JPH0426992Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、テーププレーヤのテープ高さ調整ガ
イドポストに係り、特にVTRの回転シリンダに
テープを巻装し、回転シリンダのリードに沿うよ
うにテープの走行高さを調整後、上フランジと下
フランジ部とローラとを前記テープの走行高さに
合わせて正確に調整するために有効なテープ高さ
調整ガイドポストに関する。

［考案の概要］ 本考案は、基台に固定されかつ上端部におねじ
を有するシヤフトに、該シヤフトよりも内径が大
きくかつ外周面に高さ位置調整ブロツク用の係合
部を有する上フランジを装着し、上フランジの内
部に軟質プラスチツク製ナツトを密嵌すると共に
ナツトをシヤフトのおねじに密着状に螺合させ、
かつウエブと、これの下部に形成された下フラン
ジ部と、ウエブの上端部に設けられた係合部材
と、回転制止部とで一体に構成した高さ位置調整
ブロツクにおける前記係合部材を上フランジの係
合部に係合させ、かつ前記下フランジ部をシヤフ
トに嵌合させて装着した構成に特徴を有する。

［従来の技術］ 一般に、カセツトパツクの内部よりテープを引
き出し、そのテープを回転シリンダに巻装して記
録再生するVTRにおいて、テープを引き出し、
回転シリンダに巻装した後は、回転シリンダの外
周に設けられたリードテープが沿うように、テー
プの走行高さを調整する。このテープの走行高さ
を調整し、調整された高さに規制するには、ロー
ラの上、下フランジをシヤフトに沿つて移動さ
せ、調整後、固定する。

第３図は従来のテープ高さ調整ガイドポストの
縦断面図である。

この図に示す従来のテープ高さ調整ガイドポス
トは、移動部材１と、これに取り付けられたシヤ
フト２と、このシヤフト２に固定された上フラン
ジ３と、同シヤフト２に回転自在に装着されたロ
ーラ４と、同シヤフト２に固定された下フランジ
５とを備えている。

前記移動部材１には、高さ調整用のめねじ１′
と、シヤフト２の止めねじ６とが設けられてい
る。

前記シヤフト２は、移動部材１に回転可能に取
り付けられ、テープの走行高さを調整後、止めね
じ６により固定されるようになつている。

前記上フランジ３は、シヤフト２に圧入されて
固定されており、テープの上エツジを受け止めて
規制するようになつている。

前記上フランジ３は、シヤフト２に圧入されて
固定されており、テープの上エツジを受け止めて
規制するようになつている。この上フランジ３に
は、その頭部にドライバ等の工具用の嵌合溝３′
が形成されている。

前記下フランジ５は、シヤフト２に圧入されて
固定され、前記シヤフト２および上フランジ３と
一緒に回転可能に装着されている。この下フラン
ジ５には、前記めねじ１′に螺合するおねじ５′が
形成されている。

前記従来のテープ高さ調整ガイドポストにおい
て、テープパツクの開口部からテープを引き出
し、そのテープを回転シリンダに巻装し、回転シ
リンダのリードに沿うようにテープの走行高さを
調整後、前記走行高さにテープを規制するために
は、止めねじ６を緩めたうえで、上フランジ３に
形成された嵌合溝３′にドライバ等の工具を嵌め、
上フランジ３を回転させる。

前記上フランジ３を回転させると、シヤフト２
と一緒に下フランジ５が回転し、この下フランジ
５がめねじ１′とおねじ５′のねじ作用により高さ
方向に移動し、これに追従してシヤフト２、上フ
ランジ３およびローラ４の高さ方向の位置が調整
される。そして、主に上フランジ３にテープの上
エツジが当接し、テープが前記調整された走行高
さに規制される。

