JP3692716B2 - 車輌用リヤシート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、組立作業が簡単なうえ取付強度にも優れた車輌用リヤシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車輌用リヤシートにおけるシートクッションの取付構造としては、組立の容易性、軽量性および取付強度性など種々の要件が要求されており、例えば、実開平3−72032号公報に示されるように、シートクッションの後端部にワイヤからなる弾性係止枠部を設け、これをボディ側の床面に設けた断面コ字状の嵌合部材に弾発的に嵌合係止させたものが知られている。
【0003】
ところが、従来のこの種のシートの取付構造においては組立の容易性や軽量性は満足するものの、例えば、衝突事故等によって前方側へ大きな衝撃が加わった場合には、十分な取付強度がないため前記弾性係止枠部が嵌合部材から抜けてしまい係止状態を維持することができずにシートクッションを破損させてしまうという問題点があった。また、このような弾性係止枠部の抜けを防止するには弾性係止枠部および嵌合部材自体の強度を十分に高いものとしたり、ボルト等の固定部品を用いて締結強度を高めることが必要となり、軽量化が図れなくなるとともに組立作業の工程数も増えるという問題点が生じた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来の問題点を解決して、十分な組立の容易性や軽量性を発揮することができるとともに、衝突事故等によって前方側へ大きな衝撃が加わった場合にもシートクッションが外れて破損することを確実に防止することができる車輌用リヤシートを提供することを目的として完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の車輌用リヤシートは、シートクッションの枠線の後端に先端をU字部として上り勾配状に屈曲した弾性係止枠部を形成しておく一方、シートバックの枠線の下端には先端をU字部とする弾性固定枠部を形成してこの弾性固定枠部間に固定部材を架設しておき、前記弾性係止枠部をこの弾性固定枠部内に挿入して両者を前記固定部材の補助下に弾発係止させることによりシートクッションをシートバックに連結したことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図中1はシートクッション、2はシートバックであり、これらシートには常法に従い、発泡一体成形によりパッド材にインサート成形されるか或いは成形したパッド材の裏面にホグ止めされた枠線3、4がそれぞれ装着されており、これらシートクッション1とシートバック2とが連結一体化されて車輌用リヤシートを構成している点は従来のこの種のシートと基本的に同じである。
【0007】
そして本発明では、前記シートクッション1の枠線3の後端に、図2に示されるように、先端をU字部として上り勾配状に屈曲させて突設した側面から見てく字状のワイヤーよりなる弾性係止枠部5が所要の間隔をおいて2個形成されているとともに、該弾性係止枠部5に対応してシートバック2の枠線4の下端にも先端をU字部とするワイヤーよりなる弾性固定枠部6が2個形成されている。また、この弾性固定枠部6の中間位置には両側ワイヤ6a、6a間を跨ぐように固定部材7を架設してあり、前記弾性係止枠部5を弾性固定枠部6内に挿入すると両者は固定部材7の補助下に弾発的に係止され、これによりシートクッション1をシートバック2に連結一体化している。
【0008】
なお、前記固定部材7には、通常時は弾性係止枠部5の両側ワイヤ5a、5a間に位置する抜け防止片8が垂設されていて、例えば、衝突事故等によって前方側へ大きな衝撃が加わり、該弾性係止枠部5が弾発力に反して抜けようとした場合には該弾性係止枠部5の先端のU字部がこの抜け防止片8に係合して抜け止めされるようになっている。
【0009】
また、前記弾性係止枠部5の枠幅すなわち両側ワイヤ5a、5a間の幅は弾性固定枠部6の両側ワイヤと接触しないよう弾性固定枠部6の枠幅すなわち両側ワイヤ6a、6aの幅よりも狭くなっており、シート使用時において両側ワイヤ同士が擦れ合って異音の発生がないように構成されている。
【0010】
