JPS6322836Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はメイズ、牧草等を収穫する収穫機に関
し、収穫物を伴走コンテナ等の所望個所へ的確且
つ良好に放出できるようにすることを目的とす
る。

例えば、メイズハーベスタでは、刈取つたメイ
ズを細かく切断して、この切断したメイズを、上
方側に彎曲突状とされた放出シユートにより伴走
するコンテナ内に放出するようにしている。とこ
ろで、放出シユート先端には、メイズの放出方向
を定めるためのデイフレクタが上下揺動調整自在
に備えられており、従来においては、このデイフ
レクタの調整のみによつてメイズをコンテナ内に
均一に積載するようにしていたが、このデイフレ
クタの調整だけでは、メイズをコンテナ内の所望
個所に的確且つ良好に放出することは困難であつ
た。そのため、従来においては、メイズを伴走コ
ンテナ内に均一に積載することが困難であつて、
人力によつてコンテナ内のメイズをならさないこ
とには、メイズをコンテナ内にその最大積載量ま
で積載することができず、作業を容易に行えない
と共に、メイズの伴走コンテナ外部に飛散する量
も多かつたのが実情である。

本考案は上記実情に鑑み考案されたものであつ
て、その特徴とする処は、収穫物を外部に放出す
る放出シユートを上方側に彎曲突状とした収穫機
において、放出シユート内に、該シユートに対応
するように上方側に彎曲突状とされてその先端か
ら突出する可動シユートを彎曲方向に摺動自在に
備え、該可動シユートを所定摺動位置で固定する
固定手段を備えた点にある。

以下、本考案をメイズハーベスタに適用した一
実施例を第１図乃至第４図の図面に基き説明すれ
ば、第１図は作業状態を示すもので、１はメイズ
ハーベスタで、トラクタ２の後方に３点リンク機
構３を介して昇降自在に装着されている。４はハ
ーベスタ１の側方で伴走するコンテナで、トラク
タ６後方に牽引杆５を介して連結されている。

第２図に示すように、ハーベスタ１は、大別し
て、引込み部７、圧縮部８、裁断部９、放出部１
０等から構成されており、トラクタ２により牽引
されながらメイズＡを刈取つていく。

メイズＡは引込み部７のデイバイダ１１により
案内され、ガイド杆１２で前傾姿勢とされ、引込
みドラム１３によつてその根元が切断され且つ圧
縮部８へ送り込まれる。

圧縮部８へ送られたメイズＡはその下部から圧
縮されて、裁断部９へ送られ、ここで細かく切断
されて、放出部１０の放出シユート１８及び可動
シユート２６によりコンテナ４内に放出される。

第３図及び第４図において更に詳述すると、１
４は裁断部９のケーシングで、圧縮部８との接続
部にメイズ供給口１５を有し、その背部に駆動装
置１６の一部、その一側上部に、連結筒１７を介
してケーシング１４内部と連通する放出シユート
１８、その一側に牽引枠１９が夫々設けられてい
る。牽引枠１９は駆動装置１６の本体を支持して
いる。

供給口１５は長方形状であつて、その供給口縁
に固定刃２０が設けられている。

２１はフライホイールで、ケーシング１４内に
回転軸２２により回転自在に支持されており、こ
のフライホイール２１に周方向等間隔に固設され
た複数の可動刃２３と、固定刃２０とにより供給
口１５から供給されたメイズＡが細かく切断され
る。２４は吹上羽根で、フライホイール２１外周
部に周方向等間隔に複数枚固設されており、切断
されたメイズＡは吹上羽根２４により連結筒１７
を介して放出シユート１８へ送られる。

連結筒１７はケーシング１４側に回動固定自在
に備えられ、トラクタ２の座席近傍からも遠隔操
作可能とされている。

放出シユート１８は連結筒１７に対してヒンジ
２５により起伏自在に備えられて起立姿勢で固定
されている。放出シユート１８は断面角形であつ
て、上方に彎曲突状とされ、その先端側は略水平
方向に開口している。

可動シユート２６は断面角形で、放出シユート
１８と対応するように上方に彎曲突状とされて、
両シユート１８，２６の中心線の曲率半径は同一
とされており、可動シユート２６は放出シユート
１８内にその彎曲方向に摺動自在に備えられて、
放出シユート１８先端から外部に突出している。
２７は弾機で、両シユート１８，２６の先端部側
間に弾引状に介装され、可動シユート２６を放出
シユート１８への没入方向へ付勢している。

２８は左右一対のハンドル杆で、可動シユート
２６先端部両側から両シユート１８，２６の曲率
中心に向つて延設され、固定板２９にボス３０を
介して回動自在に支持されている。３１は操作杆
で、両ハンドル杆２８の長さ方向中途部を連結し
ている。固定板２９は前後方向に面状を呈するも
ので、支持ブラケツト３２を介して放出シユート
１８に支持されている。固定板２９外周部にはラ
チエツト歯３３が多数刻成されている。３４はラ
チエツト歯３３に係脱自在に係合するラチエツト
爪で、操作杆３１側に揺動自在に支持されてお
り、上記係合により、可動シユート２６は所定の
摺動位置に固定される。３５は操作杆３１に固定
された固定レバーで、上記係合を解除するプツシ
ユボタン３６を備えると共に、ラチエツト爪３４
を係合方向に付勢する弾機（図示省略）が内装さ
れている。

