JPS6327027Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車体前部にウインドスクリーンを備え
る二輪車等の軽車両におけるルーフの特に支持構
造に関する。

自動二輪車、自動三輪車等の軽車両には、風防
のためにその車体前部にウインドスクリーンを装
着することが多い。そして雨天等の悪天候時に
は、雨除け等のためにウインドスクリーンの上端
に更にルーフを取付けること、及び運転者の体格
等に合せて容易にルーフとウインドスクリーンの
相対角度を調整することことが望まれるが、急に
雨が降つてきた時に簡易にルーフを取付けること
ができ、且つその取外しも容易であることが一層
望ましく、又取外したルーフの収納スペース並び
に盗難防止対策に一考を要する。

本考案は以上の事情に鑑みて成されたもので、
その目的とする処は、必要に応じてルーフをワン
タツチで着脱できるとともに、容易にルーフとウ
インドスクリーンの相対角度を調節することがで
き、しかも車両には新たな収納スペースを設ける
ことなく取外したルーフの収納を合理的に行うこ
とができ、更に常時ルーフをウインドスクリーン
側へ支持させて盗難防止を企図した二輪車等の軽
車両におけるルーフを提供するにある。

斯かる目的を達成すべく本考案は、ウインドス
クリーンの上部左右両側の夫々に、前記ウインド
スクリーン支持部材に基部を上下揺動自在に枢着
されるリンクを配設するとともに、前記リンク先
部と前記ルーフ基部を枢着する軸部を有し、該軸
部を中心とするリンク及びルーフの相対角度を調
整自在とした角度調整部材と、前記ウインドスク
リーンに固設され、前記軸部と係脱自在に係合す
るルーフ支持部材とを配設し、前記ルーフ使用時
及び非使用時を前記リンクの上下揺動及び前記ル
ーフ支持部材への前記軸部の係脱により選択でき
るとともに、ルーフ使用時に前記ルーフ及び前記
リンクの相対角度を自由に設定できるようにした
ことを要旨とする。

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。

第１図は本考案に係るルーフを装着した自動二
輪車の斜視図、第２図はそのウインドスクリーン
とルーフの拡大斜視図であり、以下の説明では車
両を底床式フロア等を有する自動二輪車とする
が、その他の自動二輪車及び自動三輪車等の軽車
両にも本考案は適用される。

図示では自動二輪車１は、底床式フロア２を有
し、フロア２後部のシートカウル３の下部には後
輪４が、フロア２前部のレツグシールド５の下部
には前輪６が夫々配され、レツグシールド５の上
方にはフエアリング７が装備され、フエアリング
７上部には透明のウインドスクリーン９が装着さ
れている。

そしてウインドスクリーン９の左右両側縁の下
半部はフエアリング７と一体に形成したステイ７
ａ，７ａに嵌入支持されており、ステイ７ａ，７
ａの上端はウインドスクリーン９の高さ方向略中
央部まで延出されている。

斯かるステイ７ａの上端に第３図に示すように
外側方へ突出するリベツト状の支持ピン８を設
け、このピン８にリンク１１の一端を遊嵌し、ピ
ン８のボス８ａによりリンク１１の抜脱を阻止す
る。このリンク１１及び前記ステイ７ａはウイン
ドスクリーン９の両側縁に配置される。

このリンク１１はウインドスクリーン９の上半
部側縁に沿わせた状態で先端がスクリーン９上端
のコーナー部９ａに臨み、そのリンク１１先端に
は第４図及び第５図に示すように外側方からゴム
等の弾性体から成るスペーサ１２を介装して固定
ダイヤル１３のピン部１３ａが遊嵌されている。

更にリンク１１の内方に突出するピン部１３ａ
にはルーフガード１４、ブラケツト１５が順次遊
嵌され、ピン部１３ａ先端のネジ部１３ｂはブラ
ケツト１５の内面に固着したナツト１６に螺合し
ている。尚、固定ダイヤル１３のピン部１３ａは
リンク１１の先端と、ルーフガイド１４即ちルー
フ基部を枢着する軸部をなし、リンク１１とルー
フ１０の相対角度調整は両者１１，１０が好みの
角度を成す時に固定ダイヤル１３のネジ部１３ｂ
をナツト１６に螺合し締め込んで行なう。

ところでルーフガード１４は断面コ字形を成し
てある程度長く形成され、左右のルーフガード１
４，１４のコ字形内にルーフ１０の前端両側縁を
嵌入支持することによりルーフ１０の保持がなさ
れている。

又ブラケツト１５は鉤形を成し、この鉤形の内
部に固定ベース１７を固着して備え、固定ベース
１７は断面コ字形を成してウインドスクリーン９
上端のコーナー部９ａを抱持する形状に形成され
ている。従つて、ダイヤル１３をナツト１６に締
め込んだ時点でルーフ１０は固定ベース１７及び
ブラケツト１５によりウインドスクリーン９に支
持されることとなる。

