JPS63246326A - ニトログリセリンを含有する感圧性粘着テープまたはシートの製造方法 - Google Patents

ニトログリセリンを含有する感圧性粘着テープまたはシートの製造方法

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JPS63246326A
JPS63246326A JP62280292A JP28029287A JPS63246326A JP S63246326 A JPS63246326 A JP S63246326A JP 62280292 A JP62280292 A JP 62280292A JP 28029287 A JP28029287 A JP 28029287A JP S63246326 A JPS63246326 A JP S63246326A
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Toshio Ito
俊男 伊藤
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宏 二宮
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、医療用の粘着テープまたは粘着シートの製造
方法に関するものである。さらに詳しくいえば、本発明
は、粘着剤中にニトログリセリンを含有し、狭心症およ
び心筋梗塞発作の治療や予防用ならびに心不全の′N3
療用に使用される粘着テープまたは粘着シートの製造方
法に関する。
発明の技術的背景 虚血性心疾患の内科治療の一つに血管拡gR療法があり
、ニトログリセリンは冠状血管拡張剤として血管拡張F
1法に用いられている。ニトログリセリンは、太い冠動
脈を拡張させ、冠動脈の*mを解除するほか、副産行路
や細い抵抗血管をも拡張することにより心筋虚血部の酸
素供給量を増加させる作用があり、また、全身の動脈系
血管を拡張して全身の血圧を低下させることにより心臓
への後負荷を軽減するとともに、静脈系の血管を拡張し
て静脈環流量を減少させることにより心臓への前負荷を
減少させ、心筋の酸素需要量を低下させることが知られ
ている。
上記のとおりであるから、ニトログリセリンは心不全性
心筋梗塞症や、狭心症等の心疾患に適用されている。
先行技術 ニトログリセリンの従来の投4法としては、静脈注射、
舌下錠、軟膏などの各製剤による投与が行なわれていて
、それぞれの効果持続時間は数分間、20〜30分間お
よび3〜5時間である。
狭心症の発作などを治療するためには、通常は舌下錠が
投与されるが、この療法の効果持続時間は短い。
作用効果を長く持続させる必要があるとき、たとえば心
不全の治療や狭心症の発作予防には軟膏が使用されてい
る。ニトログリセリンを軟膏として投与する場合には、
ラノリン−ワセリン基剤中に2%ニトログリセリン・乳
糖を分散させた軟膏をチューブに入れたものが一般に使
用される。この軟膏の使用1を決定するに当っては、目
盛りを印刷した硫酸紙アプリケータ(6X9crn’)
上に長さ約1.25cmの軟膏を押し出し、これを前胸
部の皮膚に塗擦し、以後は使用量を約1.25Cmずつ
増量し、副作用である頭痛が出現すれば軟膏を減量し、
臨床所見の十分な改善が認められ、かつ副作用である頭
痛が発生するよりもすこし少い量を最大許容量または至
適用量としている。ついで実際に軟膏を使用する時には
、上記によって定めた用lを超過しないように、硫酸紙
アプリケーター上に軟膏を押し出して計量しく通常は長
さ2.5〜5cm、軟膏量は約0.7〜1.5g、ニト
ログリセリン量は約14〜30mg)、これを前胸部の
皮膚に塗擦しく塗擦面積は通常は200 crn’以上
が必要であるといわれている)、ニトログリセリンの揮
散および軟膏の衣服への付着を防止するために塗擦表面
をプラスチック製フィルム(たとえば商品名サランラッ
プといわれるポリ塩化ビニリデン製フィルム)などで覆
って、粘着テープで固定する。また軟膏を皮膚から除去
する時には、温石ケン水で洗浄するか、あるいはアルコ
ールを浸したガーゼで拭き取らなければならない、この
ように軟膏の使用はめんどうであり、また用量の定量性
も十分ではない。
また別の剤層として、ニトログリセリンをマイクロカプ
セルや特殊な貯留包に担持させ、これを粘着剤中に分散
したり或いはパップ剤等の薬剤や硬膏剤中に配合して使
用することも提案されている。これらの提案にしても、
ニトログリセリンをカプセルに封入したり貯留包を形成
するなど製法が面倒であり、また常法にょるパップ剤や
硬膏剤の製法では、ニトログリセリンの爆発の危険性が
極めて大きいので、実用性がとぼしいという欠点がある
さらに最近にいたって、ニトログリセリン含有する貼付
剤が提案された(特開昭55−2604号公報)、この
提案においては、粘着剤が改善されていないから、ニト
ログリセリンの保持性および放出性が満足なものではな
い。
発明の目的 発明者らは、この技術分野に粘着テープの技術を改良し
て、ニトログリセリンの保持安定性がすぐれていて、し
かも持続的放出性を有する粘着剤の配合を見出したが、
本発明の目的は、この知見に基づいてニトログリセリン
を含有する粘着テープまたは粘着シートの安全で好適な
製造方法を提供することにある。
ニトログリセリンを含有する粘着テープまたは粘着シー
トは疾病治療または予防のために、ニトログリセリンを
粘着剤から適度に放出する性能と、ニトログリセリンを
長時間にわたって保持する性能を有するものでなければ
ならない、また。
これらの製品を工業的に安定して供給するためには、安
全な製造方法を開発しなければならない。
発明の構成 発明者らは、循環器疾患治療のためのニトログリセリン
の薬理作用と、ニトログリセリンを担持するための担持
体としての粘着剤との相互関係を検討した結果、下記の
