JPS6324976Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はプレス成形すべきシート材に予備曲
げを施すプリベンダ装置のシフト機構に関する。

従来深絞り加工に用いられるシート材は、例え
ば特公昭52−95550号公報などに記載された予折
曲装置などを使用して予備曲げを行つている。

また剛性の低い薄いシート材をプレスへ搬入し
て、シート材より製品を打抜き加工するような場
合、フイードバーでシート材をクランプして搬入
する際にシート材がたわまないよう、シート材を
山形やＶ字形に予備曲げを行つてから搬入してい
る。

しかし上記従来の予折曲装置では、予備曲げ位
置がシート材の中央部や左右対称位置に限られる
ため、シート材の予備曲げ位置に打抜き加工すべ
き製品がかかる場合、シート材の予備曲げが実施
できないため、トランスフアバによるシート材の
搬入が困難となるなどの不具合があつた。

この考案はかかる不具合を解消する目的でなさ
れたもので、予備曲げ位置をシート材の任意な位
置に設定可能なプリベンダ装置のシフト機構を提
供して、適用できる製品の範囲を拡大しようとす
るものである。

以下この考案を図示の一実施例を参照して詳述
すると、第１図は全体的なプレスラインを示すも
ので、複数の加工ステーシヨンW₁〜W₅を有する
プレス本体１と、このプレス本体１にシート材２
を供給するデイスタツカ３とよりなり、このデイ
スタツカ３と上記プレス本体１の間にプリベンダ
装置４が設置されている。

上記プリベンダ装置４は第２図以下に示すよう
に、プレス本体１のシート材２搬入側に位置する
前後アプライト１ａの間のアイドルステーシヨン
i₄に位置し、次のように構成されている。すなわ
ち５は基台で、この基台５上にシート材２の搬送
方向Ａに沿つて移動自在に下部走行キヤリヤ６が
ローラ７を介して支持されている。上記下部走行
キヤリヤ６の上方にはアプライト１ａより突設さ
れた架台８にローラ９を介して支持された上部走
行キヤリヤ１０が下部走行キヤリヤ６と同方向に
移動自在に支承されている。これら上下部走行キ
ヤリヤ１０，６の両端側にはこれらを水平方向に
貫通するねじ杆１１が設けられており、各キヤリ
ヤ１０，６の切欠１０ａ，６ａ内に回転不能に収
容されたナツト１２がこれらねじ杆１１に螺合さ
れている。また上下部走行キヤリヤ１０，６の両
端部に位置する各ねじ杆１１の一端側は上下部走
行キヤリヤ１０，６と平行するように支承された
連動軸１３及びその両端に設けられた傘歯車１４
を介して互に連動されていると共に、上部走行キ
ヤリヤ１０の一端側（第２図、第３図では左側）
に位置するねじ杆１１の他端部にはスプロケツト
１５が設けられていて、このスプロケツト１５
と、アプライト１ａに設置されたシフト用モータ
１６のスプロケツト１７間はチエーン１８を介し
て連動されている。

また上記シフト用モータ１６の動力は上部ベベ
ルギヤボツクス１９、連動軸２０、下部ベベルギ
ヤボツクス２１を介して連動軸２２へ伝達され、
さらにベベルギヤボツクス２３を介してねじ杆１
１へ伝達され、上下部走行キヤリヤ１０，６の両
端に位置するねじ杆１１が上記シフト用モータ１
６により同時に同方向へ回転されるようになつて
いると共に、下部走行キヤリヤ６の両端部に設け
られた各ねじ杆１１も、下部走行キヤリヤ６と平
行するよう支承された連動軸１３及びその両端に
設けられた傘歯車１４を介して互に連動されてい
る。

