JP3648525B2 - 車両用シートバックの固定構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車両用シートバックの固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リヤシートのシートバックは、シートバックフレームを備えて構成されており、このシートバックの下端部には、左右両端部及び中央寄りの2箇所である計4箇所にシートバックから突出するように取付片部がシートバックフレームと一体に形成されている。この各取付片部には、取付孔が形成され、車体側には床面に固定孔が4個形成されている。
【0003】
シートバックを車体に固定するには、各取付片部の取付孔と床面の各固定孔とをそれぞれ整合させるようにシートバックを配し、各取付孔側からそれぞれボルトを挿入する。そして、床面の裏側から座面を介して各ボルトをナットで締め付け固定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記固定構造ではボルトやナット等を必要とするため部品点数が増えてコスト高になる。さらには、ボルトの締め付け作業をしなければならないから面倒である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、部品点数を減らすことができるとともに固定作業が容易となる車両用シートバックの固定構造を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の車両用シートバックの固定構造は、シートベルトバックルを固定するためのベルトアンカプレートが設けられた車体に、シートバックフレームを備えてなるシートバックを固定するための車両用シートバックの固定構造において、シートバックフレームの下端部には、シートバックから突出する嵌め込み部が形成されるとともに、ベルトアンカプレートには、嵌め込み部が嵌め込まれて保持されるシート保持部が形成されているとともに、前記シート保持部は、車体に対して立上り状となるようにベルトアンカプレートに一体に設けた立上り片部とその立上り片部に形成した嵌合孔とからなり、嵌め込み部は突片状に形成されその先端が車両の前方に屈曲して形成されていることに特徴を有する(請求項1の発明)。
【0007】
【作用】
請求項1の発明によれば、シートバックを車体に固定するには、ベルトアンカプレートに設けた立上り片部の嵌合孔に、シートバックフレームの下端部に形成した嵌め込み部を挿入する。この際、嵌め込み部は、その先端が車両の前方に屈曲した形状であるため、シートバックの上部を前方に傾けた姿勢で嵌め込み部の先端を嵌合孔に挿入し、さらにシートバックの下端部を前方に突き出すように回動させて嵌め込み部を付け根部分まで嵌合孔に挿入する。これにより、嵌め込み部の先端が嵌合孔に係合してシートバックは抜け止め状態とされる。
【0009】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、既存のベルトアンカプレートにシートバック保持部を設けてシートバックを固定するようにしたから、シートの固定のためにボルトやナット等を用いる必要はなく、部品点数を減らすことができてコストの低減を図ることができるとともに、締め付け作業をしなくてもよいから固定作業が非常に容易となる効果を奏する。さらに、嵌め込み部の先端が屈曲しているから、嵌め込み部を嵌合孔に係合させて抜け止め状態とすることができ、シートバックを確実に固定することができる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の車両用シートバックの固定構造を具体化した一実施例について図1乃至図3を参照して説明する。
本実施例の車両用シートバックの固定構造は、車両におけるリヤシートのシートバックを車体に固定するための固定構造であり、図1に示すように、車室内後部では、床面1の後端部は斜めに立ち上がった後、ほぼ垂直に立ち上がり、その垂直に立ち上がった部分にはトランクルームと車室とを連結する貫通孔2が形成されている。また、車室内後部の左右両側部には、ホイールハウス3が膨出している。さらに、床面1の後端部であって斜めに立ち上がった部分には、各ホイールハウス3の内側に固定孔4が形成されるとともに、各ホイールハウス3間のほぼ中央付近に、所定間隔でベルトアンカプレート5が2個設けられている。このベルトアンカプレート5は、リヤ用のシートベルト6におけるベルトバックル7を車体に固定するためのものである。
【0011】
各ベルトアンカプレート5は、図2、図3に示すようにL字状に形成されており、そのほぼ中央部には取付孔5aが形成されている。そして、床面1に形成された固定孔1aにそれぞれ取付孔5aを整合させるとともに、各一端部が車両の側方に、他端部が後方に伸びるように配し、各取付孔5a側からそれぞれボルト8を挿入して床面1の裏側でナット9で締め付け固定されている。このベルトアンカプレート5の両端部は、床面1からほぼ垂直に立ち上がるように屈曲形成されて立上り片部10,11となっており、この立上り片部10,11には床面に沿って伸びる細長な貫通孔10a,11aが形成されている。そして、一端部側に形成された貫通孔10aにはベルトバックル7から延出されるベルト7aが連結されている。また、他端部側の立上り片部11に形成された貫通孔11aが本発明の嵌合孔に相当し、この立上り片部11と貫通孔11aからシート保持部17が構成される。
【0012】