成分を有する組成物を粘1剤の主成分とすることが適当
であることを発見した。すなわちそれらは、下記の2種
類である。
(1)■ 天然ゴム、イソプレン系ゴム、イソブチレン
系ゴム及びスチレンを共重合成分として含むジエン系ゴ
ムから選択されたゴム系粘着剤基剤と、 ■ 極性基を有する粘着付与樹脂及び極性基を有する軟
化剤からなる群から選択された少なくとも一種の極性物
質 を必須成分とする感圧性粘着剤であって、ニトログリセ
リンの放出性と保持性とを調節したものにニトログリセ
リンを含有させた感圧性粘着剤を、不透過性基材上に有
することを特徴とするニトログリセリンを含有する感圧
性粘着テープまたはシート。
(2)[1] 天然ゴム、イソプレン系ゴム、イソブチ
レン系ゴム及びスチレンを共重合成分として含むジエン
系ゴムから選択されたゴム系粘着剤基剤と、 ■ 極性基を有する粘着付与樹脂及び極性基を有する軟
化剤からなる群から選択された少なくとも一種の極性物
質と ■ 極性基を有しない粘着付与樹脂および極性基を有し
ない軟化剤からなる群から選択された少なくとも一種の
非極性物質 を必須成分とする感圧性粘着剤であって、ニトログリセ
リンの放出性と保持性とを調節したものにニトログリセ
リンを含有させた感圧性粘着剤を、不透過性基材上に有
することを特徴とするニトログリセリンを含有する感圧
性粘着テープまたはシート。
上記(1)および(2)の感圧性粘着テープまたはシー
トには、上記の必須成分のほかに、感圧性粘着テープま
たはシート用の粘着剤中に慣用的に配合されている各種
の補助的物質をも使用することができる。
さらに、感圧性粘着テープまたはシートの製造方法につ
いて研究した結果、次の方法が好適であることを見出し
た。
(1)基材または不透過性保護シートの面上に。
(A)[1] 天然ゴム、イソプレン系ゴム、イソブチ
レン系ゴム及びスチレンを共重合成分として含むジエン
系ゴムから選択されたゴム系粘着剤基剤と、 ■ 極性基を有する粘着付与樹脂 を必須成分とし、所望により極性基を有しない粘着材F
Fm脂を含有する感圧性粘着剤の層。
(B) u感圧性粘着剤居の面上に、ニトログリセリン
の所要IIkをゴム系粘着剤用の軟化剤中に均一に溶解
した軟化剤層、 (C)さらに、その軟化剤層の面上に、不透過性保護シ
ートまたは基材を有するように形成したテープまたはシ
ートを、 ニトログリセリンが安定な温度に保持熟成し、軟化剤と
共にニトログリセリンを粘着剤層に移行させることを特
徴とするニトログリセリンを含有する感圧性粘着テープ
またはシートの製造方法。
(2)[1] 天然ゴム、インプレン系ゴム、イソブチ
レン系ゴム及びスチレンを共重合成分として含むジエン
系ゴムから選択されたゴム系粘着剤基剤と、 ■ 極性基を有する粘着付与樹脂及び極性基を有する軟
化剤からなる群から選択された少なくとも一種の極性物
質および ■ ニトログリセリン を必須成分とし、 ■ さらに所望により、極性基を有しない粘着付与樹脂
及び極性基を有しない軟化剤からなる群から選択された
少なくとも1aの非極性物質を加えて:A製した感圧性
粘着剤を、剥離紙に塗布し、その粘着剤層の面を基材で
被覆することを特徴とするニトログリセリンを含有する
感圧性粘着テープまたはシートの製造方法。
本発明を構成する各種要素について、以下に詳細に説明
する。
(粘着剤基剤) 本発明において使用される粘着剤の基剤としては、感圧
性粘着剤として最も広く使用されているゴム系粘着剤基
剤すなわち天然ゴムおよび合成ゴムを使用することがで
きる。
合成ゴムとしては、感圧性粘着剤の基剤として使用でき
、またニトログリセリン製剤に使用するに商って好まし
くない作用を及ぼさないものであることが必要であり、
インブレン系ゴム、イソブチレン系ゴム及びスチレンを
共重合成分として含むジエン系ゴムから選択される。
本発明においては、前記の粘着剤基剤に粘着付与樹脂を
配合し、さらに必要に応じて充てん剤。
軟化剤、老化防止剤などをも配合することができる。
(粘着付与樹脂) 粘着付与樹脂としては、極性基を有するものでも、極性
基を有しないものでも使用することができるから、両種
のものを併用することもできる。
極性基を有するものとしては、アビエチン酸を主成分と
する天然ロジンまたは水添ロジンのグリ ・セリンエス
テルやペンタエリスリトールエステル類などを例示する
ことができ、極性基を有しないものとしては、ポリ−β
−ピネン樹脂、石油クラブキング留分(主としてC5な
いしC9留分)を重合して得られるいわゆる石油系粘着
付与樹脂などを使用することができる。
エステル基をする粘着付与樹脂はニトログリセリンとの
親和性を有し、親和性の乏しいゴム分とのブレンドによ
って得られる粘着剤は配合比率によって適度なニトログ
リセリン放出性の調節が可能であり、ゴム分100部に
対し、樹脂分約20〜200部、好ましくは約50〜1
20部を使用することができる。
また、全く極性基を有さない脂環構造の石油系X!I着
付与樹脂はニトログリセリンとの親和性に乏しく、この
系の樹脂とゴム分からなる粘着剤はニトログリセリンの
保持性が劣り、あたかも相溶性の劣る可塑剤を配合した
ポリ塩化ビニルのようにKM剤衣表面ニトログリセリン
が浸出するから使用に適さない、しかし、石油系粘着付
与樹脂にロジンエステル系樹脂を混合することによって
、ニトログリセリン放出性を調節することができる。
通常1石油系剤着付与樹脂lOO部に対してロジンエス
テル系樹脂約20部以上、好ましくは約50〜200部
を混合し、粘着剤基剤であるゴム分に対して総樹脂敬で
約20〜200部、好ましくは約50−120部を配合
することによって、粘Z 4.?性およびニトログリセ
リン放出性のtAmができる。
(軟化剤) 本発明における粘着剤成分としての軟化剤としては、極
性基を有するものまたは極性基を有しないものを使用で
き、これを添加することによって初期接着性を改良する
