JPS632708Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はチエツクバルブ装置、特に、内側面に
弁座を形成したバルブハウジングと、このバルブ
ハウジング内に収納されたバルブ本体と、このバ
ルブ本体に装着されて前面の環状シール突起を前
記弁座に対面させるシール部材と、前記バルブ本
体を前記弁座の方向へ弾発するバルブスプリング
とよりなるものに関する。

かかるチエツクバルブ装置において、バルブ本
体に対するシール部材の誤組により、シール部材
の背面を弁座に対面させた場合には、シール部材
による閉弁機能が損われる。

そこで、本考案は、組立後バルブハウジング内
に閉弁方向の圧力を加えれば、シール部材の誤組
を的確に発見し得るようにした前記チエツクバル
ブ装置を提供することを目的とするもので、その
特徴は、前記弁座に複数個の小突起を設け、この
小突起は、前記シール突起の弁座への密着を阻害
しないよう前記シール部材前面の環状凹部に受容
され、且つ該シール部材の背面を弁座に対面させ
るような該シール部材の誤組時には該シール部材
を受け止めてそれと弁座との間にリーク通路をつ
くるように形成されたところにある。

以下、図面により本考案の一実施例について説
明すると、第１図において、バルブハウジング１
は、合成樹脂製ハウジング本体１ａの開放端に同
じく合成樹脂製の蓋体１ｂを嵌合し溶着して構成
される。蓋体１ｂには、その中心部に流入ポート
２が、またその流入ポート２が開口する内側面に
弁座４が形成され、ハウジング本体１ａの、蓋体
１ｂと対向する端壁中心部には流出ポート３が形
成されている。このバルブハウジング１には、チ
エツクバルブ５及びバルブスプリング６が収容さ
れる。

チエツクバルブ５は、合成樹脂製のバルブ本体
７とゴム製のシール部材８とより構成される。バ
ルブ本体７は前面を弁座４に対向させる主部７ａ
と、主部７ａの前面に突設されて流入ポート２内
に突入する案内部７ｂと、主部７ａの背面に突設
されてハウジング本体１ａの端壁に対面するスト
ツパ突起７ｃとより構成され、案内部７ｂの根元
は小径に形成されて首部７ｄとなつている。この
首部７ｄにシール部材８の中心孔９を弾力的に嵌
込むことにより該部材８はバルブ本体７に装着さ
れる。

シール部材８は、弁座４に対面する環状のシー
ル突起８ａと、このシール突起８ａの内側に隣接
する環状凹部８ｂとを有し、シール部材８の背面
８ｃは平坦面になつている。

一方、弁座４には、上記環状凹部８ｂに受容さ
れてシール突起８ａの弁座４への密着を許容する
小突起１０が複数突設される（第３図参照）。

バルブスプリング６は、バルブ本体７を弁座４
の方向の弾発するようにバルブ本体７とハウジン
グ本体１ａの端壁との間に縮設される。その際、
バルブスプリング６を図示例のように円錐台状コ
イルスプリングより構成して、その小径端部６ａ
をバルブ本体７の主部７ａ外周に設けられた環状
溝１１に弾力的に嵌合すれば、バルブスプリング
６とチエツクバルブ５との結合体が構成され、組
立性が良好となる。

次にこの実施例の作用を説明すると、チエツク
バルブ装置の組立後、チエツクバルブ５のシール
部材８が適正に装着されているか否かを検査する
には、流出ポート３をエアコンプレツサ等の正圧
源に接続し、または流入ポート２を真空ポンプ等
の負圧源に接続して、ハウジング１内に閉弁方向
の圧力を加える。

例えば、流出ポート３を高圧源に接続した場合
には、シール部材８が第１図のように適正に装着
されていれば、チエツクバルブ５は流出ポート３
からの正圧を受けて弁座４に着座したとき、シー
ル部材８のシール突起８ａが弁座４に密着し、流
入ポート２への空気の流出は起こらない。これに
よつてチエツクバルブ５の閉弁機能が正常である
ことが確認される。

一方、シール部材８が第２図に示すように誤組
され、シール部材８の背面８ｃが弁座４に対面さ
せられると、その背面８ｃは平らであるから、流
出ポート３からの圧力により弁座４の方向に押圧
されても、小突起１０に受け止められて弁座４へ
の密着を阻止され、その間にバルブハウジング１
内部と流入ポート２とを連通させるリーク通路１
２が生じる。したがつて、流出ポート３の圧力
は、リーク通路１２から流入ポート２へ漏出する
ので、流入ポート２から空気の流出が起こる。こ
のような閉弁機能の欠陥からシール部材８の誤組
が確認される。

ここで、若し弁座４に小突起１０が設けられて
いなければ、シール部材８の誤組時でも、この背
面８ｃが弁座４の全周に亘り当接して一応の閉弁
機能を発揮するので、上記のような圧力検査では
誤組状態を発見することは極めて困難である。

かくして、適正と確認されたチエツクバルブ装
置は、流入ポート２に圧力を加えられるとチエツ
クバルブ５をバルブスプリング６の偏倚力に抗し
て開弁して流入ポート２から流出ポート３への空
気の流通を許容する。その際、チエツクバルブ５
の開弁ストロークが大きくなると、ストツパ突起
７ｃがハウジング本体１ａの端壁に当接して開弁
ストロークを規制し、バルブ本体７による流出ポ
ート３の閉鎖を防止する。また、流入ポート２側
より流出ポート３側の圧力が高くなれば、その圧
力差とバルブスプリング６の弾発力とによりチエ
ツクバルブ５は弁座４に着座して、流出ポート３
が流入ポート２への空気の逆流を阻止する。この
ような閉弁は、シール部材８のシール突起８ａの
弁座への密着により長期間に亘り確実に行われ
る。

以上のように本考案によれば、弁座に複数個の
小突起を設け、この小突起は、シール突起の弁座
への密着を阻害しないようシール部材前面の環状
凹部に受容され、且つ該シール部材の背面を弁座
に対面させるような該シール部材の誤組時には該
シール部材を受け止めてそれと弁座との間にリー
ク通路をつくるように形成されたので、組立後バ
ルブハウジング内に閉弁方向の圧力を加えれば、
シール部材の誤組時にはリーク通路を通して圧力
リークが確実に生じることから、その誤組を的確
に発見することができ、品質管理上極めて有用で
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の一実施例を示すもので、第
１図は適正な組立状態での縦断側面図、第２図は
誤組状態での縦断側面図、第３図は第２図の−
線断面図である。 １……バルブハウジング、４……弁座、５……
チエツクバルブ、６……バルブスプリング、７…
…バルブ本体、シール部材、１０……小突起、１
２……リーク通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内側面に弁座を形成したバルブハウジングと、
   このバルブハウジング内に収納されたバルブ本体
   と、このバルブ本体に装着されて前面の環状シー
   ル突起を前記弁座に対面させるシール部材と、前
   記バルブ本体を前記弁座の方向へ弾発するバルブ
   スプリングとよりなるチエツクバルブ装置におい
   て、前記弁座に複数個の小突起を設け、この小突
   起は、前記シール突起の弁座への密着を阻害しな
   いよう前記シール部材前面の環状凹部に受容さ
   れ、且つ該シール部材の背面を弁座に対面させる
   ような該シール部材の誤組時には該シール部材を
   受け止めてそれと弁座との間にリーク通路をつく
   るように形成されたことを特徴とする、チエツク
   バルブ装置。