前記テープの高さ位置の調整後、止めねじ６を
締め付け、シヤフト２と、これに取り付けられた
部材が上、下方向に移動しないように固定する。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、前記従来のテープ高さ調整ガイドポス
トでは、移動部材１に形成されたシヤフト支持用
の穴とシヤフト２間にクリアランスがあり、移動
部材１に形成されためねじ１′と下フランジ５に
設けられたおねじ４′間にもクリアランスがある。
そして前記シヤフト支持用の穴とシヤフト２間に
クリアランスがあるので、止めねじ６を締め付け
た時に、シヤフト２が傾くおそれがあり、しかも
シヤフト２の傾く方向が定まらないので、テープ
の走行高さに合わせて上フランジ３とローラ４と
下フランジ５とを調整した時と、止めねじ６を締
め付けて固定した時の状態が変化する問題があ
る。さらに、移動部材１にシヤフト支持用の穴
と、下フランジ５のおねじ５′を螺合するめねじ
１′と、止めねじ用のめねじとを形成する必要が
あり、機械加工個所が多く、また下フランジ５は
本来テープを引き出す時の台として使用され、耐
摩耗性がそれ程要求されないため、機能的にはプ
ラスチツクで形成しても問題がないが、従来のテ
ープ高さ調整ガイドポストではシヤフト２に圧入
する関係で、プラスチツクで形成できず、これら
が相まち、コストアツプになる問題もある。

本考案の目的は、前記従来技術の問題を解決
し、テープの走行高さに合わせて調整した時と、
調整後とで状態が変化しないように、正確にかつ
簡単に調整でき、しかもコストダウンを図り得る
テーププレーヤのテープ高さ調整ガイドポストを
提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 本考案では、基台に、上端部におねじを有する
シヤフトが固定され、このシヤフトにローラが回
転自在に装着されている。

前記シヤフトの上端部には、上フランジが装着
されている。この上フランジは、前記シヤフトよ
りも内径が大きく形成され、かつ外周面に高さ位
置調整ブロツク用の係合部が形成されている。

前記上フランジの内部には、ナツトが上フラン
ジと一緒に回転するように密嵌されている。この
ナツトは、軟質プラスチツクで形成されている。
前記ナツトの内部には、前記シヤフトのおねじに
螺合するめねじが形成されていて、このめねじは
前記おねじに密着状に螺合されている。

前記シヤフトには、高さ位置調整ブロツクが装
着されている。この高さ位置調整ブロツクは、ウ
エブと、これの下部に形成された下フランジ部
と、ウエブの上端部に設けられた係合部材とが一
体をなす形状に形成されている。そして、この高
さ位置調整ブロツクは前記係合部材と上フランジ
の係合部に係合させ、かつ前記下フランジ部をシ
ヤフトに嵌合させて装着され、回転せずかつ上フ
ランジと一緒に上、下方向に移動可能に支持され
ている。

［作用］ 前記本考案のテープ高さ調整ガイドポストで
は、上フランジを工具を使用して右回りまたは左
回りに回転させると、この上フランジはナツトを
介してシヤフトの回りを回りながら、上方または
下方に移動する。

前記上フランジが上方または下方に移動する
と、これに追従して高さ位置調整ブロツクが上方
または下方に移動する。この時、高さ位置調整ブ
ロツクは回転しない。前記高さ位置調整ブロツク
が上方または下方に移動するに伴い、下フランジ
部が同方向に移動し、この下フランジ部に追従し
てローラが移動する。

その結果、VTRの回転シリンダのリードに沿
つて走行するように、高さを調整されたテープに
合わせて上フランジと下フランジ部とローラとが
位置調整される。

前記上フランジと下フランジ部とローラの高さ
位置調整後、上フランジの回転操作をやめること
により、軟質プラスチツク製のナツトのめねじと
シヤフトのおねじとの密着力により、ねじが緩ま
ないように締め付け保持され、基台に固定のシヤ
フトに上フランジが自動的に固定され、これによ
り高さ位置調整ブロツクとローラも位置固定さ
れ、上フランジを再び回転操作しない限りナツト
が緩むことがないので、各部材は調整した時の状
態に位置固定される。

したがつて、テープの走行高さに合わせて、上
フランジと下フランジ部とローラとを調整した時
と調整後とで状態が変化しないように、正確にか
つ簡単に調整することができる。

［考案の実施例］ 以下、本考案の実施例を図面により説明する。

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は同縦断側面図である。

これらの図に示す実施例のテープ高さ調整ガイ
ドポストでは、基台としての移動部材１１のボス
部１２に、シヤフト１４が圧入により固定されて
いる。前記ボス部１２には、円周面の一部を切り
欠いて、高さ位置調整ブロツク用の回転制止面１
３が形成されている。