ことができる。一般に使用される軟化剤としては、極性
基を有しないものとして、鉱油、ポリブテン、ワセリン
等、極性基を有するものとして長鎖脂肪酸エステル、油
脂類、水添油脂類、ラノリン類、低軟化点ロジンエステ
ル類などがあり、通常ゴム系粘着剤基剤100部に対し
てO〜約100部、好ましくは約5〜50部の割合で使
用される。粘着付与樹脂の極性基によるニトログリセリ
ン放出性を更に微:A整するために上記軟化剤の中で極
性基を有しない軟化剤として、例えばポリブテン、ワセ
リンなど、また、極性基を有する軟化剤として例えばイ
ソプロピルミリステート、ラノリン脂肪酸イソプロピル
などの長鎖脂肪酸エステル、精製ラノリン、水添ラノリ
ン、ラノリンアルコール、酢酸ラノリンなどのラノリン
誘導体、グリセリンモノスレアレートなどの脂肪酸モノ
グリセライド、水添ヒマシ油などの油脂、水添ロジンの
メチルエステルなどの低軟化点樹脂類を使用するのが適
している。また、ニトログリセリンを含有する軟化剤を
使用することができる。
(以下余白) (充填剤) 充填剤としては、カオリンクレー類などは弱酸性を示す
充填剤であるから、ニトログリセリンを吸着する作用が
強く、ニトログリセリンの放出性の調節が可能であって
、ゴム系粘着剤基剤lOO部に対してO〜約200部、
好ましくは約120部までを添加することができる。
(老化防止剤) 粘着剤基剤として使用するゴム系粘着剤基剤の性質が経
時的に劣化するのを防止するために、粘着剤に老化防止
剤を配合することができる。使用される老化防止剤とし
ては、フェノール類、たとえばブチルヒドロキシトルエ
ンなどが挙げられる。老化防止剤の使用量は、粘着剤全
量に対して通常O〜2%、好ましくは1%前後あれば十
分である。
(粘着剤の構成成分の配合例) 本発明における粘着剤の好ましい配合例としては、極性
基を有する粘着付与樹脂を使用する場合には、ゴム系粘
着剤基□剤100部に対し、極性基を有する粘着付与樹
脂的20−120部、極性基を有しない粘着付与樹脂0
〜約120部、充填剤0〜約100部および、軟化剤0
〜約50部を配合したものに、必要に応じて老化防止剤
を粘着剤全量に対して約1%前後を添加したものに、主
剤としてニトログリセリンを約1−10%含んだものが
挙げられる。
また、別の配合例として、極性基を有しない粘着付与樹
脂を使用する場合には、ゴム系粘着剤基剤100部に対
し、極性基を有しない粘着付与樹脂約20〜120部、
充填剤的20−120部、極性基を有する軟化剤約5〜
50部、および必要に応じて老化防止剤を粘着剤全量に
対して約1%および主剤としてニトログリセリンを約1
〜10%含んだものが挙げられる。
(粘着テープ基材と剥離セパレーター)五l亘並1J 本発明におけるニトログリセリン含有粘着剤は、粘着テ
ープ基材に適当な厚みに、つまり、粘着テープの一定面
積に対し一定量のニトログリセリンが定量的に含有され
るように塗布などの手段で形成される。使用される粘着
テープ基材としては、通常の粘着テープの基材として使
用できるものであれば、ニトログリセリンを透過させる
性質がなく、また殊にニトログリセリンに作用してその
放出性を損うなど悪影響を及ぼさないものであれば何で
もよく、そのような不透過性基材の例としては、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニル、紙、布などが挙げられるが、
ニトログリセリ〉゛の経時的安定性の点からすればポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系フィ
ルムが最適である。
剥離セパレーター(剥離紙) 次に、ニトログリセリン含有テープを製品とする場合に
は、ロール状でもよいがニトログリセリンの揮散性によ
る経時安定性からシート状とし、そのX!IR面を剥離
できるセパレーターで覆うのが好ましい、またシート状
にするときには、一枚ずつアルミパックに密封保存する
のが望ましい。
剥離セパレータ−11!M紙)としては、粘着剤中に配
合したニトログリセリンが経時的にセパレーター中に移
行することを妨害する性質を有するものが望ましく、ポ
リエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラ
スチックフィルムが適している。なかでもポリエチレン
、ポリプロピレンなどのポリオレフィンのフィルムが好
ましく、これにシリコーン処理などの君離処理を施して
はじめて満足できる良好なセパレーターとして使用する
ことができる。なお、一時的に粘若面を保護するだけで
あれば、一般のラベル、シール用粘着製品や一部の医療
用テープに使用されているような表面をシリコン処理し
たポリエチレン積層紙も使用できるが、一定期間以上保
存する必要がある場合には、粘着剤に配合したニトログ
リセリンが経時によって紙の中に移行し、結果的にニト
ログリセリンの含量を低下させることになり不適当であ
る。
(感圧性粘着テープまたはシートの製造法〕ニトログリ
セリンは火薬原料であり、かつ、爆発性物質の中でも最
も爆発し易い危険なものであるから、取扱いに当っては
安全性に細心の注意を払う必要がある。したがって、爆
薬として使用する場合でも、ニトロセルロースに吸着さ
せたり(無煙火薬)、ケインウ土に吸着させたり(ダイ
ナマイト)シて使用されている。
また、ニトログリセリンは50℃以下では比較的安定し
ているが、衝撃や摩擦に対しては極めて敏感で爆発しや
すく、しかも揮散性であるため、そのままでの運搬や輸
送は禁止されている。
したがって、ニトログリセリン含有テープまたはシート
を製造する場合には、安全性および製造時のニトログリ
セリンの連敗による含量変化にも留意する必要がある。
そこで1発明者らは粘着テープの製造方法を改良するこ
とにより、安全性も高くかつニトログリセリンの揮散を
抑えて有効に本発明のニトログリセリン含有テープおよ
