JPS6322359Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車用変速機のリバースシフト機
構に関し、特にリバースアイドルギヤをリバース
シフトレバーによつてシフト操作するようにした
ものに関する。

一般に、この種のリバースシフト機構にあつて
は、リバース時にリバースシフトレバーのガタ付
きやリバースアイドルギヤの抜けが発生するとい
う問題がある。そのため、従来、このような問題
に対処するために種々の手段、方法が実施提案さ
れているが、何れも構造が複雑であり、簡単に組
付けることができないという欠点を有していた。

本考案はかかる点に鑑み、上記のようなリバー
スシフト機構において、リバースシフトレバーの
ガタ付き防止およびリバースアイドルギヤの抜け
防止を簡単な構造でもつて行うことができ、かつ
既存のものに簡単に組付けることができるように
したものを提供せんとするものである。

すなわち、本考案は、リバースアイドルギヤを
リバースシフトレバーによつてシフト操作するよ
うにした自動車用変速機のリバースシフト機構に
おいて、先端部に上記リバースシフトレバーの側
縁に接触する突起部を有し、かつ基端部が折り返
されて略コ字状に形成された板バネ部材を備え、
該板バネ部材を、上記リバースシフトレバーを回
動自在に支持するシヤフトに上記基端部にて２点
で支持するとともに回り止めして取付け、リバー
ス時、リバースシフトレバーが上記板バネ部材の
突起部を乗り越えて回動するようにすることによ
り、リバース時のリバースシフトレバーのガタ付
きやリバースアイドルギヤの抜けを上記板バネ部
材の付勢力によつて防止するようにしたものであ
る。そして、この場合、板バネ部材の取付け部と
して既存のリバースシフトレバーのシヤフトを利
用しているので、構造が簡単で、既存のものに対
しても組付けが可能となる。しかも、上記板バネ
部材は、その基端部にて２点支持により該板バネ
部材自体の弾性力を利用してシヤフトに固定して
いるので、該シヤフトに対する板バネ部材の回り
止めを設けるだけで、リバースシフトレバーを押
圧できるようにしてシヤフトに組付けることがで
きるので、板バネ部材の組付けが容易であるとと
もに、組付けのための構造も簡単となる。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第１図および第２図において、１はミツシヨン
ケース、２は該ミツシヨンケース１内に設けられ
たリバースアイドルシヤフト、３は該リバースア
イドルシヤフト２に摺動自在に嵌合されたリバー
スアイドルギヤであつて、該リバースアイドルギ
ヤ３をメインリバースギヤとリバースギヤとの間
に介在せしめて駆動力をリバースギヤに伝達する
ようになされている。

上記リバースアイドルギヤ３のボス部３ａには
環状の係合溝４が設けられている一方、該係合溝
４に係合する係合部５ａを先端に有するリバース
シフトレバー５が設けられ、該リバースシフトレ
バー５の基端部はリバースレバーシヤフト６に回
動自在に支持されているとともに、リバースシフ
トレバー５の中途部にはシフト方向（第１図左右
方向）に対して直角方向、つまりセレクト方向の
長溝孔７が設けられ、該長溝孔７には、シフト方
向に移動操作されるシフトロツド８に固定された
シフトゲート９のピン１０が係合しており、リバ
ース時、シフトロツド８のリバースシフト方向Ｘ
の移動操作によりリバースシフトレバー５を第１
図時計方向に回動せしめて、リバースアイドルギ
ヤ３を第１図実線で示すニユートラル位置から第
１図仮想線で示すリバース位置にシフト操作する
ように構成されている。

そして、上記リバースレバーシヤフト６にはプ
レス成形よりなる板バネ部材１１がその基端部１
１ａにて取付けられている。すなわち、該板バネ
部材１１は、その基端部１１ａが折り返されてコ
字形状に形成されて、リバースレバーシヤフト６
に２点で支持されかつ回り止めされて固定されて
いるとともに、先端部１１ｂには突起部１２がプ
レス成形により一体に略球面状に形成され、該突
起部１２はニユートラル時、上記リバースシフト
レバー５のリバースシフト方向側縁５ｂに接触し
ており、リバース時、リバースシフトレバー５が
上記突起部１２が乗り越えて回動し、上記板バネ
部材１１のバネアクシヨンによりリバースシフト
レバー５をその位置に押圧保持するように構成さ
れている。尚、１３は上記板バネ部材１１をリバ
ースレバーシヤフト６に回り止め固定する止めピ
ンである。また、上記シフトロツド８のリバース
シフト方向Ｘと反対の方向は５速シフト方向Ｙと
なるようにしている。