３７は溝形材から成るデイフレクタで、その基
部が可動シユート２６先端側に上方側から外嵌さ
れている。デイフレクタ３７基部には縦方向の連
動レバー３８が固設され、デイフレクタ３７及び
該レバー３８を通る支軸３９によりデイフレクタ
３７は可動シユート２６先端部に上下揺動自在に
支持されている。そして、連動レバー３８上端部
と可動シユート２６先端側には弾機４０が弾引状
に介装され、デイフレクタ３７は上方への揺動方
向に付勢されている。４１はデイフレクタ３７を
揺動操作するボーデンワイヤで、その一端が連動
レバー３８下端に連繋され、他端が、トラクタ２
の座席近傍等に配置された操作レバー（図示省
略）に連繋されている。

上記のように構成した実施例によれば、作業時
には、第１図に示すように、メイズハーベスタ１
の側方をコンテナ４を伴走させると共に、両シユ
ート１８，２６をコンテナ４側に向けた状態で作
業を行うのであり、ハーベスタ１で刈取られて細
かく切断されたメイズＡは吹上羽根２４により吹
上げられ、両シユート１８，２６を介してコンテ
ナ４内に放出されるのである。この場合におい
て、可動シユート２６を適当に摺動調整すること
により、メイズＡの放出方向を的確且つ容易に変
更することができ、メイズＡをコンテナ４の幅方
向所望個所に的確且つ良好に放出できる。従つ
て、ハーベスタ１とコンテナ４との前後方向に関
する相対位置調整又は放出シユート１８の回動
と、上記可動シユート２６との摺動調整とを組合
わせることにより、メイズＡをコンテナ４内の所
望個所に的確且つ良好に放出することができ、人
力によつてコンテナ４内のメイズＡをならさずと
も、メイズＡをコンテナ４内に略最大積載量まで
均一に積載でき、作業を容易に行えると共に、メ
イズＡのコンテナ４，７部への飛散量も小とな
る。

なお、可動シユート２６の摺動調整は次のよう
にして行う。即ち、可動シユート２６を引出す際
には、操作杆３１を持つて可動シユート２６を所
望量引出せばよく、また、可動シユート２６を押
込む際には、固定レバー３５を持つて、プツシユ
ボタン３６によりラチエツト爪３４とラチエツト
歯３３との係合を解除した状態で可動シユート２
６を所望量押込むようにすればよい。

また、上記作業時において、デイフレクタ３７
も適宜調整するようにすれば、作業を更に的確且
つ良好に行うことができる。

なお、実施例は本考案をメイズハーベスタに適
用したものであるが、本考案はその他の収穫機に
対しても適用可能である。

以上詳述したように、本考案は収穫物を容易に
伴走コンテナ内等の所望個所へ的確且つ良好に放
出させることができ、収穫物を伴走コンテナ内に
積載する場合にも、人力によつて伴走コンテナ内
の収穫物をならさずとも、収穫物を伴走コンテナ
内にその略最大積載量まで略均一な状態に容易に
積載することができ、作業を容易に行えると共
に、収穫物のコンテナ外部への飛散量も小とでき
る。本考案は上記利点を有すると共に、その構造
は簡易で、ローコストで実施可能であり、実益大
である。

第５図は本考案とは別の放出シユート一例を示
すもので、放出シユート１８は、ケーシングに固
設される固定シユート４３と、先端側の揺動シユ
ート４４と、両シユート４３，４４を連結する蛇
腹４５とから成り、揺動シユート４４は蛇腹４５
の変形により任意方向に揺動可能とされている。
４６は揺動シユート４４を固定するリンクで、一
端部が揺動シユート４４に枢支され、他端部が、
固定シユート４３に固設された複数の係合片４７
の一個に挿脱自在に挿入されることで、揺動シユ
ート４４が所定の揺動姿勢に固定される。なお、
蛇腹４５には鋼線が螺旋状に内装されて、その変
形には比較的力を要するようにされており、揺動
シユート４４はリンク４６により固定された状態
では振動等によつて揺動したりすることは殆どな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示し、
第１図は全体の簡略平面図、第２図はメイズハー
ベスタの簡略側面図、第３図は要部の正面断面
図、第４図は第３図のＡ矢視図、第５図は本考案
とは別の放出シユート一例を示す正面図である。 １……メイズハーベスタ、４……コンテナ、１
８……放出シユート、２６……可動シユート、３
３……ラチエツト歯、３４……ラチエツト爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 収穫物を外部に放出する放出シユートを上方側
   に彎曲突状とした収穫機において、放出シユート
   内に、該シユートに対応するように上方側に彎曲
   突状とされてその先端から突出する可動シユート
   を彎曲方向に摺動自在に備え、該可動シユートを
   所定摺動位置で固定する固定手段を備えたことを
   特徴とする収穫機の放出装置。