びシートを製造できることを見出した。
つまり粘着テープの製造方式には大別してカレンダー塗
付方式、ホットメルト塗付方式、溶液塗付方式およびエ
マルジョン塗付方式がある。ところが、ニトログリセリ
ンが爆発性の高い物質であるから、カレンダー塗付方式
、ホットメルト塗付方式、エマルジョン塗付方式は本発
明の粘着テープ等の製法には適さないが、従来の溶液塗
付方式を改良すれば本発明の製造方法に応用できる。
カレンダー塗付方式とホットメルト塗付方式は、ともに
粘着剤を高温で融解状態にして塗付する方式である。カ
レンダー塗付方式では、粘着剤をこの方式に適するよう
に調製する必要があり。
そのために、まずゴムを素練りし、これに粘着付与樹脂
、充填剤、軟化剤などを加えて均一に練り上げて粘着剤
を調製する。この場合に使用できる装置は、オープンロ
ール、ニーダ−、インターナルミキサー等であって、い
ずれも高温(通常90〜120℃)で、高ぜん断速度(
IXIO3〜5X10’/秒)下で高粘度(通常数千〜
致方ポイズ〕の粘着剤を練合するものである。また、カ
レンダー塗付方式においては、数本の鋳鋼製熱ロールの
間で粘着剤を加熱圧延し、ロールの周速度による摩擦に
より粘着剤を基布に展延するものであるから、ニトログ
リセリンのような爆発性の物質を取扱うには、粘着剤の
調製および塗布の両工程において爆発、揮散の可能性が
大であって。
ニトログリセリン含有テープの製造方式としては採用で
きない。
ホットメルト塗付方式の場合には、粘着剤m成に熟可塑
度の大きい物質を添加し、粘着剤粘度の低い状態(通常
数百〜数千ポイズ)で使用されるが、その時の温度は高
く、通常120−iao℃であって、また、高速で処理
されるから、せん断速度がMい(n常5X10 〜lX
l0”/秒)ため、ニトログリセリンのような危険性の
高い物質を含有するテープの製造法としてはとうてい採
用することができない。
次に、エマルジョン塗付方式であるが、この場   ′
合にも、ニトログリセリンを安定にエマルジョン化しな
いとニトログリセリンの油滴が生成して危険なこと、ま
た、ニトログリセリンがアルカリ性で不安定であるから
、まず安定なニトログリセリン含有粘着剤エマルジョン
を作成することがかなり困難であり、更に媒体である水
の乾燥に100℃以上の高温および高熱量を必要とする
ため、ニトログリセリンが揮散し、定量的な塗付が困難
であり、かつ揮散ニトログリセリンの安定性に問題を生
じる。
溶液塗付方式では、粘着剤成分を溶剤に溶解する際にニ
トログリセリンを、通常低濃度の有機溶剤溶液として取
扱うことができるので、その配合が容易である。またこ
の方式によれば、塗付物の乾燥時には通常60〜100
℃の高温を要するが、溶剤を用いる場合は低温でも長時
間をかけ熱風を避けて伝熱による加熱方式を採用するこ
とによって、若干のニトログリセリンは揮散するけれど
も、ニトログリセリン含有テープの製造は可能なことを
見出した。しかしこの場合には、送風ダクト中への揮散
ニトログリセリンの凝縮が起らないように、定期的補修
等に留意する必要がある。
ニトログリセリン熟成移行法 本発明では、以上のような製造方法のほかに、ニトログ
リセリンのような揮散性、爆発性の物質を粘着剤中に配
合する改良された方法として、予め粘着剤を塗付した不
透過性基材の粘着剤表面1ご粘着剤との相溶性のすぐれ
た軟化剤にトログリセリン含有)の層を設け、表面を不
透過性保護シートで保護した後、適当な期間1通常5,
6日熟成して粘着剤中に均一に分散させる方法を採用す
ることができる。
不透過性保護シートとしては、スq敲セパレーターに1
1紙)の中でニトログリセリンネ透過性のものが好まし
く使用することができる。したがって1本発明において
、保護シートとは、厳密にシート状のものに限定されず
、セパレーターフィルムなどをも包含する。
また、粘着剤の層を保護シート上に設けてもよく、この
場合には、粘着剤層の上にニトログリセリン含有軟化剤
の層を設けた後、軟化剤面上を不透過性基材で被覆する
本発明の方法における粘着剤としては、ニトログリセリ
ンの保持性と放出性のバランスから、ゴム系粘着剤基剤
と極性基を有する粘着付与樹脂を必須成分とし、所望に
より極性基を有しない粘着付与樹脂を含有する感圧性粘
着剤を使用する。
この粘着剤の層を不透過性基材または不透過性保護シー
ト(剥離セパレーター)面上に設け、その粘着剤層の面
に、感圧性粘着剤用の軟化剤中にニトログリセリンを均
一に溶解した溶液、たとえば精製ラノリンを主成分とす
る10%ニトログリセリン溶解物(軟膏を包含する)な
どを一定量塗付し、次いで、不透過性保護シートまたは
不透過性基材で塗布面を被覆し、ニトログリセリンが安
定な温度条件下で熟成して、軟化剤およびニトログリセ
リンを粘着剤居中に拡散、溶解(移行)させる、この場
合ニトログリセリン溶解物(軟膏を含有する)をあらか
じめ保護シートまたは基材に塗布したものを粘着剤層の
面上に積層してもよい、この方式によればニトログリセ
リン配合物を全く加熱することがなく、不透過性保護シ
ートあるいは不透過性基材などで粘着剤層および軟化剤
層の面を被覆し、積層した状態でニトログリセリンを軟
化剤とともに粘着剤中に移行させるのでニトログリセリ
ンの揮散を防止することができる。
にトログリセリン熟成移行法については、実施例3およ
び実施例5参照) 二)Oグリセリン含有粘着剤転写状 本発明の他の方法として、ニトログリセリンを含有する
粘着剤を溶液塗布方式により、シリコーン処理などの剥
離処理を施した剥離セパレーター(剥離紙)面上に塗布
し、溶剤を揮発させた後、粘着剤層を不透過性基材で被
覆する方法がある。
この方法により、粘着剤が基材面に転写された剥離紙付
きの感圧性粘着テープまたはシートを容易に得ることが
できる。(末法については、第23ページ第12〜15
行目および実施例1.2゜4.6,7.8および9参照