したがつて、上記実施例においては、リバース
時には、シフトロツド８のリバースシフト方向Ｘ
の移動操作によりリバースシフトレバー５を介し
てリバースアイドルギヤ３が第１図実線で示すニ
ユートラル位置から第１図仮想線で示すリバース
位置にシフト操作される。その際上記リバースシ
フトレバー５は、ニユートラル時その側縁５ｂに
接触していた板バネ部材１１の突起部１２を乗り
越えて回動するので、リバース時には該板バネ部
材１１の第２図仮想線で示す如きバネアクシヨン
によつてリバース位置に押圧保持され、それに伴
つてリバースアイドルギヤ３も上記リバース位置
に確実に保持されることになり、よつてリバース
時のリバースシフトレバー５のガタ付きおよびリ
バースアイドルギヤ３の抜けを確実に防止するこ
とができる。特に、上記板バネ部材１１は２点支
持により該板バネ部材１１自体の弾性力を利用し
てリバースレバーシヤフト６に固定しているの
で、該リバースレバーシヤフト６に対する板バネ
部材１１の回り止め（止めピン１３）を設けるだ
けで、リバースシフトレバー５を押圧した状態で
リバースレバーシヤフト６に容易に取付けること
ができ、よつて板バネ部材１１による確実なバネ
アクシヨンが得られ、上記ガタ付き防止効果およ
び抜け防止効果を一層確実にかつ効果的に発揮す
ることができるとともに、リバースレバーシヤフ
ト６への組付けが容易でかつ組付けのための構造
が簡単となる。これに対し、１点支持であると、
板バネ部材１１のリバースレバーシヤフト６への
取付け構造、つまりリバースシフトレバー５を押
圧できるようにして板バネ部材１１をリバースレ
バーシヤフト６に取付け固定する（回り止めも含
む）構造が複雑となることから、上記２点支持構
造は著効を発揮する。

しかも、上記板バネ部材１１をリバースレバー
シヤフト６に取付けるだけで上記効果を発揮する
ものであるので、、構造が極めて簡単であり、ま
た既存のリバースシフト機構に対しても簡単かつ
容易に組付けることができ、よつて安価にかつ容
易に実施することができる。さらに、板バネ部材
１１の突起部１２をプレス成形により一体成形す
れば、より一層コストダウンを図ることができ
る。

以上の如く、本考案によれば、板バネ部材を、
リバースシフトレバーを回動自在に支持するシヤ
フトに取付けるという簡単な構成によつて、リバ
ース時のリバースシフトレバーのガタ付きおよび
リバースアイドルギヤの抜けを確実に防止するこ
とができ、よつて、構造が簡単で、既存のものに
対しても簡易に組付けが可能であり、低コストで
かつ容易に実施できるという実用上優れた効果を
有するものである。

さらに、上記板バネ部材は２点支持により該板
バネ部材自体の弾性力を利用してシヤフトに固定
しているので、該シヤフトに対する板バネ部材の
回り止めを行うだけで、リバースシフトレバーを
押圧した状態でシヤフトに簡易に取付けることが
でき、よつて確実なバネアクシヨンが得られて上
記ガタ付きや抜け防止効果を一層確実に発揮でき
るとともに、シヤフトへの組付けの容易化および
その構造の簡単化を一層図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は要部の
縦断正面図、第２図は要部の縦断側面図である。 ３……リバースアイドルギヤ、５……リバース
シフトレバー、５ｂ……側縁、６……リバースレ
バーシヤフト、８……シフトロツド、１１……板
バネ部材、１２……突起部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) リバースアイドルギヤをリバースシフトレバ
   ーによつてシフト操作するようにした自動車用
   変速機のリバースシフト機構において、先端部
   に上記リバースシフトレバーの側縁に接触する
   突起部を有し、かつ基端部が折り返されて略コ
   字状に形成された板バネ部材を備え、該板バネ
   部材を、上記リバースシフトレバーを回転自在
   に支持するシヤフトに上記基端部にて２点で支
   持するとともに回り止めして取付け、リバース
   時、リバースシフトレバーが上記板バネ部材の
   突起部を乗り越えて回動するようにしたことを
   特徴とする自動車用変速機のリバースシフト機
   構。 (2) 突起部はプレス成形により一体成形されてい
   る実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の自動車
   用変速機のリバースシフト機構。