JPS5849070Y2 - 穀稈引起し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、バインダーあるいは他の刈取機、収穫機に
おける殻稈引起し装置に関するもので、刈取幅内の殻稈
とそれ以外にある殻稈とを先端部にまでわたって確実に
分離して後工程の殻稈処理を有利に行わせるようにした
殻稈引起し装置を提供するものである。

すなわち、本考案は機体幅方向に向けて横設した刈刃の
側部に位置させる引起体を、側面視では前低後高となる
ように傾斜させて機体に設置してその傾斜上面に引起し
作用部を形成し、該引起し作用部を適宜の作動手段によ
って機体幅方向に扇動できるようにすると共に、前記引
起し体の下方先端部には分草部を設けて該分草部の機体
内側部に補助引起し具を突設した構成となすことによっ
て、株元部を分草部で大きく左右に分離させられる殻稈
の先端にいたる部分までを、機体幅方向に扇動する引起
し作用部でもって左右に無理なく大きく分離して引離し
ながら整姿するようにしたことを特徴とするものである
。

上記の特徴を有する本考案の一実施例は添付図面に図示
するところであって、以下にこの実施例を説明する。

図は本考案がバインダーに実施される場合を示すもので
、１はその機体である。

機体１は、駆動車輪を嵌着した車軸２０を持つ変速筐１
８から延設の機台に原動機１９を搭載し、その上部には
操縦バンドルを設けるとともに、変速筐１８の前部には
結束伝動ケース１０および結束装置１７を設けて、さら
に、前方にむけ刈取フレームパイプ５，５を延設して構
成される、そして、機体１には刈取フレームパイプ５，
５の間隔内を刈幅とする刈刃９が、機体幅方向に横設さ
れて、公知のものと同様、刈刃９後部に立設される殻稈
もたれ案内板８前面の刈稈搬送路を前記結束装置１７の
結束ポケット部に連絡させて構成されるのである。

上記のような構成になる機体１の進行前部における刈刃
９の側部には、引起し体３，３を設置するが、本考案で
はこの引起し体３をつぎのように構成するのである。

引起し体３は、側面視で前低後高となるように傾斜する
部分を有して形成されるもので、前方下端部４の前後方
向軸心の取付軸を、刈取フレームパイプ５に回動自在に
挿通して支持して、該部より前方に先鋭形状の分草部６
を設ける、しかして、この分草部６から後高に延びる傾
斜部分の上面には、側面視略々■字状の段部２・・・・
・・を連ねて階段状に形成した引起し作用部７に構成し
、該作用部７の後端側は、殻稈もたれ案内板８に対向し
て垂下される支持部１２の下端を結束伝動ケース１０に
回動自在に取付けることによって支持する。

この後端側の支持は、前述の前方下端部４における取付
軸と平行な軸心の取付軸１１によって行うものであり、
したがって引起し体３の引起し作用部は、両取付軸を回
動支点として機体の幅方向に扇動すべく構成される。

また、取付軸１１は、結束伝動ケース１０内の伝動系に
より駆動される偏心回転軸１３である揺動駆動軸にリン
ク１４゜１４で連結され、上記の扇動が強制的に行われ
るように構成されるのである。

２１は、分草部６から機体内側むきに突設される補助引
起し具で、分草部６で分離される殻稈の株元部を大きく
左右に離間させる作用をなすものである。

以上のように構成する本考案装置において、機体の進行
を図り、各処の伝動系を１駆動せしめると、偏心回転軸
１３が回動する、したがって前後取付軸で装着された引
起し体３は、第２図にみられるように揺動して、上面の
引起し作用部７が機体幅方向の内外に往復揺動する。

よって、この作動状態の引起し体３が、立毛殻稈の間を
進行する際は、立毛殻稈の株元部に分草部６が分は入っ
て、刈刃９の刈幅内にある殻稈と、刈幅圏外の殻稈との
株元部を分離し刈幅内の殻稈株元部は補助引起し具２１
で大きく引離されるのであり、これと同時進行で揺動す
る引起し作用部７は、株元分離された殻稈の上部までを
左右に大きく揺り分けて絡まりを解きながら、機体の進
行とあいまって殻稈を引起すのである。

そして引起し作用が完了した刈幅内の殻稈は、株元部を
刈刃９により切断され、結束装置１７により結束されて
圃場面に放出されるのである。

このように本考案は、側面視前低後高に傾斜して傾斜上
面に引起し作用部７を有する引起し体３を、刈刃９上部
の前方から後方にかけて位置させて設置するに、前記引
起し体３の前方下端部は機体進行方向にむく枢軸を中心
に左右揺動できるように刈取フレームに枢支するととも
に、引起し体３の後端部側は下方に折曲垂下させて下垂
端部を機体進行方向にむく枢軸により左右揺動自在に枢
支して取付け、後方垂下端部の枢軸には引起し体を機体
幅方向に扇動させるための揺動駆動軸を連動連結し、か
つ、前記引起し体３の下方先端には分草部６を設けて該
分草部６の機体内側に補助引起し具２１を張出し設置し
て構成するので、刈刃９の刈幅内にある殻稈を株元部か
ら先端部にかけて刈幅外の殻稈と大きく左右に分離させ
る状態に引起すことができ、後工程の作業を有利に行わ
せるものとなったのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本考案装置を
備えるバインダーの全体側面図、第２図は本考案の要部
正面図、第３図は同じく要部平面図である。 １・・・・・・機体、３・・・・・・引起し体、６・・
・・・・分草部、７・・・・・・引起し作用部、２１・
・・・・・補助引起し具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側面視前低後高に傾斜して傾斜上面に引起し作用部７を
   有する引起し体３を、刈刃９上部の前方から後方にかけ
   て位置させて設置するに、前記引起し体３の前方下端部
   は機体進行方向にむく枢軸を中心に左右揺動できるよう
   に刈取フレームに枢支するとともに、引起し体３の後端
   部側は下方に折曲垂下させて下垂端部を機体進行方向に
   むく枢軸により左右揺動自在に枢支して取付け、後方垂
   下端部の枢軸には引起体を機体幅方向に扇動させるため
   の揺動駆動軸を連動連結し、かつ、前記９起し体３の下
   方先端には分草部６を設けて該分草部６の機体内側に補
   助引起し具２１を張出し設置してなる殻稈引起し装置。