前記シヤフト１４の上端部には、おねじ１５が
形成されている。

前記シヤフト１４には、上フランジ１６と、高
さ位置調整ブロツク２１と、ローラ２６とが装着
されている。

前記上フランジ１６の内径は、前記シヤフト１
４よりも大きく形成されている。また、上フラン
ジ１６の外周面には高さ位置調整ブロツク用の係
合部としての係合溝１７が形成されている。さら
に、上フランジ１６の頭部にはドライバ等の工具
の嵌合溝１８が形成されている。そして、前記上
フランジ１６の内部には、ナツト１９が上フラジ
１６と一緒に回転するように密嵌されている。

前記ナツト１９は、軟質プラスチツクで成形さ
れている。このナツト１９には、前記シヤフト１
４のおねじ１５と密着状に螺合するめねじ２０が
形成されている。軟質プラスチツク製ナツト１９
のめねじ２０の前記おねじ１５への密着螺合状態
は、例えば、第４図および第５図に示すように、
ナツト１９の内径をねじ加工せず、シヤフト１４
のおねじ１５の谷径より小さい孔とし、ナツトを
シヤフトのおねじ１５へ螺合する際、おねじでこ
じ入れるように螺合することによつて得られる。
このナツト１９は、上フランジ１６の回転操作時
には負荷となるが、常態ではおねじ１５をめねじ
２０に密着状に螺合しているので、特別な固定手
段を設けなくともねじが緩まないように締付け付
けられている。

前記高さ位置調整ブロツク２１は、ウエブ２２
と、これの上部に設けられた係合部材としてのヨ
ーク２３と、ウエブ２２の下部に設けられた下フ
ランジ部２４と、回転制止用のフイン２５とが一
体をなす断面ほぼＦ字形に形成されている。この
高さ位置調整ブロツク２１は、好ましくは硬質プ
ラスチツクにより形成される。前記ヨーク２３
は、前記上フランジ１６に形成された係合溝１７
に係合されていて、この係合溝１７とヨーク２３
との係合を介して上フランジ１６と高さ位置調整
ブロツク２１とが上、下方向に一緒に移動し得る
ようになつている。前記下フランジ部２４には、
嵌合穴が形成されていおり、この嵌合穴を介して
前記シヤフト１４に対して、上、下方向に移動可
能に装着されている。前記フイン２５は、前記移
動部材１１のボス部１２に形成された回転制止面
１３に当接されていて、高さ位置調整ブロツク２
１の上、下方向の移動を許し、かつ回転を制止す
るようになつている。

前記ローラ２６は、前記シヤフト１４に回転自
在に装着され、また高さ位置調整ブロツク２１の
下フランジ部２４上に設置されている。前記ロー
ラ２６と上フランジ１６間には、わずかな隙間が
設けられている。

前記実施例のテープ高さ調整ガイドポストで
は、テープパツクの開口部からテープを引き出す
時は、前記テープパツクの開口部の位置でローラ
２６にテープを掛け、移動部材１１を移動させて
テープを引き出す。

引き出したテープを回転シリンダに巻装し、テ
ープが回転シリンダのリードに沿うようにテープ
の高さ位置を調整する。

前記テープをリードに沿うように調整した後、
テープの走行高さを前記調整された位置に規制す
るには、テープ高さ調整ガイドポストを次のよう
に調整する。

すなわち、上フランジ１６の頭部に形成された
嵌合溝１８にドライバ等の工具を嵌合し、上フラ
ンジ１６を右回りまたは左回りに回転させる。前
記フランジ１６を回転させると、ナツト１９の作
用により上フランジ１６が上方または下方に移動
する。

前記上フランジ１６が上方または下方に移動す
ると、これと一緒に高さ位置調整ブロツク２１が
移動し、上フランジ１６と下フランジ部２４とが
同じ方向に、同じストロークで移動し、下フラン
ジ部２４に追従してローラ２６も移動する。この
時、高さ位置調整ブロツク２１は回転制止面１３
とフイン２５の作用により回転が制止され、上、
下方向にのみ移動する。