一方上記下部走行キヤリヤ６の上面及び上部走
行キヤリヤ１０の下面には、下部支持部材２５及
び上部支持部材２６が固着されている。

これら上下部支持部材２６，２５の両端側には
ガイド筒２７を介してガイド杆２８が上下動自在
に支承されており、下部支持部材２５の各ガイド
杆２７の上端間にほぼ山形の下型２９下面が固着
されている。また上記下型２９は下部支持部材２
５内に設けられた下型昇降シリンダ３０により上
下動自在となつていると共に、上部支持部材２６
に設けられた各ガイド杆２７下端間にはローラ支
持部材３１が固着されている。上記ローラ支持部
材３１は上部支持部材２６に設けられたローラ昇
降シリンダ３２により上下動自在となつていると
共に、ローラ支持部材３１の下部には、下型２９
の稜線を挟む位置に２本のローラ３３が支承され
ていて、これらローラ３３と下型２９の間でシー
ト材２を予備曲げできるようになつている。

なお図中４５はシート材２をプレス本体１の各
加工ステーシヨンW₁ないしW₅へ搬送するトラン
スフアバ、４６は下型２９の前後に設けられたス
キツドバで、シート材２を支持する機能を有す
る。

次に作用を説明すると、デイスタツカ３より順
次搬出されたシート材２はアイドルステーシヨン
i₁ないしi₃を経てアイドルステーシヨンi₄に達す
る。このとき下型２９は下方へ退避している。シ
ート材２がスキツドバ４６上で位置決めされる
と、下型昇降シリンダ３０により下型２９が第４
図仮想線位置まで上昇され、上方に待機するロー
ラ３３との間でシート材２を予備曲げする。予備
曲げが終了すると下型２９が待機装置まで下降す
ると共に、予備曲げされたシート材２はトランス
フアバ４５によりプレス本体１の各下降ステーシ
ヨンW₁〜W₅へ順次搬送された所定のプレス成形
がなされる。

一方シート材２の予備曲げ位置は上下部走行キ
ヤリヤ１０，６をシフトさせることにより任意に
設定することができる。

すなわち予備曲げ位置をシート材２の中心より
ずらしたい場合、シフト用モータ１６により上下
部走行キヤリヤ１０，６両端ねじ杆１１を同時に
回転する。これによつて上下部走行キヤリヤ１
０，６がねじ杆１１に沿つてねじ送りされるの
で、下型２９の稜線が希望する予備曲げ位置に達
したところで、上下部走行キヤリヤ１０，６のシ
フトを停止することにより、以後その位置でシー
ト材２の予備曲げを行うことができるようにな
る。

この考案は以上詳述したように、シート材の予
備曲げを行う下型及びローラを、シート材の搬送
方向に互に同期した走行自在な下部走行キヤリヤ
及び上部走行キヤリヤにそれぞれ上下動自在に取
付けたことから、シート材の予備曲げ位置に打抜
き加工すべき製品がかからない位置まで下型及び
ローラをシフトさせてからシート材の予備曲げを
行うことにより、シート材の中央部や左右対称位
置に打抜くべき製品があるようなシート材でも予
備曲げが可能となり、予備曲げが適用できる製品
の範囲が大幅に拡大できると共に、予備曲げがで
きないためトランスフアバによるシート材の搬入
が困難となるなどの不具合も解消することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は全
体的な平面図、第２図この装置の拡大平面図、第
３図は同側面図、第４図は同正面図である。 １……プレス本体、２……シート材、６……下
部走行キヤリヤ、１０……上部走行キヤリヤ、１
１……ねじ杆、１２……ナツト、１３……連動
軸、１６……シフト用モータ、２９……下型、３
３……ローラ、４５……トランスフアバ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 成形すべきシート材２を搬送するトランスフア
   バ４５を具えたプレス本体１のシート材２搬入側
   に、上下に離間し、かつシート材２の搬送方向に
   移動自在に上下部走行キヤリヤ１０，６を設け、
   下部走行キヤリヤ６の上方には下型２９を、また
   上部走行キヤリヤ１０の下方には、上記下型２９
   との間でシート材２を予備曲げするローラ３３を
   上下動自在に設けると共に、上記上下部走行キヤ
   リヤ１０，６の両端側に、これらキヤリヤ１０，
   ６側に設けたナツト１２に螺合するねじ杆１１を
   シート材２の搬送方向に沿つて設け、これらねじ
   杆１１は連動軸１３により互に連動すると共に、
   上記ねじ杆１１の一部にシフト用モータ１６を動
   力伝達手段を介して連動してなるプリベンダ装置
   のシフト機構。