JP2515311Y2 - ディスクカートリッジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はディスク状記録媒体を収納したディスクカー
トリッジ、特に3.5インチ用のディスクカートリッジに
関する。

〔従来の技術〕

記録再生装置に使用されるディスク状記録媒体は、不
使用時に破損したり、塵埃が付着したりするのを防止す
るために、ディスクカートリッジ内にこのディスク状記
録媒体を収納することによって保護している。このよう
なディスクカートリッジとして、例えば第７図および第
８図に示すようなものがある。第７図において、符号10
1はケースであり、このケース101にはディスク状記録媒
体106が収納されている。ケース101にはこのディスクカ
ートリッジが記録再生装置に装着されたときに、ディス
ク状記録媒体106を回転させるための回転穴102や情報の
読み書きを行うためにヘッドを接近可能なヘッド挿入穴
103が形成されている。

ここで、前記回転穴102やヘッド挿入穴103からケース
101内部に塵埃が侵入するのを防止するために、このケ
ース101にはシャッタ104が取り付けられている。また、
第８図に示すようにシャッタ104はケース101内に収装さ
れたねじりコイルばね105によって常時付勢されて、前
記回転穴102やヘッド挿入穴103を閉止している。

ねじりコイルばね105の付勢力に抗してシャッタ102を
摺動させると、前記回転穴102やヘッド挿入穴103は開口
される。ここで、ねじりコイルばね105は一端腕部105
a、他端腕部105b、ねじりコイル部105cとからなり、一
端腕部105aはシャッタ104と係合し、他端腕部105bはケ
ース101と係合している。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このような従来のディスクカートリッ
ジにおいては、シャッタ104を常時付勢するねじりコイ
ルばね105は第８図に示すようにその一端腕部105aと他
端腕部105bとが折曲されずに真直ぐに伸長されていた。
このため、シャッタ104を開くと、これによってねじり
コイルばね105の一端腕部105aが押圧され、すなわち一
端腕部105aと他端腕部105bとがこのねじりコイル部105c
に向けて相対的に押圧されることになる。一端腕部105a
と他端腕部105bとは真直ぐに伸長されているために、前
記押圧の際の応力はねじりコイル部105cの一箇所に集中
することになる。したがって、このディスクカートリッ
ジを永年使用している間には、前記押圧の際の応力はね
じりコイル部105cの一箇所に繰返し集中して、このねじ
りコイルばね105の耐久性が低下してしまうという問題
点があった。

〔課題を解決するための手段〕

このような問題点を解決するために、本考案にあって
は、ディスク状記録媒体が収納されたケースと、このケ
ースに形成されたヘッド挿入穴およびディスク状記録媒
体を回転させるための回転穴を開閉するために前記ケー
スに取り付けられたシャッタと、シャッタ側と一端腕部
が係合し他端腕部が前記ケース側と係合してこのシャッ
タを閉止方向に付勢するねじりコイルばねとを備えたデ
ィスクカートリッジにおいて、前記他端腕部の略中央に
シャッタ閉止方向の反対側に突出する折曲部分が設けら
れており、シャッタ解放の途中でねじりコイル部の移動
方向が反転する構成とするものである。そして好適に
は、シャッタ側と係合する前記一端腕部の略中央にも折
曲部分を設けるが、こちら側の折曲部分はシャッタ閉止
方向またはシャッタ閉止方向の反対側のいずれかに突出
していればよい。

〔作用〕

ディスクカートリッジを記録再生装置に装着すると、
このディスクカートリッジでの回転穴やヘッド挿入穴を
開口するために、この装置の開閉ピンがシャッタを押し
てこのシャッタを開放する。

すなわち、ねじりコイルばねの一端、他端腕部は、こ
のねじりコイル部10cに向けて押圧される。一端、他端
腕部には前記したように折曲部分が設けられているの
で、この押圧の際の応力は、従来のようにねじりコイル
部の一箇所にのみ集中することはなく、前記折曲部分に
も分散される。

また、ケース側と係合する他端腕部の折曲部分はシャ
ッタ閉止方向の反対側へ突出するように折り曲げられて
いるので、シャッタ解放時にねじりコイル部が他端腕部
側の下方へ移動しても、移動方向が途中で反転する。従
って、ねじりコイル部はケース内の他端腕部側に形成さ
れた突出部分と当接しないこととなり、ねじりコイルが
ケースから外れたり耐久性が低下したりしない。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に基づいて説明する。

