JPS6325987B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、主として、工場内等において、床面
に埋設されたトウパスワイヤー床面に貼着した反
射テープにて決められた一定の軌条に沿つて複数
台のものが、速度、行き先等がコントロールされ
た状態で走行して、工具、ワーク等の物品を所望
ステーシヨンにまで搬送して移載する自走式運搬
車に関する。

この種の自走式運搬車は、一般的に、軌条に沿
つて複数台で走行している状態において、速度又
は停止、発進等がコントロールされることによつ
て夫々が軌条における分岐点、合流点等で衝突す
ることなく、且つ、最短コースで目的とするステ
ーシヨンに到達できるように構成されているので
あり、その制御に狂いが生じないようにするため
に、自走式運搬車が決められた一定の速度で正確
に走行することが第１に要求される機能であり、
又、工具、ワーク等物品を載置搬送する際に、走
行時の揺れや振動によりその物品ががたついて傷
がついたり又床面上にこぼれ落ちたりする不都合
を防止するために、走行時の揺れや振動が極力少
ないことが第２に要求される機能である。

ところが、従来の自走式運搬車は、一般的にコ
ーナリングが前進時及び後進時において同様の状
態になるように車輪を前後および左右対称に配置
して、４輪又は６輪で走行していたために、その
４輪又は６輪の路面への接地圧を極力均等にする
べく車輪をバネで弾性支持していたのであるが、
そのバネの弾性係数を大きくした場合には、路面
における凹凸や散乱している鉄屑又はエレベータ
入口部の段部等への乗り上げに伴なつて駆動輪の
接地圧が変化し、特に坂道走行の場合には、駆動
輪がスリツプして走行速度が変動したり、走行不
能に陥つてしまい、前述した第１の要求機能が損
なわれる欠点が生じるのであり、又、逆に弾性係
数を小さくした場合には、前記第１の要求機能は
満足するものの、加減速に伴なう車体の揺れが大
きくなり、前述した第２の要求機能が損なわれる
欠点が生じていたのである。

要するに、従来の自走式運搬車においては、安
定した速度で走行する機能と、加減速に伴なう揺
れや振動を少なくする機能との両面において二律
背反の問題があり、上述した両機能を満足するも
のは存在しなかつたのである。

本発明は、かかる実情に鑑み、安定した速度で
走行する要求機能と、加減速に伴なう揺れや振動
を少なくする要求機能との両面において満足のゆ
く自走式運搬車を提供する点に目的がある。

上記目的を達成するべくなされた本発明に係る
自走式運搬車の特徴構成は、４個の車輪の内、３
個までを取付けた３輪台車に、他の１個の車輪を
取付けたフレームをピンジヨイントにより連結し
て４輪台車に構成すると共に、側面視において、
前記４輪台車の前後方向両端に位置する車輪とそ
の他の車輪との間の二箇所部分で、荷台をピンジ
ヨイントにより連結支持させると共に、一方のピ
ンジヨイントを、車体前後方向に揺動自在なリン
クで構成した点にある。

このような特徴構成を有する本発明の作用効果
は、次の通りである。

つまり、３輪の特性から、荷台荷重を分担する
前記３輪台車側の車輪は路面の凹凸にかかわらず
常にほぼ一定の接地圧になり、又、荷台荷重の一
部を分担する他の一方の車輪は、ピンジヨイント
を支点として前記３輪台車に対して自由動のフレ
ームに取付けられているために、任意に凹凸のあ
る不整地面に接地することになり、結局、車輪を
弾性支持することなく４輪全てが常にほぼ一定の
接地圧状態が得られ、駆動輪のスリツプが生じな
い状態での安定した速度での走行を行なわせるこ
とができ、且つ、車輪を弾性支持することによつ
て生じる加減速に伴なう車体の揺れをも回避でき
るのであり、狂いのない自動制御を行ない得乍ら
も、搬送中の物品のがたつきに伴なう傷及び床面
への不測の落下を防止できるに至つたのである。

又、荷台を台車側に連結しているピンジヨイン
トの一方は、車体前後方向に揺動自在なリンクで
構成されているために、荷台の連結にかかわらず
前記フレームの揺動を阻害することもなく、しか
も、例えばリンクに代えてローラにより荷台を支
持するものに比べて、走行時の振動に伴なつて台
車上で荷台が上下にがたつくこともなく、前述し
た物品のがたつきに伴なう傷、床面への不測の落
下の防止に一層効果がある。

