JPS6325621B2 - - Google Patents

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JPS6325621B2
JPS6325621B2 JP55096825A JP9682580A JPS6325621B2 JP S6325621 B2 JPS6325621 B2 JP S6325621B2 JP 55096825 A JP55096825 A JP 55096825A JP 9682580 A JP9682580 A JP 9682580A JP S6325621 B2 JPS6325621 B2 JP S6325621B2
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JP
Japan
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polymer
olefin polymer
matrix
inorganic filler
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JP55096825A
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JPS5723642A (en
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Hiroshige Sano
Hiroshi Yui
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Priority to US06/282,734 priority patent/US4433073A/en
Priority to DE3128192A priority patent/DE3128192C2/de
Publication of JPS5723642A publication Critical patent/JPS5723642A/ja
Publication of JPS6325621B2 publication Critical patent/JPS6325621B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L21/00Compositions of unspecified rubbers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L23/00Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L23/02Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、無機フイラーを特定な形態で含有す
ることにより耐衝撃性が著しく向上したオレフイ
ン重合体組成物に関する。 詳しくは、熱可塑性オレフイン重合体のマトリ
ツクス(連続相)と、該マトリツクス中に分散し
ている衝撃吸収性重合体又は衝撃吸収性重合体複
合物(例えば該衝撃吸収性重合体と結晶性オレフ
イン重合体との複合物)の分散相とからなるオレ
フイン重合体組成物において、この分散相をなす
該衝撃吸収性重合体又は衝撃吸収性重合体複合物
中に該分散相の大きさよりも粒径が小さい無機質
フイラーが充填されていることを特徴とする特定
の形態で無機質フイラーを含有するオレフイン重
合体組成物に関する。 熱可塑性オレフイン重合体、特に低、中、高密
度ポリエチレン、アイソタクチツクポリプロピレ
ンや結晶性エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン又はプロピレンを主たる構成成分とするエチ
レン及び/又はプロピレンと他のエチレン性不飽
和単量体との結晶性共重合体(例えばエチレン−
プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ア
クリル酸共重合体、無水マレイン酸グラフト変性
ポリプロピレン等)などの結晶性オレフイン重合
体は、優れた触媒が開開されたり、重合法が簡便
で製造が容易であること、高性能の各種安定剤そ
の他の添加剤等が開発されて耐熱性、耐候性、耐
紫外線性、腐食防止性等の素材要求性能に優れる
こと、又、押出、射出等の成形性に優れるため、
フイルム、ブロー壜、シート、型物等種々の形状
の成形品を成形できるばかりでなく、異種オレフ
イン重合体間又は他の熱可塑性樹脂とオレフイン
重合体とのブレンド相容性が良く、架橋や他の不
飽和単量体とのグラフト変性等が可能なため、発
泡成形、共押出積層成形等の特殊な成形ができる
こと、その上、出来た各種成形品は、ヒートシー
ル性、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性、透明性、
機械的強度、感触、外観、二次加工性、包装作業
性、軽量感等に優れることなど種々の理由によ
り、水産、農業、食品の各分野を始め、土木、建
設、化学、自動車、電気、機械などの産業用資材
や流通、家庭用品等の広い分野に亘つて多用され
ている。 このようにオレフイン重合体は、総合的には優
れた素材ではあるが、その有する諸性質の中では
特に耐衝撃性と剛性が比較的劣り、これがオレフ
イン重合体の適用範囲を狭めている原因となつて
いる場合が少なからずある。 この欠点を解消するために、オレフイン重合体
の耐衝撃性、剛性を向上させる方法が種々試みら
れている。 先行技術 オレフイン重合体の耐衝撃性を改良する方法
としては、通常、オレフイン重合体にゴム的性
質を有するポリマーをブレンドする方法が採用
されている。このブレンド方法には、オレフイ
ン重合体にゴム的性質を有するポリマーを添加
混合するか、又はオレフインの重合時にゴム的
性質を有するポリマーを重合により形成せしめ
るか、いずれかの方法がある。 この場合、特に後者の重合によるブレンド法
の方が前者の添加混合法に比べて、耐衝撃性改
良の程度が優れ、また製造時の煩雑さも少ない
ので広く実用化されている。このような重合に
よるブレンド法の具体的な例としては、たとえ
ば、プロピレン重合の後、エチレン−プロピレ
ン重合を行ない、ポリプロピレン部分にエチレ
ン−プロピレン共重合部分をブロツク的に共重
合する方法を挙げることができる(特公昭39−
1836、同44−16668、同49−25434、同49−
30264、特開昭50−11529各号公報参照)。 一方、オレフイン重合体の比較的劣つている
もう一方の性質である剛性を向上させる典型的
な方法としては、オレフイン重合体に各種の無
機質フイラーを充填する方法を挙げることがで
きる。 オレフイン重合体に無機質フイラーを充填さ
せる改良手法は、これにより剛性を向上させ得
る他に、易焼却性、難燃性、導電性、印刷性、
接着性、塗装性、外観の変化など種々の改質を
オレフイン重合体に施すことができるので、最
近では広く実施されている。 これらの身近な例としては、例えばポリエチ
レンやポリプロピレンにタルク、炭酸カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、カーボン、酸化チタ
ン等を充填する方法があるが、確かに無機質フ
イラーを多く充填すれば、ある程度の充填量ま
では次第に剛性を始めとする各改質目的の性質
は向上して行く反面、耐衝撃性は逆に低下し、
大きな充填量のものは脆弱なものしか得られな
いといつた欠点がある。 このような欠点を解消すべく、オレフイン重
合体として前述の如き耐衝撃性の改良されたエ
チレン−プロピレン共重合体を用いることによ
つて無機質フイラーの充填に伴なう耐衝撃性の
低下の程度を小さくする手法や、無機質フイラ
ーとして特定粒径(平均粒径0.16〜1.0μ)の沈
降性炭酸カルシウムをプロピレン重合体中に充
填して耐衝撃性を改良する方法(特願昭54−
28277号明細書(特開昭55−120643号公報参
照))、又は無機質フイラー充填エチレン−プロ
ピレン共重合体に更にゴム的性質を有するポリ
マーを添加する方法(特開昭53−64256、同53
−64257号公報)等が提案され、ある程度の効
果が得られている。 一方、無機質フイラーの表面を高級脂肪酸等
で処理したものを用いたり、カルボキシル基や
グリシジル基等の極性基をもつ接着性のポリマ
ー(例えば、無水マレイン酸変性ポリプロピレ
ンやエチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタク
リレート共重合体等)をオレフイン重合体およ
び無機質フイラーと共にブレンドしたりして、
無機質フイラーとオレフイン重合体との相容性
を改質し、耐衝撃性等を改良する方法が提案さ
れている(特開昭48−97947、同49−34937各号
公報)。 しかしながら、最近、特に自動車部品や機械
部品等の工業用部品の分野で軽量化や柔軟性化
が叫ばれ、金属部分のプラスチツク化が着目さ
れるようになつた。これらの材料は剛性は無論
のこと、耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性
の要求が従来になく厳しく、上記の如き従来の
方法で得られる素材には之等の双方の要求を満
足し得るものは見当らない。 以上の如き背景から、耐衝撃性が大で、しか
も剛性の高い無機質フイラー充填オレフイン重
合体組成物の出現が切望されている。 本発明の端緒 本発明は、オレフイン重合体に無機質フイラ
ーを多量に充填しても脆弱なものにならず、剛
性と耐衝撃性が高くバランスされたものを得る
ことを目的として、本発明者らが独自に開発し
た電子顕微鏡による観察手法を用いて(この観
察手法の詳細は後述する)、オレフイン重合体
の衝撃破壊の機構の研究に基づいて完成された
ものである。 先ず、ポリプロピレンのマトリツクス(連続
相)中に無機質フイラー(例えば平均粒径0.03
〜7μの各種炭酸カルシウム)を充填して得ら
れる組成物の衝撃破壊の機構を前記手法により
観察したところ、衝撃によりポリプロピレン中
に充填されている無機質フイラーの周囲に微少
なクラツクが発生し、このクラツクが更に大き
なクラツクに成長して材料の破壊が為されるこ
と(第1図参照)、およびこのとき、粒径の小
さな無機フイラーを充填したものは、より小さ
な微小クラツクが大きく成長することなくマト
リツクス中に数多く分散された形で生じ、その
微小クラツクが分散された形で多数生成する過
程で多量の衝撃エネルギーを吸収すること、こ
