JPS6328018Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は前側のみをロツクすることにより、車
前床面のクロスメンバーに固定する自動車用後部
座席（リヤシートクツシヨン）の取付構造に関す
るものである。

従来この種の座席Ａは第１図に示す如く、座席
Ａの前部下端より垂設せしめたＵ字状ストツパ１
（ワイヤをＵ字に折曲げ成形したもの）を工具１
１を使用してクロスメンバーｂの垂直面に開孔し
た取付孔にスクリユ１０で締着し、座席Ａの前部
を車体Ｂに取付けているが、この取付作業の際、
クロスメンバーｂの外面などに防音緩衝…などの
目的のためカーペツトが敷設されているため、前
記取付孔がカーペツトにより被覆されその開孔位
置が外部から見えない。従つてこの取付孔の位置
が確認し難く、しかも狭い場所で工具１１を使用
して締結しなければならないため、座席の取付作
業の作業性が極めて悪い欠陥があつた。

なお、工具１１を使用せずに座席を取付けるも
のとして、実開昭52−163830号公報に開示されて
いるものがある。これは、車体に設けた止め孔
に、互いに外側に開く方向に弾発付勢された略Ｕ
字状の中間板を装着し、この中間板にシートクツ
シヨンフレームを嵌挿して取付ける構造である。
従つて、シートクツシヨンフレームは板ばね製の
中間板に取付けられているため、シートクツシヨ
ンの前後方向の荷重によつて中間板が揺動する。
そのためシートクツシヨンにガタが生じ座り心地
が悪い不具合があつた。また、シートクツシヨン
フレームを外部から視覚できない車体の止孔に設
けた中間板に嵌挿させる構造であるため、シート
クツシヨンの取付作業の作業性が悪く、斯る作業
性を向上せんと止孔を大きくすると、前記シート
クツシヨンのガタが増大する欠陥がある。

そこで本考案は斯様な従来品の欠陥を除去する
ことを目的とするものである。

斯る目的を達成するための本考案の要旨とする
ところは、車体の床面を構成し座席取付用の垂直
面を有するクロスメンバーと、このクロスメンバ
ーの外面側垂直面に平行に添合する座席のストツ
パと、前記クロスメンバーの外面側垂直面に、平
行且つ座席のストツパが嵌挿される間隙分あけて
固着したブラケツトと、このブラケツトに設けた
窓孔よりクロスメンバーの垂直面方向に突出する
弾性係止片とから構成され、前記クロスメンバー
とブラケツトとの間の間隙に嵌挿された座席スト
ツパを係止片で係止させて座席の前部を車体に固
定することを特徴とするものである。即ち、本願
は座席のストツパをクロスメンバーの外側で係止
するようにして、取付の作業性を向上させ、且
つ、クロスメンバーとブラケツトとの間の間隙
に、この両部材に平行に形成した座席のストツパ
を嵌挿させて、座席を確実に車体に固定し、座席
の前後方向の荷重をクロスメンバーとブラケツト
とで受けるようにしたものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

図中Ａは座席（リヤシートクツシヨン）を示
し、その座席Ａにおける底部前方の左右には座席
Ａを構成する枠線７などに固着せる略Ｕ字状の線
材製ストツパ１が垂設されている。一方、車体Ｂ
の床面を構成するクロスメンバーｂの垂直面b₁に
おける前記ストツパ１が相応する位置にはブラケ
ツト３を介して係止片２が装着されており、ブラ
ケツト３は前面板３ａと、その左右端縁及び下端
縁より延設しクロスメンバーｂの垂直面b₁に固着
する側板３ｂとから構成されており、前面板３ａ
は平行に設けると共に該板３ａとクロスメンバー
ｂとの間隙はストツパ１の線径よりやや広くし又
該板３ａの左右幅はストツパ１の左右幅よりやや
幅広状に形成して、ストツパ１がこのブラケツト
３内に嵌合状に挿し込まれ、前後左右に移動しな
いようになつている。そしてこのブラケツト３の
前面板３ａには窓孔３ｃが開孔されており、この
窓孔３ｃの外面側より内方に向けて、弾性を有す
る係止片２（板バネ製）の山形状係止部２ａを挿
し込み、その下端をリベツト４で前面板３ａに固
着して、前面板３ａの前後方向にバネ性が発揮す
るようにする。従つて座席Ａのストツパ１を、係
止片１の弾力性に抗してブラケツト３内に挿し込
むと係止片１にその弯曲状下端部１ａが係止され
座席Ａに固定される（第２図乃至第４図）。そし
て係止片２の弾力性に抗して座席Ａを上方に持ち
上げると係止片２の係止状態は解除され座席Ａが
車体Ｂから取り外される。

第５図に示す係止片２′はその係止部２a′の形
状を略直角三角形状に折曲げて形成して係止状態
を完全にしたものであり、その一端２ｂを外方に
引くことにより係止状態を解除する構造である。

以上に示す実施例（第２図乃至第５図）はスト
ツパ１が係止状態でその前後がブラケツト３の前
面板３ａとクロスメンバーｂの垂直面b₁とによつ
て支持されている。従つて座席Ａは衝突、急停
車、急発進などの際にかかる前後方向の荷重によ
つて外れ易いが、斯様な場合、ストツパ１の前後
方向がブラケツト３とクロスメンバーｂの垂直面
b₁に支持されているため、座席Ａは取り外れるこ
とがない。

本考案は上記の構成であるから以下の利点を有
する。

(1) 座席を単に押圧するのみで、そのストツパが
クロスメンバーの係止片に係止できるから取付
作業が極めて簡単で従来に比べその作業性を向
上し得る。

(2) そしてストツパはクロスメンバーの垂直面に
添合され係止片に係止されているため、前後方
向の一側面がクロスメンバーに支持され、座席
の前後方向にかかる荷重による座席の前後動を
規制しその取り外れを防止できる。

(3) 座席を上方に持ち上げることにより座席のス
トツパの係止状態が解除できるため、取り外し
を容易に行うことができる。

(4) 係止片の弾力性によりストツパを係止してい
るため、従来の如きストツパ締結用のスクリユ
が緩み異音が発生する憂いもない。

また、ストツパをクロスメンバーの外側面に取
付けるため、外部からストツパの取付個所が視覚
でき、その取付作業性の向上を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す側面図、第２図乃至第５
図は本考案の実施例を示し、第２図乃至第４図は
第１実施例を示し、第２図はその一部を切欠して
示す斜視図、第３図はその側面図、第４図はその
要部の拡大縦断側面図、第５図、第６図は他の実
施例の拡大縦断側面図である。 図中、Ａは座席、Ｂは車体、ｂはクロスメンバ
ー、１はストツパ、２，２′は係止片を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後部座席を構成する前側の枠線に遊端を固着し
   た略Ｕ字状のストツパを車体の床面にロツクして
   後部座席を固定する自動車用後部座席の取付構造
   において、前記車体の床面を構成し座席取付用の
   垂直面を有するクロスメンバーと、このクロスメ
   ンバーの外側面垂直面に、平行に形成し側板によ
   つて前記座席のストツパが嵌挿される間隙分あけ
   て固着したブラケツトと、このブラケツトに設け
   た窓孔よりクロスメンバーの垂直面方向に突出す
   る山形状係止部付きの弾性係止片とから構成さ
   れ、前記クロスメンバーとブラケツトとの間の間
   隙に嵌挿された座席側のストツパを係止片の山形
   状係止部で係止させて座席の前部を車体に固定す
   ると共にブラケツトの側板にストツパが当接して
   横振れを防止することを特徴とする自動車用後部
   座席の取付構造。