヤスタ７ａが連結され
る。

また上記アジヤスタ７ａ本体の下部にはヘルド
フレーム連結部材１２ａの長さ調節機構が設けら
れる。即ち、本体１５の一部に第１図紙面直角方
向に貫通する切欠窓２３が形成され、該窓２３は
上下、左右の四方を閉塞されており、上記窓２３
を上下方向に一直線上に貫通してドリルで穿設さ
れた孔２４，２５が形成される。

上記孔２４，２５内には下端にヘルドフレーム
１側のフツク１１ａを係止する連結部材１２ａを
一体的に固定したネジロツド２６が挿入される。
該ネジロツド２６は前記窓２３内部に設けられる
多角ナツト体２７に螺入され、該ナツト体２７を
回すことによりネジロツド２６が上下方向に孔２
４に沿つて移動調節される。なお、本体１５の孔
２４内周面の軸長手方向には第４図示の如く突状
帯２８が形成され、ネジロツド２６の外周長手方
向に形成された凹状長溝２９と上記突状帯２８が
はめ合わされて、ネジロツド２６の回転が阻止さ
れ、従つてナツト体２７の回転によりネジロツド
２６が軸心方向にスライドできるのである。

さらに、上記窓２３内には上記ナツト体（本実
施例では６角ナツト）の一辺３０に当接する規制
片３１が本体１５と一体的に形成される。例えば
本体１５と規制片３１は樹脂製で成形加工され、
上記規制片３１の当接部３２は根元部分３３を基
点として第１図左右方向に若干フレキシブルであ
る。

即ち、ナツト体２７を回す時に、ナツト体２７
の頂部３４が当接部３２を通過する時、当接部３
４を押しのけて回転できるようなフレキシブル性
を有するものである。

上記規制片３１に対向する本体位置にはボルト
通し孔３５が穿設され、該孔を通る締結ボルト３
６の先端３７がナツト体２７の対辺３８に直角に
当接するように挿入される。上記ボルト３６は窓
２３内に配した金属製のＬ形のナツト板３９に貫
通して螺入されて、ナツト板３９を介してボルト
３６が締付けられる。なおナツト板３９の下部平
面４０にはネジロツド２６の貫通孔が形成されて
いる。またナツト板３９の下部平面４０はナツト
体２７と樹脂製本体１５の接触面の摩耗防止と、
補強を兼ねている。

従つて、第１，３図の運転状態では、ボルト３
６の先端３７がナツト体２７の対辺３８に近接又
は当接しており、またネジロツド２６は窓２３上
下の本体中の孔２４，２５に挿入されているため
ネジロツド２６自体が横方向に変位することがな
いので、上記ナツト体２７は織機の振動、衝撃等
によつて回転することがない。

また、ネジロツド２６の調整時は、ボルト３６
をゆるめ、先端３７をナツト体２７の頂点３４よ
り離反する位置まで後退させれば、ナツト体２７
は回転できる。即ち作業者がナツト体を回せば、
規制片３１は一箇所のみであるので、軽く回すこ
とができる。なお、上記規制片を一箇所に設けた
のは、ボルト３６を締付ける際、ナツト２７の頂
点３４をボルト先端３７が押付けないようにする
ためである。

考案の効果 以上のように、本考案では、運転中にナツト体
２７が回転することがないので、ネジロツドの移
動即ち、ヘルドフレームの高さ位置が変動するこ
となく正確な開口動作が行え、また、ヘルドフレ
ームの高さ調整時にはボルトをゆるめればナツト
体を軽く回すことができ作業が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるヘルドアジヤスタの実施
例を示す正面図、第２図は同右側面図、第３図は
第１図−断面図、第４図は第１図−断面
図、第５図は第１図−断面図、第６図はヘル
ドフレームとドビー機の連結状態を示す概略構成
正面図、第７図はヘルドアジヤスタとヘルドフレ
ームの連結部の状態を示す正面図である。 １……ヘルドフレーム、４……ドビー機、６
ａ，６ｂ……ロープ、７ａ，７ｂ……アジヤス
タ、１２ａ，１２ｂ……連結部材、１５……アジ
ヤスタ本体、２３……切欠窓、２４，２５……
孔、２６……ネジロツド、２７……多角ナツト
体、３６……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端にドビー機に連るロープの接続部を有する
   アジヤスタ本体に、切欠窓および該窓を通つて貫
   通する孔を形成し、ヘルドフレーム連結部材を先
   端に有するネジロツドを上記孔内に挿入し、窓部
   分には上記ネジロツドに螺合する多角ナツト体を
   配し、該ナツト体の表面にボルト先端が接近、離
   反自在なボルトを上記アジヤスタ本体に設けたこ
   とを特徴とするヘルドアジヤスタ。