の結果少量かつ巨大なクラツクの生じる大きな
粒径の無機質フイラーを充填したものよりも耐
衝撃性が一般に大となることが判つた。 また、本発明者等が開発した前記手法により
観察した結果、前述したゴム的性質を有するポ
リマーを重合によりブレンドしたエチレン−プ
ロピレン共重合体の構造は、主成分の結晶性ポ
リプロピレンがマトリツクスとなり、このマト
リツクス中に分散している結晶性ポリエチレン
の分散相の周囲をエチレン−プロピレン共重合
体ゴムが取り巻いている複合物構造となつてお
り(第2図参照)、これに衝撃を与えると、分
散相をなす上記複合物中の結晶性ポリエチレン
とエチレン−プロピレン共重合体ゴムとの界面
付近にクラツクが発生し(第3図参照)、その
クラツクとマトリツクスとの間にエチレン−プ
ロピレン共重合体ゴムが存在するために、この
クラツクの成長が抑制され、従つて、このクラ
ツクの発生とエチレン−プロピレン共重合体ゴ
ムの変形により衝撃エネルギーが吸収されるこ
とにより、耐衝撃性が大となることが判明し
た。このエチレン−プロピレン共重合体に無作
意に無機質フイラーを充填した組成物中の、無
機質フイラーはマトリツクス部分に分散し(第
4図参照)、これに衝撃を加えると、前述の無
機質フイラー充填ポリプロピレンの場合と同じ
く、マトリツクス部分に主として多数のクラツ
クが生じ、ポリエチレンとエチレン−プロピレ
ン共重合体ゴムとの複合物である分散相中にク
ラツクが生じると云つた前述の現象はほとんど
見られず、エチレン−プロピレン共重合体の有
する好ましい耐衝撃性が充分に発揮されなかつ
た。このように、無機質フイラーがマトリツク
ス中にだけ分散してしまう現象は、高級脂肪酸
等やマトリツクス成分との親和性の高い変性ポ
リマー等で処理した無機質フイラーを用いても
同様であつた。 このように、マトリツクス中にだけ無機質フ
イラーを分散させた場合、耐衝撃性、たとえば
アイゾツト衝撃強度は、無機質フイラーを充填
しなかつた場合に比べて無機質フイラーの平均
粒径の比較的大きいときはほぼ半分以下とな
る。他方、該マトリツクス中に例えば平均粒径
が0.15〜0.5μの如き粒径が適度に小さいフイラ
ーを充填した場合には、衝撃強度はフイラーを
充填しないものに比べて増大するが、その衝撃
強度の増大は精々2〜3割程度でしかなかつ
た。 そこで、本発明者等は、上記のエチレン−プ
ロピレン共重合体について、分散相中のポリエ
チレン部分(或はこのポリエチレンがエチレン
−プロピレン共重合体ゴムで取り巻かれた複合
物)の粒経よりも小さい粒径の無機質フイラー
を、マトリツクス中ではなくて、分散相をなす
ポリエチレン部分(或は上記複合物)の中に充
填させたならば、衝撃時にポリエチレン部分に
発生するべきクラツクを無機質フイラーの周囲
に発生する微小かつ多数のクラツクで肩代りし
てその衝撃を緩和し、かつ、このクラツクの成
長が、囲りを取り巻くエチレン−プロピレン共
重合体ゴムの外、すなわちマトリツクス中に伝
播せず、これにより高耐衝撃性の樹脂材料が得
られるはずであるという着想を得るに至り、こ
の着想の下に多数の実験を試みた。 このような目標の下に、分散相中に無機質フ
イラーを充填した樹脂組成物を得るための一つ
の試みとして、本発明者等はエチレン−プロピ
レン共重合体と平均粒径0.3μの沈降性コロイド
状炭酸カルシウムおよび無水マレイン酸グラフ
ト変性ポリエチレンをブラベンダー・プラスト
グラムを用いて混練してみたところ、無機質フ
イラーは見事に分散相中に充填された(第5図
参照)。このものの耐衝撃性は予想の域をさら
に越えた極めて大なるものとなつた。 以上により、本発明者等は、熱可塑性オレフ
イン重合体のマトリツクスと、該マトリツクス
中に分散している衝撃吸収性重合体又は重合体
複合物の分散相とを有し、この分散相をなす該
重合体又は重合体複合物中に該分散相の大きさ
よりも粒径が小さい無機質フイラーが充填され
ていることを特徴とするオレフイン重合体組成
物は、従来製品には見られない極めて大きな耐
衝撃性を有し、特に低温耐衝撃性についても極
めて大なる組成物となることが判明した。 また、本発明の組成物は、剛性が高く維持さ
れたまま耐衝撃性が飛躍的に向上したものであ
るので、自動車部品(バンパー、インストルメ
ントパネル等)や機械部品等の耐衝撃性の要求
が非常に厳しい工業部品分野へのオレフイン重
合体の適用を更に拡大し得るものであり、今後
の製品化が大いに期待される種々の優れた物性
を有している。 ここで、本発明者らが独自に開発した電子顕
微鏡による高分子組成物中の分散相の分散形態
及びその分散形態と衝撃破壊状態の関連性を調
べる手法について説明する。 たとえば、冷却固化して得られた組成物の小
片を、ウルトラミクロトームにより、例えば−
70℃〜−100℃の如き低温で、ガラスナイフも
しくはダイヤモンドナイフを使用して注意深く
切削し、極めて平らな面を作り出す。次いで、
内部モルフオロジーを明確にする為、その切削
面にエツチング処理をほどこす。エツチング
は、イオンによる方法、溶媒による方法、酸に
よる方法等色々あるが、ポリマー種、フイラー
種により適宜、適切な方法を行えばよい。これ
らのエツチング処理をより具体的に述べれば、
まず組成物を構成するマトリツクス相と該マト
リツクス相中に分散している分散相との存在を
確認するには、イオンエツチング法が好適であ
る。この場合、一般には試験片に減圧状態で
2000〜15000ボルトの放電を行うことにより5
〜20分間イオン照射すればよい。分散相の内部
構造を調べるには、溶媒によるエツチングが好
適であり、例えば、キシレン溶媒により例えば
90℃で試験片をエツチングすることにより、分
散相を構成する衝撃吸収性重合体を溶解、除去
し、それによつて生ずる凹部を調べることによ
つて、その存在状態を知ることができる。ま
た、無機質フイラーの存在を調べるには、上述
のイオンエツチングを施し、必要に応じて更に
酸エツチング(例えば弗酸や塩酸を用いて室温
でエツチング)を採用することができる。 上述した各種のエツチングにより、内部モル
フオロジーに対応する凹凸面を作り、それを金
蒸着して、走査型電子顕微鏡で観察すれば、組
成物のモルフオロジーを確認することができ
る。 本発明の組成 本発明組成物のマトリツクスとして使用し得
る熱可塑性オレフイン重合体は、α−オレフイ
ンの単独重合体またはこれらα−オレフインの
共重合体あるいはこれらα−オレフイン(複数
種でもよい)を主成分とし、必要により他の不
飽和単量体(複数種でもよい)を副成分とする
共重合体などである。 ここで、共重合体とはブロツク、ランダム、
グラフトあるいはこれらの複合物等の如何なる
共重合のタイプのものでもよい。 また、これらオレフイン重合体の塩素化、ス
ルホン化等変性されたものも含む。 上記α−オレフインは例えば、エチレン、プ
ロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセ
ン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等であ
り、入手の簡便さから、C2〜C8のものが好ま
しい。また上記α−オレフインは、例えばスチ
レンの如き芳香族不飽和炭化水素でもよい。 また、上記不飽和単量体とは、例えば(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、
マレイン酸、アクリロニトリル等の不飽和有機
酸等またはその無水物、エステルないしは塩;
酢酸ビニルで代表されるビニルエステル類;ス
チレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレ
ン等の不飽和芳香族単量体;ブタジエン、1,
2−ブタジエン、1,4または1,5−ヘキサ
ジエン、シクロペンタジエン等のジエン類等が
挙げられる。 マトリツクスを形成するオレフイン重合体と
しては、結晶性のオレフイン重合体、例えばエ
チレン又はプロピレンの結晶性ホモポリマー、
或はエチレン又はプロピレンを主たる構成成分
とするエチレン及び/又はプロピレンと他のエ
チレン性不飽和単量体との結晶性共重合体が好
適である。 これらのオレフイン重合体の特に好ましい例
は、低、中、高密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン−プロピレン共重合体、無水マ
レイン酸グラフト変性ポリエチレンまたはポリ
プロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等で
あり、中でも特に耐衝撃性の改良効果の著しい
結晶性ポリプピレンが最も好ましい。これらの
重合体は成形時の流れ性の点からメルトフロー
レート(MFR)が0.005〜50g/10分、特に
0.01〜20g/10分の範囲のものが好ましい。ま
た結晶性ポリプロピレンで代表される結晶性プ
ロピレン重合体については、n−ヘプタン不溶
分の重量%を表わすアイソタクチツクインデツ
クス()が70以上のものが好ましく、特に90
以上であるものが剛性の点からも好ましい。 また、本発明組成物の分散相をなす衝撃吸収
性重合体としては、モノオレフイン系又はジオ
レフイン系ゴム状重合体又はゴム状共重合体が
好ましい。かかるゴム状重合体又は共重合体と
しては、例えばエチレン−プロピレン共重合体
ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン3
元共重合体、エチレン−ブテン共重合体ゴム、
スチレンと共役ジエンとの共重合体又はポリジ
オレフインゴムが好適である。最も好ましいゴ
ム状重合体又は共重合体はエチレン−プロピレ
ン共重合体ゴム及びエチレン−プロピレン−非
共役ジエン3元共重合体である。 これらゴム状重合体又は共重合体は、一般的
にいつて、室温における初期弾性率が106
108dyn/cm2の範囲に入るものが好適である。 本発明においては、分散相として衝撃吸収性
重合体複合物を用いてもよく、かかる複合物が
マトリツクスを構成するオレフイン重合体と均
一には混和し得ない結晶性オレフイン重合体と
これを包囲するモノオレフイン系又はジオレフ
イン系ゴム状重合体又はゴム状共重合体とから
成り、かかる複合物が分散相としてマトリツク
ス中に分散しているのが好適である。 該複合物を構成する成分の一つであるモノオ
レフイン系又はジオレフイン系ゴム状重合体又
は共重合体は、上記の衝撃吸収性重合体として
例示した各種のゴム状重合体又は共重合体を用
いることができる。好ましいものとしては、エ
チレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−
プロピレン−非共役ジエン3元共重合体ゴムを
挙げることができる。 衝撃吸収性重合体複合物を構成する他の成分
は、マトリツクスを構成するオレフイン重合体
と均一には混和しない結晶性オレフイン重合体
である。かかるオレフイン重合体としては、マ
トリツクス形成オレフイン重合体と均一に混和
されないものであればいかなるものでも使用す
ることができる。具体的には、エチレン、プロ
ピレン、ブテン−1、ヘキセン−1等のα−オ
レフインの単独重合体またはこれらの共重合
体、或はこれらα−オレフインを主成分とする
他の不飽和単量体との共重合体等であり、結晶
性のものであればマトリツクスを形成するオレ
フイン重合体として上述したものは全て使用す
ることができる。好ましい重合体の例を挙げれ
ば、結晶性ポリエチレン、結晶性ポリプロピレ
ン、結晶性エチレン−プロピレン共重合体であ
る。 上述したように、衝撃吸収性重合体複合物を
構成する結晶性オレフイン重合体は、マトリツ
クスに対して均一に混和されないことが必要で
あるから、マトリツクス構成重合体が決まれ
ば、これに応じて上記したものの中から均一に
混和されないものを適宜選択することができ
る。 一般には、マトリツクス構成重合体と衝撃吸
収性重合体複合物の一方を構成する結晶性オレ
フイン重合体とは異種のものが選ばれるが、必
ずしも異種のオレフイン重合体である必要はな
い。即ち、同種のオレフイン重合体であつて
も、その製造条件の相違により或は一方の重合
体を処理することにより、その性質例えば重合
度、分子量、相溶性などを変化させて相互に均
一に混和しない状態にすれば、本発明の組成物
を形成することが可能である。 マトリツクス相と分散相、即ち衝撃吸収性重
合体又は複合物との好ましい組合せを以下に例
示する。
【表】 本発明の他の成分 本発明の組成物において、分散相はマトリツ
クス相中に微細かつ均一に分散されていること
が好ましい。このような均一分散系は、マトリ
ツクス構成オレフイン重合体と分散相構成衝撃
吸収性重合体又は複合物との機械的ブレンドの
場合においては、それら組成の種類(分子量、
分子量分布、共重合比、ランダム性等をも考慮
する)、ブレンド条件(装置、温度、混練速度、
時間等)等を適宜選択することにより形成する
ことができる。また、均一分散系を調製する好
ましい態様の一つは、マトリツクスを構成する
オレフイン重合体を製造する過程で、同時に分
散相を形成させる方法である。例えば、ポリプ
ロピレンからなるマトリツクス相に、エチレン
−プロピレン共重合体ゴムに包囲された結晶性
ポリエチレンからなる分散相が分散している組
成物は、チーグラー型触媒の存在下にプロピレ
ンを重合し、次いでプロピレンとエチレンとの
共重合を行なうことにより形成することができ
る。 一般的にいつて、マトリツクス相中の分散相
の粒径は0.05〜50μ(ミクロン)が好ましく、と
りわけ0.1〜10μ(ミクロン)が好ましい。 本発明で用いることのできる無機質フイラー
は、少くとも次の二つの要件を備えたものでな
ければならない。 (i) 分散相を構成する衝撃吸収性重合体又は複
合物の中に入り込む性質を有していること。
従つて、一般には、マトリツクス構成オレフ
イン重合体に対するよりも、分散相を構成す
る衝撃吸収性重合体又は複合物に対してより
大きい親和性を有している無機質フイラーが
好ましい。無機質フイラーがそのままでは上
記の性質を有していない場合は、それを他の
成分で処理又は被覆することにより上記性質
を付与する必要がある。 換言すれば、無機質フイラーが、それ自体
としては、或は他の成分で処理又は被覆され
ることによつて、マトリツクスを構成するオ
レフイン重合体に対するよりも、分散相を構
成する衝撃吸収性重合体又は重合体複合物中
の少くとも一成分重合体に対してより大きな
親和性を有していること。 (ii) 無機質フイラーの大きさ(平均粒径)は、
分散相の大きさより小さいこと。 本発明組成物においては、無機質フイラーが
分散相を構成する衝撃吸収性重合体又は複合物
中に内在することが重要であり、そのために高
い衝撃強度と剛性を有するのである。 従つて、分散相内に無機質フイラーを導入す
る際には、先ず前記した電子顕微鏡によるマト
リツクス相及び分散相の形態分析により、マト
リツクス中の分散相の大きさを調べ、その結果
から好ましい粒径の無機質フイラーを選択する
ことが好適である。 この場合、通常は分散相粒径より小さい粒径
の無機質フイラーが選ばれることが多いが、無
機質フイラーの粒径が分散相の粒径よりやや大
きいものでも、両者の混練過程において分散相
構成重合体が無機質フイラーを被覆し、結果と
して無機質フイラーが分散相で包囲された状態
となるので、使用可能である。 上述のように、無機質フイラーの粒径は、分
散相の大きさとの相対関係で決められるもので
あるが、一般には平均粒径が2ミクロンより小
さく、好ましくは1.5ミクロン以下、とりわけ
1ミクロン以下のものが目的とする高い耐衝撃
性を得るのに好適である。 特に、平均粒径が0.05〜1ミクロン、中でも
0.15〜0.5ミクロンのものが更に好適である。
ここで云う平均粒径とは、電子顕微鏡の観察に
よつて測定される平均一次粒子径である。無機
質フイラーの形状は球状、立方形などの粒状、
針状、板状、繊維状等全ての形状のものを用い
ることができるが、中でも粒状のものが特に好
ましい。 このような無機質フイラーとしては、周期律
表第族〜族中の金属原子(たとえばFe、
Na、K、Cu、Mg、Ca、Zn、Ba、Al、Ti)
またはケイ素の単体、酸化物、水酸化物、炭酸
塩、硫酸塩、ケイ酸塩、亜硫酸塩;これら化合
物のいくつかが存在する各種粘土鉱物;その他
があり、具体的には例えば酸化鉄、酸化亜鉛、
酸化チタン、アルミナ、シリカ、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム(重
質、軽質、膠質)、硫酸バリウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸ソーダ、亜硫酸カルシウム、ケイ酸
カルシウム、クレー、ウオラストナイト、ガラ
スビーズ、ガラス粉末、けい砂、けい石、石英
粉、シラス、けいそう土、ホワイトカーボン、
鉄粉、アルミニウム粉等を挙げることができ
る。 これらは二種以上併用して用いることができ
る。 中でも、粒状であることから、平均粒径が
0.05〜1.0ミクロンの範囲にある沈降性炭酸カ
ルシウムやシリカ等が特に好ましい。 これらの無機質フイラーは、無処理のまま用
いてもよいが、高級脂肪酸又はそのエステル、
塩等の誘導体(例えばステアリン酸、オレイン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アル
ミニウム、ステアリン酸アミド、ステアリン酸
エチルエステル、ステアリン酸メチルエステ
ル、オレイン酸カルシウム、オレイン酸アミ
ド、オレイン酸エチルエステル、パルミチン酸
カルシウム、パルミチン酸アミド、パルミチン
酸エチルエステル等);シランカツプリング剤
(例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
等);チタンカツプリング剤(例えばイソプロ
ピルトリイソスチアロイルチタネート、イソプ
ロピルトリラウリルミリスチルチタネート、イ
ソプロピルイソステアロイルジメタクリルチタ
ネート、イソプロピルトリジイソオクチルフオ
スフエートチタネート等)などの表面改質剤で
被覆処理を施こした無機質フイラーを用いても
良い。 無機質フイラーの好ましい他の表面改質方法
は、不飽和有機酸またはそのエステル(例えば
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル
等)やこれらの重合体の存在下で無機質フイラ
ーを粉砕して、無機質フイラーの表面に重合体
を付着させる、いわゆるメカノケミカル的手法
で無機質フイラーの表面を改質する方法であ
る。 本発明は、これら必須と云える成分の他に、
必要な場合は本発明組成物の分散相を構成する
成分である衝撃吸収性重合体の、又は結晶性オ
レフイン重合体の各感応性誘導体を用いること
ができる。 これら各感応性誘導体は、無機質フイラーを
衝撃吸収性重合体又は重合体複合物中に引き込
むためのキヤリヤー(担体)成分である。 以下の説明中の具体例から判るとおり、これ
ら各感応性誘導体は、それ自体として衝撃吸収
性重合体又は重合体複合体中の結晶性オレフイ
ン重合体の性質を持つものであつてもよく、キ
ヤリヤー(担体)成分であるこれら各感応性誘
導体のみで衝撃吸収性重合体又は重合体複合物
中の結晶性オレフイン重合体成分としてもよい
が、これらは一般に高価であり、むしろ純然た
るキヤリヤー(担体)成分として少量用いるの
が得策である。 かかる衝撃吸収性重合体の感応性誘導体とし
ては、例えばエチレン−プロピレン共重合体ゴ
ムやエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重
合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴムなど
のエチレン系共重合体ゴムやスチレン−ブタジ
エンなどのスチレン−共役ジエン系共重合体ゴ
ム、ポリブタジエンなどのポリジオレフイン系
ゴム等、モノオレフイン系又はジオレフイン系
ゴム状重合体又は共重合体を不飽和有機酸また
はその無水物(例えばアクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸やその無水物等)
や不飽和有機シラン化合物(例えば下記の式(1)
で表わされる化合物であり、具体例は、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルメトキシシラン、プロピニル
トリメトキシシラン等である。 RSiR′oY3-o (1) (ここでRはエチレン性不飽和ヒドロカルビル
またはヒドロカルビルオキシ基、R′は脂肪族
飽和ヒドロカルビル基、Yは加水分解可能な有
機基、nは0または1または2を表わす。 Yが複数個あるときは、それぞれ同一でなく
てもよい。) 等でグラフト変性したもの、またはその不飽
和有機酸またはその酸無水物でグラフト変性し
た該ゴム状重合体又は共重合体のグラフト鎖に
付いているカルボキシル基の一部を金属イオン
