JPS6326711Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、断熱性の天井パネル、床パネル及
び側壁パネル等にて構成される冷蔵庫や冷凍庫の
庫口部の改良に係るものである。

〔従来の技術〕

従来のこの種冷蔵庫では例えば、第６図ないし
第８図に示すように、天井パネルａ、床パネルｂ
及び両側の側壁パネルｃ，ｄで形成された開口ｅ
内に専用の枠入り壁パネルｆを組み込み、この枠
入り壁パネルｆに形成される庫口ｇに扉パネルｈ
を開閉自在に取り付けていた。この場合枠入り壁
パネルｆには、第９図に示すように、枠入り壁パ
ネルｆのパネル本体ｉの開口内面に木枠ｊを取り
付けるとともに、この木枠ｊを貫通するボルトｋ
をもつて断面Ｌ形状の面材付き木材製の庫口枠ｌ
が取り付けられているため、構造が複雑な上重量
が嵩み、運搬や在庫管理面において支障をきた
し、製作に当つて孔明け加工や特殊な治具が必要
となり、しかも寸法の狂いが生じるおそれがあ
り、断熱性においても充分満足できるものではな
かつた。

上記欠点を解決するために、第７図、第８図及
び第１０図に示すように、枠入り壁パネルｆの開
口内面に、壁パネルｆと同様に発泡ウレタン等の
断熱材ｍをサンドイツチ状に形成した庫口専用パ
ネルｎを取り付けたものが提案されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしこの種枠入り壁パネルｆにおいても、複
雑なパネル成形方法が必要となり、また、庫口の
位置が限定されるため、庫口を冷蔵庫の所望の位
置に設定することができないなどの問題があつ
た。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、上記問題を解決することを企図し
てなされたもので、天井パネル、床パネル及び両
側の側壁パネルによつて囲まれた庫口開口部の縁
部外面及び開口面に位置すべく嵌装される庫口枠
本体が、断面ほぼＬ形状の発泡合成樹脂製の上
枠、下枠及び一対の縦枠とで構成され、これら各
枠のコーナ端には45゜カツトした切断部が形成さ
れるとともに、開口縁部外面側片の内面に形成し
た凹溝間に、Ｌ字状連結具を嵌入して止着具で各
枠を互いに連結すると共に、左右いずれか一方の
上下一対の前記Ｌ字状連結具には、上下方向にヒ
ンジ金具取付用孔を設けた延在部を形成して成る
冷蔵庫の庫口枠を提案し、これによつて専用の庫
口枠付き壁パネルを必要とせず、簡素化された少
ない構成部材で冷蔵庫の所望の位置に自由にかつ
簡単に庫口を形成でき、しかも扉の左右勝手にも
容易に兼用できるようにしたものである。

〔実施例〕

以下にこの考案を第１図ないし第５図に基づい
て説明する。

第１図はこの考案の庫口枠の一例を示す分解斜
視図で、天井パネル１と床パネル２と複数の側壁
パネル３，３…とで構成されたプレハブ式冷蔵庫
４の任意の箇所に形成された庫口開口部５に、庫
口枠を構成する庫口枠本体７を組み付けるととも
に、その庫口の外方にヒンジ金具８，８をもつて
扉パネル９を取り付けるようにしたものである。
この場合、前記天井パネル１、床パネル２及び側
壁パネル３は、それぞれ同様の断熱構造を有して
おり、例えば第２図に示す側壁パネル３のよう
に、適宜間隔をおいて対峙する一対の面材１０，
１１間に発泡ウレタン等の断熱性心材１２を充填
して成るサンドイツチ構造となつている。また開
口部５は、天井パネル１と床パネル２と両側の側
壁パネル３，３とで形成されている。前記庫口枠
本体７は、第１図及び第３図ないし第５図に示す
ように、断面がほぼＬ形状の塩化ビニール等から
なる発泡合成樹脂製の上枠１５、下枠１６及び一
対の縦枠１７，１７とで構成され、かつこの際、
各枠１５，１６，１７の各コーナ端に45゜カツト
した切断部１８，１８が形成されるとともに、開
口縁部外面側片７ｂの内面に比較的浅い凹溝１９
が形成されている。そして隣接する各枠１５，１
６，１７のコーナ部における凹溝１９内に嵌入さ
れるＬ字状連結具２０とビス等の止着具２１，２
１…をもつて庫口枠本体７が枠組みされる。また
左右いずれか一方（図面では右勝手のため左側）
の上下一対のＬ字状連結具２０，２０には上下方
向に延びる延在部２２が形成されており、この延
在部２２には、縦枠１７と共通してヒンジ金具８
の取付用孔２３，２３…が穿設されている。なお
延在部２２を有しないＬ字状連結具２０が位置す
る縦枠１７の中央部には、ドアハンドル２４の受
金具２５を取り付けるための取付用孔２６，２６
が穿設されている。