) 発明の効果 このようにして得られたニトログリセリン含有粘着テー
プまたはシートは、次のような効果を有する。つまり、
粘着剤として一般的なポリアクリル酸エステル共重合体
からなるアクリル系粘着剤を用いた場合には、ニトログ
リセリンの放出性が不充分である0例えば、リン酸バッ
ファー生理食塩水(pH6,0)に対する溶出試験を3
7℃で実施したところ、60分で18%程度の溶出率で
あり、このテープ片5X7crn’にトログリセリン実
測含量2.8mg)を健常人に貼付しても全く反応を認
められなかった。これに対し、本発明において、例えば
、天然ゴム100部に極性基を有する粘着付与樹脂であ
る水添ロジンのグリセリンエステルを100部使用した
HW剤からのリン酸バッファー(pH6,0)生理食塩
水に対する溶用試験を実施したところ60分で73%程
度であり、このテープ片5x7crrr’にトログリセ
リン実測台i2.5mg)を健常人に貼付したところ、
貼付の1時間後にニトログリセリンの反応、即ち軽度の
頭痛が観察された。
また、本発明によるニトログリセリン含有粘着テープま
たはシートは、保存による分解に対しても安定性が高い
ので、粘着剤中におけるニトログリセリンの量は均一で
ありかつ定量的である。したがって所要用量が決定され
れば貼付面積の決定が容易であり、使用がきわめて簡単
である。また、投与中に副作用などで中止しなければな
らないときには、貼付したシート片をはがすだけでよい
から1便利である。
本発明の特に大きな長所の一つとして、特殊組成の粘着
剤からのニトログリセリンの効果的な放出ができること
である。テープ基材にニトログリセリンの透過性の小さ
なポリオレフィンフィルムなどを使用することによって
、軟膏の欠点であったニトログリセリンの揮散をほぼ完
全に防止することができる。更に、密封による経皮吸収
促進効果があるから、軟膏のときの軟膏塗付面積100
〜200crn’以上、ニトログリセリンi14〜30
mgに対して、本発明のよるテープでは貼付面IJi3
0〜60crn’、ニトログリセリン量2〜5mgで充
分な薬効が期待でき、かつ、貼付後8時間以上の薬効を
持続でき、また、ニトログリセリンの経時安定性も良好
で、かつ衝撃による爆発性がなく安定性が高いなどの利
点を有するものである。そして、本発明によれば、ニト
ログリセリンを含有する感圧性テープまたはシートを安
全に、かつ効率よく、シかも上記優れた特性を発揮しう
るように製造することができる。
実施例 以下に本発明の実施態様を説明するが、本発明は下記の
実施例のみに制限されるものではない。
実施例 l 素練りした天然ゴム(ベールクレープ)10−g、極性
基を有する粘着付与樹脂として水添ロジンのグリセリン
エステル(バーキュレス社製ステベライトエステルNo
、lO)10g、極性基を含まない軟化剤としてポリブ
テン(口本石油化学輛製HV−300)2.5gおよび
老化防止剤としてブチルヒドロキシトルエンO,1gを
、n−ヘキサン85gとトルエン15gからなる混合溶
剤中に攪拌溶解する。ついで、ニトログリセリンの酢酸
エチル5%溶液を9.04g添加し、よく攪拌して厚さ
901Lのシリコン処理済のポリプロピレンフィルムの
シリコン処理面に固型分が4og7rrtの塗付量にな
るように塗付し、徐々に溶剤を揮散させた後、この上に
片面をマット加工し、その反対面をコロナ処理済の厚さ
80井のポリエチレンフルムのコロナ処理面を貼り合せ
、粘着剤を転写することによってポリプロピレンフィル
ムをセパレータとするポリエチレンフィルム基材ニトロ
グリセリンテープが得られる。
このテープを所定のサイズに裁断後、アルミニウム積層
ポリエチレンフィルム製袋の中に密封して保存する。こ
のニトログリセリン含有テープ中には約8mg/100
crrr’のニトログリセリンが含有されていて、使用
に際しては必要量を切り取って頭痛等の副作用を生じな
い最大面積を胸部皮膚等に貼付して使用する。
このテープをICばの面積に裁断したテープ片を健常人
3名に貼付し、一定時間貼付後にテープ片に残存するニ
トログリセリン量を定量したところ、貼付1時間後に初
期含量に対し平均97%。
2時間後で90%、4時間後で76%、8時間後で61
%のニトログリセリンが残存することがわかった、初期
値を100%とすると、この差は経皮吸収率を示すこと
になる。
また1本テープ片5X7cm’にトログリセリン実J1
−含12.4mg)を健常人被験者の左上腕部に貼付し
たところ、貼付約1時間後にごく軽度の頭痛を訴えたが
試験を中止するほどではなく。
8時間貼付してもほぼ同程度の反応であった。
実施例 2 素練りした天然ゴム(ベールクレープ)10g、極性基
を有する粘着付与樹脂としてロジンのグリセリンエステ
ル(荒用化学工業蝮製エステルカムAAG)5g、極性
基を含まない石油系飽和脂環式粘着付与樹脂(荒用化学
工業■製アルコンP−100)7.5gおよび老化防止
剤としてブチルヒドロキシトルエンO,1gをn−へキ
サ780gとトルエン10gの混合溶剤に攪拌溶解する
0次いで、ニトログリセリンのトルエン5%溶液9.0
4gを添加し、よく攪拌して厚さ65体のアルミニウム
積層ポリエチレンフィルムのシリコーン処理面に固型分
が40g/ばの塗付量になるように塗付し、徐々に溶剤
を揮散させた。その後、粘看面の上に厚さ80戸の片面
コロナ処理済のポリエチレンフィルムのコロナ処理面を
貼り合せ、粘着剤を転写することによってアルミニウム
積層ポリエチレンフィルムを剥離台紙とするポリエチレ
ンフィルム基材ニトログリセリン含有テープにトログリ
セリン含有量8 m g / 100c rn’ )が
得られた。
このテープを所定サイズに裁断後、アルミニウム積層ポ
リエチレン袋中に密封保存した。
このテープを1Crrr′の面積に裁断したテープ片を
健常人3名に貼付し、一定時間貼付後にテープに残存す