化したアイオノマー等である。 衝撃吸収性重合体の感応性誘導体としては、
ここに挙げた具体例の他、グラフト、ブロツク
又はランダム共重合の手法や置換反応、酸化等
で親水性の基が導入された該ゴム状重合体又は
共重合体であれば、全て用いることができる。 他方、上記の結晶性オレフイン重合体の感応
性誘導体としては、本発明組成物中のマトリツ
クス(連続相)中に分散する分散相を構成する
一成分となり得る結晶性オレフイン重合体と無
機質フイラーの双方に親和性を有するものであ
つてもよく、これを用いて本発明組成物を調整
すると、該組成物中で無機質フイラーを該結晶
性オレフイン重合体中に引きずり込むのに積極
的な働きを示す。 かかる結晶性オレフイン重合体の感応性誘導
体としては、例えば先に記載した本発明組成物
中に分散相を構成する一成分となり得る結晶性
オレフイン重合体を、先に衝撃吸収性重合体の
感応性誘導体のところで挙げたのと同じ不飽和
有機酸またはその酸無水物や不飽和有機シラン
等でグラフト変性したもの、またはその不飽和
有機酸またはその酸無水物でグラフト変性した
該結晶性オレフイン重合体のグラフト鎖に付い
ているカルボキシル基の一部を金属イオン化し
たアイオノマー等があげられる。 結晶性オレフイン重合体の感応性誘導体とし
ては、ここに挙げた具体例の他、グラフト、ブ
ロツク、ランダム共重合の手法や置換反応、酸
化反応等で親水性の基が導入された結晶性オレ
フイン重合体等、全て用いることができる。 本発明組成物に添加し得るその他の成分とし
ては、オレフイン重合体以外の熱可塑性樹脂
(例えばポリアミド、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、熱可塑
性ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリビニルアルコール
等)や酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候性改良
剤、熱劣化防止剤、腐食防止剤、銅害防止剤等
の各種安定剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、
滑剤、その他(中和剤、発泡剤、分散剤、気泡
防止剤等)がある。 本発明組成物は以上のような諸成分からなる
ものであるが、それら諸成分の各配合割合は、
次のとおりである。 本発明組成物は、組成物全体に対して、マト
リツクスを構成する熱可塑性オレフイン重合体
が30〜98.5重量%、好ましくは40〜80重量%含
有されているものである。 また、本発明組成物は、組成物全体に対し
て、分散相を形成する重合体成分(無機質フイ
ラーを除く分散相)が0.5〜69重量%、好まし
くは10〜40重量%含有されているものである。 また、分散相を形成する重合体成分が衝撃吸
収性重合体複合物である場合は、該重合体複合
物を構成する一成分である結晶性オレフイン重
合体の量は衝撃吸収性重合体複合物に対して5
〜98.5重量%、好ましくは20〜85重量%であ
り、該重合体複合物を構成する他の成分である
衝撃吸収性重合体は該複合物に対して1.5〜95
重量%、好ましくは15〜80重量%である。 また、本発明組成物は、組成物全体に対し
て、無機質フイラーが1〜60重量%、特に3〜
45重量%含有されているものが好ましい。 また、本発明組成物に必要な場合に添加し得
る衝撃吸収性重合体の感応性誘導体の添加量
は、組成物全体に対して、0.5〜69重量%、特
に10〜40重量%が好ましく、また、結晶性オレ
フイン重合体の感応性重合体の添加量として
は、衝撃吸収性重合体複合物に対して5〜98.5
重量%、特に20〜85重量%が好ましい。 更に、本発明組成物に必要により添加し得る
他の成分としてのオレフイン重合体以外の熱可
塑性樹脂(前掲)の添加量は、本発明組成物と
のある程度の相溶性を考慮すると、本発明組成
物に対して30重量%以下、特に10重量%以下が
望ましい。各種の安定剤等は一般的に合成樹脂
に用いられている添加量程度で充分である。 本発明の製造法 次に、本発明組成物の製造は、各種混練機、
一般には例えば、一軸押出機、二軸押出機、バ
ンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラ
ストグラム等で上記成分を混練したのち冷却固
化する方法:適当な溶剤、例えばヘキサン、ヘ
プタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジク
ロルベンゼン、トリクロルベンゼン等の炭化水
素ないしその誘導体等に上記成分を添加し、溶
解する成分同志あるいは溶解する成分と不溶解
成分とを溶液又は懸濁状態で混ぜる溶液混合
法;又は、上記成分中のマトリツクス成分を重
合する際に分散相成分等他の成分を同時に生成
せしめる重合法;あるいはこれら諸方法を併用
して行なうことができる。中でも、特に上記重
合法が好ましい。 本発明によれば、例えば、重合系内におい
て、 (1) 少なくとも一種のオレフイン系単量体を重
合してマトリツクス相を構成する熱可塑性重
合体の少なくとも一部を形成し、次いで (2) 該オレフイン系単量体の存在下又は不存在
下に下記(A)、(B)、(D)、(E)又は(F)、 (A) マトリツクスを構成するオレフイン重合
体と均一に混和し得ない結晶性オレフイン
重合体 (B) 上記(A)の結晶性オレフイン重合体及び無
機質フイラーの双方に親和性を有する上記
(A)の重合体の感応性誘導体 (D) 衝撃吸収性重合体 (E) 上記(D)の重合体及び無機質フイラーの双
方に親和性を有する上記(D)の重合体の感応
性誘導体 (F) 上記(D)の重合体と上記(A)の結晶性オレフ
イン重合体との複合物 の少なくとも一つを形成するための該オレ
フイン系単量体とは異なる少なくとも一種の
モノオレフイン、ジオレフイン及び/又は他
の不飽和単量体の重合を行なうか、或は前記
(2)の(A)、(B)、(D)、(E)又は(F)の少くとも一つを
形成するための不飽和単量体の重合を行つた
後、かかる不飽和単量体の存在下又は不存在
下に前記(1)のマトリツクス相を構成するため
のオレフイン系単量体の重合を行なつて、 熱可塑性オレフイン重合体のマトリツクス
(連続相)と、該マトリツクス中に分散して
いる上記(A)、(B)、(D)、(E)又は(F)の少なくとも
一つの成分の分散相とからなるオレフイン重
合体組成物を形成し、次いで (C) 適当な粒径の無機質フイラー、及び必要
により上記(A)、(B)、(D)、(E)又は(F)の少くと
も一つの成分、 を任意の順序で混合することにより、熱可塑性
オレフイン重合体のマトリツクス(連続相)
と、該マトリツクス中に分散している衝撃吸収
性重合体又は重合体複合物の分散相とを有し、
この分散相をなす該重合体又は重合体複合物中
に該分散相の大きさよりも粒径が小さい無機質
フイラーが充填されている耐衝撃性オレフイン
重合体組成物を製造することができる。 上記の製造法のうち、前記(1)のマトリツクス
を構成するオレフイン系単量体の重合を最初に
行い、次いで特に好ましくはかかる単量体の存
在下で、前記(2)の分散相を形成するためのモノ
オレフイン、ジオレフイン及び/又は他の不飽
和単量体の重合を行うのが有利である。 本発明の更に好適な方法としては、重合系内
において、 (1) 少くとも一種のオレフイン系単量体を重合
してマトリツクス相を構成する熱可塑性重合
体の少なくとも一部を形成し、次いで (2) 該オレフイン系単量体の存在下又は不存在
下に衝撃吸収性重合体又は重合体複合物を形
成するための該オレフイン系単量体とは異な
る少なくとも一種のモノオレフイン及び/又
はジオレフインの重合を行なうか、或は 前記(2)の衝撃吸収性重合体又は重合体複合物
を形成するための少くとも一種のモノオレフイ
ン及び/又はジオレフインの重合を行なつた
後、かかるオレフイン又はジオレフインの存在
下又は不存在下に前記(1)のマトリツクス相を構
成するためのオレフイン系単量体の重合を行つ
て、 熱可塑性オレフイン重合体のマトリツクス
(連続相)と、該マトリツクス中に分散してい
る衝撃吸収性重合体又は重合体複合物の分散相
とから成るオレフイン重合体組成物を形成し、
次いでこれに、 (C) 適当な粒径の無機質フイラーを単独で、或
はこれを (B) 該分散相の少くとも一部を形成する結晶性
オレフイン重合体及び無機質フイラーの双方
に親和性を有する結晶性オレフイン重合体の
感応性誘導体、 及び/又は (E) 該分散相の少くとも一部を形成する衝撃吸
収性重合体及び無機質フイラーの双方に親和
性を有する該衝撃吸収性重合体の感応性誘導
体 と共に、或は上記(C)と上記(B)、及び上記(C)と上
記(E)を任意の順序で、混合することである。 また、上記各成分の配合順序については、何
ら制限がなく、どのような順序で配合し、混合
してもよい。 混合される成分の組合わせについて、基本的
なケースを列挙すれば、以下の表Aのとおりで
ある。表中、〇印はその成分を用いることを表
わすものであり、又、ケース1〜9のものは分
散相が衝撃吸収性重合体複合物を形成するもの
である。
〔タイプ1〕
分散相が、 (A) マトリツクスを構成するオレフイン重合体
と均一には混和し得ない結晶性オレフイン重
合体(A)、又は (B) 該結晶性オレフイン重合体(A)及び無機質フ
イラーの双方に親和性を有する該結晶性オレ
フイン重合体の感応性誘導体(B)と前記(A)の結
晶性オレフイン重合体との組成物 の中に、 (C) 無機質フイラー(C)が充填されており、 (D) それらが、更に衝撃吸収性モノオレフイン
系又はジオレフイン系ゴム状重合体(D)で包囲
されている、 ものから成るもの; 〔タイプ2〕 分散相が、 (D) 衝撃吸収性モノオレフイン系又はジオレフ
イン系ゴム状重合体(D)、又は (E) 上記(D)のゴム状重合体と、上記(D)のゴム状
重合体の感応性誘導体(E)との組成物から成
り、 (C) 上記(D)のゴム状重合体又は上記(E)の組成物
中に無機質フイラー(C)が充填されている ものから成るもの;さらに 〔タイプ3〕 分散相が、 (A) マトリツクスを構成するオレフイン重合体
と均一には混和しない結晶性オレフイン重合
体(A)が、 (D) 衝撃吸収性モノオレフイン系又はジオレフ
イン系ゴム状重合体(D)又は (E) 上記(D)のゴム状重合体と、上記(D)のゴム状
重合体の感応性誘導体(E)との組成物で包囲さ
れており、 (C) 該(D)のゴム状重合体又は該(E)の組成物中に