前記上フランジ１６と下フランジ部２４とロー
ラ２６とを適正位置に調整後、上フランジ１６の
回転操作をやめると、軟質プラスチツク製のナツ
ト１９のめねじ２０とシヤフト１４のおねじ１５
との密着力により、上フランジ１６を再び回転し
ない限り、ねじが緩まないように自動的に締め付
け保持される。

その結果、前記上フランジ１６と下フランジ部
２４とローラ２６とは、調整後の状態が調整時と
変化しないように、正確に調整される。

そして、前記調整された上フランジ１６と下フ
ランジ部２４とにより、テープの走行高さが回転
シリンダのリードに沿うように正しく規制され
る。

なお、本考案では上フランジ１６に高さ位置調
整ブロツク２１を係合させる係合部と係合部材、
高さ位置調整ブロツク２１の回転制止部は、図面
に示す実施例に限らず、所期の機能を有する構造
であればよい。

［考案の効果］ 以上説明した本考案によれば、基台に固定され
かつ上端部におねじを有するシヤフトに、該シヤ
フトよりも内径が大きくかつ外周面に高さ位置調
整ブロツク用の係合部を有する上フランジを装着
し、上フランジの内部に軟質プラスチツク製ナツ
トを密嵌すると共にこのナツトをシヤフトのおね
じに密着状に螺合させ、かつウエブと、これの下
部に形成された下フランジ部と、ウエブの上端部
に設けられた係合部材と、回転制止部とを一体に
構成した高さ位置調整ブロツクの前記係合部材を
上フランジの係合部に係合させ、かつ前記した下
フランジ部をシヤフトに嵌合させて装着してお
り、上フランジを回転操作することにより、ナツ
トの作用と回転制止部の作用とにより上フランジ
と一緒に高さ位置調整ブロツクが上、下方向にの
み移動し、下フランジ部とローラとが前記上フラ
ンジと同じ方向に、同じストロークで移動するの
で、上フランジと下フランジ部とローラとを適正
位置に調整でき、またナツトの回転操作をやめる
と、軟質プラスチツク製のナツトのめねじとシヤ
フトのおねじとの密着力により、ねじが緩まない
ように自動的に締付け保持されるので、上フラン
ジと下フランジ部とローラとを調整後の状態が調
整時と変化しないように、正確にかつ簡単に調整
し得る効果がある。さらに、本考案では耐摩耗性
をそれ程要求されない下フランジ部を含む高さ位
置調整ブロツクをプラスチツク製とすることがで
き、また各部品とも機械加工を必要とする個所が
極めて少ないので、これらが相まち、大幅なコス
トダウンを図り得る効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は同縦断側面図、第３図は従来のテープ高さ調
整ガイドポストの縦断面図、第４図及び第５図は
夫々第３図の一部の拡大縦断面図である。 １１……基台としての移動部材、１３……高さ
位置調整ブロツク用の回転制止面、１４……シヤ
フト、１５……おねじ、１６……上フランジ、１
７……高さ位置調整ブロツクの係合部としての係
合溝、１９……軟質プラスチツク製のナツト、２
０……めねじ、２１……高さ位置調整ブロツク、
２２……ウエブ、２３……高さ位置調整ブロツク
の係合部材としてのヨーク、２４……下フランジ
部、２５……高さ位置調整ブロツクの回転制止用
のフイン、２６……ローラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (a) 基台に、上端部におねじを有するシヤフトを
   固定し、このシヤフトに、回転自在にローラを
   装着したテーププレーヤのテープ高さ調整ガイ
   ドポストにおいて、 (b) 前記シヤフトの上端部に、該シヤフトよりも
   内径が大きく、かつ外周面に高さ位置調整ブロ
   ツク用の係合部を有する上フランジを装着し、 (c) 前記上フランジの内部に、軟質プラスチツク
   製で、かつ前記シヤフトのおねじに密着状に螺
   合させためねじを有するナツトを密嵌し、 (d) ウエブと、これの下部に形成された下フラン
   ジ部と、ウエブの上端部に設けられた係合部材
   と、回転制止部とを一体に形成した高さ位置調
   整ブロツクの前記係合部材を上フランジの係合
   部に係合させ、かつ前記下フランジ部をシヤフ
   トに嵌合させて装着した、 ことを特徴とするテーププレーヤのテープ高さ
   調整ガイドポスト。