JPH092354A - 自動二輪車のシート取り付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動二輪車のシート取り付け構造において、
シートが上方に引っ張られて変形しても、確実にシート
を車両に保持させる。 【構成】 車体フレーム２の前部に載置された燃料タン
ク４と、燃料タンク４の後ろ側で車体フレーム２に支持
されたシート６とを備えた自動二輪車において、シート
６は、その前部が燃料タンク４の後面４ａおよび車体フ
レーム２それぞれに保持手段８，１０を介して保持さ
れ、かつ、該前部が保持された状態で後部が車体フレー
ム２に締着される。保持手段８，１０は、燃料タンク４
の後面４ａおよび車体フレーム２それぞれに突設された
フック８ａ，１０ａと、シート６の下面６ａに突設され
フック８ａ，１０ａに前方から差し込まれて保持される
フック８ｂ，１０ｂとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動二輪車のシート取
り付け構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の自動二輪車のシート取り付け構造
の一例を図３および図４に示す。この自動二輪車は、オ
フロードタイプのものであって、車体フレームａの前部
に載置された燃料タンクｂと、この燃料タンクｂの後方
位置に着脱可能に装着されたシートｃとを有する。燃料
タンクｂの後面および車体フレームａには、後方に屈曲
したフックｄ１，ｄ２が突設される一方、シートｃの下
面には、シート装着時に前記フックｄ１，ｄ２に後方か
ら差し込まれる前方に屈曲したフックｅ１，ｅ２が突設
されている。さらに、シートｃの後端部には、車体フレ
ームａに突設された取り付け片ｆにネジ部材で締着され
る取り付け片ｇが設けられる。

【０００３】このように構成される従来のシート取り付
け構造によれば、シートｃは、シート側のフックｅ１，
ｅ２が車体側のフックｄ１，ｄ２に後方から差し込まれ
て保持された状態で、車両側の取り付け片ｆとシート側
の取り付け片ｇとがボルト等で締着されることにより車
両に装着される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のシート取り付け構造においては、装着状態のシート
ｃを上方に持ち上げようとすると、車両側のフックｄ
１，ｄ２からシート側のフックｅ１，ｅ２が外れる恐れ
がある。すなわち、図５に示すように、例えばシートベ
ルトｈの引張テストにおいて荷重Ｆがシートｃに働く
と、シートｃの下面が軸両側面視で凸状に撓み、このシ
ートｃの変形により、シート側のフックｅ１，ｅ２が車
両側のフックｄ１，ｄ２から抜ける可能性がある。特
に、シートｃの下面を構成するシート基板が可撓性を有
する樹脂製のものである場合には、シートｃの下面がよ
り一層変形しやすい。

【０００５】本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、シートが上方に引っ張られて変形し
ても、確実にシートを車両に保持する自動二輪車のシー
ト取り付け構造を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために次の構成を有する。すなわち、本発明は、
車体フレームの前部に載置された燃料タンクと、該燃料
タンクの後ろ側で前記車体フレームに支持されたシート
とを備えた自動二輪車において、前記シートは、その前
部が前記燃料タンクの後面および前記車体フレームのう
ち少なくとも一方に一つ以上の保持手段を介して保持さ
れ、かつ、該前部が保持された状態で後部が前記車体フ
レームの少なくとも一箇所に締着され、前記保持手段
は、前記燃料タンクの後面または前記車体フレームに突
設された保持片と、前記シートの下面に突設され、か
つ、前記保持片に前方から差し込まれて保持される差し
込み片とを備えたことを特徴とする自動二輪車のシート
取り付け構造である。

【０００７】

【作用】本発明によれば、シートの下面に突設された差
し込み片が前記保持片に前方から差し込まれて保持され
るため、シート後部の締着部とシート前部の差し込み片
との間に上方に向く荷重が働いても、差し込み片が保持
片から外れることはない。すなわち、シートが上方に引
っ張られることにより、シート下部が車両側面視で凸状
に変形しても、差し込み片は、その差し込み方向が前方
から後方に向くため、保持片に強く噛み合うようにな
る。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。本実施例の自動二輪車は、図１に示すように、
車体フレーム２の前部に載置された燃料タンク４と、燃
料タンク４の後ろ側で車体フレーム２に支持されたシー
ト６とを備える。車体フレーム２は、ステアリングヘッ
ドパイプ２ａから後下方に延びるメインフレーム２ｂ
と、このメインフレーム２ｂにおける燃料タンク４の後
端近傍から後方へ略水平に延びるシートレール２ｃとを
備える。

【０００９】燃料タンク４は、ステアリングヘッドパイ
プ２ａの後ろ側でメインフレーム２ｂの前部を跨ぐよう
に略鞍型形状に形成される。燃料タンク４の後面４ａ
は、車両側面視で後ろ下がりに傾斜している。

【００１０】シート６は、車両前後方向に長い形状であ
り、主にシートレール２ｃに支持される。シート６の前
部は、燃料タンク４の後面４ａに合わせて反り上がって
おり、これにより運転者は、燃料タンク４の後部付近で
もライディングポジションがとれるようになっている。
シート６の後部の所定位置には、シートバンド６ｂが車
幅方向に架け渡される。