無機質フイラー(C)が充填されている、 ものから成るものが好適であり、特に前記タイ
プ1及びタイプ3のものが好適である。 之等のタイプ1〜3の中で、分散相が少くと
も、 (A) マトリツクスを構成するオレフイン重合体
と均一には混和しない結晶性オレフイン重合
体と (D) それを包囲するゴム状重合体又は共重合体
と を含有するものは、一般に大きい耐衝撃性と適
度の剛性を有しており、この分散相中に無機質
フイラーを充填することにより更に衝撃強度が
著るしく向上し併せて剛性も向上するので特に
有利である。 又、無機質フイラーが分散相のみに充填され
た本発明組成物は、より大きい耐衝撃性を有す
る点で好ましいが、無機質フイラーが分散相の
みならずマトリツクス相中にも充填された組成
物であつても本発明の効果を発揮する。 上記表中の主なケースについて、次に記述す
る実施例および写真で示すならば、次のとおり
である。 ケース1−実施例9 ケース2−実施例1(第7図)、実施例11−a及
びb、実施例13 ケース3−実施例10 ケース4−実施例6(第14図) ケース5−実施例2(第11図)、実施例3(第1
3図)、実施例5、実施例8 ケース6−実施例7 ケース9−実施例4 ケース11−実施例12−a ケース12−実施例12−b 次に実施例を示して本発明をより具体的に説明
する。 実施例1及び比較例1−a、1−b 比較例 1−a 微細化三塩化チタン(東邦チタニウム社製
TAC−132)20gとジエテルアルミニウムモノク
ロライド40gとを45のn−ヘプタンと共に内容
積100の撹拌付オートクレーブに仕込んだ。 次にプロピレンの供給を開始し、温度65℃、最
大圧力6Kg/cm2G、水素濃度3%の条件下で所定
量のプロピレンが供給されるまで重合を続けた。 未反応のプロピレンを0.5KgGまでパージし、
次にエチレンを温度65℃、最大圧力3Kg/cm2Gの
条件下で全重合体に対し約15重量%のエチレン含
有となるまで重合を続けた。なお、エチレン重合
開始10分後のオートクレーブ気相部のガス組成
は、エチレン75〜80%、プロピレン25〜20%であ
つた。 得られた重合体スラリーにブタノール3を加
えて重合を停止し、70℃、2時間の触媒分解操作
ののち遠心分離、水洗、乾燥を行つた。 ここで得られた結晶性エチレン−プロピレンブ
ロツク共重合体粉末は、エチレン含量が15重量%
でメルトフローレート(MFR)1.0g/10分のも
のであつた。 この共重合体粉末に対して、安定剤として、
0.15重量%の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフエノール(安定剤)と0.15重量%のn−オ
クタデシル−β−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−
t−ブチルフエニル)プロピオン酸エステル(安
定剤)とを添加したものをスーパーミキサーで
混合後、池貝鉄工社製二軸押出機で混練し冷却固
化してペレツト化した。 このペレツトの一部を明細書に詳細に示した方
法により前処理した後、走査型電子顕微鏡で形態
観察した。その結果を比較例1−aとして第6図
に示した。 この比較例1−aの組成物のモルフオロジー
は、マトリツクス相がポリプロピレンであり、分
散相がポリエチレン(全組成物の15重量%)とそ
れを取り囲むエチレン−プロピレン共重合体ゴム
(全組成物の4重量%)とからなる複合物である
構造であつた。この分散相は大きさが0.5〜3μで、
マトリツクス中に均一に分布していた。 実施例 1 先に重合して得たエチレン−プロピレンブロツ
ク共重合体粉末64重量部;無水マレイン酸を1.5
重量%含む無水マレイン酸グラフト高密度ポリエ
チレン(三菱油化社製試作品、MFR1.0g/10
分)のペレツト16重量部;平均粒径が0.2ミクロ
ンの立方形に近い形状の沈降性炭酸カルシウム20
重量部;安定剤として、エチレン−プロピレンブ
ロツク共重合体と無水マレイン酸グラフト高密度
ポリエチレンとの合計量に対して、各0.15重量%
ずつの上記安定剤およびを配合して、比較例
1−aの組成物の場合と同様に、スーパーミキサ
ーで混合後、池貝鉄工社製二軸押出機で混練し冷
却固化してペレツト化して、実施例1の組成物と
した。 このものについても比較例1−aの組成物と同
様に走査型電子顕微鏡で形態観察した。その結果
を第7図に示した。第7図から明らかなように得
られた組成物(実施例1)は無機質フイラーが分
散相の一部であるポリエチレン(無水マレイン酸
グラフト高密度ポリエチレンも共存している)中
に存在するという特異的なモルフオロジーを有す
ることが確認された。 比較例 1−b 比較のために、実施例1の組成物において、無
水マレイン酸グラフト高密度ポリエチレンの代り
に通常の高密度ポリエチレン(三菱油化社製、
PY−40、MFR1.0g/10分)を用いて同様の方
法で混練し冷却固化したもの(比較例1−b)に
ついても同様の方法で形態観察した。この結果を
第8図に示した。このモルフオロジーは無機質フ
イラーが分散相中には存在せず、マトリツクス相
のみに存在するものであつた。 次に、これらの実施例1及び比較例1−a、1
−bの各組成物ペレツトの残部を用いて名機製作
所製スクリユーインライン射出成形機にて試験片
を成形し、そのアイゾツト衝撃強度および三点曲
げ弾性率を測定した。ここで、アイゾツト衝撃強
度はJIS−K7110に準拠してノツチ付試験片で23
℃および−40℃の温度で測定した。また、三点曲
げ弾性率はJIS−K7203に準拠して23℃の温度で
測定した。その結果を第1表に示した。 第1表から明らかなように、本発明の特殊なモ
ルフオロジーを有する実施例1の組成物はプロピ
レン−エチレンブロツク共重合体(比較例1−
a)と比較して、衝撃強度が23℃においても、ま
た、−40℃においても著しく高いレベルにある。
他方、無機質フイラー配合の通常のモルフオロジ
ーを有する比較例1−bの組成物と比較しても衝
撃強度が著しく高く、特に−40℃の低温衝撃強度
においてその差が著しく大である。 実施例1の組成物が著しく高いレベルの衝撃強
度を有することは比較例(1−a、1−b)と対
比させて行つた衝撃破壊後の試験片の形態観察結
果からも裏付けられた。 第9図は、第6図で示されたエチレン−プロピ
レンブロツク共重合体(比較例1−a)の衝撃破
壊後の形態であり、分散相中に比較的大きなクラ
ツクが発生していることを示している。 第10図は、第7図の実施例1の組成物の衝撃
破壊後の形態であり、分散相を構成するポリエチ
レン中に存在する多数の微粒炭酸カルシウムの周
囲にミクロクラツクが発生し、このため多くの衝
撃エネルギーを吸収することができ、且つ、その
ミクロクラツクが分散相を構成するポリエチレン
を包囲している衝撃吸収性重合体であるエチレン
−プロピレン共重合体ゴムにより生長が抑制され
ていることを示している。この結果、実施例1の
組成物は、このようなミクロクラツクの生長阻止
機能を持たない通常のモルフオロジー(無機質フ
イラーがマトリツクス中に存在)を有する比較例
1−bの組成物に比べても著しく衝撃エネルギー
吸収能力が大きいことが判る。
【表】 実施例2及び比較例2 実施例 2 MFRが4g/10分、(n−ヘプタン不溶分
含量)が95の結晶性ポリプロピレン(三菱油化社
製TA−5)粉末50重量部:MFRが1.0g/分、
無水マレイン酸含量が1.0重量%の無水マレイン
酸グラフト高密度ポリエチレン(三菱油化社製試
作品)ペレツト15重量部;エチレン含量が72重量
%、ムーニー粘度が70ML1 + 4(100℃)のエチレン
−プロピレン共重合体ゴム(日本イーピーラバー
社製EP−07P)ペレツト5重量部:及び高級脂
肪酸で表面処理された平均粒径0.16μの立方形に
近い形状の沈降性炭酸カルシウム30重量部を、ポ
リプロピレン100重量部に対して0.2重量部のn−
オクタデシル−β−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
−t−ブチルフエニル)プロピオン酸エステルと
ともに、スーパーミキサーで混合後ブラベンダー
プラストグラムにより混練し、冷却固化してペレ
ツト化した(実施例2) 比較例 2 比較のために、実施例2の組成物において、無
水マレイン酸グラフト高密度ポリエチレンの代り
に比較例1−bで用いたのと同じ通常の高密度ポ
リエチレン(MFR1.0g/10分)を用いて同様の
方法で混練し冷却固化してペレツトを得た(比較
例2)。 これらのペレツトの形態観察の結果を第11及
び12図に示した。また、これらのペレツトを東
洋精機製作所製圧縮成形機により成形した試験片
のシヤルピー衝撃強度及びオルゼン曲げ剛性の測
定結果を第2表に示した。尚、シヤルピー衝撃強
度はJIS−K7111に準拠してノツチ付き試験片で
23℃および−40℃の温度で測定した。又、オルゼ
ン曲げ剛性は、ASTM−D−747に準拠して23℃
で測定し、変形角10度の時の値を採用した。 実施例2の組成物のモルフオロジーは、第11
図から明らかな如く、次の様な特殊なものであつ
た。すなわち、マトリツクス相はポリプロピレン
であり、分散相は無水マレイン酸グラフト高密度
ポリエチレンの中に無機質フイラーが存在し、こ
の変性ポリエチレンを取り囲むエチレン−プロピ
レン共重合体ゴムとから成る複合物であつた。 この分散相は、大きさが0.5〜3μで、マトリツ
クス中に均一に分散していた。 比較例2の組成物のモルフオロジーは、第12
図から明らかな如く、無機質フイラーがマトリツ
クス相であるポリプロピレン中にのみ分散してい
る構造であつた。 第2表より、実施例2の組成物の如き特殊なモ
ルフオロジーを有する組成物は、秀れた物性バラ
ンスを発現することが判る。
【表】 実施例 3 実施例2の組成物において、無水マレイン酸グ
ラフト高密度ポリエチレンの代りにMFRが12
g/10分、ビニルトリメトキシシラン含量が1.5
重量%のビニルトリメトキシシラングラフト高密
度ポリエチレン(三菱油化社製試作品)、沈降性
炭酸カルシウムの代りに平均粒径1μ(ミクロン)
のカオリンクレーを用いて実施例2と同様の実験
を行い実施例3の組成物とした。 得られた組成物のモルフオロジーを第13図に
示した。無機質フイラーであるカオリンクレーが
分散相である、ゴム成分に取り囲まれたビニルト
リメトキシシラングラフトポリエチレン中に存在
していることが確認された。このような特異的な
モルフオロジーを有する結果、実施例3の組成物
の衝撃強度、特に低温における衝撃強度は著しく
