JPS6323244Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用外装品、特に装飾部材の取付
構造に関するものである。

従来、例えば自動車のラジエタに対応する車体
側に取付けるグリル１は第１図に示す如く、その
表面側方向に突出する略矩形状の突出部２を有す
るものがあり、この突出部２の表面側を被うよう
な装飾部材を取付ける方法としては種々提案され
ている。例えば上記突出部２を被うようにチヤン
ネル状に形成された装飾部材をネジ，クリツプな
どの部材を用いて取付ける方法が提案されている
が、これによれば部品点数が多くなりかつこれら
ネジなどが自動車の振動で脱落するという欠点を
有する。また装飾部材自体にプレス加工等の二次
加工を施して突出片を設け、この突出片をグリル
１の一部に設けた孔に挿入する如くして取付ける
方法も提案されているが、これによれば突出片を
形成する為に装飾部材に施こす加工のコストが高
くなり、また突出片近傍の装飾部材表面が変形し
てしまう。

本考案の目的は、自動車用外装材に設けた矩形
状の突出部の表面側を被う装飾部材をワンタツチ
で取付け可能とし、かつ自動車の走行中において
容易に脱落しないようにするものであり、以下実
施例を用いて詳細に説明する。

第２図ないし第４図は本考案による自動車用外
装品の一実施例を示す簡略構成図であり、特に自
動車の前部側に取付けるグリルの一例を示すもの
であり、各図においてグリル１０は平板状になつ
ており、図示しない通気孔等を有し、またその一
部を変形してその表面側方向に矩形状に突出させ
てなる凸部１１を有しており、この凸部１１にお
ける一方の立上り側壁１７には互いに近接する如
く設けられた上下方向に延長する切欠部１２，１
２が設けられ、さらにグリル１０における基部の
平坦部１３側には上記両切欠部１２，１２にその
両端側が接続される孔１４が形成される。上記切
欠部１２，１２の間によつて得られる舌片１５は
凸部１１の側壁１７よりも外側方向に突出する如
く傾斜しており、このような舌片１５によつて第
３図，第４図に示すように成形された装飾部材２
０を固定することができる。装飾部材２０は凸部
１１の平坦部１６、立上り側壁部１７を一体に被
う如く略チヤンネル状に成形されたもので、この
一方の側壁部２１の先端側は内側方向に折り返さ
れてストツパ片２４となつており、このストツパ
片２４の先端側は舌片１５の先端側の端面１８に
当接する如くその長さが設定されている。また、
他方側の側壁部２５は若干内側方向に傾斜する如
く撓んでおり、グリル１０に装着された際に凸部
１１の一方の側壁部１７に圧接することによつて
この一方の側壁部１７の面にならうように変形し
側壁部１７の表面側にその内面側が密着状態とな
る。すなわち、凸部１１に装着部材２０が装着さ
れた状態においては装飾部材２０は凸部１１の表
面外形と略同一の矩形状の外形を呈することにな
る。

従つて、以上の構成によれば、装飾部材２０を
凸部１１の表面側方向にあてがつて押圧力を加え
ることにより、凸部１１側壁部１７，１７側に装
飾部材２０の側壁部２１，２５側が圧接した状態
で下方にスライドし、このとき舌片１５がストツ
パ片２４の押圧力で内側に撓んだ後、元の位置に
復旧し、この舌片１５の先端面１８にストツパ片
２４の先端が当接するので、このストツパ片２４
の係止力によつて、さらには、装飾部材２０の両
側の側壁部２１，２５の凸部１１を挾む力によつ
て装飾部材２０は取り外し不能となり、確実にグ
リル１０に固定されることになる。

従つて、本考案によれば装飾部材２０に対して
はストツパ片２４を設けるだけであり、このよう
なストツパ片２４は装飾部材の例えばロール成形
時に同時に成形し得るもので、別途成形後の装飾
部材をプレス成形工程等に供して二次加工を行う
必要がないので製造コストを著しく低減でき、ま
た、嵌着に際しては舌片１５のみが撓むだけで装
飾部材は何等変形しないので、装飾部材の一部が
嵌着時に変形することがなく、また、装飾部材と
して剛性を有する全く撓まない材料を選択でき
る。

以上説明したように本考案による自動車用外装
品よれば、自動車用外装品の基部の平担部に形成
された孔の両端側より延長して上記立上り側壁に
形成された両切欠部の間に形成され立上り側壁の
表面方向に傾斜する如く下方に張り出す弾性変形
可能な舌片を設け、上記装飾部材の長手方向全長
にわたつてその側壁部の先端側を内側方向に折り
返すようにして設けたストツパ片の先端側を上記
舌片の先端面側に係止するようにしたので、装飾
部材を自動車用外装品に対し迅速に取り付けるこ
とができるとともに固定が確実となり、自動車の
走行中の振動が脱落することがなく、また装飾部
材の加工コストを低減できる。

なお、本考案においてはストツパ片２４を有す
る側壁部２１を装飾部材２０の一方側に設けるも
のとして説明したが、両側に設けるようにし、こ
れを凸部１１の両側に設けた切り起こし片１５に
係止するようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動車用外装品の一例を示す簡
略構成図、第２図ないし第４図は本考案による自
動車用外装品の一実施例を示す簡略構成図であ
る。 １０……グリル、１１……凸部、１２……切欠
部、１３……基部の平坦部、１４……孔、１５…
…舌片、２０……装飾部材、２１，２５……側壁
部、２４……ストツパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車用外装品の表面側に形成された略矩形状
   の凸部の表面側を被う如くチヤンネル状に成形さ
   れた装飾部材の取付構造において、上記外装品の
   凸部の少なくとも一方の立上り側壁部に、上記外
   装品の基部の平坦部に形成された孔の両端側より
   延長して上記立上り側壁に形成された両切欠部の
   間に形成され立上り側壁の表面方向に傾斜する如
   く下方に張り出す弾性変形可能な舌片を設け、上
   記装飾部材の長手方向全長にわたつてその側壁部
   の先端側を内側方向に折り返すようにして設けた
   ストツパ片の先端側を上記舌片の先端面側に係止
   するようにしたことを特徴とする自動車用外装
   品。