JPS6325593Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気テープカートリツジに係り、特に
それのパツド支持バネとその保持構造に関するも
のである。

次に本考案の実施例を図とともに説明する。第
１図は上ケースを取り外した状態での磁気テープ
カートリツジの平面図、第２図および第３図はそ
の磁気テープカートリツジの板バネ支持構造を示
す要部拡大平面図および要部拡大正面図、第４図
および第５図はパツドを貼着した支持バネの拡大
平面図および一部を切除した拡大正面図である。

下ケース１のほぼ中央には磁気テープ２を巻回
する一対のハブ３，３が回転可能に載置され、一
方のハブ３から繰り出される磁気テープ２はガイ
ドローラ４によつて前面側に案内され、一方の磁
気ヘツド挿入口５、ピンチローラ挿入口６、他方
の磁気ヘツド挿入口５の後方を順次通り、もう一
方のガイドローラ４を経て他方のハブ３に巻き取
られるようになつている。両側の磁気ヘツド挿入
口５の後方にはパツド７を貼着した板バネ８が配
置され、またピンチローラ挿入口９の後方にはキ
ヤプスタン挿入口９が開設されている。

板バネ８は第４図および第５図に示すように、
それの中央部１０の前面には両面接着テープ１１
によりパツド７が固着されている。この中央部１
０の両側、すなわち両端部１２は中央部１０か
ら、10〜15度程度後方に向けて屈曲され、さらに
両端部１２の先端には互に内方に向けて対向した
係止部１３が設けられている。磁気ヘツド挿入口
５から挿入される磁気ヘツド（図示せず）に対す
る板バネ８の追従性を良くするため、第５図に示
すように係止部１３を除く両端部１２の内側がそ
れぞれ打ち抜かれて中空部１４が形成されてい
る。また、中央部１０は第５図に示すように正面
形状が「王」字状をしており、それの中間部両端
にパツド７の位置決めを行なう規制片１５が折り
曲げによつて前方に突設されている。

第１図ないし第３図に示すように、左右に開設
された磁気ヘツド挿入口５の後方には、２つの板
バネ支持部１６が磁気テープ２の走行方向に沿つ
て所定の間隔をおいて突設されている。この板バ
ネ支持部１６の板バネ８と接する先端部は曲面状
になり、板バネ８のわん曲度合に対応して支点が
徐々に変化するようになつている。この板バネ支
持部１６より若干磁気ヘツド挿入口５寄りでかつ
２つの板バネ支持部１６，１６の中間位置には、
２つの板バネストツパー部１７，１７が磁気テー
プ２の走行方向に沿つて間隔をおいて突設されて
いる。この板バネストツパー部１７は、磁気ヘツ
ドが挿入されても互に接触しない位置に設けられ
ている。前記板バネ支持部１６と板バネストツパ
ー部１７との間に、パツド７を保持した板バネ８
をパツド７が磁気ヘツド挿入口５に臨むように挿
入される。すなわち、通常、板バネ８は第４図に
示すように両端部１２が中央部１０より若干後方
に向いて屈曲された状態になつているが、両端部
１２の弾性に抗して中央部１０と両端部１２とが
ほぼ同一平面上すなわちほぼフラツトになるよう
に押圧変形させて、板バネ支持部１６と板バネス
トツパー部１７との間に挿入する。挿入後に板バ
ネ８を放すと、両端部１２の係止部１３近くは板
バネ支持部１６に、両端部１２の中央部分は板バ
ネストツパー部１７にそれぞれ弾接し、板バネ支
持部１６と板バネストツパー部１７とに規制され
て板バネ８は図に示すようにほぼ直線状に延びて
いる。従つて板バネ８は常に弾発力を生じてお
り、実質的に所定の予備荷重が与えられた状態に
なつている。板バネ８の係止部１３は板バネ支持
部１６の外側に配置されて、板バネ８の左右方向
のずれを防止している。

第６図は、前述の板バネ８とそれの支持構造に
おいて、磁気ヘツドの挿入にともなうパツド押込
み寸法とパツド圧との関係を示す特性図である。
図中の一点鎖線位置が、ケース内における磁気ヘ
ツドの挿入停止位置を示している。この図から明
らかなように、前述のように板バネ８に予備荷重
が与えられていると、磁気ヘツドによつてパツド
を押込んだ際のパツド圧の立上りが早く、磁気ヘ
ツドの挿入寸法が比較的短かくても所望の高いパ
ツド圧から得られ、特に超小形の磁気テープカー
トリツジに適している。また、パツド圧が立上が
つたのちはパツド押込み寸法に対するパツド圧の
増大が緩やかになり、磁気ヘツドの挿入停止位置
が少しばらついてもパツド圧の誤差が小さく、性
能的に安定している。

本考案は前述のように、磁気ヘツド挿入口の後
方に２つの板バネ支持部を磁気テープの走行方向
に沿つて所定の間隔をおいて突設し、前記２つの
板バネ支持部の中間位置に板バネストツパー部を
設け、中央部前面にパツドを固着した板バネ支持
部に、板バネの中間部を板バネストツパー部に弾
接することにより、板バネに予備荷重を付与した
ことを特徴とするものである。

従来、板バネに予備荷重を与えるため、板バネ
を片持ち式にして、板バネの自由端側にパツドを
貼着し、その自由端をストツパーピンに弾接して
常時弾性力、すなわち予備荷重を付与せしめた構
造のものがある。しかし、このものは磁気ヘツド
の挿入にともない板バネが支点を中心にして回動
しながら、それにともなつてパツドが後方に押込
まれるから、パツドが定位置まで押込まれた状態
では磁気テープカートリツジの前面に対して斜め
になつており、磁気ヘツドとの接触状態が良くな
い。特に超小形の磁気テープカートリツジの場
合、板バネの支点からパツド貼着位置までの寸法
が短かいから、パツドが斜めになる度合が大き
く、記録、再生特性に悪影響をおよぼす。

これに対して本考案は前述のように、板バネが
両持ち式になつているから、磁気ヘツドの挿入に
ともなつてパツドが磁気テープカートリツジの前
面に対して平行に後退し、磁気ヘツドとの接触状
態が常に一定である。しかも両持ち式であるから
板バネの予備荷重の加わり方が安定しており、特
に超小形の磁気テープカートリツジでは板バネの
長さが必然的に短かくなり、そのためにパツド圧
の立上りが早く、磁気ヘツドの挿入寸法が小さく
ても所望のパツド圧が得られ、超小形の磁気テー
プカートリツジに好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は上ケースを取り外した状態での磁気テ
ープカートリツジの平面図、第２図および第３図
はその磁気テープカートリツジの板バネ支持構造
を示す要部拡大平面図および要部拡大正面図、第
４図および第５図はパツドを貼着した支持バネの
拡大平面図および一部を切除した拡大正面図、第
６図はその支持バネにおけるパツド押込み寸法と
パツド圧の関係を示す特性図である。 ２……磁気テープ、５……磁気ヘツド挿入口、
７……パツド、８……板バネ、１０……中央部、
１１……両面接着テープ、１２……両端部、１６
……板バネ支持部、１７……板バネストツパー
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気ヘツド挿入口の後方に２つの板バネ支持部
   を磁気テープの走行方向に沿つて所定の間隔をお
   いて突設し、前記２つの板バネ支持部の中間位置
   に板バネストツパー部を設け、中央部前面にパツ
   ドを固着した板バネをそれぞれ板バネ支持部に、
   板バネの中間部を板バネストツパー部に弾接する
   ことにより、板バネに予備荷重を付与したことを
   特徴とする磁気テープカートリツジ。