大きかつた。 なお、この組成物の分散相は、大きさが0.1〜
2μで、マトリツクス中に均一に分散していた。 実施例4及び比較例4 実施例 4 実施例1で重合し得られたものと同じエチレン
−プロピレンブロツク共重合体粉末50重量部;実
施例1の組成物で用いたものと同じ無水マレイン
酸グラフト高密度ポリエチレンペレツト20重量
部;無水マレイン酸含量が1.6重量%の無水マレ
イン酸グラフトエチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム(三菱油化社製試作品、ベースのエチレン−プ
ロピレン共重合体ゴムは日本イーピーラバー社製
EP07P)ペレツト10重量部;平均粒径0.2μの立方
形に近い形状の沈降性炭酸カルシウム20重量部;
安定剤としてエチレン−プロピレンブロツク共重
合体、無水マレイン酸グラフト高密度ポリエチレ
ン及び無水マレイン酸グラフトエチレン−プロピ
レン共重合体ゴムとの合計量に対して、0.2重量
%の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフエノ
ールを配合、実施例2の組成物の場合と同様にプ
ラベンダープラストグラムにより混練し、冷却固
化して実施例4の組成物を得た。 比較例 4 比較のために、実施例4の組成物において、無
水マレイン酸グラフト高密度ポリエチレンの代り
に、比較例1−bで使用したものと同じ未変性の
高密度ポリエチレンを、および無水マレイン酸グ
ラフトエチレン−プロピレン共重合体ゴムの代り
に実施例2の組成物で用いたのと同じエチレン−
プロピレン共重合体ゴムを用いて実施例4と同様
の方法で混練冷却固化して比較例4の組成物を得
た。 これらの組成物のモルフオロジーは次の如くで
あつた。即ち、実施例4の組成物は、無機質フイ
ラーである炭酸カルシウムが分散相であるポリエ
チレン組成物(エチレン−プロピレンブロツク共
重合体に基づくポリエチレンと無水マレイン酸グ
ラフト高密度ポリエチレンとが共存している)及
びこれを取り囲むエチレン−プロピレン共重合体
ゴム組成物(エチレン−プロピレン共重合体に基
づくエチレン−プロピレン共重合体ゴムと無水マ
レイン酸グラフトエチレン−プロピレン共重合体
ゴムとが共存している)とからなる複合物の両成
分中に存在する特異的なモルフオロジーである。
一方比較例4の組成比は比較例1−bの組成物と
同様に炭酸カルシウムはマトリツクス相であるポ
リプロピレン中のみに存在するものであつた。 次に、これらの実施例4及び比較例4の各組成
物ペレツトを実施例2と同様な方法で圧縮成形し
シヤルピー衝撃強度の測定を行いその結果を第3
表に示した。 実施例4の組成物は上記の特異的なモルフオロ
ジーを有する結果、衝撃強度は比較例4の組成物
に比べ著しく大きく、特に−40℃における値にお
いてその差は著しく大きかつた。 なお、実施例4の組成物の分散相は、大きさ
0.5〜3.5μで、マトリツクス中に均一に分布して
いた。
【表】 実施例5及び比較例5 実施例 5 実施例4の組成物において、エチレン−プロピ
レンブロツク共重合体の代りにMFRが9g/10
分、エチレン含量が4重量%の結晶性エチレン−
プロピレンランダム共重合体(三菱油化社製
FX3)、無水マレイン酸グラフトエチレン−プロ
ピレン共重合体ゴムの代りに実施例2の組成物で
使用したものと同じエチレン−プロピレン共重合
体ゴムを用いて実施例4の場合と同様の実験を行
つた(実施例5)。 比較例 5 また、比較例5の組成物の調製は、実施例5の
組成物において、無水マレイン酸グラフト高密度
ポリエチレンの代りに比較例1−bで使用したも
のと同じ未変性の高密度ポリエチレンを使用し実
施例5と同様の方法で行つた。 実施例5の組成物は無機質フイラーが分散相で
ある複合物のゴム成分で取囲まれた無水マレイン
酸グラフト高密度ポリエチレン中に存在する特異
的なモルフオロジーを有していた。なお、この実
施例5の組成物の分散相は0.5〜3μで均一に分布
していた。これに対して比較例5の組成物は、無
機質フイラーである炭酸カルシウムがマトリツク
スである結晶性エチレン−プロピレンランダム共
重合体中に分散していた。実施例5の組成物は比
較例5の組成物と比べ衝撃強度が著しく大きかつ
た。 実施例6及び比較例6 実施例 6 実施例4の組成物において、エチレン−プロピ
レンブロツク共重合体の代りに実施例2の組成物
で用いたものと同じ結晶性ポリプロピレンを、ま
た無水マレイン酸グラフト高密度ポリエチレンの
代りに比較例1−bで用いたものと同じ未変性の
高密度ポリエチレンを使用して同様の実験を行い
ペレツトを得た(実施例6)。 比較のため、実施例6の組成物において無水マ
レイン酸グラフトエチレン−プロピレン共重合体
ゴムの代りに、実施例2の組成物で使用したもの
と同じ未変性のエチレン−プロピレン共重合体ゴ
ムを用いて同様の方法で実験を行つた(比較例
6)。 これらの組成物ペレツトの形態観察の結果を第
14及び15図に示した。また、これらのシヤル
ピー衝撃強度の測定結果を第4表に示した。 実施例6の組成物は炭酸カルシウムがポリエチ
レンを取り囲む複合物の形で分散相を構成してい
るエチレン−プロピレン共重合体ゴム中に特異的
に分散するモルフオロジーを有するものであり、
無機質フイラーがマトリツクスであるポリプロピ
レン中のみに存在している比較例6の組成物と比
べて衝撃強度が著しく大きいことが明らかとなつ
た。 なお、実施例6の組成物の分散相は大きさ0.5
〜3μで均一に分布していた。
【表】 実施例7及び比較例7 実施例 7 実施例4の組成物において、エチレン−プロピ
レンブロツク共重合体の代りに実施例2の組成物
で用いたものと同じ結晶性ポリプロピレンを用い
て同様の実験を行い、実施例7の組成物を得た。 比較例 7 比較のために実施例7の組成物において、無水
マレイン酸グラフト高密度ポリエチレンの代りに
比較例1−bで用いたものと同じ未変性の高密度
ポリエチレンを、また、無水マレイン酸グラフト
エチレン−プロピレン共重合体ゴムの代りにエチ
レン含量が76重量%、ムーニー粘度が24ML1+4
(100℃)の未変性エチレン−プロピレン共重合体
ゴム(日本イーピーラバー社製EP02P)を用い
て同様の方法で実験を行い比較例7の組成物を得
た。 これ等の組成物ペレツトを圧縮成形した試験片
につきシヤルピー衝撃強度及びオルゼン曲げ剛性
の測定を行つた結果を第5表に示した。 実施例7の組成物は、無機質フイラーである炭
酸カルシウムが分散相である無水マレイン酸グラ
フト高密度ポリエチレンと無水マレイン酸グラフ
トエチレン−プロピレン共重合体ゴムの複合物中
に存在する特異的なモルフオロジーを有すること
が分つた。この結果、第5表から明らかなごとく
衝撃強度、特に−40℃における衝撃強度が比較例
7のもの(無機質フイラーがマトリツクスである
ポリプロピレン中に存在)と比べ著しく大きいこ
とが明らかとなつた。
【表】
【表】 実施例8及び比較例8 実施例 8 実施例4の組成物において、結晶性エチレン−
プロピレンブロツク共重合体の代りに比較例1−
bで使用したものと同じ高密度ポリエチレンを、
また、無水マレイン酸グラフト高密度ポリエチレ
ンの代りに無水マレイン酸グラフト結晶性ポリプ
ロピレン(三菱油化社製試作品、無水マレイン酸
含量1.5重量%、MF2.0g/10分)を、及び無水
マレイン酸グラフトエチレン−プロピレン共重合
体ゴムの代りに実施例2で使用したものと同じエ
チレン−プロピレン共重合体ゴムを用いて同様の
方法で実験を行いペレツトを得た(実施例8)。 比較例 8 また、比較のため実施例8の組成物において、
無水マレイン酸グラフトポリプロピレンの代りに
実施例2で用いたものと同じ結晶性ポリプロピレ
ンを用いて同様の方法で実験を行つた(比較例
8)。 実施例8の組成物は無機質フイラーが分散相で
ある複合物中の無水マレイン酸グラフトポリプロ
ピレン中に特異的に分散するモルフオロジーを有
し、無機質フイラーがマトリツクスであるポリエ
チレン中に存在するモルフオロジーを有する比較
例8の組成物と比べ、第6表に示した−40℃のシ
ヤルピー衝撃強度が著しく大きいことがわかつ
た。
【表】 実施例9及び比較例9 実施例 9 MFRが0.8g/10分のポリエチレン(三菱油化
社製EX−40)ペレツト58重量部;MFRが1.5
g/10分、メチルヘキサジエン含量が6重量%の
結晶性プロピレン−メチルヘキサジエンランダム
共重合体(三菱油化社製試験作品)の粉末25重量
部;エチレン−プロピレン共重合体ゴム(実施例
2の組成物で使用したものと同じEP07P)のペ
レツト12重量部:平均粒径0.03μ(ミクロン)のシ
リカ5重量部:安定剤として、ポリエチレン、プ
ロピレン−メチルヘキサジエンランダム共重合体
及びエチレン−プロピレン共重合体ゴムの合計量
に対して0.15重量%のn−オクタデシル−β−
(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフエニ
ル)プロピオン酸エステルを配合し、スーパーミ
キサーで混合後、ブラベンダ−プラストグラムに
より混練し、冷却固化してペレツトを得た(実施
例9)。 比較例 9 比較のため、実施例9の組成物において、ポリ
エチレンペレツト58重量部の一部である18重量部
の代りに実施例3の組成物で用いたものと同じビ
ニルトリメトキシシラングラフト高密度ポリエチ
レンを、またプロピレン−メチルヘキサジエンラ
ンダム共重合体の代りに実施例2の組成物で使用
したものと同じ未変性の結晶性ポリプロピレンを
用いて同様の方法で混練し、冷却固化してペレツ
トを得た(比較例9)。 実施例9の組成物の形態観察の結果、無機質フ
イラーであるシリカが分散相である複合物中のプ
ロピレン−メチルヘキサジエンランダム共重合体
中に存在することが確認された。この様な特異的
なモルフオロジーを有する結果、実施例9の組成
物の衝撃強度は、シリカがマトリツクスであるポ
リエチレン中のみに存在する比較例9の組成物に
対し第7表に示したとおり−40℃におけるシヤル
ピー衝撃強度が著しく大きかつた。
【表】 実施例10及び比較例10−a、10−b 実施例 10 実施例1で重合して得られたものと同じエチレ
ン−プロピレン共重合体粉末62重量部:無水マレ
イン酸グラフトエチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム(実施例4の組成物で用いたものと同じもの)
ペレツト18重量部;平均粒径0.16μC(ミクロン)