次に、上記シートを車輌へ取り付ける手順について説明すると、先ず、シートバック2の枠線中央部にあるフック(図示せず)を車輌の対応箇所に引っかけたうえ、適宜形成されたU字状のアンカー部10をボルト11で固定する。次いで、シートクッション1をセットすれば、その後端には先端をU字部として上り勾配状に屈曲させた弾性係止枠部5が突設されているので、この弾性係止枠部5がシートバック2の下端に形成した弾性固定枠部6内に挿入されてその先端のU字部はこの弾性固定枠部6に架設されている固定部材7の抜け防止片8の下端を潜り抜け、図2に示すように抜け防止片8を跨いで固定部材7の下面と弾性固定枠部6の下端のU字状屈曲部とにより弾発的に係止され、シートクッション1とシートバック2とが連結一体化される。このようにシートクッション1とシートバック2との連結操作は、弾性係止枠部5を弾性固定枠部6内に嵌挿するのみで両者が固定部材7の補助下に自動的に弾発的に係止されるので、何らボルト締め等の煩わしい作業がなく極めて簡単に行うことができ、また、図3に示されるように、弾性係止枠部5のワイヤ5aが固定部材7の背面側に弾発的に係止されてしっかりと固定保持されることとなるから、その後はシートクッション1の前端に形成してある2個の垂下部12をグロメット13を介してボディフロア面に固定すればシートの装着作業は終了する。
【0011】
このように本発明では、弾性係止枠部5が弾性固定枠部6内に弾発下に強固かつ確実に係止されているので、シートクッション1とシートバック2とを実用上支障なく使用することができ、また使用中に係止部における各側ワイヤ5a、6aが擦れ合って異音を発生することもない。そして、万一衝突事故等によって前方側へ大きな衝撃が加わった場合にも、図4に示されるように、当初は弾性係止枠部5と弾性固定枠部6の弾発力で前方側への移動荷重をある程度まで吸収し、その後、弾性係止枠部5が前方側へ引っ張られても先端のU字状屈曲部が固定部材7に垂設された抜け防止片8に引っ掛かって抜けることがないため、従来のようにシートクッション1が外れて破損する現象が確実に防止されることとなる。しかも、シートクッション1の外れ防止のために従来のようなボルトの締結等を行なったりワイヤを太くする必要もなく、組立作業が容易でかつ十分な軽量化を図れることとなる。
【0012】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は従来のようなボルトの締結等を行なったりワイヤを太くしなくてもよいので、十分な組立の容易性や軽量性を発揮することができるとともに、衝突事故等によって前方側へ大きな衝撃が加わった場合にもシートクッションが外れて破損することを確実に防止することができるものである。
よって本発明は従来の問題点を一掃した車輌用リヤシートとして、産業の発展に寄与するところは極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の要部を示す斜視図である。
【図3】本発明の要部の連結状態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における抜け防止を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 シートクッション
2 シートバック
3 枠線
4 枠線
5 弾性係止枠部
6 弾性固定枠部
7 固定部材
8 抜け防止片
Claims (3)
- シートクッション(1) の枠線(3) の後端に先端をU字部として上り勾配状に屈曲した弾性係止枠部(5) を形成しておく一方、シートバック(2) の枠線(4) の下端には先端をU字部とする弾性固定枠部(6) を形成してこの弾性固定枠部(6) 間に固定部材(7) を架設しておき、前記弾性係止枠部(5) をこの弾性固定枠部(6) 内に挿入して両者を前記固定部材(7) の補助下に弾発的に係止させることによりシートクッション(1) をシートバック(2) に連結したことを特徴とする車輌用リヤシート。
- 固定部材(7) には常時は弾性係止枠部(5) の両側ワイヤ間に位置する抜け防止片(8) が垂設されていて、弾性係止枠部(5) が抜けようとした場合にその先端のU字部が抜け防止片(8) に係合して抜け止めされるようになっている請求項1に記載の車輌用リヤシート。
- 弾性係止枠部(5) の枠幅を弾性固定枠部(6) の枠幅よりも狭くして両側ワイヤ同士が接触しないようにしてある請求項1または2に記載の車輌用リヤシート。
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JPH1134709A JPH1134709A (ja) | 1999-02-09 |
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JP19673597A Expired - Lifetime JP3692716B2 (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | 車輌用リヤシート |
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Cited By (1)
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