一方、リヤシートのシートバック12は、図示しないシートバックフレームにシートクッションを取り付け、さらにそれらをシートカバー13で覆って構成されている。このシートバック12の下端部には、その左右両端部及び中央寄りの2箇所である計4箇所に、シートバックフレームに一体に設けられた突片状の取付片部14,15が突出している。この取付片部14,15は、極太な針金をU字状に屈曲しその両端部をシートバックフレームに溶接することにより形成されている。また、取付片部14,15のうち、中央寄りに設けられた2つの取付片部15は、その先端部が前方に折り曲げられてく字状となっている。そして、その取付片部15の幅はベルトアンカプレート5の立上り片部11に形成された貫通孔11aの横方向の幅より僅かに狭く、その貫通孔11aに挿入可能となっている。この中央寄りのく字状に形成された取付片部15が本発明の嵌め込み部に相当する。
【0013】
次に、本実施例の作用について述べる。シートバック12を車体に固定するためには、まず、中央寄りの2つの取付片部15を床面1に固定されている各ベルトアンカプレート5の他端部側の貫通孔11aにそれぞれ挿入する。この際、取付片部15の先端が前方に屈曲形成されているので、シートバック12の上部を前方に僅かに傾けるような姿勢で取付片部15の先端を貫通孔11aに挿入する。さらに、シートバック12の下端部を前方に突き出すように回動させて取付片部15の付け根部分まで挿入する。これにより、取付片部15の先端が貫通孔11aに係合してシートバック12が抜け止め状態とされる(図2参照)。
【0014】
さらに、シートバック12の両端部に設けられた取付片部14をホイールハウス3の内側に形成されている固定孔4に整合させるように、シートバック12の位置を調整する。そして、この各取付片部14側からボルト16を挿入し、床面の裏側で座面を介してナット(図示せず)で締め付け固定する。
【0015】
このように本実施例によれば、シートバック12を車体に固定するには、中央寄りの2つの取付片部15をベルトアンカプレート5の貫通孔11aに嵌め込んだ後、残りの取付片部14だけをねじ止めすればよいから、全ての取付片部をねじ止めするのに対し固定作業が非常に容易となるとともに、既存のベルトアンカプレートを利用してシート保持部17を形成したからボルト等部品点数が減りコストを低減させることができる。さらに、取付片部15がく字状に形成されているから、取付片部15が貫通孔11aに抜け止めされて、シートバック12が確実に固定される。また、従来の固定構造であると、取付片部は床面に直接固定されるから、その形状は床面の形状に沿ったものとなり、設計上車体の形状に制約されることになるが、本実施例ではベルトアンカプレート5を介して車体に固定するようにしたから、取付片部15が直接床面1に接触せず、車体の形状に係わらずに設計することができ、さらには、シートバックの共通化を図ることも容易となる。
【0016】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施態様も本発明の技術的範囲に属する。
(1) 上記実施例では取付片部15はく字形に屈曲していたが、本発明の嵌め込み部は屈曲せずにまっすぐなものであってもよく、その場合には、貫通孔に挿入し易く作業が容易となる。
その他、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の全体を示す斜視図である。
【図2】 シートバックが固定された状態を示す一部断面図である。
【図3】 ベルトアンカプレートを示す斜視図である。
【符号の説明】
5…ベルトアンカプレート
11…立上り片部
11a…貫通孔(嵌合孔)
15…取付片部(嵌め込み部)
17…シート保持部
Claims (1)
- シートベルトバックルを固定するためのベルトアンカプレートが設けられた車体に、シートバックフレームを備えてなるシートバックを固定するための車両用シートバックの固定構造において、
前記シートバックフレームの下端部には、前記シートバックから突出する嵌め込み部が形成されるとともに、前記ベルトアンカプレートには、前記嵌め込み部が嵌め込まれて保持されるシート保持部が形成されているとともに、
前記シート保持部は、前記車体に対して立上り状となるように前記ベルトアンカプレートに一体に設けた立上り片部とその立上り片部に形成した嵌合孔とからなり、前記嵌め込み部は突片状に形成されその先端が前記車両の前方に屈曲して形成されていることを特徴とする車両用シートバックの固定構造。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP10306995A JP3648525B2 (ja) | 1995-04-03 | 1995-04-03 | 車両用シートバックの固定構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10306995A JP3648525B2 (ja) | 1995-04-03 | 1995-04-03 | 車両用シートバックの固定構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08276766A JPH08276766A (ja) | 1996-10-22 |
JP3648525B2 true JP3648525B2 (ja) | 2005-05-18 |
Family
ID=14344376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10306995A Expired - Fee Related JP3648525B2 (ja) | 1995-04-03 | 1995-04-03 | 車両用シートバックの固定構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3648525B2 (ja) |
-
1995
- 1995-04-03 JP JP10306995A patent/JP3648525B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08276766A (ja) | 1996-10-22 |
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