第１図ないし第６図は本考案に係る3.5インチ用のデ
ィスクカートリッジの一実施例を示す図である。

第１図および第２図において符号１は3.5インチ用の
ディスクカートリッジのケースであり、このケース１は
合成樹脂製であって全体が矩形の平板状筐体の上半片1a
と下半片1bとからなっている。ケース１内には光学的情
報を記録した3.5インチの光ディスク２（ディスク状記
録媒体）が収納されている。ケース１の下半片1bの中央
には、光ディスクが記録再生装置に装着されたときに、
ケース１内の光ディスク２をスピンドルモータ（図示せ
ず）によって回転させるための回転穴４が形成され、こ
の回転穴４から光ディスク２の中心部に設けられたハブ
部2aが露出している。またケース１の上下半片1a,1bに
は光ディスク２に記録された情報を読み取るための光ヘ
ッド（図示せず）が接近可能なようにヘッド挿入穴３が
形成されている。

光ディスク２を使用しない場合には、前記回転穴４や
ヘッド挿入穴３から塵埃がケース１内に侵入するのを防
止するために、このケース１にはシャッタ５が取付けら
れている。シャッタ５は第３図および第４図に示すよう
にステンレス鋼等の金属薄板を略中央から略コの字形に
折り曲げて形成され、前記回転穴４及びヘッド挿入穴３
を開閉するための開閉板部６と、この開閉板部６よりも
折り曲げ長さが短い補助開閉板部７とを有している。

前記シャッタ５の折り曲げられた部分（同図中上部）
にはケース１の記録再生装置挿入側先端部分に係合する
ガイド板部８が形成されている。このガイド板部８の折
り曲げ片方側であって前後両端にはガイド突起部8a,8b
が形成されている。

また、このガイド板部８のガイド突起部8bの形成され
ている近傍には第１バネ受部９が形成されている。すな
わち、第５図に示すように第１バネ受部９は、ガイド板
部８を部分的にプレス切断し、この部分をシャッタ５の
内方へ折り曲げて形成している。一方、ケース１内には
ねじりコイルばね10を収納するための収納室11が設けら
れ、またこの収納室11の右上方端のケース１には第２バ
ネ受部12が形成されている。

第１バネ受部９にはねじりコイルばね10の一端腕部10
aが係合し、第２バネ受部12にはねじりコイルばね10の
他端腕部10bが係合している。また、ねじりコイルばね1
0は一端腕部10aと他端腕部10bとの間にねじりコイル部1
0cを有している。ねじりコイルばね10の一端腕部10aは
その略中央に第５図右上方に向けて折り曲げられた折曲
部分10dが設けられ、他端腕部10bにも同様にその略中央
に同図中右下方に向けて折り曲げられた折曲部分10eが
設けられている。

ここで、ケース１の下半片1bであって記録再生装置挿
入先端部分に形成されたガイド部Ｇは、第６図に示すよ
うに、図上左側に形成されケース１の上端面から落込ん
だ位置に水平方向に伸びる第１ガイド表面13と、この第
１ガイド表面13とは前記ヘッド挿入穴３に対して反対側
に形成された第２ガイド表面14とを有している。そし
て、前記両ガイド表面13,14間には、連結部15が形成さ
れている。前記第１ガイド表面13の前記ヘッド挿入穴３
側には、シャッタ５を開閉するための開閉ピンＰがシャ
ッタを開放したときに落込むための逃げ凹み16が形成さ
れている。前記開閉ピンＰはシャッタ５の前記第１ガイ
ド突起部8aを押しながらシャッタ５を頭上右側に移動せ
しめ、前記ヘッド挿入穴３を開放する。また、第６図に
示すように前記下半片1bのガイド部Ｇ近傍には、前記ガ
イド突起部8a,8bがそれぞれ嵌入する一対のガイド溝17
a,17bが形成され、この第１ガイド溝17a,17bはガイド部
Ｇに沿ってほぼ全長に亘って伸びている。