の高級脂肪酸で表面処理された立方形に近い形状
の沈降性炭酸カルシウム20重量部;安定剤として
エチレン−プロピレンブロツク共重合体とエチレ
ン−プロピレン共重合体ゴムとの合計量に対し
0.2重量%の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフエノールを配合し、実施例2と同様な方法で
混練、冷却固化して実施例10の組成物を得た。 比較例10−a及び10−b 比較のために、実施例10の組成物において、無
水マレイン酸グラフトエチレン−プロピレン共重
合体ゴムの代りに未変性のエチレン−プロピレン
共重合体ゴム(比較例7で使用したものと同じも
の)を用いて同様の方法でペレツト化したもの
(比較例10−a)、及び、この比較例10−aの組成
物においてエチレン−プロピレンブロツク共重合
体粉末62重量部の一部である12重量部の代りに実
施例8の組成物で用いたものと同じ無水マレイン
酸グラフトポリプロピレン粉末を用いたもの(比
較例10−b)も同様に実験を行つた。 このようにして得た実施例10及び比較例10−
a、10−bの各組成物ペレツトを実施例2と同様
の方法で圧縮成形した試験片のシヤルピー衝撃強
度及びオルゼン曲が剛性の測定結果を第8表に示
した。 また、これら組成物の形態観察の結果、無機質
フイラーである微細炭酸カルシウムは、ポリエチ
レンを取り囲むエチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム(無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共
重合体ゴムも共存している)の分散相のポリエチ
レン中に存在する特異的なモルフオロジーを持つ
事が確認された。 従つて、実施例10の組成物はこの特異的な構造
を有する結果、無機質フイラーがマトリツクス相
であるポリプロピレン中のみに存在する比較例10
−aの組成物、及び同じくマトリツクス相である
ポリプロピレンと無水マレイン酸変性ポリプロピ
レンとの組成物系中に存在する比較例10−bの組
成物に比べ、第8表から明らかなごとく、衝撃強
度が飛躍的に大きく、剛性とのバランスから考え
ても極めて秀れていることがわかる。
【表】 実施例11−a、11−b及び比較例11 実施例 11−a、11−b 実施例10の組成物において、無水マレイン酸グ
ラフトエチレン−プロピレン共重合体ゴムの代り
に無水マレイン酸グラフト高密度ポリエチレン
(実施例1で用いたものと同じもの)を、また、
平均粒径0.16μ(ミクロン)の沈降性炭酸カルシウ
ムの代りに0.3μ(ミクロン)の立方形に近い形状
の沈降性炭酸カルシウム(実施例11−a)、およ
び粉砕分級により製造した平均粒径3μ(ミクロ
ン)の炭酸カルシウム(実施例11−b)を用いて
同様の実験を行つた。 比較例 11 比較のために、実施例11−bの組成物におい
て、無水マレイン酸グラフト高密度ポリエチレン
の代りに比較例1−bで使用したものと同じ未変
性の高密度ポリエチレンを用いて同様の実験を行
つて比較例11の組成物を得た。 これらの組成物のシヤルピー衝撃強度の測定結
果を第9表に示した。 実施例11−a、11−bのいずれの組成物のモル
フオロジーも無機質フイラーである炭酸カルシウ
ムは分散相である複合物を構成するポリエチレン
(無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレンと共
存している)中に存在していることが確認され
た。このような特異的モルフオロジーを有する実
施例11−a及び11−bの組成物は比較例11の組成
物に比べ衝撃強度は大きいこと、そしてその効果
は無機質フイラーの平均粒径が1μ(ミクロン)以
下の場合特に大きく、とりわけ平均粒径0.3μ(ミ
クロン)附近の場合に著しく大であることがわか
つた。 本発明者等は、この理由は、明細書に詳述した
本発明の機構及び実施例1で解析した特異の破壊
挙動によるものと信ずる。
【表】 実施例12−a、12b−及び比較例12 実施例 12−a、12−b 実施例10の組成物において、結晶性エチレン−
プロピレンブロツク共重合体の代りにポリプロピ
レン(実施例2で用いたものと同じもの)を用い
たもの(実施例12−a)、およびこの実施例12−
aの組成物において、無水マレイン酸グラフトエ
チレン−プロピレン共重合体ゴム18重量部の半量
である9重量部の代りに未変性のエチレン−プロ
ピレン共重合体ゴムを用いたもの(実施例12−
b)につき同様の実験を行つた。 比較例 12 さらに実施例12−aの組成物において、無水マ
レイン酸グラフトエチレン−プロピレン共重合体
ゴム18重量部(全量)の代りに未変性エチレン−
プロピレン共重合体ゴムを用いたものについて比
較のため、同様な方法で実験を行つた(比較例
12)。 得られた実施例12−a、12−bの各組成物のモ
ルフオロジーはポリプロピレンのマトリツクス中
に無水マレイン酸で変性されたエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(実施例12−bの組成物の場合
は未変性のエチレン−プロピレン共重合体ゴムも
共存している)が分散し、その中に無機質フイラ
ーが存在する構造であることが確認された。これ
等の実施例12−aおよび12−bの組成物の衝撃強
度は第10表で明らかなごとく、無機質フイラーが
マトリツクス中のみに存在する比較例12のものと
比べて著るしく大きかつた。
【表】 実施例 13−a、13−b、13−c、13−d 実施例 13−a、13−b 実施例10の組成物において、無水マレイン酸グ
ラフトエチレン−プロピレン共重合体ゴムの代り
に実施例1の組成物で用いたものと同じ無水マレ
イン酸グラフト高密度ポリエチレンを、また、
0.16μ(ミクロン)の沈降性炭酸カルシウムの代り
に次にかかげる4種の無機質フイラーを用いて実
施例13−a〜13−dの組成物を得た。即ち、平均
粒径0.2μ(ミクロン)の2酸化チタン(実施例13
−a)、平均粒径0.5μ(ミクロン)の水酸化マグネ
シウム(実施例13−b)、平均粒径0.5μ(ミクロ
ン)のケイ酸カルシウム(実施例13−c)及び平
均粒径0.3μ(ミクロン)の酸化亜鉛(実施例13−
d)の各々の組成物である。 いずれの無機質フイラーも分散相である複合物
を構成するポリエチレン(無水マレイン酸グラフ
トポリエチレンと共存している)中に存在する特
殊なモルフオロジーを有し、この結果、いずれの
組成物も衝撃強度は著しく大きく、物性バランス
の秀れていることがわかつた。
【図面の簡単な説明】
ここに掲げた図面は、すべて走査型電子顕微鏡
写真(日立製作所製HHS−2R型)であり、本明
細書に記載した方法により前処理した後、観察し
たものである。第1図はポリプロピレンに炭酸カ
ルシウムを20重量%充填させた組成物の衝撃破壊
後の形態を示す5000倍の写真である(参考例)。
この第1図は、衝撃によりマトリツクスと無機質
フイラーとの界面で微小なクラツクが発生し、さ
らにそのクラツクが生長してマトリツクス中を伝
播し、材料の破壊が為されることを示している。
第2図は、エチレン−プロピレンブロツク共重合
体の分散相の状態をキシレンエツチングにより明
確にした10000倍の写真である(参考例)。この第
2図はマトリツクス相である結晶性ポリプロピレ
ン中に分散している分散相が、結晶性ポリエチレ
ンの周囲をエチレン−プロピレン共重合体ゴムが
取り巻いている(写真ではキシレンにより溶出さ
れ凹部として観察される)複合物の構造となつて
いることを示している。第3図は、第2図で示し
たエチレン−プロピレンブロツク共重合体に衝撃
を与えて発生したクラツクの様子を示す2000倍の
写真である(参考例)。この第3図は、発生した
クラツクが、第1図の場合とは異り、分散相とマ
トリツクス相との界面に存在するエチレン−プロ
ピレン共重合体ゴムの為に分散相内部に封じ込め
られていることを示している。第4図は、第2図
で示したエチレン−プロピレンブロツク共重合体
に沈降性炭酸カルシウムを20重量%充填させた組
成物を示す4000倍の写真である(参考例)。この
第4図から明らかのように、組成物中の無機質フ
イラーはマトリツクスであるポリプロピレン部分
のみに分散しており、これに衝撃が加わると、第
1図と同様にマトリツクス部分で主として破壊が
生じる。第5図は、第2図で示したエチレン−プ
ロピレンブロツク共重合体に、平均粒径0.3μの沈
降性コロイド状炭酸カルシウム20重量%、および
無水マレイン酸グラフト変性高密度ポリエチレン
10重量%を混合して得た本発明組成物の一例を示
す5000倍の写真である。この第5図は、無機質フ
イラーが、第4図とは全く逆に分散相中に特異的
に存在するといつたモルフオロジーを有すること
を示している。この結果、衝撃により分散相中の
無機質フイラーの周囲に微小、且つ、多数のクラ
ツクが発生し、さらにこのクラツクは分散相周囲
に存在するエチレン−プロピレン共重合体ゴムに
より生長が抑制され、その結果飛躍的な衝撃強度
の向上が発現される。第7図は実施例1の組成物
の形態を示す5000倍の写真である。このモルフオ
ロジーは前記表Aのケース2のものであり、無機
質フイラーがポリエチレン中に存在している。第
6図および第8図は比較例1−a、1−bの各組
成物の形態を示す各5000倍の写真である。第6図
はエチレン−プロピレンブロツク共重合体の構造
を示し、又、第8図は第6図のブロツク共重合体
に未変性ポリエチレンと炭酸カルシウムを添加し
た組成物の構造を示すものであり、炭酸カルシウ
ムはマトリツクス中のみに存在するモルフオロジ
ーを示している。第9及び10図は、第6図で示
した比較例1−a及び第7図で示した実施例1の
各組成物の衝撃破壊後の形態を示す4000倍および
5000倍の写真である。第9図で見られる分散相内
部に発生したミクロクラツクがエチレン−プロピ
レンブロツク共重合体における高耐衝撃性を発現
する機構であるが、第10図で見られるごとく実
施例1の組成物はそのミクロクラツクを微細フイ
ラー界面に発生する多量且つ微小なクラツクによ
りさらに増大し、衝撃エネルギー吸収能力の大な
ることが裏付けされる。第11図は実施例2の組
成物の形態を示す7000倍の写真である。このモル
フオロジーは前記表Aのケース5のものであり、
無機質フイラーが分散相中に取り囲まれている。
第12図は比較例2の組成物の形態を示す7000倍
の写真である。ここでは、無機質フイラーは第1
1図とは逆にマトリツクス中のみに存在している