るニトログリセリン量を定量したところ、モ均残存率は
貼付1時間後で95%、2時間後で91%、4時間後で
72%、8時間後で43%であり、良好な経皮吸収を示
した。
また、このテープ片5X7cm’にトログリセリン実測
含量2.5mg)を健常人被験者の左胸部に貼付したと
ころ、貼付30分後から軽度の頭痛を訴え、6時間後に
は頭痛、動悸が激しくなったので、テープ片を除去した
。これは5本テープにおけるニトログリセリン放出性が
良好であるため、実際の治療に用いる場合には、テープ
片の面積は少なくしても充分な薬効を期待できることを
示している。
(以下余白) 実施例 3 軽<X疎りした合成インプレンゴム(クラレ■製:クラ
プレンIR−1o)log、極性基を有する粘着付与樹
脂として水添ロジンのグリセリンエステル(荒用化学工
業■製エステルガムH)8gおよび老化防止剤としてブ
チルヒドロキシトルエンo、Igを、n−へキサン90
gとトルエンlogからなる混合溶剤中に攪拌溶解した
。この粘着剤を厚さ80鉢のアルミニウム積層ポリエチ
レンフィルムのシリコーン処理面に固ffi 分力32
g/m’の塗付量になるように塗付し乾燥させた。
次いで、この粘着剤表面に水添ラノリンを主成分とする
10%のニトログリセリン軟膏を8g/ゴの、割合で塗
布し、直ちにその上に1片面をマット加工し、その反対
面をコロナ処理した厚さ80ルのポリエチレンフィルム
のコロナ処理面を貼り合せて40″Cで約5日間熟成し
た。
ラノリン軟膏は均一に粘着剤中に移行し、かつ粘着剤層
はポリエチレンフィルム側に移行した。
こうしてアルミニウム積層剥離台紙付ポリエチレンフィ
ルム製ニトログリセリン含有テープにトログリセリン含
有量8mg/100crrr’)を得た。このテープを
所定の大きさに裁断後アルミニウム積層□ポリエチレン
シート中に布封保存した。
木テープ貼付試験による一定時間貼付後のニトログリセ
リンの残存率は、貼付1時間後で96%、2時間後で8
9%、4時間後で85%、8時間後で64%であった。
また1本テープ片5X7cm’にトログリセリン実測含
量2.7mg)を健常人被験者の左上腕部に貼付したと
ころ、貼付後約15時間でζく軽度の頭痛を訴えたが試
験を中断する程度ではなく、8時間貼付してもほぼ同程
度の症状であった。
実施例 4 素練りした天然ゴム(ベールクレープ)8gとポリイソ
ブチレンゴム(エッソ化学■製ビスタネックスLMMH
)2gを混練し、これに極性基を有する粘着付与樹脂と
して水添ロジンのグリセリンエステル(バーキュレス社
製ステベライトエステルNo、10)Log、弱い極性
基を有する軟化剤として精製ラノリン2.5gおよび老
化防止剤としてブチルヒドロキシトルエン0.1gを加
えて攪拌した。これをn−へキサン85gとトルエン1
5gからなる混合溶剤中に攪拌溶解した。ついでニトロ
グリセリンの酢酸エチル5%溶液を9.04g添加して
よく攪拌し、厚さ60ルのシリコーン処理済ポリプロピ
レンフィルムのシリコーン処理面に固型分として40g
/rrfの塗付量になるように塗付した。その後、溶剤
を徐々に揮散させて、この上に厚さ80ルの片面コロナ
処 、理済のポリエチレンフィルムのコロナ処理面を貼
り合せ、粘着剤を転写することによってポリプロピレン
フィルムを剥離台紙とするポリエチレンフィルム基材ニ
トログリセリン含有テープにトログリセリン含有量8m
g/100crrf)が得られた。このテープを所定の
大きさに裁断後、アルミニウム積層ポリエチレンフィル
ム製の袋の中に封入し保存した。
本テープの薬効試験の成績は、前述の実施例3とほぼ同
程度で良好であった。
実施例 5 素練りした天然ゴム(ベールクレープ)10g、極性基
を有する粘着付与樹脂(荒用工業化学■エステルガムH
)4g、極性基を有しない粘着付与樹脂としての飽和脂
環式石油系樹脂(三井石油化学■製: FTR−610
0)4gおよび老化防止剤としてブチルヒドロキシトル
エン0.1gをn−ヘキサン90gとトルエンlogか
らなる混合溶剤中に攪拌溶解した。
この粘着剤をシリコーン処理したポリエチレン積層11
11?紙上のシリコーン処理面に固型分が32g/rr
fになるように塗付して乾燥した。この粘着面上に、片
面をマット加工し、その反対面はコロナ処理をした厚さ
80ルのポリエチレンフィルムのコロナ処理面を貼り合
せて、剥離紙付きポリエチレンテープを得た。
次に、このポリエチレンテープの剥離紙を除去しながら
粘で面に水添ラノリンを主成分とする10%のニトログ
リセリン軟膏をBg/rn’の割合で塗付し、ただちに
その上を厚さ65ルのシリコーン処理済アルミニウム積
層ポリエチレンフィルムのシリコーン処理面で被覆し、
40℃で約5日間熟成することによって、アルミニウム
積層ポリエチレンフィルムを剥離台紙とするポリエチレ
ンフィルム基材ニトログリセリン含有テープにトログリ
セリン含有18mg/ 100 crrr’)が得られ
た。
このテープを所定の大きざに裁断後、アルミニウム積層
ポリエチレン袋中に密封保存した。
木テープの貼付試験によるニトログリセリン残存率は、
貼付1時間後で96%、2時間後で93%、4時間後で
88%、8時間後で65%であった。また、本テープ片
5X7crrfにトログリセリン実測含Q 2 、8 
m g )を健常人の左上腕部に貼付したところ、貼付
1時間で極く軽度の頭痛を訴えたが、試験継続には支障
なく、8時間後にテープ片を剥離した。
実施例 6 素練りした天然ゴム(ベールクレープ)8gとスチレン
−イソプレン熱可塑性ゴム(シェル化学社製クラトンT
R−11107)2を混疎し、これに極性基を有する粘
着付与樹脂として水添ロジンペンタエリスリトールエス
テル(バーキュレス社製ペンタリン−H)4[、極性基
を有しない石油系脂環式粘着付与樹脂(日本ゼオン■製
りイントンD−1,00)6g、軟化剤としてポリブテ
ン(日本石油化学■製HV−300)2.5gおよび老