斯くしてルーフ１０は左右のリンク１１，１１
を介してウインドスクリーン９側に連結支持され
ている。又図示しないがルーフ１０とスクリーン
９にはモールを夫々配し、これらモールによりル
ーフの位置決めとシール性の向上を図つている。
ルーフ１０はウインドスクリーン９上端から略斜
後方へ延出する使用位置からウインドスクリーン
９の上部後面に重なる位置まで傾動し、固定ダイ
ヤル１３の締め込みにより上記範囲の任意の箇所
で固定することができる。

斯かるルーフ１０をウインドスクリーン９上端
に装着するには、先ず左右のリンク１１をウイン
ドスクリーン９側の上下中央部のピン８を支点と
して上方に揺動させ、リンク１１の先端に設けた
固定ベース１７をウインドスクリーン９上端のコ
ーナー部９ａに臨ませる。

そして合成樹脂から成るウインドスクリーン９
の弾性を利用し、或いは接着、ビス止め等により
コーナー部９ａに固定ベース１７を固定し、固定
ダイヤル１３をナツト１６に対して締め込む。こ
の固定ダイヤル１３の締め込みによりスペーサ１
２が圧縮変形し、ルーフ１０の所定角度をもつて
ルーフガード１４とブラケツト１５とが密着固定
される。

以上の如くルーフ１０の装着がワンタツチで簡
単に行える。又ルーフ１０の取外しも同様にワン
タツチで行える。

従つて急に雨が降つてきた時、その後晴れた時
等必要に応じてルーフ１０のウインドスクリーン
９上端に対する着脱が簡易になされ、また同時に
ルーフ１０使用時のルーフ１０とウインドスクリ
ーン１１との相対角度の調整も行い得る。

更にウインドスクリーン９上端から取外したル
ーフ１０は、左右のリンク１１をピン８を支点と
して下方へ揺動させることにより、第２図に仮想
線で示した如くウインドスクリーン９の下部後面
側に収納されることとなる。

従つて取外したルーフ１０はリンク１１，１１
によりウインドスクリーン９側に連結されている
ため、ルーフ１０の確実なる支持とともに盗難防
止がなされ、ルーフ１０は常時車両に支持されて
いる。又ルーフ１０をウインドスクリーン９の下
部内面側に沿わせるだけで良いため、ルーフ１０
の収納スペースを新たに設ける必要は全くない。

以上の説明で明らかな如く本考案によれば、ウ
インドスクリーンを備えた二輪車等の軽車両にお
いて、ウインドスクリーンの上部左右両側の夫々
に、前記ウインドスクリーン支持部材に基部を上
下揺動自在に枢着されるリンクを配設するととも
に、前記リンク先部と前記ルーフ基部を枢着する
軸部を有し、該軸部を中心とするリンク及びルー
フの相対角度を調整自在とした角度調整部材と、
前記ウインドスクリーンに固設され、前記軸部と
係脱自在に係合するルーフ支持部材とを配設した
ため、必要に応じてウインドスクリーン上端にル
ーフをワンタツチで着脱できるとともに容易にル
ーフとウインドスクリーンの相対角度を調整する
ことができ、しかも新たなスペースを設けずとも
スペースを採ることなくルーフの支持収納を合理
的に行うことができ、特にリンクを介してウイン
ドスクリーン側にルーフを連結支持しているため
にこれの盗難防止をも同時に図ることができる。
又、本考案によればリンク１１を後方へ揺動させ
ることによりルーフ１０をウインドスクリーン９
の下部後面に収納するようにしたので、ウインド
スクリーン９前面にワイパー装置を配置しても何
の支障もなくルーフ１０を収納することができ
る。又、ルーフ１０は常にウインドスクリーン９
の前方に突出しなくなり、ウインドスクリーン９
前面のラインがくずれず、その外観性の向上を図
ることができる。又、前記リンク１１はウインド
スクリーン９の左右両側縁に配設したので、運転
者の視界の妨げになることがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は軽車両の斜視図、第２図はウインドスクリーン
とルーフの拡大斜視図、第３図は第２図−線
断面図、第４図はルーフ装着時の拡大斜視図、第
５図は同一部破断正面図である。 尚図面中１は軽車両、８はピン、９はウインド
スクリーン、１０はルーフ、１１はリンク、１３
は固定ダイヤル、１４はルーフガード、１７は固
定ベースである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体前部に設けたフエアリング等の支持部材に
   ウインドスクリーンを立設するとともにこのウイ
   ンドスクリーンの上端にルーフを設けた二輪車等
   の軽車両において、 前記ウインドスクリーンの上部左右両側の夫々
   に、前記ウインドスクリーン支持部材に基部を上
   下揺動自在に枢着されるリンクを配設するととも
   に、 前記リンク先部と前記ルーフ基部を枢着する軸
   部を有し、該軸部を中心とするリンク及びルーフ
   の相対角度を調整自在とした角度調整部材と、 前記ウインドスクリーンに固設され、前記軸部
   と係脱自在に係合するルーフ支持部材とを配設
   し、 前記ルーフ使用時及び非使用時を前記リンクの
   上下揺動及び前記ルーフ支持部材への前記軸部の
   係脱により選択できるとともに、ルーフ使用時に
   前記ルーフ及び前記リンクの相対角度を自由に設
   定できるようにしたことを特徴とする二輪車等の
   軽車両におけるルーフ。