ことが判る。第13図は実施例3の組成物の形態
を示す5000倍の写真であり(前記表Aのケース5
のものに当たる)、カオリンクレーが分散相中に
存在するモルフオロジーを示している。第14及
び15図は、実施例6及び比較例6の各組成物の
形態を示す各6000倍の写真である。第14図は、
前記表Aのケース4に相当し、無機質フイラーで
ある炭酸カルシウムが、分散相である複合物を構
成する無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン
共重合体ゴム中に存在する特異的な形態を示し、
一方、第15図は通常の形成物に見られるごと
く、無機質フイラーがマトリツクスであるポリプ
ロピレン中のみに存在する形態を示している。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 熱可塑性オレフイン重合体のマトリツクス
    (連続相)と、該マトリツクス中に分散している
    衝撃吸収性重合体又は重合体複合物の分散相とを
    有し、この分散相をなす該重合体又は重合体複合
    物中に該分散相の大きさよりも粒径が小さい無機
    質フイラーが充填されていることを特徴とする耐
    衝撃性オレフイン重合体組成物。 2 該マトリツクスが結晶性オレフイン重合体で
    ある特許請求の範囲第1項記載のオレフイン重合
    体組成物。 3 該マトリツクスが、エチレン又はプロピレン
    の結晶性ホモポリマー、或はエチレン又はプロピ
    レンを主なる構成成分とするエチレン及び/又は
    プロピレンと他のエチレン性不飽和単量体との結
    晶性共重合体である特許請求の範囲第1項記載の
    オレフイン重合体組成物。 4 衝撃吸収性重合体が、モノオレフイン系又は
    ジオレフイン系ゴム状重合体又はゴム状共重合体
    である特許請求の範囲第1項記載のオレフイン重
    合体組成物。 5 衝撃吸収性重合体が、エチレン−プロピレン
    共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジ
    エン3元共重合体、エチレン−ブテン共重合体ゴ
    ム、スチレンと共役ジエンとの共重合体又はポリ
    ジオレフインである特許請求の範囲第1項記載の
    オレフイン重合体組成物。 6 衝撃吸収性重合体複合物が、マトリツクスを
    構成するオレフイン重合体と均一には混和し得な
    い結晶性オレフイン重合体とこれを包囲するモノ
    オレフイン系又はジオレフイン系ゴム状重合体又
    は共重合体から成る特許請求の範囲第1項記載の
    オレフイン重合体組成物。 7 無機質フイラーが、平均粒径2μ(ミクロン)
    より小さい微細な無機固体物質である特許請求の
    範囲第1項記載のオレフイン重合体組成物。 8 無機質フイラーが、平均粒径1.5μ(ミクロン)
    以下の微細な無機固体物質である特許請求の範囲
    第1項記載のオレフイン重合体組成物。 9 無機質フイラーが、平均粒径1μ(ミクロン)
    以下の微細な無機固体物質である特許請求の範囲
    第1項記載のオレフイン重合体組成物。 10 無機質フイラーが、それ自体として、或は
    他の成分で処理又は被覆されることによつて、マ
    トリツクスを構成する熱可塑性オレフイン重合体
    に対するよりも、分散相を構成する衝撃吸収性重
    合体又は重合体複合物中の少なくとも一成分の重
    合体に対して、より大きな親和性を有している特
    許請求の範囲第7〜9項記載のオレフイン重合体
    組成物。 11 分散相が、 (A) マトリツクスを構成するオレフイン重合体と
    均一には混和し得ない結晶性オレフイン重合体
    (A)、又は (B) 該結晶性オレフイン重合体(A)及び無機質フイ
    ラーの双方に親和性を有する該結晶性オレフイ
    ン重合体の感応性誘導体(B)と前記(A)の結晶性オ
    レフイン重合体との組成物 の中に、 (C) 無機質フイラー(C)が充填されており、 (D) それらが、更に衝撃吸収性モノオレフイン系
    又はジオレフイン系ゴム状重合体(D)で包囲され
    ているもの、 から成る特許請求の範囲第1項〜第10項記載の
    オレフイン重合体組成物。 12 分散相が、 (D) 衝撃吸収性モノオレフイン系又はジオレフイ
    ン系ゴム状重合体(D)、又は (E) 上記(D)のゴム状重合体と、上記(D)のゴム状重
    合体の感応性誘導体(E)との組成物、 の中に、 (C) 無機質フイラー(C)が充填されているもの、 から成る特許請求の範囲第1項〜第10項記載の
    オレフイン重合体組成物。 13 分散相は、 (A) マトリツクスを構成するオレフイン重合体と
    均一には混和し得ない結晶性オレフイン重合体
    (A)が、 (D) 衝撃吸収性モノオレフイン系又はジオレフイ
    ン系ゴム状重合体(D)、又は (E) 上記(D)のゴム状重合体と、上記(D)のゴム状重
    合体の感応性誘導体(E)との組成物で包囲されて
    おり、 (C) 上記(D)のゴム状重合体又は上記(E)の組成物中
    に無機質フイラー(C)が充填されているもの、 から成る特許請求の範囲第1項〜第10項記載の
    オレフイン重合体組成物。 14 オレフイン重合体組成物全体に対して、無
    機質フイラーが1〜60重量%含有されている特許
    請求の範囲第1項〜第13項記載のオレフイン重
    合体組成物。 15 オレフイン重合体組成物全体に対して、無
    機質フイラーが3〜45重量%含有されている特許
    請求の範囲第1項〜第13項記載のオレフイン重
    合体組成物。 16 オレフイン重合体組成物全体に対して、マ
    トリツクスを構成する熱可塑性オレフイン重合体
    が30〜98.5重量%含有されている特許請求の範囲
    第1項〜第15項記載のオレフイン重合体組成
    物。 17 オレフイン重合体組成物全体に対して、分
    散相を形成する重合体成分(無機質フイラーを除
    く分散相)が0.5〜69重量%、好ましくは10〜40
    重量%含有されている特許請求の範囲第1項〜第
    15項記載のオレフイン重合体組成物。 18 重合系内において、 (1) 少なくとも一種のオレフイン系単量体を重合
    してマトリツクス相を構成する熱可塑性重合体
    の少なくとも一部を形成し、次いで (2) 該オレフイン系単量体の存在下又は不存在下
    に下記(A)、(B)、(D)、(E)又は(F)、 (A) マトリツクスを構成するオレフイン重合体
    と均一に混和し得ない結晶性オレフイン重合
    体 (B) 上記(A)の結晶性オレフイン重合体及び無機
    質フイラーの双方に親和性を有する上記(A)の
    重合体の感応性誘導体 (D) 衝撃吸収性重合体 (E) 上記(D)の重合体及び無機質フイラーの双方
    に親和性を有する上記(D)の重合体の感応性誘
    導体 (F) 上記(D)の重合体と上記(A)の結晶性オレフイ
    ン重合体との複合物 の少なくとも一つを形成するための該オレフイ
    ン系単量体とは異なる少なくとも一種のモノオ
    レフイン、ジオレフイン及び/又は他の不飽和
    単量体の重合を行なうか、或は前記(2)の(A)、
    (B)、(D)、(E)又は(F)の少くとも一つを形成するた
    めの不飽和単量体の重合を行つた後、かかる不
    飽和単量体の存在下又は不存在下に前記(1)のマ
    トリツクス相を構成するためのオレフイン系単
    量体の重合を行なつて、熱可塑性オレフイン重
    合体のマトリツクス(連続相)と、該マトリツ
    クス中に分散している上記(A)、(B)、(D)、(E)又は
    (F)の少なくとも一つの成分の分散相とからなる
    オレフイン重合体組成物を形成し、次いで (C) 適当な粒径の無機質フイラー、 及び必要により上記(A)、(B)、(D)、(E)又は(F)の少く
    とも一つの成分、を任意の順序で混合することを
    特徴とする熱可塑性オレフイン重合体のマトリツ
    クス(連続相)と、該マトリツクス中に分散して
    いる衝撃吸収性重合体又は重合体複合物の分散相
    とを有し、この分散相をなす該重合体又は重合体
    複合物中に該分散相の大きさよりも粒径が小さい
    無機質フイラーが充填されている耐衝撃性オレフ
    イン重合体組成物の製造法。 19 重合系内において、 (1) 少なくとも一種のオレフイン系単量体を重合
    してマトリツクス相を構成する熱可塑性重合体
    の少なくとも一部を形成し、次いで (2) 該オレフイン系単量体の存在下又は不存在下
    に衝撃吸収性重合体又は重合体複合物を形成す
    るための該オレフイン系単量体とは異なる少な
    くとも一種のモノオレフイン及び/又はジオレ
    フインの重合を行なうか、或は前記(2)の衝撃吸
    収性重合体又は重合体複合物を形成するための
    少くとも一種のモノオレフイン及び/又はジオ
    レフインの重合を行なつた後、かかるオレフイ
    ン又はジオレフインの存在下又は不存在下に前
    記(1)のマトリツクス相を構成するためのオレフ
    イン系単量体の重合を行つて、熱可塑性オレフ
    イン重合体のマトリツクス(連続相)と、該マ
    トリツクス中に分散している衝撃吸収性重合体
    又は重合体複合物の分散相とから成るオレフイ
    ン重合体組成物を形成し、次いでこれに、 (C) 適当な粒径の無機質フイラーを単独で、或
    はこれを (B) 該分散相の少くとも一部を形成する結晶性
    オレフイン重合体及び無機質フイラーの双方
    に親和性を有する結晶性オレフイン重合体の
    感応性誘導体、 及び/又は、 (E) 該分散相の少くとも一部を形成する衝撃吸
    収性重合体及び無機質フイラーの双方に親和
    性を有する該衝撃吸収性重合体の感応性誘導
    体 と共に、或は上記(C)と上記(B)、及び上記(C)と上記
    (E)を任意の順序で、混合することを特徴とする特
    許請求の範囲第18項記載の耐衝撃性オレフイン
    重合体組成物の製造法。
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