化防止剤としてブチルヒドロキシトルエンo、Igを加
えて攪拌した。これをn−ヘキサン90gに攪拌しなが
ら溶解した0次いでニトログリセリンのトルエン5%溶
液9.04gを添加してよく攪拌し、厚さ65ルのアル
ミニウム積層ポリエチレンフィルムのシリコーン処理面
に固型分力40 g / rn’の塗付lとなるように
塗付した。ついで、この塗付フィルムを粘着面を上にし
て温度約40℃の熱板上で徐々に溶剤を揮散させた後。
粘着面の上に厚さ80ルの片面コロナ処理済ポリエチレ
ンフィルムのコロナ処理面を貼り合せ、粘着剤を転写す
ることによってアルミニウム積層ポリエチレンフィルム
を剥離台紙とするポリエチレンフィルム基材ニトログリ
セリン含有テープにトログリセリン含有18 m g 
/ L OOc rrr’ )が得られた。このテープ
を所定のサイズに裁断後、アルミニウム端層ポリエチレ
ン袋にc!!:14保存した。
本テープの薬効試験の結果は、前述の実施例5とほぼ同
程度で良好であった。
実施例 7 素練りした天然ゴム(ベールクレープ)10g、極性基
を含まない石油系脂環式粘着付与樹脂(エッソ化学■製
:エスコレッツ1202U)10g、極性基としてエス
テル基を少量含有する軟化剤として精製ラノリン2.5
gおよび退化防止剤としてブチルヒドロキシトルエンO
,Igを、n−ヘキサン85gとトルエン15gからな
る混合溶剤に攪拌溶解した0次いで、ニトログリセリン
の酢酸エチル5%溶液を9.04g添加して、よく撹拌
して粘着液を調製した。
次に、この粘着液を厚さ90戸のシリコーン処理済のポ
リプロピレンフィルムのシリコーン処理面に固型分が4
0g/rrr′の塗付量になるように塗(qL 、徐々
に溶剤を揮散させたのち、粘着面の上に、片面をマット
加工し、その反対面はコロナ処理した厚さ80円のポリ
エチレンフィルムのコロナ処理面を貼り合せ、粘着剤を
転写することによってポリプロピレンフィルムを剥離台
紙とするポリエチレンフィルム基材ニトログリセリン含
有テープにトログリセリン含有、!18 m g / 
100c rn’ )が得られた。このテープを所定の
大きさに裁断した後、アルミニウム積層ポリエチレン袋
中に密月保存した。
本テープの貼付試験によるニトログリセリン残存率は、
貼付1時間後で93%、2時間後で88%、4時間後で
70%、8時間後で35%であり、経皮吸収は良好であ
った。また1本テープ片5X7crn’にトログリセリ
ン実測含量2.5mg)を健常人の左上腕部に貼付した
ところ、貼+t 20分後から頭痛を訴え、3時間後で
は頭痛、動悸が激しくなったので試験を中止した。しか
し、本テープの場合でも、テープ片の面積を小さくする
ことによって充分な薬効が期待できることがわかった。
実施例 8 X線すしたインプレンゴム(クラレ■製クラプレンIR
−10)10gとカオリンクレー(上屋カオリン■製N
Nカオリン)10gの混練物に、極性基を有しない粘着
付与樹脂としてポリ−β−ピネン樹脂(エッソ化学■製
ピコライトs5−1O0)8、弱い極性基を有する軟化
剤として鞘型ラノリン4.5gおよび老化防止剤として
ブチルヒドロキシトルエン0.1gを、n−へ−t−サ
ン90gとトルエンlOgからなる混合溶剤中に攪拌溶
解した。ついでニトログリセリンのトルエン5%溶液を
13.04g添加して、よく攪拌して粘着液を調製し、
厚さ90%のシリコーン処理済のポリプロピレンフィル
ムのシリコーン処理面に固型分が40g/rry’の塗
付1となるように塗付した後、徐々に溶剤を揮散させた
。この粘着面の上に、更に、片面をマット加工し、その
反対面をコロナ処理した厚さ80JLのポリエチレンフ
ィルムのコロナ処理面を貼り合せ、粘若剤を転写するこ
とによってポリプロピレンフィルムを剥離台紙とするポ
リエチレンフィルム基材ニトログリセリン含有テープに
トログリセリン含有量8 m g /f00crn’)
が得られた。このテープを所定の大きさに裁断した後、
アルミニウム積層ポリエチレン袋中に密封保存した。
本テープの薬効試験の結果は実施例7とほぼ同程度で良
好であった。
実施例 9 素練りした天然ゴム(ベールクレープ)10g、極性基
を含有する粘着付与樹脂(荒用化学工業v41!エステ
ルガムH)10g、少量の極性基を含有する軟化剤とし
て精製ラノリン2g、極性基を有しない軟化剤として白
色ワセリン0.5gおよび老化防止剤としてブチルヒド
ロキシトルエン0.1gを、n−へキサy90gとトル
エン10gからなる02合溶剤中に溶解した。ついで、
ニトログリセリンの#酸エチル5%溶液9.04gを添
加し、よく攪拌して厚さ90鉢のアルミニウム積層ポリ
エチレンフィルムのシリコーン処理面に1;!、1型分
が40 g / m″の塗付ムtになるように塗付し、
徐々に溶剤を揮散させた。この粘着面上に、片面をマッ
ト加工し、その反対面をコロナ処理済の厚さ80トのポ
リエチレンフィルムのコロナ処理面を貼り合せ、粘若剤
をポリエチレンフィルムに転写することによってアルミ
ニウム積層ポリエチレンフィルムを剥離台紙とするポリ
エチレンフィルム基材ニトログリセリン含有テープにト
ログリセリン含有量8mg/ 100 crn’)が得
られた。このテープを所定の大きさに裁断後、アルミニ
ウム積層ポリエチレン袋中に密封保存した。
本テープの貼付試験によるニトログリセリン残存率は、
貼付1時間後で94%、2時間後で88%、4時間後で
76%、8時間後で57%であった。また、本テープ片
5X7crn’(ニ)ログリセリン実測含量2.6mg
)を健常人の左胸部に貼付したところ、貼付20分頃か
ら頭痛を訴えたが試験を中止する程ではなく、6時間後
に頭痛が激しくなって試験を中止するまで軽度の頭痛が
継続した。
また、本テープを健常人に貼付したときの血圧と心拍数
の変化を追跡した結果を第1図および第2図に示した0
本テープ片7X10crn’にトログリセリン含量5.