上記のように構成される庫口枠を冷蔵庫４の庫
口用開口部５に取り付けるには、まず上枠１５、
下枠１６及び一対の縦枠１７，１７の各コーナ端
の45゜カツトの切断部１８，１８同士を接合する
とともに、各コーナ部における凹溝１９内にＬ字
状連結具２０を嵌入し、ビス止めして、庫口枠本
体７を構成する。そして庫外からこの庫口枠本体
７を開口部５内に嵌装するとともに、例えば庫内
から押え材１３を嵌装し、これら庫口枠本体７と
押え材１３の開口面側片７ａ，１３ａの係合部を
固定ビス１４で連結固定して、庫口枠本体７と押
え材１３とで側壁パネル３あるいは開口周辺のそ
の他のパネルを挟み付けるように取り付けられ
る。そしてＬ字状連結具２０の延在部２２と縦枠
１７に穿設された取付用孔２３を介してヒンジ金
具８が取り付けられ、また取付用孔２６を介して
ドアハンドル２４の受金具２５を取り付けて、組
立作業を完了する。

上記例では庫口枠本体７を押え材１３と共働さ
せて前記開口部５へ取り付けたが、庫口枠本体７
のみで、その開口面側片７ａより長めの固定ビス
で前記開口部５の開口面へ直接固定することもで
きる。すなわち庫口枠本体７の開口部５への固定
は、適宜な手段を用いることができる。更に扉パ
ネル９は右勝手について説明したが、庫口枠本体
７を180゜回転すれば左勝手にも使用でき、また庫
口枠本体７や押え材１３と各パネル１，２，３と
の目地には、気・水密のため、シリコンコーキン
グ２７を施すのが好ましい。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、この考案においては、
従来のような庫口専用パネルが不要となり、庫口
枠本体は断面ほぼＬ形状の発泡合成樹脂製の上
枠、下枠及び一対の縦枠とで構成されるととも
に、各枠のコーナ端に形成された45゜カツトの切
断部同士を接合し、かつ各枠の開口縁部外面側片
の内面に形成された凹溝内に嵌入されるＬ字状連
結具にて枠組みされるため、少ない部材で軽量に
しかも堅牢に形成することができ、更にＬ字状連
結具の一部に延びる延在部を利用してヒンジ金具
を取り付けることができるので、ヒンジ金具用補
強座金が不要となり、少ない構成部材にて寸法狂
いの少ない、しかも扉の左・右勝手にも容易に兼
用でき低廉に量産できるなどの優れた効果が得ら
れるので、その利用価値は顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は庫口枠の取付態様を示す分解斜視図、
第２図は庫口枠の取付態様の一例を示す要部断面
図、第３図はこの考案における庫口枠本体の一部
を示す断面斜視図、第４図及び第５図はそれぞれ
庫口枠本体の正面図及び背面図で、第６図は従来
の庫口枠を有する冷蔵庫の正面図、第７図及び第
８図はそれぞれその庫口部の縦断面図及び横断面
図で、第９図及び第１０図はそれぞれ従来の庫口
枠の別の構造を示す要部横断面図である。 図において、１……天井パネル、２……床パネ
ル、３……側壁パネル、４……冷蔵庫、５……庫
口用開口部、７……庫口枠本体、７ａ……開口面
側片、７ｂ……開口縁部外面側片、８……ヒンジ
金具、９……扉パネル、１３……押え材、１４…
…固定具、１５……上枠、１６……下枠、１７…
…縦枠、１８……45゜カツトの切断部、１９……
凹溝、２０……Ｌ字状連結具、２１……止着具、
２２……延在部、２３……ヒンジ金具取付用孔、
２５……ドアハンドル受具、２６……ドアハンド
ル受具取付用孔である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 天井パネル、床パネル及び両側の側壁パネル
   によつて囲まれた庫口開口部の縁部外面及び開
   口面に位置すべく嵌装される庫口枠本体が、断
   面ほぼＬ形状の発泡合成樹脂製の上枠、下枠及
   び一対の縦枠とで構成され、これら各枠のコー
   ナ端には45゜カツトした切断部が形成されると
   ともに、開口縁部外面側片の内面に形成した凹
   溝間に、Ｌ字状連結具を嵌入して止着具で各枠
   を互いに連結すると共に、左右いずれか一方の
   上下一対の前記Ｌ字状連結具には、上下方向に
   ヒンジ金具取付用孔を設けた延在部を形成して
   成る冷蔵庫の庫口枠。 ２ 前記庫口枠本体を構成する左右の縦枠のう
   ち、延在部を有しないＬ字状連結具が位置する
   縦枠の中央部に、ドアハンドルの受金具取付用
   孔を穿設して成る実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の冷蔵庫の庫口枠。