【００１１】シート６は、その前部が燃料タンク４の後
面４ａおよびシートレール２ｃそれぞれに保持手段８，
１０を介して保持される一方、該前部が保持された状態
で後部がシートレール２ｃに締着される。

【００１２】保持手段８，１０は、燃料タンク４の後面
４ａの略中央位置、および、シートレール２ｃにおける
燃料タンク４後端近傍の部位それぞれに突設されたフッ
ク（保持片の一例）８ａ，１０ａと、シート６の下面６
ａに突設されてフック８ａ，１０ａに前方から差し込ま
れて保持されるフック（差し込み片の一例）８ｂ，１０
ｂとを備える。

【００１３】フック８ａおよびフック１０ａそれぞれ
は、燃料タンク４の後面４ａおよびシートレール２ｃか
ら略垂直に突出し、さらに前側に向けて略直角に屈曲し
た車両右側面視逆Ｌ字状を呈する。一方、フック８ｂお
よびフック１０ｂそれぞれは、シート６の下面６ａから
略垂直に突出し、さらに、フック８ａおよびフック１０
ａに前方から挿入できるように、略直角に後方に屈曲し
た車両右側面視略Ｌ字状を呈する。

【００１４】シート６の下部であってシートバンド６ｂ
よりも後方箇所には、シートレール２ｃの後端部に突設
された取り付け片１２にボルト等で締着される取り付け
片１４が設けられている。

【００１５】本実施例では、次のようにシート６を車両
に取り付ける。まず、使用者等は、シート側のフック８
ｂ，１０ｂを車両側のフック８ａ，１０ａに差し込みな
がらシート６を燃料タンク４の後面４ａとシートレール
２ｃとの上に載せる。この際、フック８ｂ，１０ｂは、
略後下方に移動しながらフック８ａ，１０ａの開放部に
前方から挿入される。その後、シート６の取り付け片１
４と車両側の取り付け片１２とを重ねた状態で両者をボ
ルト等で締着する。

【００１６】以上のような構成を有する本実施例によれ
ば、図２に示すように、シートバンド６ｂを引っ張るな
どして荷重Ｆがシート６に働くと、シート６の下面６ａ
が凸状に変形するが、フック８ｂ，１０ｂの差し込み方
向が前方から後方に向くので、シート側のフック８ｂ，
１０ｂは、車両側のフック８ａ，１０ａに強く噛み合
い、そのためむしろシート６の前部の保持状態を強くす
る。したがって、シート６が上方に引っ張られて変形し
ても、確実にシート６を燃料タンク４および車体フレー
ム２に保持することができる。また、従来はシートの変
形に対して不利とされていた箇所でも、シートバンド６
ｂを設けることができるため、シートバンド６ｂの取り
付け位置の自由度が広がる。これらの効果は、シート６
の下面６ａを構成するシート基板が可撓性を有する樹脂
製のものである場合、特に有効なものである。

【００１７】なお、本実施例は、本発明の好適な実施の
態様であり、本発明の技術的範囲は本実施例に限定され
ない。例えば、本実施例では、保持手段を燃料タンク４
および車体フレーム２それぞれに対応させたが、本発明
はこれに限定されず、燃料タンク４および車体フレーム
２のうちいずれか一方に保持手段を対応させてもよい。
また、本発明に係る保持手段および締着部（取り付け
片）の数は、本実施例に限定されず適宜変更できる。

【００１８】

【発明の効果】以上の説明の通り、本発明の自動二輪車
のシート取り付け構造によれば、シートが上方に引っ張
られて変形しても、確実にシートを車両に保持すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例のシート取り付け構造の車両側面視に
おける分解図である。

【図２】本実施例のシート取り付け構造の側面図であっ
て、シートベルトを上方に引っ張った状態を示すもので
ある。

【図３】従来のシート取り付け構造を備えた自動二輪車
の側面図である。

【図４】従来のシート取り付け構造の車両側面視におけ
る分解図である。

【図５】従来のシート取り付け構造の側面図であって、
シートベルトを上方に引っ張った状態を示すものであ
る。

【符号の説明】

２ 車体フレーム ４ 燃料タンク ４ａ 燃料タンクの後面 ６ シート ８ 保持手段 ８ａ フック（保持片の一例） ８ｂ フック（差し込み片の一例） １０ 保持手段 １０ａ フック（保持片の一例） １０ｂ フック（差し込み片の一例） １２ 取り付け片 １４ 取り付け片

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体フレームの前部に載置された燃料タ
   ンクと、該燃料タンクの後ろ側で前記車体フレームに支
   持されたシートとを備えた自動二輪車において、 前記シートは、その前部が前記燃料タンクの後面および
   前記車体フレームのうち少なくとも一方に一つ以上の保
   持手段を介して保持され、かつ、該前部が保持された状
   態で後部が前記車体フレームの少なくとも一箇所に締着
   され、 前記保持手段は、前記燃料タンクの後面または前記車体
   フレームに突設された保持片と、前記シートの下面に突
   設され、かつ、前記保持片に前方から差し込まれて保持
   される差し込み片とを備えたことを特徴とする自動二輪
   車のシート取り付け構造。