4mg)、貼付時間60分で試験した。第1図および第
2図において、横軸は時間の経過を示し時間0分の時に
試料を貼付し、時間60分の時に試料を剥離した。貼付
してから約10分後には被検者の動悸が激しくなり、貼
付してから約30分後には被検者が軽度の頭痛を訴えた
が、剥離してから約20分後には動悸も頭痛も正常に復
した。また、ニトログリセリンの経皮吸収によって収縮
期血圧の降下および心拍数の増大がr!1察された。
同時に、心電図(第■誘導)を記録したが、貼付による
変化はほとんど認められなかった。
従って1本テープは、貼付面積を適当に選ぶことによっ
て心臓疾患の治療、予防用テープとして適していること
が示された。
参考例 l ニトログリセリン安定化試験 上記実施例で得たニトログリセリン含有テープをアルミ
ニウムパック中に密封保存したもののニトログリセリン
安定性試験を行った。その結果を第1表に示すが、その
安定性は極めて良好であった。なお、保存条件は第1表
に示すとおりであった。
第1表 参考例 2 門効薬理試験 ベンドパルビタール麻酔したピーグル犬を用いて、前記
実施例9で得られたニトログリセリン含有テープ(7X
IOcrn’、ニトログリセリン含有l 2 、6 m
g )貼付による血行動態の変化を調べた。
使用したピーグル犬は体19.8kgで、実施例9のテ
ープをカミソリで剃毛したピーグル犬の左側胸部に90
分間貼付した。その結果を第2表に示す。
その結果によると、貼付15分後より収縮期血圧、左室
内圧および右心房圧を低下させ、冠動脈血流量は増加し
た。これらの変化はテープ剥m後60分でほぼ貼付前の
値に回復した。すなわち、本発明品の貼付は、心臓への
前負荷および後負荷を減少し、心臓の仕事量を軽減し、
冠血流量を増大することにより虚血性疾患に有効である
ことが示された。
参考例 3 臨床例−安静狭心症予防 45才男子で、4年前から夜間午前1時から午前5時の
間に胸骨下に5分間はど続くにぷい痛みをときどき経験
するようになって、1年前から発作が頻繁になり、苦痛
は絞扼感を伴ない肩胛部、アゴ部などに拡散するように
なった。この患者にカルシウム拮抗剤に替えて実施例9
で得られたニトログリセリン含有テープの最大許容量(
この場合5X6cm’、ニトログリセリン含有@2.2
mg)を就寝時に左胸部に貼付したところ、発作をほぼ
完全に防止することができた。
参考例 臨床例−労作性狭心症治療 一週間に5回はど狭心症発作を起こす58才の男子に、
実施例6で得られたニトログリセリン含有テープの最大
許容量(この場合、5X8crn’、ニトログリセリン
含i3.Omg)を投与、左胸部に貼付した。この貼付
前後に運動負荷試験(Graded Exsrcige
 Te5t )  (GET)を行ったところ、貼付し
ない場合1.5mmのST降下を伴なう胸痛が認められ
、GET持続時間が300秒であったものが、ニトログ
リセリン含有テープ貼付後3時間には、ST降下はl 
、OmmでGET持続時間705秒、5時間でST降下
は0.8mm、GET持続時間685秒と大巾なST降
下の改善ならびに運動機能増大を認めた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明によるニトログリセリン含有テープ貼
付時の血圧の変化を示すグラフであり、第2図は本発明
のよるニトログリセリン含有テープ貼付時の心拍数の変
化を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)基材または不透過性保護シートの面上に、(A)
    [1]天然ゴム、イソプレン系ゴム、イソブチレン系ゴ
    ム及びスチレンを共重合成分として含むジエン系ゴムか
    ら選択されたゴム系粘着剤基剤と、 [2]極性基を有する粘着付与樹脂 を必須成分とし、所望により極性基を有しない粘着付与
    樹脂を含有する感圧性粘着剤の層、(B)該感圧性粘着
    剤層の面上に、ニトログリセリンの所要量をゴム系粘着
    剤用の軟化剤中に均一に溶解した軟化剤層、 (C)さらに、その軟化剤層の面上に、不透過性保護シ
    ートまたは基材を有するように形成したテープまたはシ
    ートを、 ニトログリセリンが安定な温度に保持熟成し、軟化剤と
    共にニトログリセリンを粘着剤層に移行させることを特
    徴とするニトログリセリンを含有する感圧性粘着テープ
    またはシートの製造方法。
  2. (2)[1]天然ゴム、イソプレン系ゴム、イソブチレ
    ン系ゴム及びスチレンを共重合成分として含むジエン系
    ゴムから選択されたゴム系粘着剤基剤と、 [2]極性基を有する粘着付与樹脂及び極性基を有する
    軟化剤からなる群から選択された少なくとも一種の極性
    物質および [3]ニトログリセリン を必須成分とし、 [4]さらに所望により、極性基を有しない粘着付与樹
    脂及び極性基を有しない軟化剤からなる群から選択され
    た少なくとも1種の非極性物質を加えて調製した感圧性
    粘着剤を、 剥離紙に塗布し、その粘着剤層の面を基材で被覆するこ
    とを特徴とするニトログリセリンを含有する感圧性粘着
    テープまたはシートの製造方法。
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