ところで、ディスクカートリッジを記録再生装置に装
着すると、前記回転穴４やヘッド挿入穴３を開口するた
めに、この装置の開閉ピンＰがシャッタ５のガイド突起
部8aを押してこのシャッタ５を開放する。すなわち、ね
じりコイルばね10の一端、他端腕部10a,10bは第1,第２
ばね受部9,12によってこのねじりコイル部10cに向けて
押圧される。一端、他端腕部10a,10bには前記したよう
に折曲部分10d,10eが設けられているので、この押圧の
際の応力は、従来のようにねじりコイル部140cの一箇所
のみ集中することはなく、前記折曲の部分10c,10eにも
分散される。したがって、このディスクカートリッジを
永年使用しても、前記押圧の際の応力がねじりコイル部
10cの一箇所にのみ繰り返して集中するのが阻止される
ので、このねじりコイル部10cに疲れが生じるのが防止
され、このねじりコイルばね10の耐久性を向上させるこ
とができる。なお、一端、他端腕部10a,10bに折曲部分1
0d,10eを設けたが、この一端、他端腕部10a,10bのいず
れか一方にのみ折曲部分を設けても相応の効果が得られ
る。

一方、第８図に示すように従来のねじりコイルばね10
5はその一端、他端腕部105a,105bが真直ぐに伸長されて
いるが、シャッター104を開放する際にこれによって一
端腕部105aが押圧されると、ねじりコイル部105cは同図
中矢印で示すように右方へ移動してケース101の突出部
分101aと当接してしまう。ねじりコイル部105cが突出部
分101aと当接すると、一端、他端腕部105a,105bはシャ
ッター104およびケース101との係合から脱し、このねじ
りコイルばね105がケース101から外れてしまう虞が生じ
たり、耐久性が低下したりする。

しかし、第５図に示すように本考案に係るねじりコイ
ルばね10は、一端、他端腕部10a,10bの略中央に折曲部
分10d,10eが設けられているので、一端腕部10aが押圧さ
れたときに、ねじりコイル部10cは同図中矢印で示すよ
うに一端右方へ移動するが途中で反転してしまう。この
ため、ねじりコイル部10cがケース１の突出部分1cと当
接するようなことはなく、このねじりコイル部10cがケ
ース１から外れるような虞は生じず、耐久性が低下する
こともない。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、ねじりコイルば
ねの一端腕部および他端腕部の少くとも一方の略中央に
折曲部分を設けたので、前記一端腕部と他端腕部とが相
対的に押圧されても、この押圧の際の応力は従来のよう
にねじりコイル部の一箇所にのみ集中するようなことは
なく、前記折曲部分にも分散される。したがって、この
ディスクカートリッジを永年使用しても、前記押圧の際
の応力がねじりコイル部の一箇所にのみ繰り返して集中
するのが阻止されるので、このねじりコイル部に疲れが
生じるのが防止され、このねじりコイルばねの耐久性を
向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案に係る3.5インチ用のディ
スクカートリッジの一実施例を示す図であり、第１図は
このディスクカートリツジの表側の斜視図、第２図は同
裏側の斜視図、第３図および第４図はシャッタの斜視
図、第５図はこのディスクカートリッジの部分拡大断面
図、第６図はケースの下半片の部分平面図であり、第７
図および第８図は従来のディスクカートリッジを示す図
であり、第７図はこのディスクカートリッジの表側の斜
視図、第８図はこのディスクカートリッジの部分拡大平
面図である。 １…ケース、２…光ディスク、３…ヘッド挿入穴、４…
回転穴、５…シャッタ、10…ねじりコイルばね、10a…
一端腕部、10b…他端腕部、10c…ねじりコイル部、10d,
10e…折曲部分。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスク状記録媒体が収納されたケース
   と、このケースに形成されたヘッド挿入穴およびディス
   ク状記録媒体を回転させるための回転穴を開閉するため
   に前記ケースに取り付けられたシャッタと、シャッタ側
   に一端腕部が係合し他端腕部が前記ケースの上方端側に
   係合してこのシャッタを閉止方向に付勢するねじりコイ
   ルばねとを備えたディスクカートリッジにおいて、前記
   他端腕部の略中央にシャッタ閉止方向の反対側に突出す
   る折曲部分が設けられており、シャッタ解放の途中でね
   じりコイル部の移動方向が反転することを特徴とするデ
   ィスクカートリッジ。
2. 【請求項２】前記一端腕部の略中央に、シャッタ閉止方
   向またはシャッタ閉止方向の反対側へ突出する折曲部分
   を設けたことを特徴とする前記請求項１に記載のディス
   クカートリッジ。