次に、本発明構成の実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図に示すように、工場内において、床面に
埋設されたトウパスワイヤー１１にて決められた
一定の軌条に沿つて速度、行き先等がコントロー
ルされた状態で走行して、工具、ワーク等の物品
を所望のステーシヨンＳにまで搬送して移載する
自走式運搬車Ａを構成するに、第２図イ，ロに示
すように、一対のモータＭ，Ｍに一つづつ連動さ
れた駆動輪２ａ，２ｂと、一つのキヤスター輪１
ｂとを設けた３輪台車２の前後方向におけるほぼ
中央位置にブラケツト９，９を下方に突出させる
と共に、その３輪台車２の端部から前方に突出状
態でフレーム３を上下揺動自在にピンジヨイント
４により連結し、更に、そのフレーム３の前端部
にキヤスター輪１ａを設けると共に、前後方向中
央部に前後方向に揺動自在なリンク８，８を下方
に向けて突設し、そのリンク８，８先端部と前記
ブラケツト９，９先端部とに形成したピンジヨイ
ント７ａ，７ｂにより物品載置用の荷台６を連結
支持してある。

尚、１０はトウパスワイヤー１１から発せられ
る電磁信号を受信するピツクアツプコイルであ
り、フレーム３に取付けられている、１２はピツ
クアツプコイル１０からの受信信号に基づいて車
体の走行速度や停止、発進等を制御する制御用電
装品、１３，１３はバツテリーであり、又、前記
ブラケツト、９，９及びリンク８，８は、平面視
において、前記夫々の車輪１ａ，２ａ，２ｂ，１
ｂを結んだ仮想線ｒ上又はその仮想線よりも内方
に位置するように構成してある。

このように構成された自走式搬送車により、第
１図に示すエレベータＥ入口部分の段部１４を乗
り越えてエレベータＥに乗り降りするに、第３図
に示すように、前記フレーム３が上下揺動するた
めに、段部１４への乗り上げにかかわらず駆動輪
２ａ，２ｂの接地圧がほぼ一定に維持できるので
ある。又、路面の凹凸及び路面に散乱した鉄屑等
への乗り上げに対しても前記駆動輪２ａ，２ｂの
接地圧が一定に維持できることはいうまでもな
い。

次に、本発明の別実施例を説明する。

(イ) 駆動輪２ａ，２ｂを一対のモータＭ，Ｍで個
別に駆動させる代わりに、デフアレンシヤルギ
アーを介して一個のモータで駆動させ、キヤス
ター輪１ａ，１ｂの代わりに操向装置を付加し
た車輪に構成する。

(ロ) ４つの車輪１ａ，２ａ，２ｂ，１ｂのうち、
前端部の車輪１ａ又は後端部の車輪１ｂのどち
らか一方あるいは両方を駆動輪に構成する。

(ハ) 前記ピツクアツプコイル１０を荷台６に取付
ける。

(ニ) トウパスワイヤー１１による電磁誘導方式に
代えて、床面に貼着した反射テープによる光電
誘導方式を採用する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る自走式運搬車の実施例を示
し、第１図は全体の概略平面図、第２図イ，ロは
要部を示しイは側面図、ロは平面図、第３図は作
用説明図である。 １ａ，１ｂ，２ａ，２ｂ……車輪、２……３輪
台車、３……フレーム、４……ピンジヨイント、
５……４輪台車、６……荷台、７ａ，７ｂ……ピ
ンジヨイント、８……リンク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ４個の車輪１ａ，２ａ，２ｂ，１ｂの内、３
   個１ａ，２ａ，２ｂまでを取付けた３輪台車２
   に、他の１個の車輪１ｂを取付けたフレーム３を
   ピンジヨイント４により連結して４輪台車５に構
   成すると共に、前記４輪台車５の前後方向両端に
   位置する車輪１ａ，１ｂとその他の車輪２ａ，２
   ｂとの間の二箇所部分で、荷台６をピンジヨイン
   ト７ａ，７ｂにより連結支持させると共に、一方
   のピンジヨイント７ａを、車体前後方向に揺動自
   在なリンク８で構成してある自走式運搬車。 ２ 前記中央部の車輪２ａ，２ｂが駆動輪に構成
   されている特許請求の範囲第１項に記載の自走式
   運搬車。